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2025/03/10

CTI連携とは?仕組みやメリット、導入におすすめのシステムを解説

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コンタクトセンターの業務においては、電話やFAXを活用した業務が多く、効率的な運用が求められています。そこで活用されているのが「CTI連携」です。CTI連携を導入することで、業務の効率化や顧客対応の質の向上が期待できます。
この記事では、CTI連携の概要と主な機能、活用するメリットやCTI連携におすすめのシステムについて解説しています。CTI連携を行う際の注意点や、具体的な企業の事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

CTI連携とは、コンピューターに様々なシステムを連携させる仕組み

CTI(Computer Telephony Integration)連携とは、電話やFAXなどの機器をコンピューターと連携させるためのシステムのことです。近年では、電話・FAX以外にもIVR(電話自動音声応答システム)など、様々なシステムをコンピューターと連携させることが可能になりました。

昨今、ICTシステムの進歩や顧客のライフスタイルの変化に伴い、対面による顧客接点が減少しつつあり、コンタクトセンターにおける顧客接点の重要性が高まっています。そのため、電話やFAXといったコミュニケーションシステムをコンピューターと連携させ、業務をより効率的に進めるための仕組みとして、CTI連携が活用されています。

なお、CTI連携は、PBX(Private Branch Exchange)とは異なります。PBXは、複数の電話回線を制御する電話交換機であり、CTIはコンピューターと外部機器を連携させる仕組みです。近年では、PBXのデジタル化が進み、CTIシステムとの連携が従来と比べて容易になっています。

■CTI連携とPBXの関係
relationship-between-CTI-Linkage-and-PBX.png

CTIの種類と主な機能

CTIには、インバウンド型とアウトバウンド型、クラウド型、オンプレミス型といった種類があります。それぞれの特長と、CTIの主な機能について見ていきましょう。


CTIの種類


CTIの種類は、用途と提供形態によって分類できます。具体的な分類方法は下記のとおりです。

用途による分類
・インバウンド型:受電業務を効率化し、オペレーターの負担軽減や顧客満足度の向上を図る
・アウトバウンド型:発信業務を効率化し、新規顧客の獲得や営業活動などの効果を高める

提供形態による分類
・クラウド型:ネット回線を通じたクラウドサービスとして提供されるCTI
・オンプレミス型:自社サーバーに設置し、独自に運用するCTI


CTIの主な機能


CTI連携により、「業務の効率化」や「顧客対応の質の向上」を支援する様々な機能が利用できます。主な機能は、下記のとおりです。

<CTIの主な機能>
IVR機能:着信時に自動音声ガイダンスで応答し、有人または無人対応の振り分けや、混雑緩和につなげる
ACD(着信呼自動分配装置)機能:事前に設定したルールにもとづき、着信を各オペレーターに振り分け、負担軽減や対応品質の均一化を支援する
ポップアップ機能:着信時にパソコン画面に顧客情報を表示し、対応の均一化や顧客満足度の向上を支援する
トークスクリプト共有機能:通話中に模範トークやマニュアル、最新情報などを自動で表示し、オペレーターの対応品質向上や育成に役立てる
通話録音機能、文字起こし機能:問合わせ対応の通話を自動録音し、音声認識AIなどを活用して文字起こしして、問合わせ内容の後処理時間削減やオペレーターの教育に利用する

CTI連携のメリット

CTI連携によって得られるメリットとして、下記の3点が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

<CTI連携のメリット>
・業務効率の向上
・対応品質の改善
・顧客満足度の向上


業務効率の向上


CTI連携は、「電話を適切なオペレーターへと自動で振り分ける」「対応に必要な情報を素早く参照できる」といった機能で、コンタクトセンターの業務効率化につながるメリットがあります。
従来のコンタクトセンターでは、「オペレーターのスキルや経験を問わず、入電した順に対応する」「必要な情報を探すために通話を保留にする」などのケースが多く発生していました。しかし、CTI連携を活用すれば、こうした課題が解消され、業務効率の向上につながる効果が期待できます。

