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2024/08/28

自己解決とは?コンタクトセンターにおける重要性と改善方法を解説

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コンタクトセンターの業務負荷を軽減するには、顧客の自己解決率を上げることが重要です。自己解決率を上げると、コンタクトセンターへの問合わせが減ってオペレーターの負荷が軽くなり、スムーズに問題をクリアできた顧客側の満足度も向上します。
この記事では、コンタクトセンターが自己解決率の向上に取り組むことの重要性と具体的な取組み方法のほか、各種システムを利用した改善の成功事例を紹介します。

自己解決とは、困りごとを顧客自身が調べて解決すること

コンタクトセンターやカスタマーサポートにおける自己解決とは、商品・サービスの機能や使い方、使用中の疑問点、トラブルなどについて、顧客自身が調べて解決することです。

年代による傾向もありますが、顧客は商品やサービスについてわからないことがある場合、WebサイトのFAQを見たり、チャットボットに質問したりして、自己解決を図るのが一般的です。「FAQが見づらい」「FAQに知りたいことが載っていない」「チャットボットでも期待する情報が得られない」といった場合に、初めてコンタクトセンターに問合わせをするケースも多いでしょう。
したがって、自己解決率を高めることができれば、顧客からコンタクトセンターに問合わせる頻度が減ることになるのです。

カスタマーサービスについて、詳しくはこちらをご確認ください。
カスタマーサービスとは?意味や役割、サービス向上のポイントを解説

自己解決率を上げるメリット

自己解決率を上げることは、主に2つのメリットがあります。ここからは、自己解決率を上げるメリットを具体的に見ていきましょう。


顧客満足度の向上


自己解決率を上げるメリットのひとつは、顧客満足度の向上です。前述した通り、コンタクトセンターに問合わせをする顧客のほとんどは、事前に自己解決を図っているといわれています。できるだけ早く正確な回答が欲しいときや、比較的単純な質問だと感じているときには、待たされる可能性のある電話よりオンラインのサービスのほうがスピーディに回答が得られると考える人は多いでしょう。

コンタクトセンターに問合わせをした時点で、欲求がスムーズに満たされないことに不満や怒りを感じている人は、少なからずいると考えられます。コンタクトセンターでも納得できる回答が得られなければ、顧客はさらにストレスを感じ、企業イメージの悪化や満足度の低下につながりかねません。

自己解決率が向上すれば、顧客は商品・サービスをより快適に利用できるようになります。営業時間が限られるコンタクトセンターとは異なり、自己解決の手段があれば24時間365日いつでも顧客をサポートできるため、満足度の向上に貢献します。

クレーム対応については、詳しくはこちらをご確認ください。
クレーム対応の基本と対応手順のポイントは?発生原因や悪い例も紹介


コンタクトセンターの業務負荷の軽減


自己解決率が上がると、コンタクトセンターで働くオペレーターの業務負荷が軽減されることも、メリットのひとつです。自己解決する方法が充実していないと顧客からの問合わせが増え、限られた人数で対応しているコンタクトセンターの業務を圧迫します。
慢性的な人手不足のコンタクトセンターでは、問合わせ対応に追われて技術力向上のための研修がおろそかになったり、新入社員の教育が後回しになったりして、対応品質が低下するおそれもあります。

顧客の自己解決率を高めることで、問合わせの総数が減れば、オペレーターの負担も減ります。1件1件の問合わせにより丁寧に向き合うことができるため、対応品質の向上も期待できるでしょう。

自己解決率を上げるポイント

自己解決率が上がることで様々なメリットがありますが、どうすれば向上できるのでしょうか。ここからは、自己解決率を上げるためのポイントを4つ紹介します。


FAQを作成・改善する


自己解決率を上げるポイントは、「商品・サービスのWebサイトにFAQページを作成する」「すでにFAQページがある場合は内容を見直してブラッシュアップする」ことです。FAQとは、よくある問合わせと、それに対する回答をまとめたものです。FAQが豊富で回答が充実していると、自分が抱えている疑問に近しい質問とその回答を探し出すだけで問題を解決できるため、自己解決がスムーズです。

