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2024/11/06

有人チャットとは?メリットやチャットボットとの違い、連携方法を解説

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電話に集中しがちなコンタクトセンターへの問合わせを分散させ、対応への顧客満足度を高める方法に「有人チャット」があります。チャットボットでは難しいきめ細かなサポートができる半面、人的コストがかかることから、導入に悩む企業も多いでしょう。
この記事では、有人チャットの導入のメリットと注意点、選び方のポイントのほか、チャットボットとの違いについても解説します。

有人チャットとはリアルタイムで行われるテキストベースの会話システム

有人チャットは、顧客の問合わせに対して、オペレーターが直接チャットでやりとりするシステムです。
顧客はWebサイトやアプリ上に用意された専用のプラットフォームから問合わせ、オペレーターがテキストで回答します。チャットボットでは対応できないような、業界や商品、サービスに精通していないと回答できない難度の高い質問や、緊急性の高い相談にも即座に回答することができます。

■有人チャットのイメージ例
operator-and-customer-chat-screen.png


有人チャットとチャットボットの違い


有人チャットと似たシステムにチャットボットがありますが、それぞれの大きな違いは回答者が人間かロボットかという点です。
チャットボットとは、「チャット」と「ロボット」が合わさった言葉で、人間と自動で会話ができるよう、シナリオやAI技術などを使って設計されたシステムです。開発者があらかじめ用意したシナリオや、AIが学習したデータをもとに、顧客の問合わせにロボットが答えたり、簡単なタスクを実行したりします。そのため、チャットボットはシナリオにない、もしくは学習していない問合わせには対応できません。

一方、有人チャットは、コンタクトセンターなどのオペレーターが対応に当たるため、前例のない質問や、専門性が高く難しい質問にも対応することが可能です。

チャットボットの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【チャットボットの作り方】自作・システム利用のポイントを解説

有人チャットの種類

チャットボットではできないような、細かな対応ができる有人チャットですが、種類は大きく分けて3つあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。


チャットボット兼用タイプ


有人チャットには、質問の内容に応じて、チャットボットと有人チャットを切り替えられる「チャットボット兼用タイプ」があります。
一般的な質問はチャットボット、複雑な質問などより細やかな対応が必要な場合は有人チャットというように、質問内容に応じて切り替えることが可能です。
有人チャットとチャットボットを自由に切り替えることで、対応できる顧客の数が増え、顧客の満足度が高まります。また、オペレーターの負担を減らすことにもつながるでしょう。

■チャットボット兼用タイプの有人チャットのイメージ
operator-and-chatbot-work-together-to-respond-to-customer.png


有人チャットのみのタイプ


有人チャットには、チャットボットの機能がない「有人チャットのみのタイプ」もあります。顧客からの問合わせが専門的な内容に限られる場合や、オペレーターの人員が足りている場合などにおすすめです。
顧客情報管理ツールと連携することにより、オペレーター自身の記憶や経験をデータでフォローし、過去の問合わせ内容を踏まえた高度な対応も可能です。


SNSと連携できるタイプ


FacebookやLINE、Teamsなど「SNSと連携できるタイプ」の有人チャットもあります。
顧客や自社が使用しているプラットフォームに合わせてやりとりできるため、顧客と従業員の利便性は非常に高いでしょう。異なるSNSのやりとりを一元的に管理できる商品なら、オペレーターの負担も最小限に抑えられます。

有人チャットを導入するメリット

有人チャットの導入は、問合わせを請け負うコンタクトセンターに多くのメリットをもたらします。ここでは、下記の5つのメリットをご紹介します。

<有人チャットを導入するメリット>
・電話による問合わせ対応の削減ができる
・ニーズに沿ったきめ細やかな対応ができる
・クレームやトラブルの対応もできる
・利用率や購買率の向上が見込める
・データの蓄積が可能になる


電話による問合わせ対応の削減ができる


有人チャットを導入すると、問合わせ先のチャネルが分散し、電話による問合わせ対応を削減できるメリットがあります。
電話での問合わせは、顧客の話を聞いて内容を把握したり、説明を理解してもらったりするなどで時間がかかる傾向にあります。そのため、ほかの顧客への対応が遅れ、「何度かけても電話がつながらない」といった不満やクレームにつながるケースも多いでしょう。

テキストベースで対応できる有人チャットなら、定型的な質問にはあらかじめ用意してあるテンプレートをカスタマイズして回答すれば対応が完結し、効率的に多くの問合わせに対応できます。有人チャットでの対応が増えれば、オペレーターの負担が大きい電話による問合わせ数の大幅な削減が見込めます。


