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2024/10/15

ボイスボットとは?メリットや活用例、IVRとの違いを解説

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近年、コンタクトセンターでは、ユーザーの「すぐに問合わせたい」「できるだけ早く回答がほしい」というニーズを満たしながら、オペレーターの負荷を軽減することが課題となっています。そのため、コンタクトセンターの業務効率化につながる様々なシステムが開発されていますが、中でも注目されているのが「ボイスボット」です。
ここでは、ボイスボットの特長や導入のメリットのほか、IVRやチャットボットなど他ツールとの違いについて詳しく解説します。

ボイスボットとは、AIを実装した自動音声応対システム

ボイスボットとは、音声認識や対話型AI、自然言語処理などの機能を備えた音声会話システムのことです。ボイスボットは人間のように自然な会話を音声で行えるため、これまでコンタクトセンターのオペレーターが担っていた電話応対業務を分担することが可能になりました。ボイスボットを導入することにより、業務の効率化や機会損失の防止が期待されています。

ボイスボットは、顧客からの電話を受けると、まず音声認識AIが顧客の問合わせ内容を解析してテキスト化します。次に、そのテキストを自然言語処理システムが解析して適切な回答文を生成した後、音声合成技術で読み上げる仕組みです。
このプロセスを高速で繰り返すことによって、顧客との対話がスムーズに行われます。

ボイスボットとIVR、チャットボットとの違い

顧客との対話を自動化するシステムは、ボイスボットのほかにIVRやチャットボットがあります。ここでは、ボイスボットとIVR、チャットボットの違いについて解説します。


ボイスボットとIVRとの違い


ボイスボットは顧客との会話を通じて応対するシステムであるのに対し、IVR(Interactive Voice Response)はあらかじめ設定された音声ガイダンスを流して、顧客を適切な回答へ誘導するという違いがあります。

IVRは、顧客からの電話に対して自動音声でガイダンスを流し、問合わせ内容に応じてスマートフォンや固定電話の番号を選択するよう誘導します。「契約内容のご確認をご希望の方は1を、変更手続きを希望する方は2を…」といったメッセージを耳にしたことがある方も多いでしょう。

音声ガイダンスによって振り分けられた質問に対して、定型的な返答で済む内容には、指定のメッセージを再生することで対応します。より複雑な質問や個別の対応が必要な場合には、適切な部署やオペレーターに転送されます。

■IVRのイメージ図
ivr-mechanism.png
なお、近年ではIVRの音声ガイダンスを視覚化した「ビジュアルIVR」というシステムも登場しています。顧客が問合わせの電話をかけると、SMSなどで案内用のURLを送信されます。顧客がそのURLから専用のWebページやアプリへ移動すると、問合わせ内容に応じたガイダンスメニューが表示される仕組みです。
テクマトリックスは、自己解決率を向上させるビジュアルIVR「FastNavigation」を提供しています。

IVRについて、詳しくはこちらをご確認ください。
IVR(電話自動音声応答システム)とは?仕組みとメリットを解説


ボイスボットとチャットボットの違い


ボイスボットとチャットボットは、ともに顧客とのコミュニケーションを代替するシステムですが、その手段に違いがあります。チャットボットはテキストベース、ボイスボットは音声ベースのコミュニケーションを提供します。

チャットボットは、顧客の質問にリアルタイムで短いテキストで返答するシステムです。あらかじめ想定される質問に対する適切な答えをプログラムしておくことで、対話の自動化を実現します。

チャットボットについて、詳しくはこちらをご確認ください。
チャットボットとは?仕組みやメリット、課題解決の事例を紹介
チャットボットの作り方は?準備することやポイントを詳しく解説

ボイスボットを導入するメリット

ボイスボットを導入するメリットは、機会損失を回避できることです。
オペレーターの人数が不足していると、顧客からの電話を取る前に切れてしまう、あるいは切られてしまう「あふれ呼」や「放棄呼」が増え、機会損失につながります。ボイスボットを導入すれば、オペレーターが不在でも問合わせに対応することが可能になり、顧客満足度の向上も期待できます。

「問合わせれば、何らかの答えが得られる」と顧客に感じてもらえれば、企業イメージやブランドイメージを守ることにもつながるでしょう。


コンタクトセンターの業務効率化


ボイスボットを導入するメリットは、コンタクトセンターの業務効率化を促進できることです。
有人対応していた電話応対業務の一部をボイスボットに任せることにより、緊急性が高く複雑な問合わせに人的コストを割くことができます。例えば、要件や個人情報の事前ヒアリングをボイスボットが担うことで、オペレーターにつながった後のヒアリングや個人情報確認作業などを省略することができ、オペレーターの限られたリソースを無駄なく活用しながら、ユーザーサポートにかかる時間を短縮できるため、応答率の向上も期待できます。