ただし、なかなかFAQページにたどり着けなかったり、見つけた回答がわかりにくかったりすると、FAQの存在は逆効果になってしまいます。FAQの作成にあたっては、「要点を端的に書く」「Webサイトの見やすい場所にFAQページへの動線を設定する」「回答をカテゴリで分ける」ことなどを考慮して、必要な情報にアクセスしやすくしましょう。

FAQについて、詳しくはこちらをご確認ください。
FAQとは?Q&Aとの違いやメリット、作成の流れを解説

FAQの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【FAQの作り方】問合わせ削減に向けた手順や構成を解説


チャットボットを導入する


チャットボットの導入も、自己解決率の向上のポイントになります。チャットボットとは、リアルタイムで短い会話ができるデジタルシステムのことです。想定されるユーザーからの質問とその回答をあらかじめ登録しておくことで、ユーザーが打ち込んだ質問に適切な回答を自動的に返すことができます。

顧客の問合わせがチャットボットに登録されている内容であれば、顧客とチャットボットのやりとりだけで解決が可能で、コンタクトセンターのオペレーターが時間をかけて対応する必要はありません。チャットボットに登録されていない質問や、複雑な質問だけオペレーターにつなぐようにすれば、顧客満足度を下げることなくオペレーター1人あたりの対応件数を減らすことができるでしょう。

チャットボットの運用スタート後は、顧客との実際のやり取りを踏まえてFAQの内容を追加・修正していけば、回答の精度も高まります。

テクマトリックスが提供するチャットボットシステム「FastBot」は、FAQナレッジシステム「FastAnswer」や有人チャットシステム「FastText」との連携も可能です。デジタルコミュニケーションの質を向上させCXを高めると同時に業務効率化を進めることが可能になります。

チャットボットについて、詳しくはこちらをご確認ください。
チャットボットとは?仕組みやメリット、課題解決の事例を紹介

チャットボットの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
チャットボットの作り方は?準備することやポイントを詳しく解説


窓口とFAQの回答内容を統一する


顧客との直接的な接点があるすべてのチャネルで、回答内容を統一しておくことも自己解決率を上げるためのポイントです。顧客の接点となるチャネルには、電話やメール、チャットボットなどがありますが、「FAQでの回答と電話の回答が違う」「チャットボットで言われたこととメールでのアドバイスに一貫性がない」といった回答のブレがあると、企業に対する信頼性が低下します。
誤った情報の流布につながるリスクもあるため、社内に蓄積されている過去の問合わせ履歴や知識、情報、ノウハウなどは必ず集約し、回答を統一しましょう。

ナレッジ共有について、詳しくはこちらをご確認ください。
ナレッジ共有とは?ツール導入のメリットと成功させるポイントを解説


Webサイトの導線を改善する


顧客が必要な情報にすぐたどり着けるよう、WebサイトのFAQやチャットボットへの導線をわかりやすく改善することも、自己解決率を上げるポイントです。せっかく自己解決のための仕組みをちりばめても、顧客がその仕組みを探せなければ意味がありません。Webサイト上での顧客の動きを分析しながら導線を調整することで、顧客の利便性を継続的に向上させることができます。

また、導線改善にはビジュアルIVRの導入も効果的です。ビジュアルIVRとは電話やチャット、チャットボット、ボイスボットなど複数の問合わせチャネルを一覧で表示し、顧客の目的や受電状況に応じて適切な窓口に誘導できるシステムです。自己解決を促し、顧客満足度の向上にも役立ちます。

テクマトリックスが提供するビジュアルIVR「FastNavigation」について詳しくはこちらをご確認ください。
FastSeriesにコンタクトセンターのDXを推進する4製品を追加、 生成AIを活用し業務効率化と顧客体験を総合的に支援

自己解決率を高めるFAQシステムや、チャットボットシステムの導入例

CXソリューションを提供するテクマトリックスでは、FAQ作成システム、チャットボット作成システムなど、自己解決率を高めてコンタクトセンターの業務負担を軽減するサービスも提供しています。ここからは、コンタクトセンターにFAQシステムやチャットボットを導入した2社の事例を紹介します。


