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2025/06/03

対話型AIの導入メリットやカスタマーサービスでの活用例を詳しく解説

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対話型AIは多くの業種、職種で導入が進んでいる最新の技術で、カスタマーサポートや教育、医療、行政分野など幅広い現場で活用されています。従来のチャットボットと比べて応答の自然さや柔軟性に優れ、業務効率化と顧客満足度の向上を同時に実現できる点が評価されているといえるでしょう。

この記事では、対話型AIの基本構造と関連技術の関係性、導入のメリットのほか、カスタマーサービス領域での活用例、導入成功のポイント、テクマトリックスが提供する「FastSeries」のCRMシステムやFAQシステムなどと連携できる生成AI機能群「FastGenie」の特徴を、わかりやすく解説します。

対話型AI(Conversational AI)とは自然な会話を行える人工知能のこと

対話型AI(Conversational AI)とは、人間との自然な会話を目的とした人工知能のことです。ユーザーが入力する音声やテキストを理解し、それに対して文脈を踏まえて自然に応答できます。近年では、チャットボットや音声アシスタント、バーチャルエージェントなど、多様な形で実装されており、カスタマーサービスや教育、医療などの分野で活用が進んでいます。


従来のチャットボットとの違い


従来のルールベース型やキーワードマッチ型のチャットボットは、あらかじめ定義された質問と回答の組み合わせに従って応答する仕組みが中心です。そのため、ユーザーの言い回しや意図の違いに対応しにくく、会話の流れが不自然になりがちなシーンもあります。

一方、対話型AIは自然言語処理(NLP)や生成AIを活用し、ユーザーの入力を文脈ごとに理解・記憶しながら対話できます。会話の途中で話題が変わっても適切に応じられる柔軟さがあり、単なる一問一答を超えた「会話らしいやりとり」が特長といえるでしょう。

このように、対話型AIは「何を聞かれたか」だけでなく、「なぜそう聞かれたか」までを汲み取って応答できるため、ユーザー体験において大きな価値の差を生み出します。

チャットボットの導入効果について、詳しくはこちらをご確認ください。
【徹底解説】チャットボットの導入効果や事例、効果測定の方法


対話型AIの活用分野の広がり


対話型AIは、カスタマーサービスをはじめ、教育、医療、製造業、金融、小売など多様な業界で活用が進んでいます。人手不足や業務効率化といった課題を抱える現場において、対話型AIは迅速かつ柔軟な対応を可能にするツールとして有用です。

対話型AIの活用分野の広がりの背景には、生成AIのほか、異なるメディアデータを組み合わせて理解するマルチモーダルAIの進歩があり、より高精度で違和感のない対話が可能になりました。今後も、業界ごとのニーズに応じたカスタマイズが進み、さらに多様な活用が期待されるでしょう。

対話型AIを可能にしたそれぞれの技術の進化については、後述します。


さらに進化を続けるAI


対話型AIは、大規模言語モデル(LLM)の登場により、従来よりも格段に自然で柔軟な応答が可能になっています。代表格であるChatGPTは、人間が話す文脈を深く理解し、長文でも一貫性のある対話ができ、応答の質が飛躍的に向上しています。

今後は、ユーザーごとの属性や過去のやりとりをもとに応答を最適化するパーソナライズ機能、多言語対応といった機能の高度化も進んでいくでしょう。将来的には、より汎用的な知能を持つ「汎用人工知能(AGI)」の実現も視野に入っており、実用化されれば対話型AIのあり方そのものが大きく進化するかもしれません。

対話型AIを可能にする様々な技術

ここで、対話型AIを可能にした様々な技術を見ていきましょう。実際は複雑に関連し合っていることもありますが、各技術の概要と対話型AIとの関係の一例を、下記で簡潔に紹介します。

■対話型AIを支える様々な技術
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機械学習(ML)とその役割


機械学習(ML)は、データからパターンを学習し、予測や分類などを自動で行うAI技術です。対話型AIでは、ユーザーの意図認識や応答の最適化などの基盤として機能します。


ディープラーニング(DL)の進化


ディープラーニング(DL)は、多層のニューラルネットワークを用いてデータの特徴を見つけ学習する技術です。自然言語処理や音声認識など対話型AIの中核を支え、文脈理解や応答生成の高度化を可能にしています。


自然言語処理(NLP)の重要性


自然言語処理(NLP)は、テキストや音声を理解・生成する技術で、対話型AIの「聞く力」と「話す力」を支えます。ユーザーの意図や文脈を読み取り、適切な応答を導く役割を担っています。


音声認識(STT)と音声合成(TTS)