問合わせ対応の効率化について、詳しくはこちらをご確認ください。
【問合わせ対応を効率化する方法】システムや事例を交えて解説


対応品質の改善


CTI連携により、「オペレーターのスキルに応じた入電の振り分け」「電話対応中にスムーズな情報検索」が可能になり、対応品質が向上することもメリットのひとつです。また、通話録音機能を活用することで、対応後のフィードバックや改善がしやすくなり、オペレーターのスキルアップにも役立ちます。
顧客からの問合わせに対して、的確な対応ができれば、問合わせ1件あたりの通話時間を削減しやすくなるため、オペレーターの負担軽減にもつながり、結果として従業員の満足度向上にも期待できるでしょう。


顧客満足度の向上


CTI連携により回線の混雑を緩和し、迅速な問合わせ対応が可能になると、顧客満足度が向上するメリットがあります。
「電話がつながりにくい」「的確な回答を得られない」といった状況は、顧客が不満につながりやすいため、企業のブランドイメージにも影響を与えます。そのため、コンタクトセンターでの対応品質を向上させ、適切な対応を提供することが重要です。CTI連携によって迅速かつ正確な対応が可能になれば、企業の信頼性向上や顧客エンゲージメントの強化にも貢献するでしょう。

CTI連携におすすめのコンタクトセンター向けシステム

CTI連携を効果的に活用するには、業務効率化につながるシステムを適切に選定することが重要です。ここでは、コンタクトセンターでの運用をサポートする代表的なシステムを紹介します。

<CTI連携におすすめのコンタクトセンター向けシステム>
・CRM
・チャットボット
・FAQシステム
・ビジュアルIVR
・音声認識システム
・SFA
・API


CRM


コンタクトセンターでは、CRMシステムをCTI連携させて顧客情報を一元管理することで、業務効率化が促進されます。また、CRMに蓄積されている顧客情報を素早く参照できる仕組みを構築すれば、顧客に合わせた適切な対応が可能となり、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

テクマトリックスのコンタクトセンター向けCRM「FastHelp」では、CTIシステムと連携することで受電と同時にポップアップが表示され、電話番号から既存顧客を自動で検索し、顧客の基本情報や過去の問合わせ履歴などの情報を把握することができます。様々なCTIシステムとの連携に対応しており、電話操作をFastHelp上で行うことも可能です。
さらにCRMとしては、顧客情報や対応履歴の管理だけでなく、回答支援機能やレポート機能、アラート機能、エスカレーション機能など、コンタクトセンター業務に必要なあらゆる機能が標準装備されている点が大きな特長です。電話・メール・チャットなど多様なチャネルに対応しているため、様々な媒体から得た顧客情報を一元管理できます。

また、生成AI機能群「FastGenie」と連携させれば、「オペレーター向けの回答支援」「顧客向けの回答作成支援」「対話内容の要約・詳細分類転記」などの自動化により、オペレーターの顧客対応や後処理のリソースの軽減が可能になります。

■FastHelp機能一覧
FastHelp-function-list.pngコンタクトセンターの生成AI活用について、詳しくはこちらをご確認ください。
生成AIをコンタクトセンターでどう活用する?サービス事例を解説


チャットボット


テキストベースの自動応答が可能なチャットボットも、CTI連携に適したシステムのひとつです。定型的な回答で対応可能な問合わせや、基本的な内容に関するやりとりであれば、自動応答にて完結できるケースは少なくありません。チャットボットの導入によって、一次対応や典型的な問合わせをオペレーターが行う必要もなくなり、負担軽減と業務効率化につながります。

テクマトリックスのチャットボットシステム「FastBot」は、プログラミングなどの知識がなくてもシナリオ作成できるほか、LINEやWebチャットボットなど多様なシナリオを一元管理できます。また、有人チャットシステム「FastText」と連携すれば、複雑な質問や個別対応が必要な問合わせには有人チャットや電話対応に切り替えができます。

■FastBotのおすすめポイント
selling-point-of-fastbot.pngチャットボットの導入効果について、詳しくはこちらをご確認ください。
【徹底解説】チャットボットの導入効果や事例、効果測定の方法
チャットボットの選び方について、詳しくはこちらをご確認ください。
失敗しないチャットボットの選び方!押さえるべきポイントを詳しく解説
チャットボットの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【チャットボットの作り方】自作・システム利用のポイントを解説


