導入事例
通販・卸売・小売・流通
株式会社I-ne様
FastHelpでコンタクトセンター業務のPDCAサイクルを加速
~ブランド展開を支える委託先含めた顧客対応基盤を強化~
- 導入製品・ソリューション
- FastHelp
クラウド型
- 目的
- VOC活用
- オムニチャネル対応
- コスト削減
- 従業員満足
- 情報分析・共有化
- 業務効率化
- 顧客データ活用
今回お話をお伺いした方
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フルフィルメントサービス本部
フルフィルメント部
部長宮島 孝文 氏
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フルフィルメントサービス本部
フルフィルメント部
D2C課桑原 志津香 氏
導入前の課題
- 為替の影響でコンタクトセンター基盤のコストが急増
- 自社での設定変更が困難で改修までに時間がかかる
- 入力ミスのチェックなど委託先管理の工数負担が大きい
導入後の効果
- 約40%の年間コスト圧縮を実現
- オペレーターの要望に応じて柔軟に設定変更が可能
- データ抽出が容易で委託先でチェックが可能に
背景と目的
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海外ソリューションが為替の影響で急騰、
改善プロセスにも時間がかかる化粧品や美容家電、ヘルスケア関連の商品企画から開発、製造、販売までを手掛ける株式会社I-neでは、従来利用してきた海外のコンタクトセンターソリューションが為替の影響で大幅にコストが上がり、新たな基盤への刷新を希望。最適なコストでオペレーターの使い勝手を高め、最終的なCS向上につなげていくためのプロジェクトをスタートさせた。
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直感的な操作で管理工数削減に期待、
柔軟なインテグレーション力も評価新たな環境づくりにおいて、為替の影響を受けにくい国産のコンタクトセンターCRMシステム「FastHelp」に注目。複数の委託先でも柔軟に運用でき、直感的で視覚的に分かりやすい操作感で管理工数の低減にもつながる点を評価。設定変更含めて画面構成の変更など内製化できる仕組みとともに、容易なデータ抽出や外部連携のためのインテグレーション力も評価し、テクマトリックスのFastHelpをコンタクトセンターの基盤に選択した。
“美しく革新的な方法”で“幸せの連鎖”があふれる社会の実現に挑戦し続ける「We are Social Beauty Innovators for Chain of Happiness 」をミッションに掲げ、ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST」やナイトケアビューティーブランド「YOLU」、ミニマル美容家電ブランド「SALONIA」など多くのブランドを手掛けている株式会社I-ne。コンセプト開発から流通まで、全て一貫したブランド開発を行うことで国内外の顧客に商品を通じて幸せな体験を届けており、ブランドのアイデア出しから小売拡大などのスケールまで段階毎にゲートを設けて最小限のリスクでヒットを生み出し続ける同社独自のブランドマネジメントシステム”IPTOS”(イプトス)を武器に、事業拡大を続けている。
そんな同社において、EC受注や物流、コンタクトセンター業務などを手掛けているのが、フルフィルメントサービス本部だ。「最適なタイミングで情報や商品をお客さまであるBOSSに届けることで、幸せの連鎖としてのChain of Happinessを生み出し、BOSSの期待値を超えていくサービス提供を目指して日々活動しています」とフルフィルメントサービス本部 フルフィルメント部 部長 宮島 孝文氏は説明する。同本部では、グループ会社含めて同グループが扱う商品の購入前相談から購入後の問合わせまで、電話やメールを中心とした顧客対応窓口を担うコンタクトセンターを運営しており、自社運営の店舗や大手モールに設置された店舗など、販路ごとに委託先を分けてカスタマーサポートを行っている。
