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2024/10/31

ビジュアルIVRとは?導入メリットや注意点、IVRとの違いを解説

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コンタクトセンターは、人手不足に直面しているところが多く、最低限のオペレーターのリソースで業務をカバーしていることがほとんどです。そこで有効なのが、顧客の問合わせの一次対応を行う「ビジュアルIVR」です。ビジュアルIVRを導入すれば、コンタクトセンターへの問合わせが減る上、スピーディーな問題解決による顧客満足度の向上も見込めます。
この記事では、ビジュアルIVRの種類やIVRとの違い、導入するメリットのほか、自社に合うビジュアルIVRの選び方についても解説します。ビジュアルIVRを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

ビジュアルIVRは、IVR(電話自動応答システム)を視覚化したシステム

ビジュアルIVRは、IVR(Interactive Voice Response:電話自動応答システム)を視覚化したシステムです。顧客からの問合わせに対して、電話や音声ガイダンスではなく、Webサイトやスマートフォンなどの画面上で案内を行います。顧客は、画面上の案内メニューを問合わせ内容に沿って操作すると、商品・サービスのFAQページやチャットボットボイスボットなどに誘導され、自己解決へと進む仕組みです。
もし、自己解決ができなくても、オペレーターにつなげることもできます。

ビジュアルIVRは、オペレーターにつながる問合わせを減らすことができ、コンタクトセンターの業務効率化を進めるシステムとして注目されています。

■ビジュアルIVRのイメージ
visualivr-screen-image.png
出典:テクマトリックス「FastNavigation

ビジュアルIVRとIVRの違い

ビジュアルIVRとIVRの違いは、顧客への案内がパソコンやスマートフォンの画面か、電話の音声かという点です。
IVRは、コンタクトセンターに電話をかけた際に、問合わせ内容に合ったプッシュボタンを操作するよう音声ガイダンスが流れ、担当の窓口などへ誘導するシステムです。IVRは、顧客の待ち時間短縮やコンタクトセンターの業務効率化、顧客満足度の追求につながる仕組みで、多くのコンタクトセンターで導入されてきました。
IVRが問合わせを振り分けることで、一次対応に時間を奪われていたオペレーターはより高度な問合わせに集中でき、顧客は自身の問合わせ内容を何度も説明せずに済みます。

■IVRの仕組み
ivr-mechanism.png
このIVRをさらに進化させ、顧客の不満を解消する新たなツールとして開発されたのが「ビジュアルIVR」です。ビジュアルIVRは、従来の音声ガイダンスの内容を視覚化して問合わせ対応を行うため、顧客は電話をかけたり、音声ガイダンスを聞いたりする必要がなく、問合わせに対する利便性がより高くなります。

IVRについて、詳しくはこちらをご確認ください。
IVR(電話自動音声応答システム)とは?仕組みとメリットを解説

ビジュアルIVRの種類

ビジュアルIVRのシステムは、大きく3つの種類に分かれます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。


ビジュアルIVRのリンク先をSMSで送信するタイプ


ビジュアルIVRには、SMSを使ってビジュアルIVRのURLを送信するタイプがあります。このタイプは従来のIVRと連携しており、顧客が問合わせ窓口に電話した際に、音声ガイダンスでビジュアルIVRが案内されます。指示どおりにボタンを選択すると、SMSからスマートフォンにURLが届き、そのURLにアクセスするとビジュアルIVRの案内メニューが表示される仕組みです。

■ビジュアルIVRのリンク先をSMSで送信するタイプの利用イメージ
flow-of-using-visualivr.png


専用アプリにビジュアルIVRを表示するタイプ


ビジュアルIVRには、専用アプリを使ってビジュアルIVRを表示するタイプがあり、アプリを開いて表示されるカテゴリーから問合わせ内容に応じた項目を選ぶと、適切な案内につながります。
顧客に事前にアプリをインストールしてもらう必要がありますが、電話をかけることなくタイムリーに回答を得られるのがメリットです。また、アプリは、キャンペーン情報やクーポンなどの配信もできるため、問合わせ以外にも幅広く活用できます。


