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2023/10/31

コンタクトセンター向けCRMとは?導入メリットや成果事例、選び方も解説

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電話やチャット、SNSなどを使って顧客対応を行っているコンタクトセンターでも、近年では、顧客の情報や問合わせ内容などを管理できるCRMの利用が増えてきました。CRMを導入することで、顧客対応のクオリティ向上だけでなく、マーケティングへの活用も可能になります。

この記事では、コンタクトセンター向けCRMの機能や導入のメリット、コンタクトセンター向けCRMを選ぶ際のポイントについて解説します。

CRMとは?

CRM(Customer Relationship Management)とは、「顧客関係管理」または「顧客関係性マネジメント」という意味で、企業と顧客との関係を管理するマネジメント手法です。顧客と良好な関係を構築して、利益を最大化させることがCRMの目的で、それを実現させるツールやシステムもCRMと呼ばれます

従来は、幅広いターゲットに対して一斉にアプローチするマス・マーケティングが主流でしたが、インターネットインフラの普及や顧客ニーズの多様化などによって、マス・マーケティングがうまくいかないことも増えてきました。そこで、企業が顧客のニーズを読み取り、顧客それぞれに合わせたコミュニケーションをとるOne to Oneマーケティングが主流となってきたのです。

この多様化した顧客ニーズを把握するため、顧客に関する情報を収集、分析、管理する手法がCRMです。CRMを行うには、顧客データを一元管理して活用できるツールが必要になります。

コンタクトセンター向けCRMの機能

顧客対応を行うコンタクトセンターでも、コンタクトセンター向けCRMを導入することで業務効率化が可能になります。コンタクトセンター向けCRMには様々な種類がありますが、ここでは、多くのCRMに搭載されている機能をご紹介します


顧客情報管理


コンタクトセンター向けCRMの機能で代表的なのは、顧客情報を管理する機能です。顧客の氏名、性別、年齢、住所などのほか、サービスの利用状況や購買記録、問合わせ履歴、やりとりの内容など、顧客に関連する情報を一元管理することができます。


FAQ作成


コンタクトセンター向けCRMを使えば、コンタクトセンター内で共有するFAQや、企業のHPなどに設置されている「よくある質問」などのFAQも作成しやすくなります。FAQを作成して共有すれば、コンタクトセンターのオペレーターが参照できるため、スピーディーな対応や対応のクオリティ向上にもつながるでしょう。また、外部公開すれば顧客が自己解決することができ、問合わせ数の減少にもつながります。
なお、別途FAQシステムと連携して、より効率的にFAQを作成・参照できるCRMもあります。


CTI連携


電話やFAXとコンピューターを統合させるCTI(Computer Telephony Integration)との連携も、コンタクトセンター向けCRMの代表的な機能といえるでしょう。CTIとCRMを連携させることで、着信があったらその電話番号をもとに、顧客の情報をオペレーターが見ているPC画面上に即座に表示させられます。


ワークフロー


ワークフローは、システム用語としては一般的に業務における申請や承認などの手続きを自動化したシステムのことも指します。また業務の一連の流れを指す言葉ですが、コンタクトセンター向けCRMシステムでは、顧客対応のステータスを管理し関連部門にエスカレーションされる場合の管理までを範囲としていることが多いです。お客様からの問合わせに対してコンタクトセンターの誰がどのような対応を行い、エスカレーションされた部門の誰がどのような対応を行っているかの工程管理が必要となります。特に、大型のコンタクトセンターでは一人のお客様に対して複数の人や部署が関わることが多く、ワークフローが無いとお客様が対応への不満や不安を抱くことになります。そのため重要な機能であると言えます。


データ分析


コンタクトセンター向けCRMには、顧客対応の時間や内容などをデータ化し、分析する機能もあります。分析によって顧客それぞれの傾向を把握でき、対応のクオリティ向上にもつなげられるでしょう。

コンタクトセンター向けCRMを導入するメリット

コンタクトセンター向けCRMには様々な機能があり、顧客対応に活用することで多くのメリットがあります。ここからは、コンタクトセンター向けCRMを導入するメリットについて見ていきましょう。