この顧客対応基盤には、以前から海外のソリューションを利用してきた経緯があるが、為替の影響で利用料が急騰。「システムの利用料だけでなく、コンサルタントに依頼してシステム管理を行っていたことで、双方の値上げを余儀なくされたのです」と同部 D2C課 桑原 志津香氏は当時を振り返る。海外のソリューションだけに操作するのに慣れが必要で、業務改善のための改修を依頼しても実装までに時間がかかることから、PDCAを効率的に回していくためにも自分たちで柔軟に設定変更できるような仕組みづくりも求められていたのだ。「お客さまからの問合わせに対してコールリーズンを記録していますが、階層が深くて入力ミスも多い。管理側としてチェックする時間がかかるだけでなく、一度記載してしまうと追記での修正しかできず、問合わせを完了させてしまうと一切修正できない仕組みでした。もう少し柔軟に対応できる環境が必要だったのです」と桑原氏は語る。
そこで新たな環境を模索するなかで注目したのが、コンタクトセンターCRMシステム「FastHelp」だった。為替の影響を受けにくい国産のソリューションであることはもちろん、複数の店舗を1つのプラットフォームのなかで扱いやすいことで顧客情報が集約できる点を高く評価したという。「委託先のオペレーターでも使い勝手がよく、重要度や優先度なども視覚的に分かりやすい。管理工数も低減できそうだという印象を受けました。データ抽出が容易で、委託先での入力ミスチェックもしやすい。実際に利用ユーザーに訪問させていただいたところ、使い勝手もいいと評判だったのです」と桑原氏。
掲示板やニュースなど、委託先との情報共有が容易な点はもちろん、項目追加や画面構成の変更など委託先オペレーターからの要望にも柔軟に対応できる点も高く評価。「我々がこの画面構成がいいと考えても、実際に運用していくとオペレーターからいろいろな改善要望が出てくるものです。必要な情報への迅速なアクセスや入力業務の効率化につながる改善が、FastHelpであればすぐに実施できると判断しました」と桑原氏。電話やメールのみならず、LINEやSNS連携など、マルチチャネル対応への展開も可能なプラットフォームである点も評価したという。
また、受注・在庫管理業務を担う外部サービスと柔軟に連携できることが必要で、そのインテグレーションが可能なベンダであることも高く評価したポイントの1つ。問合わせ内容に応じて、顧客情報や出荷履歴などの確認のために外部サービスとの連携は必須だったため、柔軟に外部連携可能なFastHelpは同社に適したものだった。「実際にインテグレーションを支援いただけるベンダであることも重要でした。我々が要望を出したときにはレスポンス良く返答いただくなど、企業としても信頼できると評価したのです」と語る桑原氏。将来的には音声データの文字起こしツールやテキストマイニングツールとの連携も視野に入れていたことで、柔軟に拡張できる仕組みとしての期待もあったという。
2段階認証などシステム部門が懸念するセキュリティ面での対応も可能である点も評価され、最終的に同社が運用する顧客対応を担うコンタクトセンターの基盤として、テクマトリックスのFastHelpが選択されることになる。
導⼊の効果
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委託先それぞれが運用するコンタクトセンターの顧客応対基盤としてFastHelpを活用
20ほどのブランド商品を展開する運営店舗ごとに4つの委託先に分けてコンタクトセンターを運用、20名を超えるオペレーターがFastHelpを軸に電話とメールを駆使して顧客対応を実施。顧客のリテンション施策の状況確認や委託先管理に必要な各種指標をダッシュボード上で管理、出荷状況が管理された外部システムとの柔軟な連携で、問合わせに対する迅速な対応が可能となっており、CS向上の一助に。
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年間40%のコスト低減とオペレーターの
作業効率化、管理工数の削減に貢献FastHelpに切り替えたことで、以前の環境に比べて年間コストを約40%の低減に成功し、オペレーターの作業効率化にも貢献。入力内容の変更やデータ検索など柔軟な機能によって管理工数の削減にも。システム改修の内製化によって業務改善のPDCAを迅速に回すことができ、顧客対応の品質向上にも寄与している。
現在は、同社とともにグループ会社が扱う20ほどのブランド商品を展開する運営店舗ごとに4つの委託先に分けてコンタクトセンターを運用しており、20名を超えるオペレーターがFastHelpにて電話とメールによる日々の顧客対応を行っている。月に電話とメール合わせて1万4000件前後の問合わせがコンタクトセンターに寄せられており、委託先が中心となって日々の運用を行っている。FAQや顧客対応のためのテンプレートなどはチームごとに設定しているが、まだ一部に留まっているため、引き続き充実させていきたいという。