オペレーターの業務負担の軽減


ボイスボットが顧客からの問合わせの一次対応を担うことで、オペレーターが定型的な問合わせや、いたずら電話、営業電話などに対応する時間が減ることもメリットの1つです。
オペレーターは、膨大な受電数に忙殺されることなく、1件1件に落ち着いて対応できるようになり、身体的・心理的負荷が軽減するでしょう。数をこなすことより顧客と信頼関係を築くことを重視するコンタクトセンターであれば、人材が定着しやすく、離職率の低下や採用力の向上も見込めます。


顧客満足度の向上


ボイスボットを導入すると、オペレーターのみで顧客対応する場合よりも、多くの問合わせに対応できるようになり、顧客満足度の向上につながります。顧客の待ち時間を削減することで、「すぐに答えがほしい」という顧客のニーズに応えることができます。


24時間、365日対応が可能


ボイスボットを導入するメリットは、24時間365日、昼夜を問わず顧客対応が可能になることです。夜間や休日など、コンタクトセンターの営業時間外でも顧客対応ができるため、営業時間中に問合わせが集中するのを防ぎ、オペレーターの工数削減や業務効率化につながります。その結果、長期的には人件費の削減が見込め、ボイスボットの初期導入コストを上回るコストメリットを得ることができるでしょう。

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ボイスボットの活用例

ボイスボットは、どのような場面で活用できるのでしょうか。ボイスボットの具体的な活用事例をご紹介します。


ECサイトや通信販売の注文・問合わせ


ボイスボットは、ECサイトの問合わせやテレビ通販の注文受付に適しています。商品番号や数量の確認、支払方法の確認など定型的なやり取りが多いため、ボイスボットで効率的に対応することができます。また、メディアで紹介された商品に対する大量の問合わせも、ボイスボットを使えば迅速、かつ効率的な処理が可能です。


飲食店や宿泊施設の予約・問合わせ


飲食店やホテル、旅館などの予約や問合わせ対応にも、ボイスボットは活用できます。これらの施設では、予約や問合わせ対応をほかの業務を兼任するスタッフが行うことが多いでしょう。ボイスボットを導入すれば、基本的な電話対応を自動化できます。また、多言語に対応しているボイスボットなら、外国人旅行者からの予約や問合わせもスムーズに行うことも可能です。


金融・保険・通信サービスの問合わせ


金融や保険、通信サービスなどの業界では、夜間や業務時間外にも問合わせが発生することが少なくないため、ボイスボットを活用するケースがあります。ボイスボットを導入することで、24時間365日対応が可能になり、営業時間外に取りこぼしていた顧客接点をしっかりカバーできます。これにより、顧客の継続利用や新規紹介の増加につなげることが可能です。


公的機関の問合わせ


ボイスボットは、公的機関の問合わせ対応にも活用できます。官公庁や役所などには、生活に関わる様々な問合わせが寄せられます。ボイスボットを導入すれば、公的手続きが増加する時期などに問合わせが集中しても、スムーズに対応ができるでしょう。有人対応が必要な問合わせが減ることで、職員の業務負担が軽減され、より効率的な運営が可能になります。

ボイスボットの選び方のポイント

ボイスボットには、様々な商品があるため、どれを選んだらいいか迷うこともあるかもしれません。ボイスボットを選ぶ際には、下記の6つのポイントを押さえておきましょう。


既存システムと連携できるか


ボイスボットを選ぶ際には、既存システムと連携できる商品かどうかを確認することが重要です。特にコンタクトセンターでは、すでに利用しているCRMシステムやチャットシステムなどにボイスボットが連携できると、業務がより効率的に進みます。導入前にサービス提供会社に問合わせるなどして、連携可能なボイスボットがあるかを確認するといいでしょう。


有人対応に切り替えができるか


ボイスボットを選ぶ際は、ボイスボットから有人対応に切り替えができるシステム設計になっているかを確認しましょう。複雑な問合わせや、前例のない問合わせには、オペレーターの対応が不可欠です。ボイスボットと有人対応の2パターンに対応できることはもちろん、ボイスボットから有人対応へスムーズに転送できるかどうかにも着目して選ぶことをおすすめします。


自動学習機能があるか


ボイスボットに自動学習機能があるかどうかも、選ぶ際に注目したいポイントです。自動学習機能があれば、管理工数をかけなくても、自動的に対応の精度が向上します。間違った回答をするリスクもありますが、人の手によるメンテナンスが少なく済むため、担当者の管理工数を減らすことにつながります。