株式会社ユーキャン様


通信講座や通信販売を手掛けている株式会社ユーキャン様は、商品・サービスについての全般的な問合わせの窓口として、お客様サービスセンターを運営しています。
その中で、オペレーターの対応業務に活用されていた社内FAQシステムと、コンタクトセンターを担当する外部委託先との情報連携がうまくいかず、応対品質にばらつきがあるという課題を抱えていました。さらに、社内FAQシステムを検索するワードの自由度が低く、オペレーターがFAQのナレッジにアクセスしにくいといった問題もありました。これらの解決策として、2013年にテクマトリックスのFAQナレッジシステム「FastAnswer」を新たに導入し、2020年には「FastAnswer2」にバージョンアップしています。


■FastAnswer2の導入前と現在のイメージ

fastanswer2-ucan-case-composition.pngFastAnswer2を導入したことで、応対に必要なFAQナレッジが一元管理できるようになったうえ、オペレーター全員が必要なFAQナレッジにすぐアクセスできるようになり、委託先コンタクトセンターも含めて全体の応対品質の平準化を実現しています。
また、情報連携のためのオペレーションが単純化されたことにより、ビジネス上の大きなリスクだった誤案内なども、最小限に抑えることができるようになりました。

株式会社ユーキャン様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
株式会社ユーキャン様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)


日本コープ共済生活協同組合連合会様


日本コープ共済生活協同組合連合会様のコールセンターは、コープ共済全体のコスト削減とサービス向上のため、各会員生協共済部局が担っていた契約者対応をすべて巻き取る形で2004年にスタートしました。
その当時は、会員生協フリーダイヤルへの対応が全体の8割以上を占め、その応答件数は年間200万件以上にのぼることもありました。受電数を削減するためにWebやLINEでの問合わせ対応の精度を上げたいという思いから、2018年にコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp5」と連携したLINEチャットによるAIチャットボットサービスを開始したのです。


■FastHelp5とLINEチャットを利用した応対イメージ

LINE_image-thumb-1245_735-920.pngAIチャットボットサービスは、入力画面がLINEの画面UIと非常に似ているため操作しやすく、対応履歴もそのまま残せるとあって、情報の一元管理が進展することになりました。現在はチャネル拡大で、より利便性の高いカスタマーサポートが実現できるようになっています。

日本コープ共済生活協同組合連合会様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
日本コープ共済生活協同組合連合会様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)

CRMシステムとの連携で、FAQやチャットボットをより便利に活用しよう

顧客の自己解決率を上げることは、顧客の満足度向上が見込めるうえ、コンタクトセンターの業務効率化にもつながります。自己解決率を上げるためには、コンタクトセンター向けCRMで蓄積した過去の問合わせ履歴をFAQやチャットボットに落とし込み、自己解決率の向上を図ることもおすすめです。

テクマトリックスの「FastAnswer」は、FAQやナレッジの作成・検索・管理を容易にし、チャットボットに使える「よくある質問」を最適化するのに役立ちます。コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」とも連携できるので、自己解決率の向上につながる情報の一元化にも有益です。

コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp
FAQ作成の業務効率化を支援するFAQナレッジシステムは「FastAnswer

まとめ

  • コンタクトセンターやカスタマーサポートにおける自己解決とは、商品やサービスの機能や使い方、使用中の疑問点、トラブルなどについて、顧客自身が調べて解決すること。
  • 自己解決率を上げると、顧客満足度の向上やコンタクトセンターの業務負荷軽減などのメリットがある。自己解決率を上げるポイントには、「FAQを作成・改善する」「チャットボットを導入する」「窓口とFAQの回答内容を統一する」「Webサイトの動線を改善する」などがある。
  • 自己解決率を上げるには、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」と連携できるFAQナレッジシステム「FastAnswer」やチャットボット作成システムの導入がおすすめ。
    fastanswer2-faq.png

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