実際の利用シーンとしては、基本的にはオペレーターがコールを受け付けた段階で顧客からの問合わせを記録するが、電話番号などから顧客情報や過去のコール履歴を参照して選択することで、最小限の入力で済むような運用となっている。また、FastHelpが持つワークパット上で外部システムと連携して出荷状況を確認することもあり、委託先が使いやすいような情報提供を行っている。さらに、コール作成設定機能を利用して事前に内容に関連したテンプレートを用意しておくことで、新規に作成するコール詳細の情報入力が簡素化できるような工夫も施している。
管理面では、ECサイトとして展開する各店舗を利用する顧客のリテンション施策の結果を日々ダッシュボード画面からデータ抽出し、委託先が受け付けた問合わせの履歴を確認して適切な対応指示を実施、コール内容を確認しながら本社宛に届いた返品処理を行うなど、顧客管理の中心としてFastHelpを活用。「早急な対応が必要な問合わせや返品処理などに関してアラートを出し、お客さまへの迅速な対応を進めています。また、ダッシュボード上で委託先における課題の進捗状況チェックやメールの対応速度の確認など、委託先管理のための状況把握に利用している部分も少なくありません」と宮島氏は説明する。
FastHelpに切り替えたことで、以前の環境に比べて年間コストを約40%の低減に成功しているという。使い勝手の面では、感覚的な操作感が評価されており、複数のウィンドウを同時に立ち上げて作業できるために効率的に入力でき、記入した内容をボタン1つで簡単に修正できるなど、多くのメリットが得られていると好評だ。「以前はデータ抽出する際に個別に仕組みを構築する必要がありましたが、今はコール検索から抽出したい項目を選択してダウンロードすればすぐに取り出せます。以前は1時間ほど要していたデータ抽出が、今では10分あれば簡単に出せます。」と桑原氏は評価する。
また、画面の配置や項目追加など自分たちで改修できる領域が増えたことから、外部委託で1カ月ほどかかっていた改修期間も大幅に短縮、業務改善のPDCAを迅速に回すことができ、顧客対応の品質向上にも寄与している状況にある。「以前は1日1時間ほどかけてコールリーズンの内容チェックを行っていましたが、今は委託先で簡単にデータをダウンロードしてチェックしてもらえるようになり、管理面での工数削減にもつながっています」と桑原氏。宮島氏は「FastHelpの機能をフルに使いこなせていない分、オペレーション自体はもっと改善していけるはず。伸びしろが期待できるのがFastHelpの魅力だと考えています」と評価する。
提案から導入、運用まで継続的に同社を支援しているテクマトリックスについては、誠実な対応について評価の声が寄せられている。「我々から多くの要望を出した際にも、いろいろ検討いただくなど、丁寧に対応いただけました。プロジェクトの進め方や要件定義書など資料もしっかり出していただけたことで考えていくべきことが明確化できるなど、安心して一緒に仕事させていただくことができて感謝しています」と桑原氏。委託先含めた使い方の研修も手掛けるなど、その手厚い支援を高く評価する。
今後の展開
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文字起こしテキストマイニングなどと
連携してVOCをテキスト化、
高度なデータ活用につなげたい今後については、受電した段階で顧客情報がある程度把握できるようなオペレーションの効率化に向けた環境整備や電話の音声データを文字起こしして、テキストマイニングやAIによる分析を行い、新たな商品開発やサービス設計につなげていけるようなデータ活用について検討したいという。「応対するオペレーターにとってさらに使いやすく、負担なく日々応対できるような環境整備は引き続き行っていきたい」と桑原氏は期待を寄せている。また、メールと電話だけでなくLINEやSNSなどマルチチャネルへの対応も店舗によって進めていくことが想定されており、それらもうまくFastHelpに取り込んでいきたいという。
さらに、現在顧客から寄せられる問合わせ含めたVOCの蓄積が進んでいるが、これらをうまく活用していくための顧客情報基盤を整備していくことを検討しているという。「寄せられた声は会社としても大切な資産としてとらえていますが、まだ十分に生かし切れていません。普段のオペレーション改善につなげていくだけでなく、新しいBOSSに我々の商品を知ってもらうための武器にもなるはず。そのための基盤づくりのキーとなるのがFastHelpだと位置づけています」と宮島氏に今後について語っていただいた。