ニーズに沿ったきめ細やかな対応ができる


有人チャットを導入すると、顧客の状況や質問に応じて、きめ細かな対応ができるメリットがあります。
例えば、「緊急性の高いトラブルに見舞われている」「専門性の高い疑問をすぐに解決したい」といった場合、なかなかつながらない電話や、複雑な話を理解しないチャットボットでの対応は最善ではないこともあります。

有人チャットなら、オペレーターから質問に該当するFAQへのリンクを送信して簡潔に説明できたり、顧客に画像データを添付して送ってもらうこともできるため、より正確に顧客の状況を把握して対応できたりするでしょう。
また、耳が聞こえず電話だと聞き取りが難しい顧客にも、視覚的に対応することが可能となります。


クレームやトラブルの対応もできる


有人チャットを導入するメリットは、クレームやトラブルなどにも対応できることです。
チャットボットは、クレームの原因に対して解決策を示すことはできますが、「顧客の怒りを感じ取って謝罪する」「心情に寄り添う言葉をかける」といった対応はできません。
有人チャットであれば、顧客の置かれている状況に適した言葉や対応を選択でき、的確な対応ができます。また、文字でのやりとりになることで、顧客の怒りの声を直接聞くことがないため、オペレーターの心理的な負担も少なからず軽減されるでしょう。


利用率や購買率の向上が見込める


顧客の困りごとをリアルタイムで把握して、購買へとつなげられることも、有人チャットを導入するメリットのひとつです。
商品の機能の違いがわからず購買を迷っている顧客や、サイトの機能がわからず利用できない顧客など、購買を離脱する可能性が高い顧客でも、有人チャットであればリアルタイムに対応ができます。
購買の離脱を防げれば、商品・サービスの利用率や購買率を高めることにつながるでしょう。


データの蓄積が可能になる


有人チャットは、問合わせ内容や顧客情報のデータを蓄積することが可能です。
顧客の悩みごとや困りごと、さらには対応方法を蓄積できれば、同じような問合わせがあった際にすみやかに回答できます。また、経験値の高いオペレーターの対応をナレッジ共有すれば、属人化も防ぐことができるでしょう。
さらには、よくある質問をFAQに追加したり、商品・サービスの改善につなげたりすることも可能です。

FAQの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【FAQの作り方】問合わせ削減に向けた手順や構成を解説

有人チャットの注意点

有人チャットにはさまざまなメリットがありますが、利用にあたっては注意したい点もあります。ここでは、主な2つの注意点について解説します。


対応が営業時間内に限られる


有人チャットの注意点は、オペレーターが必要なシステムのため、対応がコンタクトセンターの営業時間内に限られることです。24時間365日体制での対応はできないため、休日や深夜、早朝はチャットボットに対応を任せ、コンタクトセンターの営業時間内は有人チャットと並行して対応する体制がいいでしょう。この体制であれば、顧客は時間を問わず自由に問合わせができ、満足度が向上します。


人件費がかかる


有人チャットはオペレーターを複数人配置する必要があるため、チャットボットに比べて人件費がかかる点に注意が必要です。
有人チャットは、1人のオペレーターが同時に複数の顧客対応を行うことも多いため、負担が大きくなりがちです。また、問合わせが集中する時間帯はオペレーターが不足し、顧客を待たせる可能性があることも踏まえて、適切な人数を配置する必要があります。
問合わせ内容に応じてチャットボットと有人チャットをうまく使い分け、オペレーターの負担を軽減しながらコスト削減を図りましょう。

有人チャットの活用例

有人チャットは、主にコンタクトセンターで活用されていますが、商品・サービスの問合わせだけでなく、営業サポートのツールとしても活用できます。例えば、下記のような部門で活用できます。


カスタマーサポート


Web上でリアルタイムの対話ができる有人チャットは、カスタマーサポートに活用されることが多いシステムです。特にECサイト、製造業、SaaS(Software as a Service)での商品・サービス購入後の質問や、サービス利用中のトラブル対応などで、迅速なサポートが必要な場面で効果的です。顧客は、サービスを使用しながら気軽に問合わせができるうえ、すぐに返答が得られるため、その利便性と即時性に満足度が上がることも多いでしょう。