顧客対応のクオリティ向上


コンタクトセンター向けCRMを導入することのメリットは、顧客対応のクオリティを向上させることです。

例えば、コンタクトセンター向けCRMとCTIを連携させれば、着信とともに顧客情報を呼び出すことができ、スピーディーな顧客対応が可能になります。これまでの問合わせ履歴ややりとりの内容も確認できるため、顧客それぞれに対して適切な対応ができるでしょう。
CRMがなければ、問合わせ履歴をすぐに確認できなかったり、これまでと同じやりとりを繰り返してしまったりと、顧客にストレスを与えてしまうかもしれません。コンタクトセンター向けCRMを導入すれば、顧客に対して適切な対応ができ、顧客にも安心感を持ってもらえます。

また、顧客情報をすぐ参照できたり、ワークフローが整ったりしていれば、顧客対応のレベルをそろえることも可能です。そのため、経験の少ないオペレーターであっても、早期に戦力化できるというメリットもあります。


オペレーターのストレス軽減


オペレーターのストレス軽減につながる点も、コンタクトセンター向けCRMを導入するメリットのひとつです。コンタクトセンターでは、それぞれの顧客に対して事前準備ができるわけではないため、問合わせがあったら、顧客や問合わせ内容に応じたスピーディーかつ適切な対応が必要になります。そのような場合でも、必要な顧客情報やマニュアルをすぐ参照できるため、オペレーターも冷静に対応することが可能です。


マーケティングへの活用


コンタクトセンター向けCRMと分析ツールを連携させて、CRMで管理している情報をマーケティングに活かせるのもメリットといえるでしょう。分析した情報をもとに、リードジェネレーションやリードナーチャリングに活用し、商談化率や受注率アップにつなげることも可能です。

コンタクトセンター向けCRMを導入する際の注意点

コンタクトセンター向けCRMは導入する際にいくつか注意が必要です。下記の注意点を参考に、導入前に確認しておきましょう。


総コストがいくらか把握する


コンタクトセンター向けCRMを導入するにあたっては、導入コストとランニングコストがいくらかかるのかを把握することも大切です。コンタクトセンター向けCRMにはクラウド型とオンプレミス型があり、必須となる基本製品とオプション製品の組み合わせによってもかかるコストは異なります。

クラウド型はインターネット回線を使用してクラウド上のCRMを使用するタイプで、テレワークなど社外にいる時でも使用可能です。初期費用はオンプレミス型に比べて安い傾向がありますが、ライセンス数などに応じて月額費用が変わります。また、オプション機能をつければその分だけ月額費用もアップするため、基本製品の機能をしっかり把握したうえで、必要以上に機能を加えてコストが増えないよう注意が必要です。

オンプレミス型は自社サーバーにCRMをインストールするタイプで、運用・管理には専門的な知識を持った人材が必要になります。コストとしては、サーバーの設置・保守にかかる費用と、CRMのパッケージ費用、使用する人数に応じたライセンス費用がかかります。

いずれにしても、必要以上にコストがかからないよう、自社に合った機能やライセンス数、オプションを確認したり、拡張性のあるCRMを選んだりすることが重要です。


導入まで時間がかかる


コンタクトセンター向けCRMを導入しようと思っても、すぐに導入できるわけではない点に注意しましょう。導入にあたっては、自社に必要な機能を把握するだけでなく、関連する部署と運用のルールを作成したり周知したりする必要があります。導入までには時間がかかるという前提で、計画を立てることが大切です。

コンタクトセンター向けCRMを選ぶ際のポイント

コンタクトセンター向けCRMを導入するにあたって、自社に必要な機能を把握することが大切といっても、どのような点をチェックすればいいのでしょうか。最後に、コンタクトセンター向けCRMを選ぶ際のポイントについて解説します。


ほかのシステムと連携できるかを確認する


コンタクトセンター向けCRMを選ぶ際には、自社で導入しているCTIやSFAなどのツールやシステムと連携できるかを確認します。連携できれば、さらなる業務効率化が可能になったり、マーケティングへの活用ができたりするメリットがあります。