着信数をカバーできるだけの同時接続ができるか


ボイスボットを選ぶ際は、同時に対応できる電話件数を確認することもポイントです。ボイスボットの同時接続できる件数より着信数のほうが多ければ、対応しきれない問合わせが発生し、顧客満足度が低下します。問合わせ件数が多い場合は、着信数に見合う同時接続数があるかどうかも重要なチェックポイントです。


受け付け後の顧客へのフォローアップ機能はあるか


ボイスボットには、顧客の問合わせに対して、受け付けた内容をメールやSMSなどで送信するフォローアップ機能がある商品もあるため、その機能があるかを事前に確認しておくといいでしょう。顧客は電話を切った後で話の内容を視覚的にも確認できるため、安心感が高まります。


シナリオ更新などの運用作業は容易か


ボイスボットを選ぶ際は、シナリオ更新ができるかも重要なポイントです。ボイスボットに設定したシナリオは、日々の業務を通じてブラッシュアップしていく必要があります。管理画面から簡単にシナリオを調整できると、システムに詳しい人でなくても容易に運用ができ、属人化の懸念がなくなります。

テクマトリックスが提供するボイスボット「FastVoice」なら、作成したシナリオや合成音声をその場で再生テストができ、さらには電話番号もそのまま即時購入することが可能なため、迅速な運用を実現します。

ボイスボットを導入する際の注意点

ボイスボットは便利なサービスですが、導入にあたってはいくつかの注意点があります。ここからは、ボイスボットを導入する際に留意すべき、3つのポイントを解説します。


複雑な問合わせには対応できない


ボイスボットは、多くの問合わせに対応できますが、内容が複雑な場合は対応が難しく、有人対応が必要になることがあります。特に、クレーム対応やカウンセリング、相談業務など、感情的な要素や柔軟な対応が求められる場面では、有人対応のほうが適しています。


常にブラッシュアップする必要がある


ボイスボットを導入した後も、認識精度を高めるため、定期的にメンテナンスやアップデートをする必要があります。ボイスボットが適切に機能し続けるためには、継続的な管理や調整が必要になるため、管理担当者にかかる人的コストについても考慮する必要があります。


IVRに比べて誤認識が生じる可能性がある


ボイスボットは、顧客の通話環境や発音などの影響を受けやすく、IVRに比べて誤認識が生じる可能性があります。IVRは、顧客が音声ガイダンスに従って問合わせ内容に沿った番号を選択する仕組みのため、誤認識が低い傾向にあります。一方、ボイスボットは音声認識機能に依存しており、誤った認識をするリスクは高くなるでしょう。ただし、対応回数を重ねて学習と改善を繰り返すことで、ボイスボットの精度は徐々に向上していきます。

ボイスボットでコンタクトセンターの業務負担を軽減しよう

ボイスボットは、オペレーターの代替として業務効率化を促進するだけでなく、CX(顧客体験)の向上にもつながるシステムです。コンタクトセンターに導入する際は、既存システムとの相性や管理のしやすさを考慮して、最適な商品を選びましょう。

テクマトリックスが提供するボイスボットシステム「FastVoice」は、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」との連携が可能です。生成AIを活用してボイスボットによるヒアリング内容を自動要約し、CRMに自動登録することもできます。また、通常100件、最大1,000件の同時接続が可能で、有人対応への転送もスムーズに行えます。SMSを利用して顧客をWebサイトやチャットへ誘導する機能や、シナリオ登録・編集機能も搭載されています。

同シリーズの有人チャットシステム「FastText」やチャットボット「FastBot」、ビジュアルIVR「FastNavigation」と連携したソリューションとしてもご提案可能です。ボイスボット導入の際は、ぜひご検討ください。

「FastVoice」「FastText」「FastBot」「FastNavigation」の詳細説明・問合わせはこちら
【お問合わせフォーム】FastSeries製品サイト

まとめ

  • ボイスボットとは、音声認識や対話型AI、自然言語処理などの機能を備えた音声会話システム。人間のように自然な会話を音声で行えるため、これまでコンタクトセンターのオペレーターが担っていた電話応対業務を分担できる。
  • ボイスボットを導入するメリットは「機会損失の回避」「コンタクトセンターの業務効率化」「オペレーターの業務負担の軽減」「顧客満足度の向上」「24時間、365日対応が可能」などがある。
  • ボイスボットを選ぶ際は、「既存システムと連携できるか」「有人対応に切り替えができるか」「自動学習機能があるか」「入電数をカバーできるだけの同時接続ができるか」などのポイントを確認する必要がある。

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