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2024/03/26

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは?向上のポイントと成功事例

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CX(カスタマーエクスペリエンス)とは、企業が顧客との接点において提供する「体験」のことです。商品の品質や機能が他社のものと差がなくなるコモディティ化が進み、市場競争が激化する中、顧客の「体験」の価値を高めて顧客満足度や企業ロイヤルティの向上につなげる取り組みが活発に行われるようになりました。

本記事では、主にデジタルマーケティング領域において注目されるCXについて、定義やメリット、向上のためのポイント、さらには成功事例などを詳しく解説します。

CXとは、顧客が得る体験や価値のこと

CX(カスタマーエクスペリエンス)は、日本語で「顧客体験」「顧客体験価値」などと呼ばれ、商品やサービスを購入・利用して得られる顧客視点の「体験」や「価値」を表します。

顧客が商品やブランドを認知して初めて購入・利用し、やがてロイヤルカスタマーとして繰り返し購入するまでのプロセスには、多様な顧客接点が存在します。
一つひとつの顧客接点におけるCXに注目し、感動や驚き、喜び、楽しさ、快適性といった「感情的な価値」を感じてもらえる取り組みをすることで、商品やサービス、ひいては企業やブランドそのものへの顧客ロイヤルティが高まります。
CXの例としては、下記のような体験になります。


<CXの例>

・お店に入ったらいい香りがして、リラックスできた
・スタッフのマナーが行き届いていて、心地良く買い物ができる
・ウェブサイトの導線がわかりやすく、ほしいものがスムーズに見つかる
・注文してすぐ商品が届いた
・コンタクトセンターが商品の使い方を丁寧に解説してくれた

商品やサービスのコモディティ化が進む中、金銭的・物質的な価値に定性的な価値を上乗せすることで、顧客が受け取る総合的な価値と自社の独自性を高めることができます。


CS(カスタマーサティスファクション)との違い


CS(カスタマーサティスファクション)は、商品やサービスに対する顧客満足度を企業側が指標化したものです。CXは、物以外も含めて顧客の心理や感情を動かす体験であり、体験を通じて顧客が企業を評価する点に違いがあります。


UX(ユーザーエクスペリエンス)との違い


CXは、顧客が商品やサービスを購入する前の検討過程から、購入後のアフターフォローなど一連の体験までを示すのに対して、UX(ユーザーエクスペリエンス)は「商品やサービスの利用を通じて得られる顧客体験」のみを指します。
いわば、UXはCXの一部です。

また、CXは潜在顧客や契約が切れた顧客も対象ですが、UXは現時点で取引をしている顧客のみが対象である点も違いの1つです。

CXが重視される理由

CXは2000年前後から定着した概念ですが、近年になって再び注目されるようになりました。ここでは、現代においてCXが重視されはじめた理由について考えてみましょう。

最大の理由は、商品やサービスが顧客にとって「どれも同じ」に見えるようになり、機能や価格、性能といった従来のアプローチでは優位性を示せなくなったからです。
CXを向上させると、「同じ商品ならここで買ったほうが楽しい」「フォローが安心なのはここだけ」といった体験による差別化を図ることができ、商品やサービス以外のところで顧客に選ばれる可能性が高まります。

また、インターネットの普及により、顧客側の発信力が高まったことも理由のひとつです。顧客は自身が受けたサービスや商品の感想に加え、購入時に感じた接客への感動や不満、購買後のフォローに関する評価などをSNSやインターネット上のコミュニティに投稿します。
悪い口コミが拡散すれば潜在顧客の信頼を失うリスクがありますが、いい口コミがあればブランディングにつながります。そこで、あらゆる顧客接点を通じて心地良いCXを提供し、顧客にいい印象を与える必要性が高まっているのです。

CXを向上させるメリット

CXの向上に取り組むことで、様々なメリットがあります。ここからは、大きく4つに分けて、メリットをご紹介します。


リピーターの獲得


商品やサービスの購入時に満足のいく体験をした人は、「もう一度ここで買いたい」「この企業の商品ならほかの物も使ってみたい」と感じ、リピーターになる可能性が高まります。
リピーターになった後もCXを提供し続けることができれば、やがて商品やブランドに深い愛着を持つロイヤルカスタマーとして継続的な売上に貢献してもらえることにもつながるでしょう。


口コミによる認知の向上


CXを向上させ、想像以上の体験を提供することで、顧客の感動と信頼は深まります。すると、SNSなどでいい口コミをしてくれる顧客が増え、より多くの人に商品・サービスを認知してもらうことができます。
地道にCX向上に取り組み続けることで、悪い口コミを抑制しながらいい口コミを増やし、新規顧客の獲得につなげることができるでしょう。


顧客ロイヤルティの向上


CXの向上は、企業そのもの、ブランドそのものへのロイヤルティの向上につながります。一度、ロイヤルティが高まった顧客は、顧客満足度が下がる接客やサポートがあったとしても、簡単に離れていくことはないでしょう。
加えて、「自分が信頼している企業の商品」として家族や友人・知人に購買をすすめ、ファンを増やしてくれることも期待できます。


顧客離れの予防


CXの向上に取り組むことで、顧客がほかのブランドや商品に流れるのを防ぎます。新規顧客の獲得には、既存顧客を維持するコストの5倍かかるともいわれています。既存顧客の離脱を防ぐために、CXは大きな役割を果たしているのです。