営業サポート


有人チャットは、商品の紹介や販売、リード獲得などの営業サポートに使うこともできます。問合わせなどで接点を持った顧客とコミュニケーションを重ね、信頼関係を構築して購買につなげる営業やマーケティングにおいても効果的です。適切なタイミングで、パーソナライズされた提案や、アップセル・クロスセルにつながる提案などもでき、売上の向上に役立ちます。


コンサルティングサポート


有人チャットは、保険会社や金融機関などのコンサルティングサポートにも活用できます。特に、保険商品や投資商品など、商品・サービスの違いをわかりやすく説明する必要がある場面では、専門知識を持った担当者が有人チャットを使って対応できるため、適切かつタイムリーなアドバイスが可能です。

有人チャットを導入するための手順

有人チャットを導入するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。ここからは、有人チャットを導入するための5つの手順をご紹介します。

<有人チャットを導入するための手順>
1 自社の課題を洗い出す
2 有人チャットの種類を決める
3 有人チャットの画面デザインや機能、導線を設定する
4 会話や操作のガイドライン作成とオペレーターの研修を実施する
5 有人チャットの運用を開始し、改善を繰り返す


1 自社の課題を洗い出す


有人チャットを導入するためには、まず、コンタクトセンター内の課題を洗い出す必要があります。カスタマージャーニーを見直して自社の課題を洗い出しつつ、必要なチャネルやシステムなどをリサーチします。


2 有人チャットの種類を決める


課題を洗い出したら、有人チャットの種類を決めましょう。チャットボット兼用タイプ、有人チャットのみのタイプ、SNSと連携できるタイプから、自社に合った種類を決めて、導入する商品を選定します。
また、すでにチャットボットを活用している場合は、有人チャットと連携できる商品を選びます。


3 有人チャットの画面デザインや機能、導線を設定する


有人チャットの商品が決まったら、チャット画面のデザインや機能、導線を設定します。電話やメール、FAQ、チャットボット、ビジュアルIVRなどのシステムで問合わせに対応している場合、問題が解決しないときに有人チャットにシフトできる導線も設定しておきましょう。

ビジュアルIVRについて、詳しくはこちらをご確認ください。
ビジュアルIVRとは?導入するメリットやIVRとの違いを解説


4 会話や操作のガイドライン作成とオペレーターの研修を実施する


有人チャットのデザインや機能、導線が決まったら、顧客との会話や操作に関するガイドラインを作成し、オペレーターの研修を行います。オペレーターは、操作方法の練習はもちろん、チャットならではの短い文章で回答を作る練習や、素早く文章を打ち込むタイピング練習などをする必要があります。


5 有人チャットの運用を開始し、改善を繰り返す


オペレーターの研修が終わったら、有人チャットの運用を開始し、必要があれば改善を行いましょう。
運用開始直後の慣れない時期は、問合わせが殺到しないように、Webサイトの限定的な場所に有人チャットのボタンを設置し、慣れてきたらメインの場所へ移動させるのもおすすめです。
顧客との対応履歴やフィードバックをもとに、有人チャットの運用や対応の改善を繰り返します。

有人チャットを効果的に運用するポイント

有人チャットの効果を最大限に伸ばし、対応品質を高めるためにはいくつかのポイントがあります。ここでは、有人チャットを効果的に運用するための5つのポイントをご紹介します。

<有人チャットを効果的に運用するポイント>
・有人チャット向けのKPIを設定する
・改善のためのPDCAを回す
・伝わりやすい短文テキストにする
・回答用のコンテンツを用意しておく
・チャットボットから得た一次情報を取得できるようにする


有人チャット向けのKPIを設定する


有人チャットを効果的に運用するポイントは、従来の電話やメールでの対応によるKPIとは別に、有人チャットならではのKPIを設定することです。コンタクトセンター内のKPIとして、有人チャットの対応件数はもちろん、チャットボットやFAQからの流入件数や同時接続数、中断件数などのKPIを設定するといいでしょう。それに応じて、オペレーター個人のKPIを設定します。

コールセンターのKPIについて、詳しくはこちらをご確認ください。
コールセンターのKPIとは?各指標の意味と算出方法、目安を解説


改善のためのPDCAを回す


問合わせの対応時間の短縮や解決率の向上のためにPDCAを回して無駄を省くと、有人チャットの効果的な運用ができます。
有人チャットは複数の顧客を同時に対応できるとはいえ、対応時間などの工数が電話対応より大きくなっては意味がありません。どのようにしたら対応を短縮できるのか、顧客満足度が高くなるのかなどを考えながら、改善点を見いだし、軌道修正をしていくことも大切です。