WebサイトにビジュアルIVRの起動ボタンを設置するタイプ


商品・サービスに関するWebサイトの問合わせ先に、起動ボタンを設置するタイプのビジュアルIVRもあります。問合わせ用の電話番号をビジュアルIVRにリンクするボタンに差し替えたり、問合わせ用の電話番号やメールアドレスにビジュアルIVRへリンクするボタンを追加したりして、顧客に問合わせ方法の選択肢のひとつとして提示する方法があります。
顧客は起動ボタンを選択すると、ビジュアルIVRの案内画面が表示され、適切な案内へ誘導される仕組みです。

ビジュアルIVRのメリット

ビジュアルIVRを導入すると、オペレーターにも顧客にもメリットがあります。ここからは、ビジュアルIVRを導入するメリットについて見ていきましょう。

<ビジュアルIVRのメリット>
・オペレーターの負荷軽減
・顧客の待ち時間の軽減
・機会損失の防止
・顧客満足度の向上


オペレーターの負荷軽減


ビジュアルIVRを導入するメリットは、コンタクトセンターの業務が効率化し、オペレーターの負荷が軽減されることです。
すべての問合わせにオペレーターが対応していると、入電が集中する時間帯の業務に負荷がかかります。ビジュアルIVRにより適切なチャネルへ誘導されて自己解決できる顧客が増えれば、オペレーターの対応件数が削減され、1件1件に落ち着いて対応することができるでしょう。

また、ビジュアルIVRはオペレーターへ案内する際に、顧客に個人情報と問合わせ内容を入力してもらうこともできるため、問合わせに関するヒヤリングの時間を減らせます。オペレーターが名前や電話番号、住所などを聞き間違えることがなくなるのもメリットのひとつです。


顧客の待ち時間の軽減


ビジュアルIVRは、顧客が抱える疑問の解決に向けて、関連するWebページやチャットボットにダイレクトに案内するため、電話やメールなどの対応で起こる顧客の待ち時間が軽減されるメリットがあります。
通常、コンタクトセンターへの問合わせは、一次対応を担うオペレーターが問合わせ内容をヒヤリングして適切な担当者に振り分けます。そのため、入電が集中すると振り分けが滞り、顧客を長時間待たせることがありました。

また、従来のIVRは、音声ガイダンスを聞きもらすと次に進む方法がわからなくなり、最初から聞き直す必要がありました。音声ガイダンスのゆっくりした速度も相まって、「待ち時間が長い」と感じる人も多かったでしょう。

その点、ビジュアルIVRでは、一次対応の待ち時間がなく、顧客が画面に従って操作するため問題解決までのスピードが向上します。


機会損失の防止


ビジュアルIVRは、営業時間に関係なく24時間365日稼働でき、機会損失の防止につながるのもメリットのひとつです。コンタクトセンターの営業時間外でも顧客対応が可能な上、WebサイトのFAQページやチャット、ボイスボットへ誘導すれば、対人対応なく自己解決へと導けます。営業時間外での顧客対応が増える分、コンタクトセンター営業時間内での問合わせも減らせるため、サイレントカスタマー対策やオペレーターが足りずに対応できない「あふれ呼」や「放棄呼」を削減することにもつながるでしょう。


顧客満足度の向上


ビジュアルIVRは、顧客の待ち時間が減ったり、自己解決ができたりする機会が増えるため、顧客満足度の向上につながることもメリットのひとつです。ビジュアルIVRを活用すれば、電話をかけて問合わせをする顧客が減り、コンタクトセンターへつながりやすくなるのも利点でしょう。顧客に「すぐに解決できてよかった」「待たずに済んだ」と満足してもらえれば、顧客満足度が向上します。

ビジュアルIVRの注意点

コンタクトセンターでの問合わせに関する課題の解決につながるビジュアルIVRですが、導入する際は注意点もあります。以下に挙げる2点については、あらかじめ理解しておきましょう。