FAQシステム


顧客に自己解決を促すFAQを作成、管理するFAQシステムもCTI連携に適したシステムです。顧客が感じた疑問をFAQサイトで検索し、FAQでは解決できない問合わせに関しては適宜別のチャネルへと導くことで、業務効率化と顧客満足度向上の両立を図れます。また、FAQシステムをコンタクトセンター内でも活用すれば、オペレーターが問合わせ内容に応じた適切な回答をスムーズに検索・提供できるようになります。

テクマトリックスのFAQナレッジシステム「FastAnwer」は、膨大な量のFAQやナレッジの作成・検索・管理を容易にするシステムです。コンタクトセンターに集まる「声」をFAQナレッジに反映させられることに加え、回答に必要な情報を一元管理して活用できます。さらに、前述のCRMシステム「FastHelp」との連携も可能。過去の問合わせ情報をナレッジの一部として簡単に活用できる点が大きなメリットです。

■FastAnwer利用のメリット
advantages-of-using-FastAnswer.pngFAQの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【FAQの作り方】問合わせ削減に向けた手順や構成を解説
FAQの成功事例について、詳しくはこちらをご確認ください。
FAQの成功事例を5つ紹介!問合わせ削減のためのコツと活用イメージ
fastanswer-introduction-page-728-90px.png


ビジュアルIVR


IVRの機能をWebサイトやアプリ上で視覚的に案内できるビジュアルIVRも、CTI連携におすすめのシステムです。顧客が画面の案内に従って操作することにより、対応に適したチャネルへと誘導できます。FAQシステムやチャットボットをはじめ、必要に応じて有人対応を案内することで、顧客の要望に合った対応を実現可能です。

例えば、テクマトリックスのビジュアルIVR「FastNavigation」は、CTIシステムに連携させたい「数字」を利用者に入力してもらうためのモーダル表示機能を備えており、会員番号など必要な情報を着信時に連携させる機能を実装できます。電話番号+IVR番号+利用者による任意の数字をセットにして通話発信することで、CTIシステムとのスムーズな連携が可能です。

■FastNavigationのCTI連携オプション
FastNavigation-CTI-linkage.png


音声認識システム


音声認識システムは、通話内容をリアルタイムで文字データ化し、業務の効率化や情報共有をスムーズにするシステムです。
CTIと連携することで、顧客対応の記録が自動で作成され、対応履歴の管理や分析が容易になります。また、音声データを活用して問合わせの傾向分析やオペレーターのスキル向上にも役立てることができます。


SFA


SFA(Sales Force Automation)とは、営業活動を効率化し、顧客対応の質を向上させる営業支援システムです。
CTIと連携することで、通話履歴や顧客情報をリアルタイムで確認しながら対応できるため、スムーズな営業活動が可能になります。また、顧客データの一元管理ができ、営業プロセスの可視化や改善にも貢献します。


API


APIとは、異なるシステムをつなぐ仕組みで、APIを活用することで、CTIとほかの業務システム(CRM、SFA、チャットシステムなど)を柔軟に連携できます。
API連携により、顧客情報の自動取得や通話履歴の共有ができれば、よりスムーズな顧客対応が可能です。また、システム間のデータ連携がスムーズになることで、業務プロセスの自動化や効率化も期待できます。

CTI連携をする際の注意点

CTI連携に際して注意しておきたいポイントを紹介します。下記の2点については、システムを選定する際に必ずチェックしておきましょう。


既存システムと連携できるか


CTI連携する際は、現在使用しているシステムに連携できるか、必ず確認することが重要です。連携予定のシステムをリストアップし、すべてがスムーズに連携できるか事前にチェックしておきましょう。

もし連携できないシステムがあると、追加のシステム導入が必要となり、コストや工数が増加するリスクもあります。また、通話履歴や顧客情報などのデータを一元管理できないと業務の効率が低下する可能性もあるため、既存システム間の連携可否は導入前にしっかり確認しておきましょう。


セキュリティは問題ないか


CTI連携では、複数のシステムを統合するため、セキュリティリスクの管理が不可欠です。CTIシステム自体に脆弱性があると、連携しているすべてのシステムに影響を及ぼし、情報漏洩のリスクが高まります。導入前に、セキュリティ対策が十分に講じられているかを必ずチェックしておきましょう。
また、クラウド型とオンプレミス型では、求められるセキュリティ対策が異なります。

