FastSeries ブログ
2025/04/16
オムニチャネル化とは?意味やコンタクトセンターでの導入事例を紹介
顧客との接点となるあらゆる経路を活用して、シームレスな顧客対応が可能になるオムニチャネルは、顧客満足度の向上や業務効率化につながります。オムニチャネルは、近年、商品・サービスの販売促進のために採用する企業が増えていますが、どのようなビジネスモデルなのかよくわからない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、オム二チャネル化するメリットや戦略のほか、コンタクトセンターのオムニチャネル化について、導入事例も含めて解説します。

顧客との接点となるあらゆる経路を活用して、シームレスな顧客対応が可能になるオムニチャネルは、顧客満足度の向上や業務効率化につながります。オムニチャネルは、近年、商品・サービスの販売促進のために採用する企業が増えていますが、どのようなビジネスモデルなのかよくわからない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、オム二チャネル化するメリットや戦略のほか、コンタクトセンターのオムニチャネル化について、導入事例も含めて解説します。
オムニチャネ化とは様々なメディアを活用し、販売促進につなげること
オムニチャネル(Omni-Channel Retailing)化とは、企業と顧客の接点となるあらゆる経路を融合させる販売戦略のことをいいます。店舗やECサイト、SNS、カタログなど、いくつかのメディアを連携して顧客にアプローチし、商品やサービスの販売促進につなげます。
■オムニチャネルと顧客の関係
また、コンタクトセンターにおいてもオムニチャネルは注目されています。コンタクトセンターでのオムニチャネルとは、電話応対だけでなくSNSやメール、SMSなど、複数のメディアを活用して、顧客の問合わせにシームレスに対応することを指します。
オムニチャネルは、消費者行動が多様化している現代において、様々なチャネルから顧客にアプローチできるビジネスモデルとして注目されています。
マルチチャネルとの違い
オムニチャネルとマルチチャネルの違いは、実店舗とECサイトなどのチャネルが連携しているかどうかです。マルチチャネルでは、顧客にアプローチする複数のチャネルがあるものの、各チャネルは独立していて連携していません。一方、オムニチャネルは、すべてのチャネルで顧客管理や商品管理、物流などが統合され、どのチャネルからでも顧客が意識することなく商品やサービスを購入することができます。
■オムニチャネルとO2O、OMOの違い

O2Oとの違い
オムニチャネルとO2O(Online to Offline)の違いは、誘導の有無です。O2Oとは、オンラインからオフライン、またはオフラインからオンラインへと顧客を誘導して、販売促進につなげることです。例えば、ECサイトを利用する顧客に対し、実店舗で使えるクーポンなどを提供したり、位置情報サービスなどで積極的に来店を促したりすることで、売上拡大を狙います。
一方でオムニチャネルは、顧客に販売経路の誘導は行いません。実店舗とネットショップの境目がないため、利用するチャネルの選択は顧客に委ねられます。
OMOとの違い
OMO(Online Merges with Offline)とオムニチャネルは、オンラインとオフラインを区別しているかどうか、さらには企業視点か顧客視点かという違いがあります。OMOはオムニチャネルをさらに発展させた新たなマーケティング概念であり、オンラインとオフラインを併合して、より良いCX(顧客体験)を提供するビジネスモデルです。例えば、モバイルオーダーをした商品を店舗で受け取ったり、店舗で購入した商品の色違いや類似品などをオンラインでおすすめしたりするなど、顧客の視点に立ち、より効率的な消費体験を顧客に与えることを目的とします。
一方、オムニチャネルは、オンラインとオフラインを区別しながらも、すべてのチャネルをシームレスにつなげて、顧客行動を最適化させるビジネスモデルです。OMOとは違い、企業の視点で顧客との接点を広げることを目的にしています。
オムニチャネル化が注目される理由
オムニチャネル化が注目されるようになった大きな理由に、スマートフォンとSNSの普及があります。スマートフォンがあれば、どこにいても商品情報を収集・比較して購入することができるようになりました。また、SNSの普及により消費者が発信する情報が重要視され、企業が発信する情報が届きにくくなっています。そうした背景があって、企業側もオムニチャネル化という戦略を取り入れて、他社との差別化を目指すようになったのです。
コンタクトセンターをオムニチャネル化するメリット
顧客の消費環境の変化から注目されるようになったオムニチャネル化は、導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、3つのメリットをご紹介します。
購入機会損失の低減
オムニチャネル化するメリットは、顧客の購入機会損失を低減できることです。オムニチャネル化すると、各販売経路を統合的に管理できるため、適切な在庫管理が可能です。これにより、商品の購入を検討していた顧客が他店で代わりの商品を購入したり、購入自体をやめてしまったりするといった、「商品の在庫があるのに提供できない」というリスクを避けることができます。
また、コンタクトセンターをオムニチャネル化することで、顧客の過去の注文履歴などが一元化され、顧客からの問合わせに手間なく、スムーズに対応できることも、購入機会損失を防ぐことにつながります。
顧客満足度の向上
オムニチャネル化は、顧客がスムーズに商品を購入できたり、カスタマーサポートをより便利に使えたりすることで、顧客満足度の向上に役立ちます。