伝わりやすい短文テキストにする


有人チャットを効果的に運用するためには、オペレーターがわかりやすく、短いテキストで回答することも大切です。チャットのスペースは小さいため、読みやすさに配慮してできるだけ端的な表現を心掛けましょう。ただし、素っ気ない感じにならないよう、語尾などに気を配ることが大切です。


回答用のコンテンツを用意しておく


問合わせ対応時間の短縮のために、WebサイトのサービスページやFAQページなど、回答用のコンテンツを用意しておくと効率的な運用ができます。電話対応ではできない有人チャットの強みは、回答につながるURLや画像をすぐに送信して、顧客がそのままやりとりを続けることもできる点です。そのためのコンテンツをいくつか用意しておくといいでしょう。


チャットボットから得た一次情報を取得できるようにする


チャットボットと有人チャットを連携する際は、チャットボットで得た情報をすぐに確認できるような設計にすると、スムーズに運用できます。チャットボットから有人チャットに切り替わった場合、オペレーターは、チャットボットから引き継いだ情報を活用して、素早く回答を提示することができるでしょう。

自社に適した有人チャットの選び方

有人チャットには、多くの商品があるため、どのように選んだらいいか迷うことも多いでしょう。ここからは、運用後に後悔しないために、自社に合った有人チャットを選ぶコツをご紹介します。

<自社に合った有人チャットの選び方>
・オペレーターが使いやすい仕様か
・既存のシステムと連携できるか
・複数チャネルに対応できるか
・管理者が進捗を確認できるか


オペレーターが使いやすい仕様か


有人チャットを選ぶ際は、オペレーターが使いやすい仕様であることが大切です。オペレーターが操作しやすいか、機能が十分に揃っているか、モニター画面がわかりやすいかなどを確認し、使い勝手のいいものを選びましょう。


既存のシステムと連携できるか


有人チャットを選ぶ際は、現在利用中のシステムと連携できるかどうかも確認したいポイントのひとつです。例えば、コンタクトセンターで利用しているCRMシステムと連携できれば、CRMシステムの顧客情報を踏まえた、より細やかな対応が可能になります。


複数チャネルに対応できるか


複数のチャネルに対応できるかという点も、有人チャットを選ぶ際の重要なポイントです。有人チャットは、SNSのほかにFAQ、チャットボット、ビジュアルIVRなどを通じて問合わせが来ることも少なくありません。近年ではオムニチャネルを活用して販売促進につなげる企業も増えているため、それぞれのチャネルからの問合わせに同時対応できると、より利便性が高まります。


管理者が進捗を確認できるか


有人チャットを選ぶ際は、管理者が進捗をリアルタイムで確認できる仕様であるかも重要なポイントです。有人チャットは、オペレーターに対応を一任したままだと、対応件数や品質にばらつきが生まれます。電話対応とともに、有人チャットの進捗を管理者が確認できるといいでしょう。

コンタクトセンターの業務効率化を促進する有人チャットシステム

有人チャットは、オペレーターの負担を低減しながら丁寧なサポートを実現するシステムです。
コンタクトセンターで有人チャットを導入する場合は、チャットボットからの切り替えがスムーズな商品や、問合わせデータが蓄積できる商品を選び、対応の効率化を図りましょう。

テクマトリックスの有人チャットシステム「FastText」は、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」やチャットボットシステム「FastBot」との連携が可能で、オペレーターの生産性と利便性を高めます。KPIをはじめ分析機能も充実しているため、管理者の業務改善も行うことができます。
有人チャットシステムを導入する際は、ぜひ「FastText」をご検討ください。

チャットボットとの連携もスムーズな有人チャットは「FastText
WebサイトやLINE上で顧客対応を自動化するチャットボットは「FastBot
コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp

まとめ

  • 有人チャットは、顧客の問合わせに対して、オペレーターが直接チャットでやりとりするシステム。チャットボット兼用タイプ、有人チャットのみのタイプ、SNSと連携できるタイプなどの種類がある。
  • 有人チャットを導入するメリットは「電話による問合わせ対応の削減ができる」「ニーズに沿ったきめ細やかな対応ができる」「クレームやトラブルの対応もできる」「利用率や購買率の向上が見込める」「データの蓄積が可能になる」などがある。
  • 自社に合った有人チャットの選び方は、「オペレーターが使いやすい仕様か」「既存のシステムと連携できるか」「複数チャネルに対応できるか」「管理者が進捗を確認できるか」などを確認すると良い。

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