一方、自社で導入しているツールやシステムと連携できなかった場合は、CRMのメリットを十分に得られないだけでなく、連携可能なツールやシステムを新たに導入しなければならないかもしれません。導入時には、必ずツールやシステムとの連携について確認しましょう。


対応チャネルを確認する


どのチャネルに対応しているかを確認することも、コンタクトセンター向けCRMを選ぶ際には重要になります。
顧客とのコミュニケーションが多様化した現在では、電話だけでなくメールやチャット、SNSなど、様々なチャネルで顧客対応を行っているコンタクトセンターも少なくありません。せっかく導入したCRMがすべてのチャネルに対応できていなければ、CRMを導入するメリットも少なくなります。対応チャネルを確認して、自社に合ったCRMを選ぶようにしましょう。


オペレーターの使い勝手を確認する


顧客対応でコンタクトセンター向けCRMを使用するのは、主にオペレーターです。そのため、現場のオペレーターが使いやすいかどうかを確認することも必要になります。
機能が充実していて自社に合ったCRMであっても、現場のオペレーターが使いにくければ業務効率化につながりません。UIが使いやすいかどうか、導入前のトライアルで確認しておくといいでしょう。


セキュリティ機能を確認する


コンタクトセンターでは顧客情報を扱うため、しっかりしたセキュリティを備えていることが大前提となります。特に、クラウド型を導入する場合はセキュリティが心配になりますが、多くのCRMで情報の暗号化やアクセス履歴の保存、バックアップ、IPアドレスによるアクセス制限など、セキュリティ対策を行っています。どのようなセキュリティ機能があるのかを確認するとともに、困った時のサポート体勢も整っているかを確認するようにしてください。

テクマトリックスのコンタクトセンター向けCRMシステムはこちら

コンタクトセンター向けCRM(FastHelp5)の導入事例

ここからは、テクマトリックスが提供するコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp5」を導入して、コンタクトセンターの生産性向上と顧客満足度の向上を実現した企業様の事例をご紹介します。

・ダイキン工業株式会社様

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空調メーカーとして顧客サポートに注力しているダイキン工業株式会社様では、24時間365日のサポート体制で問い合わせ対応を行っているダイキンコンタクトセンターを設置していますが、業務基盤であるCRM環境の老朽化に伴い、新たな環境への移行が必要になりました。
そこで、既存の業務フローを維持して移管できることを前提に、業務効率化やマルチチャネル対応による顧客満足度向上をはじめ、事業貢献につながるアウトバウンドに向けた仕組みづくり、そして障害が発生しても業務が継続できるBCP観点を要件に掲げ、新たなCRM基盤を選定。空調機という季節商品を扱う同社だけに、繁忙期と閑散期の差が激しいコンタクトセンター業務に対応できるよう、同時接続数でのライセンス体系を持つテクマトリックスが提供するコンタクトセンターCRMシステム「FastHelp5」に注目しました。
導入後は、対応完了までの期間が長い案件でも、応対履歴に対して過去の経緯が全て紐付けて管理できるため、引き継ぎ漏れがなくなりお客様満足度の向上を実現しました。また、FastHelp5によって問い合わせカテゴリを軸にした自動引き継ぎなどが可能になっただけでなく、メールも含めた複数チャネルの統合によって管理工数の大幅削減も実現しました。

ダイキン工業株式会社様の取り組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
ダイキン工業株式会社様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)

まとめ

  • コンタクトセンター向けCRMには、顧客情報管理やFAQ作成、CTI連携などの機能がある。
  • コンタクトセンター向けCRMを導入するメリットとしては、顧客対応のクオリティ向上やオペレーターのストレス軽減のほか、マーケティングへの活用も挙げられる。
  • コンタクトセンター向けCRMを選ぶ際には、ほかのシステムとの連携や対応チャネル、オペレーターの使い勝手、セキュリティ機能を確認するのがポイント。

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