例えば、実店舗に欲しい商品の在庫がなかった場合、オムニチャネル化されていれば、店舗内のスタッフがその場で他店舗やECサイトの在庫を確認できます。顧客みずからECサイトで検索したり、他店舗へ探しに行って購入したりする手間がなくなるのです。
また、コンタクトセンターがオムニチャネル化していれば、ECサイトで商品の購入を検討している顧客が、商品や注文方法について問合わせた際に、最初はチャットボットで対応し、その後はオペレーターへの対応へと移行する際もスムーズに行えます。顧客のニーズに合わせたシームレスな対応ができるため、顧客満足度の向上につながります。
チャットボットについて、詳しくはこちらをご確認ください。
チャットボットとは?仕組みやメリット、課題解決の事例を紹介
商品・サービス利用者数の安定と拡大
複数のチャネルを統合することで、顧客が利用しやすい環境を提供できます。例えば、電話だけでなく、チャットやメールなど、顧客が好むチャネルを選択できることで、サービスの利用頻度が向上し、結果として利用者数の増加につながります。
マーケティングの最適化
顧客への最適なマーケティングができることも、オムニチャネル化するメリットのひとつです。オムニチャネル化すると、すべてのチャネルのデータを一元管理でき、必要なデータを効率良く収集・分析できます。その結果、顧客の生活スタイルや趣味嗜好を把握するなど、顧客個人に着目したマーケティングが可能になり、適切な情報を適切なタイミングで提供できるため、購買意欲を高めることにつながります。
オムニチャネル化戦略を導入するための3つの手順
オムニチャネル化は、様々なチャネルを連携するため、きちんとした手順で導入する必要があります。ここでは、オムニチャネル化するために行うべき3つの手順を紹介します。
1. 自社や競合を調査する
まずは、自社が置かれている環境や、競合他社の動向、競合他社が実施しているオムニチャネルの状況を調査します。その上で、自社がアプローチする顧客を定め、チャネルや販売方法を検討しましょう。
2. 社内の組織体制のルールを決める
オムニチャネル化にあたり、実店舗とECサイト間の一元管理のため、まとめ役となる管理部門が必要になります。また、オムニチャネルでは部門を超えた販売活動が行われるので、売上をどの部門の実績とするかなど、実績配分をあらかじめ定めておくことも大切です。オムニチャネル化するうえで必要な組織体制とルールの構築を行いましょう。
3. 在庫情報や顧客情報を一元管理するシステムの導入
オムニチャネル化するためには、各チャネルの在庫情報や顧客情報、顧客対応履歴などを、一元管理するシステムの導入をおすすめします。特にコンタクトセンター向けCRMシステムは、実店舗とECサイト、コンタクトセンターでの顧客情報が一元管理でき、よりきめ細かいアプローチやサポートが可能です。
例えば、テクマトリックスでは、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」と外部システムであるEC管理システムを連携対応させ、ECモールやECサイトの受注業務と顧客情報を一括管理できます。
また、「FastHelp」は、業務グループごとに画面構成や項目などを自由にカスタマイズできるので、店舗や部署ごとで異なる業務でも対応しやすいのが魅力です。
FastHelpとEC管理システムの連携事例について、詳しくはこちらをご確認ください。
株式会社I-ne様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)
コンタクトセンターをオムニチャネル化する方法
コンタクトセンターをオムニチャネル化するには、適切なシステムの導入と運用の見直しが欠かせません。ここでは、具体的な方法を紹介します。
CRMが連携できるシステムの導入
オムニチャネル化を実現するためには、各チャネルの情報を統合管理できるシステムの導入が必要です。例えば、以下のようなシステムをCRMと連携させることで、スムーズな顧客対応が可能になります。
<CRMと連携できるシステム例>
・FAQシステム:過去の問合わせ履歴やナレッジを活用してFAQを作成し、自己解決を促進
・CTIシステム:電話応対の履歴をデータ化し、顧客情報と紐づけて電話対応をサポート
・IVR・ビジュアルIVR:自動音声応答やIVRメニューを活用し、適切なチャネルへ誘導
・チャットボット・ボイスボット:顧客対応や一次受付を自動化し、オペレーター対応を削減
テクマトリックスが提供する「FastHelp」は、CTI連携など各種システムと連携が可能なコンタクトセンター向けCRMシステムです。また、同じシリーズのFAQナレッジシステム「FastAnswer」、ビジュアルIVR「FastNavigation」、チャットボット「FastBot」、ボイスボット「FastVoice」にも連携できるなど、コンタクトセンターのオムニチャネル化を支援するサービスが整っています。
FAQの見直し
オムニチャネル化は、FAQの充実が欠かせません。顧客が自己解決できるように、検索しやすいFAQを整備し、定期的に更新することで、問合わせ件数の削減につなげます。
FAQの見直しが手間な場合は、FAQナレッジシステムを活用するのも有効です。テクマトリックスの「FastAnswer」は、コンタクトセンターに集まる顧客の声をナレッジとして蓄積し、問合わせの内容や頻度にもとづいてFAQを効率良く作成・更新できるため、顧客に求められる最適なFAQを提供できます。
FAQの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【FAQの作り方】問合わせ削減に向けた手順や構成を解説
FAQの成功事例について、詳しくはこちらをご確認ください。