<クラウド型とオンプレミス型のセキュリティ対策の違い>
・クラウド型:インターネット経由で利用するため、ベンダーが提供するセキュリティ対策を活用できるメリットがある
・オンプレミス型:自社でセキュリティ管理を徹底する必要があるため、ポリシーに合致した運用が可能

どちらの方式が優れているとは一概にいえないため、自社のセキュリティ要件と照らし合わせ、適切なシステムを選定することが重要です。

CTIとCRMを連携するコンタクトセンター事例

CTIとCRMを連携させることで、業務効率化や対応品質の向上といったメリットが得られます。ここでは、CTI連携により業務改善に成功した2社の事例を紹介します。


「FastHelp」の導入で業務工数50%削減|セック株式会社様


セック株式会社様では、商業空間や設備内で導入した冷凍設備などを利用する法人顧客からの問合わせに対応するコールセンターを運営しています。以前はデータ管理の属人化や管理の煩雑さなどが課題となっていました。

そこで、テクマトリックスのCRMシステム「FastHelp」を導入し、業務基盤を集約。CTI連携により、着信時のポップアップ表示で、過去の対応履歴を素早く確認できる仕組みを構築しました。この結果、年間約5万件のコール対応を効率化でき、業務工数を50%削減しました。また、クラウド環境への移行でサーバー管理が不要になるなど、保守の面でも負担軽減につながっています。

■FastHelpの導入効果
FastHelp-sec-case.pngセック株式会社様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
セック株式会社様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)


短期間で本格的なCTIと通話録音連携を構築|株式会社クレステック様


ドキュメントソリューションサービスを提供する株式会社クレステック様では、従来サポートグループにて電話系システムを主体としたCRMシステムを活用していました。しかし、そのCRMシステムのリース期限を迎えるにあたり、テクマトリックスのクラウド型のCRMシステム「FastHelp」に変更することに。

また、顧客の電話番号から顧客情報や過去の対応履歴が自動表示される着信ポップアップなどを実装し、CTI/通話録音連携を構築。情報管理の一元化により対応の進捗状況が可視化され、他拠点との連携もスムーズになりました。こうした本格的なコンタクトセンターシステムを短期間で構築できることは、クラウド型のCRMシステムの強みといえるでしょう。

株式会社クレステック様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
株式会社クレステック様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)

CTI連携におすすめ!コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」

CTI連携は業務効率化のほか、対応品質や顧客満足度の向上にも寄与する仕組みです。CRMやチャットボット、FAQナレッジシステムをそれぞれ連携させることで、コンタクトセンターで生じやすい業務の属人化や情報の共有不足といった課題の解決につながります。

幅広いシステムと連携可能なシステムをお探しの場合は、テクマトリックスの「FastSeries」がおすすめです。
FastSeries-2025-new-lineup.png
コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」は、電話やメール、FAXなどに加え、Webサイトやチャットボット、SNSなど多様なチャネルでの顧客対応の一元管理が可能です。
また、FAQナレッジシステム「FastAnswer」やボイスボット「FastVoice」をはじめ、CTIシステム含む各種システムとの連携も可能です。

■FastSeriesグランドデザイン
FastSeries-grand-design.pngCTI連携で業務効率化を実現したい方は、ぜひ「FastSeries」の導入をご検討ください。

コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp
FAQ作成の業務効率化を支援するFAQナレッジシステムは「FastAnswer
WebサイトやLINE上で顧客対応を自動化するチャットボットは「FastBot
チャットボットとの連携もスムーズな有人チャットは「FastText
自社希望に合わせたセルフカスタマイズができるAIボイスボットは「FastVoice
自己解決チャネルへ適切に誘導するビジュアルIVRは「FastNavigation
リアルタイム対話要約、回答支援、FAQ作成支援、VOC抽出ができる生成AI機能群は「FastGenie

まとめ

  • CTI(Computer Telephony Integration)とは、電話やFAXなどの機器をコンピューターと連携させるためのシステムのこと。
  • CTIの種類は、用途による分類としてインバウンド型とアウトバウンド型があり、提供形態による分類としてクラウド型とオンプレミス型がある。

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