CXを向上させるための手順

ここからは、実際にCXの向上に取り組む際の手順をご紹介します。意識したいポイントを手順に添って3つ紹介します。


1. 顧客データを整理する


まずは、保有している顧客のデータを整理し、顧客の属性や特徴、購買までの行動履歴などを確認して分析します。必要に応じて、SNSなどからも情報をピックアップして、データを補強しましょう。
データをもとに顧客を理解すると、顧客が「いつ、何を考えているか」「何をきっかけに購入に至るのか」が可視化されます。これをもとに、顧客が商品・サービスの存在を知ってから購入に至るまでの行動パターンを時系列でまとめた「カスタマージャーニーマップ」を作成します。これには顧客の感情や思考を含めることが大切です。
それをもとに、マーケティングや開発などの改善点を特定し、社内共有した上で、新しい戦略を検討します。


2. コンタクトセンターの顧客対応を充実させる


顧客データを整理したら、マーケティングや開発に加えて、カスタマージャーニーマップをもとに、顧客対応を充実させることも重要です。カスタマージャーニーマップで、顧客がどの段階でコンタクトセンターを必要としているのかを考えれば、どのような対応を求められているのかが明らかになります。そうすれば、問合わせを受けた際にパーソナライズした情報をコンタクトセンターで提供することが可能です。顧客は「ほしい情報をくれた」「自分のことをよく知ってくれている」と感じ、顧客満足度が向上し、売上拡大にもつながるでしょう。
そのためには、対応の正確さやスピードが求められます。膨大な顧客情報や問合わせの中から、正確な情報を瞬時に引き出すためには、デジタルシステムの導入がおすすめです。コンタクトセンター向けCRMを導入することで電話やメール、Fax、Web、チャット、SNSなど、様々なチャネルからの顧客の声を一元的に管理でき、顧客情報や応対履歴を瞬時に引き出した上での回答が可能です。


3. CXの有効性を分析し、改善のアプローチを継続する


CXの取り組みを始めたら、有効性を定期的に分析しましょう。抽出した課題の解決に取り組み、CXをより良くするアプローチを続けることが重要です。
例えば、コンタクトセンターに集まる顧客からの問合わせを、FAQナレッジシステムを使って蓄積すれば、カスタマージャーニーマップの見直しや、Webサイトの問題解決用FAQの最新化に役立てることができます。その結果、オペレーターのパフォーマンスが最大化できたり、顧客のストレスが軽減されたりする効果が出て、より一層のCX向上につながるでしょう。

CX向上の実現につながった導入事例

CX向上にはコンタクトセンターの顧客対応の向上が欠かせません。ここではコンタクトセンター向けCRM「FastHelp5」やFAQナレッジシステム「FastAnswer2」を提供するテクマトリックスのサービスを導入し、CXの向上に成功した企業様の事例を紹介します。


・日本コープ共済生活協同組合連合会様


日本コープ共済生活協同組合連合会様は、2015年からFAQナレッジシステムFastAnswerを利用し、それに加えて2017年からCRMシステムFastHelpのトークスクリプトオプションを連動させることにより、一連の動作で受電処理を完結できる仕組みを完成させました。これにより、コンタクトセンターの紙のトークスクリプトからの脱却と、大幅な処理時間短縮を実現しました。
さらに、2018年にLINEチャットを連携させることによって、より利便性の高いカスタマーサポートを実現し、オペレーターの負荷軽減による対応の精度向上と、顧客の利便性向上に向けたCX向上を継続的に実現しています。

顧客のCX向上として、使い慣れたLINEで気軽に問合わせできること、24時間365日いつでも対応できることが挙げられます。また、コンタクトセンターでの顧客情報が一元管理されているため、チャットから有人対応への切り替えもスムーズで、ストレスを感じることなくカスタマーサポートの利用が可能になりました。

日本コープ共済生活協同組合連合会様の取り組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
日本コープ共済生活協同組合連合会様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)

顧客の声を活かして、CX向上を実現しよう

顧客の心を揺さぶるCXは、顧客に愛され、信頼される企業として成長を続けるための重要な要素です。しかし、企業が考えるCXと、顧客が望むCXが乖離している場合、期待する効果は得られません。

顧客にとって真に価値のあるCXを提供するには、顧客の声に耳を傾け、自社に求められているものを具体的にイメージしてから取り組みをスタートすることが大切です。
リアルな顧客の声にもとづく優れたCXを実現し、顧客ロイヤルティの向上や商品の課題の抽出につなげるために、ぜひデジタルシステムの導入をご検討ください。

CX向上を支援するコンタクトセンター向けCRMシステムはFastHelp5
CX向上を支援するFAQナレッジシステムはFastAnswer2

まとめ

  • CX(カスタマーエクスペリエンス)は、日本語で「顧客体験」「顧客体験価値」などと呼ばれ、商品やサービスを購入・利用して得られる顧客視点の「体験」や「価値」を表す。
  • CX向上には、カスタマージャーニーマップをもとにマーケティングや開発、コンタクトセンターの改善点を明確にすることが大切。それにより顧客満足度の向上などの効果が得られる。
  • 蓄積された顧客の声の管理・分析には、コンタクトセンターでのFAQナレッジシステムの導入がおすすめ。これにより、カスタマージャーニーマップの見直しも簡単にできる。

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