FAQの成功事例を5つ紹介!問合わせ削減のためのコツと活用イメージ
運用システムのデータの把握
オムニチャネル化を成功させるためには、各システムがどのようなデータを取得・管理できるのかを把握し、活用方法を最適化することが重要です。例えば、「顧客の問合わせ傾向を分析する」「適切なチャネルへ誘導する」などの目的に応じて、どのシステムのデータを利用するかを明確にしましょう。
AI技術を導入する
近年は、コンタクトセンターのシステムにAIを導入し、オペレーターのサポートや業務の削減に役立てるような商品・サービスも増えています。AIを利用すれば、チャットボットやボイスボットを使った柔軟な顧客対応の自動化をはじめ、音声認識サービスを利用した通話内容の要約、VOC分析など様々な業務が可能になります。
例えば、テクマトリックスの生成AI機能群「FastGenie」では、生成AIがリアルタイムで対話内容を要約し、顧客対応時のFAQ自動検索やメール回答文の作成のアシスト機能などAIエージェントも備えており、オペレーターの業務負担の軽減が可能です。
また、同シリーズのAIボイスボット「FastVoice」とCRMシステム「FastHelp」、生成AI機能群「FastGenie」を連携すれば、問合わせ時の挨拶や事前ヒヤリングをボイスボットが担当し、対話内容の要約を生成AIに任せてCRMシステムに素早く入力可能です。この仕組みにより、オペレーター相当数の業務効率化を実現できます。
AIを適切に活用することで、より効率的にオムニチャネル化を実現できるでしょう。
■テクマトリックスのボイスボットと生成AIの活用による業務短縮イメージコンタクトセンターのAI活用について、詳しくはこちらをご確認ください。
コールセンターにおけるAI活用のメリットや導入手順、活用事例
問合わせ対応の自動化について、詳しくはこちらをご確認ください。
社内外の問合わせ対応を自動化する方法は?システムや注意点を解説
チャットボットの導入効果について、詳しくはこちらをご確認ください。
【徹底解説】チャットボットの導入効果や事例、効果測定の方法
コンタクトセンターをオムニチャネル化した導入事例
ここからは、テクマトリックスが提供するコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」を導入して、オムニチャネル化を実現した企業様の導入事例を紹介します。
第一生命保険株式会社様
第一生命保険株式会社様は、全国の営業職員からの問合わせ対応や事務作業のオートメーション化の一環として、スマートセンターを新設。その主軸システムとして、問合わせ履歴が一元管理できるCRMシステム「FastHelp」と、Webチャットシステムを導入しました。
これにより、営業職員の電話番号や社員番号をキーとして、チャットおよび電話の応対履歴がすべて「FastHelp」上で一連の履歴として管理され、オペレーター側で状況をまとめて把握ができるようになりました。また、全国の営業職員がタブレットを経由してチャットができるようになり、チャットボットも有人チャットもひとつのインターフェースに表示されるなど、ストレスなく利用できるようになりました。
第一生命保険株式会社様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
第一生命保険株式会社様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)
株式会社ジェイエイシーリクルートメント様
人材紹介事業を手掛ける株式会社ジェイエイシーリクルートメント様は、コンタクトセンターにて求職者支援や応対管理を行うCRM基盤刷新のため、CMRシステム「FastHelp」を導入しました。導入した理由は、高い安全性かつ拡張性に富んだクラウド環境で動作でき、事業拡大に合わせてスケールアウトしやすく、CTIなど周辺システムとの柔軟な連携ができるためです。
その結果、直感的に操作できるインターフェースやFAQ・トークスクリプトなど、応対に必要な機能が集約され、オペレーターの業務効率化が実現。マルチチャネル対応により電話以外のアプローチ手段が増えて、求職者とつながる機会を増やすことに成功し、面談率が20%アップするなど事業への貢献も果たしています。また、電話やメール、チャット、SMSなどのマルチチャネル対応と、レポート機能の充実、そして業務改善に向けたデータ活用がしやすくなった点も好評です。
株式会社ジェイエイシーリクルートメント様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
株式会社ジェイエイシーリクルートメント様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)
オムニチャネル化するにはCRMシステムでの一元管理がおすすめ
オムニチャネル化はすべての顧客接点を統合し、一貫性のある顧客体験を提供する方法のため、管理システムの導入は重要なポイントとなります。
テクマトリックスのコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」なら、Webチャットシステム「FastText」やFAQシステム「FastAnswer」との連携ができ、よりスムーズなオムニチャネル化が実現します。コンタクトセンターのオムニチャネル化をお考えの方は、お気軽にお問合わせください。
コンタクトセンターのオムニチャネル化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp」
CRMシステムと連携できるWebチャットシステムは「FastText」
FAQ作成の業務効率化を支援するFAQナレッジシステムは「FastAnswer」