音声認識(STT)は音声をテキストに変換し、音声合成(TTS)はテキストを音声に変換する技術です。音声での自然な対話を実現するために不可欠で、音声アシスタントなどで活用されています。


生成AI(Generative AI)の登場


生成AI(Generative AI)は、深層学習と自然言語処理の進化によって実現された技術で、テキスト・画像・音声などの新たなコンテンツを生成することが可能です。

この技術は、膨大なデータから文脈を理解し、意味の通った応答を構築するため、対話型AIにおける「考えて答える力」の中核を担っています。機械学習、ディープラーニング、自然言語処理などの複数の技術が成熟し統合された結果、生成AIが実現したといえるでしょう。

カスタマーサービスにおける対話型AIの活用メリット

対話型AIは、様々なビジネス課題の解決に貢献します。ここではカスタマーサービスの現場を例に、対話型AIの導入で得られる代表的なメリットを紹介します。

<カスタマーサービスにおける対話型AIの活用メリット>
・コスト削減につながる
・業務を効率化できる
・顧客満足度が向上する
・データ分析との連携による高度な対応ができる


コスト削減につながる


問合わせ対応を対話型AIで自動化すればオペレーターの稼働が抑えられ、人件費の削減につながります。簡易な対応も対話型AIに任せられるので、人的リソースをより重要な業務へ集中できるでしょう。


業務を効率化できる


対話型AIを活用すれば、応答の標準化と迅速化が実現し、対応のばらつきや遅延を防げます。人材不足の課題にも対応でき、限られたリソースで安定した業務運用が可能になります。


顧客満足度が向上する


対話型AIなら24時間対応や即時応答ができるため、エンドユーザーの待ち時間や対応漏れのストレスを軽減します。迅速かつ一貫性のある応対により、ユーザー体験の質が高まり、顧客満足度向上につながるでしょう。


データ分析との連携による高度な対応ができる


対話型AIと顧客データと連携すると、個別ニーズに応じたパーソナライズ対応が可能になります。対応履歴や属性情報をもとにした応答や提案は、ユーザビリティの向上とマーケティング施策へ活用できるでしょう。

対話型AIのカスタマーサービスでの活用例

対話型AIは、カスタマーサービスの様々なシーンで実用化が進んでいます。よくある質問の自動応答から、感情をくみ取ったクレーム対応、多言語での案内まで、幅広い業務の自動化・高度化が可能です。ここでは、実際に活用されている代表的なユースケースを紹介します。

<対話型AIのカスタマーサービスでの活用例>
・FAQ対応の自動化
・チャット受付の一次対応
・問合わせ内容の分類・振り分け
・予約・変更・キャンセル対応
・クレームや不満の一次対応
・多言語での対応支援
・アンケートの自動送信と集計


FAQ対応の自動化


対話型AIなら、よくある質問に対して即時に正確な回答を提供できます。これにより、オペレーターの負担を軽減し、エンドユーザーはストレスなく自己解決できる環境が整います。


チャット受付の一次対応


営業時間外や混雑時でも、対話型AIがチャットで一次対応をすれば、対応の遅延を防ぎます。顧客の不満を抑え、満足度を維持する効果があります。


問合わせ内容の分類・振り分け


対話型AIがユーザーの発言内容を分析し、問合わせを自動で適切な部署や担当者に振り分けます。対応のスピードと精度が向上し、業務効率化が可能です。


予約・変更・キャンセル対応


対話型AIがユーザーからの予約や予定変更、キャンセルといった手続きを、24時間自動で受け付けます。手間やミスが減り、顧客利便性の向上にもつながります。


クレームや不満の一次対応


クレーム対応においても、対話型AIなら顧客の感情を検知しながら、冷静かつ丁寧に一次対応できます。トラブルの拡大を防ぎ、落ち着いた対応が可能になります。


多言語での対応支援


対話型AIと自動翻訳機能を連携させれば、英語や中国語など多言語での顧客対応が可能です。グローバル対応力が強化され、海外ユーザーへのサービスもスムーズに行えます。


アンケートの自動送信と集計


対話型AIは、対応後にアンケートを自動で送信し、回答を収集・分析できます。顧客の声を継続的に取得すれば、サービス改善に活用できます。

対話型AIをカスタマーサービスで活かすならFastSeriesを導入しよう

カスタマーサービスに対話型AIを取り入れるなら、テクマトリックスが提供する「FastSeries」各サービスの導入がおすすめです。FastSeries」のCRMシステムやFAQシステムなどは生成AI機能群「FastGenie」と連携でき、AIチャット機能に加えて、CRM機能を組み合わせてFAQ支援から対話要約、VOC抽出まで幅広くカバーします。

