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2024/01/11

トークスクリプトとは?テンプレートや作り方のコツ、メリットを紹介

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トークスクリプトは、営業の現場やコンタクトセンターなどにおいて、一般的に想定される話の内容や流れ、順番などを想定して作成する台本のことです。トークスクリプトを使用することで、経験年数や知識量が違っても一定レベルの対応ができるようになり、組織全体の応対品質を安定させることができます。
本記事では、トークスクリプトを作成するメリットと作成のコツ、テンプレートなどを詳しくご紹介します。

トークスクリプトは顧客対応の品質を向上させるための台本

トークスクリプトは、顧客対応の道しるべとして活用される台本です。話すべき内容とその順番、自社サービスの概要、顧客の反応ごとの適切な返答などがまとめられているため、トークスクリプトを参照することで誰でも状況に応じた適切なトークをすることができます。
対面・非対面を問わず、顧客と接して商談をしたり、問合わせを受けたりする営業やコンタクトセンターなどでは、必須のツールといっていいでしょう。

トークスクリプトがない現場では、対応が個人の能力や経験に依存するため、品質にばらつきが生まれます。
トップの営業スタッフがずば抜けた数字を叩き出しているのに営業部全体の数字が上がらなかったり、コンタクトセンターで「オペレーターによって言うことが違う」という顧客トラブルが起きたりする背景には、個人の裁量に依存した体制があるかもしれません。

一方、トークスクリプトがある現場では、全員の対応が均一化されるため、品質が安定します。配属時のオンボーディングなどに活用することで、「商談の際、どうやって会話を進めていいかわからない」「対応が属人化していて、スキルの差が大きい」という悩みを解決し、担当者の負荷を減らすとともに顧客の満足度を高めるのに役立ちます。
また、トークスクリプトに沿った対応をすることで、案内漏れやヒアリング漏れのようなミスも防げ、さらにはノウハウや情報の社内共有、社内コミュニケーションにも活用できるのです。

トークスクリプトを作成するメリット

トークスクリプトを作成することには、主に4つのメリットがあります。それぞれどのようなものか、詳しく見ていきましょう。


適切な応対ができる


トークスクリプトには、社内スタッフに「会社として望ましい対応」や「受電時に必ず伝えること」「自社の商品やサービスの説明の仕方」などをトークの基準として反映することができます。
基準があることにより、担当者が独自の見解でトークを展開することを防ぎ、誰が対応してもぶれない応対をすることが可能になります。


ノウハウを共有できる


営業成績を上げている営業スタッフや、トラブルのないオペレーターのトークを全員がまねすることができれば、全体の対応品質の底上げにつながります。
ただ、それぞれに持ち場がある中で他者の技術を盗むのは容易ではありません。これまで自己流のスタイルで成果を上げてきた人も、新人への説明に苦慮することが多いでしょう。自社のノウハウを体系的にまとめたトークスクリプトがあれば、営業水準を簡単に担保できます。


自信を持って応対ができる


新入社員や新たに配属された人にとって、顧客対応は緊張するものです。自分の対応ひとつで会社が信頼を失いかねないと思えば、知らず知らずのうちに萎縮して自信のないトークになることもあるでしょう。
トークスクリプトには、対応の大まかな流れや、よくある質問とその回答例が記載されているため、経験が浅くても自信を持って応対することができます。堂々とした応対は、顧客の信頼獲得にもつながります。


新人教育のツールになる


営業やオペレーターといった職種を初めて経験する人には、座学で基本的な知識を身につけてから、ロールプレイングを繰り返して実践的なトークスキルを高めてもらう必要があります。こうした研修の際、トークスクリプトを教材として活用すると、経験や知識が乏しい状態でもスムーズにそれなりの受け答えができるようになります。
研修が効率化して新人が戦力になるタイミングが早くなり、研修コストを削減できるのもメリットでしょう。

トークスクリプトの作成方法

トークスクリプトは、営業活動やコンタクトセンターでの顧客対応業務において、重要な役割を果たすことがわかりました。ここからは、トークスクリプトの作成方法について、順を追って解説します。


1. 用途と目的を定める


まずは、何のためにトークスクリプトを作り、どのように使うのかを具体的にイメージすることから始めましょう。
営業が使うのか、コンタクトセンターでオペレーターが使うのかによって、トークスクリプトに盛り込む内容は変わってきます。また、同じ営業でも、アポイントを取る、最初の商談をする、クロージングをするといったプロセスによって、トークスクリプトの流れやゴール設定は異なるはずです。


2. ペルソナを設定する


続いて、「誰に話をするのか」を考えます。万人受けを狙ったトークスクリプトにすると、トークの論点がぼやけ、相手の興味を引くことができません。
自社の製品やサービスをよく使っている顧客層や、よく問合わせがある顧客の特徴、これから開拓したい顧客層などを洗い出し、ペルソナ(ターゲットの人物像を言語化したもの)を設定します。
リアリティのあるトークスクリプトを作成するために、「30~40代くらいの男性」といった漠然としたペルソナではなく、「40代都内在住、中間管理職、妻と子供が2人いる男性。組織のコスト削減を目標にしていて、日々の情報収集は欠かさない。日中は会議で忙しくしている。」といったように、具体性のあるペルソナづくりを心掛けましょう。