テクマトリックスが提供している生成AI機能群「FastGenie」の特徴を、下記で紹介します。


対話内容をリアルタイムで要約でき、後処理も短縮化


生成AI機能群「FastGenie」は、コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」と連携できます。対話型AIの高い文脈理解力を活かし、顧客との会話内容をリアルタイムで要約。これまでオペレーターが手動でまとめていた応対履歴を自動で整理・記録できるため、後処理時間が大幅に削減されます。

単なる文字起こしではなく、「誰が・何を・どう求めたか」という意味を把握して要約できるため、対応品質を維持しながら業務効率を大きく向上させ、組織全体の生産性にもつながります。


精度の高いVOC分析で新たな価値を創造


コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」で「FastGenie」を活用すれば、対話型AIの自然言語理解能力を活かし、エンドユーザーの発言意図や感情のニュアンスまで解析できます。これにより、単なるキーワード抽出では難しかった本音や潜在ニーズを把握でき、精度の高いVOC(Voice of Customer)分析の材料収集につながります。

こうしたデータはマーケティングや商品開発、ナレッジ蓄積など、組織全体の価値創出に貢献。これまで属人的になりがちだった顧客の声の活用を、再現性のあるプロセスとして実行できる点が強みです。


FastVoiceでは音声応対を自動化


自社希望に合わせたセルフカスタマイズができるAIボイスボット「FastVoice」も、生成AI機能群「FastGenie」を活用した運用が可能です。電話での一次対応や事前ヒアリングを「FastVoice」が担ってオペレーターへ引き継ぎ、顧客応対をAIが自動で後処理して「FastHelp」へ登録。24時間365日、人的リソースを使わずに高精度な対応が可能になります。

コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp
自社の希望に合わせたセルフカスタマイズができるAIボイスボットは「FastVoice
リアルタイム対話要約、回答支援、FAQ作成支援、VOC抽出ができる生成AI機能群は「FastGenie

対話型AI導入成功のポイント

対話型AIを効果的に導入し、ビジネス成果につなげるためには、単に技術を導入するだけでなく、運用体制や社内の理解促進までを視野に入れる必要があります。導入を成功させるために押さえておきたい重要なポイントを、下記で紹介します。

<対話型AI導入成功のポイント>
・PoC(概念実証)の実施
・ユーザー教育の重要性
・段階的なロールアウトのすすめ
・社内連携と業務フローの整理
・KPI設定と効果測定


PoC(概念実証)の実施


対話型AIはいきなり全社導入せず、一部チームから導入し、小規模なPoC(Proof of Concept:概念実証)で実用性や効果を事前に検証することをおすすめします。対象業務やデータの特性に応じた調整をすれば、導入リスクを最小限に抑えられます。


ユーザー教育の重要性


対話型AIを導入する際は、利用マニュアルやトレーニングを丁寧に行い、オペレーターや担当者に新しい運用フローの浸透を計りましょう。どれだけ高性能な対話型AIでも、現場の理解がなければ活用されません。現場の不満につながらないよう、導入前から関係者に目的や期待される効果を共有し、使い方の教育やサポート体制を整えることが重要です。


段階的なロールアウトのすすめ


前述したとおり、対話型AIは一度にすべての業務へ適用するのではなく、部門や業務単位の段階的な導入が重要です。そうすれば現場が安心かつ納得し、フィードバックを得ながら無理なくスケールできます。柔軟な調整と改善がしやすくなるでしょう。


社内連携と業務フローの整理


対話型AIの導入時は、AIと人の役割分担や社内連携のルールの明確化が必要です。対話型AIが担うべき範囲と、オペレーターが引き継ぐ範囲を整理すれば、スムーズな運用が実現します。


KPI設定と効果測定


対話型AIの導入後はKPIを設定し、継続的な効果測定がポイントです。解約率や対応時間、満足度スコアなどの指標をもとに、改善サイクル(PDCA)を回しながら最適化を図りましょう。

まとめ

  • 対話型AIとは、自然言語処理を活用し、人間らしい会話を実現するAIのこと。「機械学習(ML)」や「ディープラーニング(DL)」、「生成AI(Generative AI)」のほか、「自然言語処理(NLP)」、「音声認識(STT)と音声合成(TTS)」といった技術が進化し、対話型AIが実現した。
  • カスタマーサービスにおける対話型AIの活用メリットは、「コスト削減につながる」「業務を効率化できる」「顧客満足度が向上する」「データ分析との連携による高度な対応」が挙げられる。
  • 対話型AI導入成功のポイントは、「PoC(概念実証)の実施」「ユーザー教育の重要性」「段階的なロールアウトのすすめ」「社内連携と業務フローの整理」「KPI設定と効果測定」がある。

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