3. 必要な情報を整理する


商品やサービスについて聞かれた時、適切な回答をすぐに返せないと顧客の信頼を失うおそれがあります。自社の商品やサービスについて「わからないところはない」と言えるくらいまで理解を深めましょう。
予想外の質問にも動揺せずに対応できるよう、考えられる質問をすべて洗い出すこともポイントです。


4. トークフローチャートの骨組みを作成する


ターゲットと伝えるべき内容が決まったら、大まかな流れを決めていきます。一般的には、トークの流れが可視化できるフローチャートを作成することが多いです。フローチャートは、矢印などを用いてプロセスやトークの分岐を示した図です。

商品をおすすめした後、「もう少し詳しく聞かせて」と言われた場合と、「うちはいらない」などとそっけなく断られた場合では、その後の対応が変わってきます。フローチャートに分岐を作り、クロージングにつながるトークと切り返しトークを用意しておくと安心です。


5. 具体的な会話に落とし込む


最後に、口語体を使ってシナリオを書きます。箇条書きやキーワードのみを書き出すのではなく、そのまま読めば違和感なく会話ができる程度まで具体化しておくと、言葉に詰まらずに対応することができるでしょう。
また、敬語を使って作成することも大切です。シナリオがぶっきらぼうな言い切り口調だと、経験が浅い人は敬語に言い換えられず、失礼な対応になる可能性があるからです。

トークスクリプトを作成する際の注意点

トークスクリプトを作成する際には、注意しなければならないポイントがあります。作成するスタッフ、形式、内容についての注意点をそれぞれ解説します。


経験豊富なスタッフが作成する


トークスクリプトを使った顧客対応の最終目標は、顧客が抱きがちな疑問や不満を解決して安心感や信頼感を与えたり、自社の商品やサービスを購入させたりすることです。そのためには、経験豊富なベテランの成功事例を活かすことが重要となります。長く活躍しているスタッフが中心になって、作成するようにしましょう。


見やすい形式にする


トークスクリプトは、1つの質問に対する答えを分岐させて進む形式が一般的です。ただし、分岐が増えすぎるとスタッフが選択に悩み、反応が遅れるため注意が必要です。回答は「Yes」「No」に絞り、誰にとってもわかりやすく、見やすい形式で作成しましょう。
そのうえで、コンタクトセンター向けCRMなどのデジタルツールを使うこともおすすめです。膨大な問合わせ内容をもとに、ツリー型チャート方式のトークスクリプトを簡単に作れるだけでなく、FAQのリンクやトーク記録などをつけることもできます。

コンタクトセンター向けCRM「FastHelp5」で使えるデジタルトークスクリプトはこちら


棒読みにならないように注意する


トークスクリプトをただ読み上げるだけになると、相手は違和感を覚えます。使用する人ができるだけ自然な口調で話せるよう、感情を込めてそのまま読めば無理のない対話になるくらいまで作り込んでおくことをおすすめします。

【テンプレート】コンタクトセンターのトークスクリプト

コンタクトセンターには、問合わせや注文など顧客側からのアプローチに対応するインバウンドと、営業目的でスタッフから電話をするアウトバウンドがあります。それぞれ、トークスクリプトのテンプレートをご紹介します。


オープニングトーク

<インバウンド>

「お電話ありがとうございます。株式会社△△、コンタクトセンターの◯◯です」
「いつもご利用いただき、ありがとうございます。お客さま情報を確認いたします。お名前とお電話番号を教えていただけますか?」


<アウトバウンド>

「突然のお電話で失礼いたします。私、◯◯株式会社の××と申します」
「本日は、弊社の◯◯サービスについてのご案内でご連絡いたしました。現在、◯◯は何を使っていらっしゃいますか?」


メイントーク

<インバウンド>

「本日はどのようなお問合わせでしょうか?」
「このたびはご不便をおかけして誠に申し訳ございませんでした」


<アウトバウンド>

「◯◯は現在、◯社以上のお客さまに提供させていただき、売上がアップしたと大変好評をいただいております」
「◯◯のサービスを試されたことはございますか?」


クロージングトーク

<インバウンド>

「本日はお問合わせいただきありがとうございました。私、◯◯が承りました」


<アウトバウンド>

「何かご不明な点などはございませんか?本日はご注文いただき、ありがとうございました。◯日までにお届けいたします。それでは失礼いたします」

トークスクリプトは組織の成長に欠かせないツール

トークスクリプトのメリットや作り方、テンプレートをご紹介しました。トークスクリプトには、顧客応対品質の標準化や、新人研修の効率化など、組織を盤石にできる重要な役割があります。ご紹介した手順やテンプレートに沿って、トークスクリプトの作成をぜひ試してみてはいかがでしょうか。テクマトリックスのコンタクトセンターCRM「FastHelp5」なら、直感的に分かりやすいツリー型チャート表示のトークスクリプトを作成できます。

コンタクトセンター向けCRM「FastHelp5」で使えるデジタルトークスクリプトはこちら

まとめ

  • トークスクリプトとは、話すべき内容とその順番、自社サービスの概要、顧客の反応ごとの適切な返答などがまとめられた台本。
  • トークスクリプトを作成するメリットは、自信を持って適切な応対ができる、ノウハウが共有できるなどのほか、新人研修のマニュアルとしても役に立つ。
  • コンタクトセンター向けCRMなら、膨大な問合わせ内容をもとに、ツリー型チャート式のトークスクリプトが簡単に作成でき、管理や更新も簡単。

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