顧客が操作を間違えることもある


ビジュアルIVRを導入する際の注意点の1つは、顧客が正しい操作をするとは限らないことです。ビジュアルIVRは、表示されたメニューから顧客自身が疑問に合った項目を選んで操作します。しかし、顧客が課題を正確に把握していなかったり、ボタンを押し間違えたりすることもあるため、思うように操作できず、結果として顧客満足度が下がる可能性もあります。また、操作を間違えたままオペレーターにつながると、再確認や再度担当窓口へつなげる必要があるため、オペレーターの負担が増える可能性もあるでしょう。


誰でもわかりやすい画面設計が必要


ビジュアルIVRを導入する際の注意点は、誰でもパッと見て正確に操作できる、わかりやすい画面設計が必要なことです。ビジュアルIVRに慣れてない人でも操作しやすいように、案内メニューの文言をわかりやすく言語化することや、導線をシンプルにすることを意識して設計することを心掛けましょう。

自社に合うビジュアルIVRの選び方

自社に合うビジュアルIVRを導入する際は、いくつかのポイントに沿って選ぶことが大切です。ビジュアルIVRを選ぶ際は、下記の3点を比較検討してみましょう。


様々なチャネルに橋渡しができる


ビジュアルIVRを選ぶ際には、コンタクトセンターや有人チャット、チャットボットのほか、WebサイトのFAQページといった案内チャネルに、スムーズに橋渡しができるかどうかを確認しましょう。
例えば、ビジュアルIVRからFAQページに誘導しても、解決できなかった場合は、オペレーターに問合わせができるかなどの導線も考える必要があります。
スムーズに案内できるかは顧客満足度と業務効率化につながり、オペレーターと顧客、双方にメリットがあります。


画面デザインやシナリオを管理者側でカスタマイズができる


ビジュアルIVRを選ぶ際には、管理者側で簡単にカスタマイズができるかどうかも重要なポイントです。ビジュアルIVRは、初めて見る人でも操作しやすい画面やシナリオ設計が必要なため、画面やシナリオの設計がわかりにくいと、かえって顧客満足度が低下し、オペレーターへの問合わせが増えてしまう場合もあります。そのため、案内画面やシナリオ設計などを、管理者側で簡単に修正できる商品を選ぶことをおすすめします。


分析機能がある


自社に合ったビジュアルIVRを導入するには、分析機能がある商品を選びましょう。「どのシナリオにどれくらいのアクセスがあったのか」などがわかると、ビジュアルIVRの利用状況に関する課題を早期に見つけて対処できます。また、顧客がどのような疑問を抱いているのかがわかり、商品・サービスの改善につなげることができます。

テクマトリックスが提供するビジュアルIVR「FastNavigation」では、顧客がどのようにシナリオを進んだかが視覚的に表示分析できるため、改善に活かしやすいです。

ビジュアルIVR導入までの流れ

ビジュアルIVRの効果を最大化するために、導入前にはいくつかの準備が必要です。スムーズに導入できるよう、下記の流れにそって準備していきましょう。

<ビジュアルIVR導入までの流れ>
1 コンタクトセンターの課題を整理する
2 問合わせの多い内容を洗い出す
3 問合わせ内容を分類
4 わかりやすい画面表示や導線設計にする


1 コンタクトセンターの課題を整理する


ビジュアルIVRの導入前に、まずはコンタクトセンターの課題を整理することが大切です。「入電数が多くオペレーターの負担が大きい」「関連のWebサイトにうまく案内できない」といった現状の課題を整理し、ビジュアルIVRを含めて広く対応策を考えましょう。
ビジュアルIVRの導入とともに、Webサイトのデザイン変更やFAQの充実などに取り組む必要があれば、併せて実行に移します。

FAQの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【FAQの作り方】問合わせ削減に向けた手順や構成を解説


2 問合わせの多い内容を洗い出す


コンタクトセンターに問合わせが多い内容を洗い出し、ビジュアルIVRを使って解決できる方法を考えます。特に多い問合わせのうち、対応に手間がかかるもの、オペレーターの対応が不要なものを精査して、ビジュアルIVRに対応をシフトさせることで、導入効果が高まります。


3 問合わせ内容を分類


2で洗い出した問合わせを分類して、それぞれの対応先を決めます。商品・サービスにもよりますが、基本的にはWeb対応、電話対応、店舗対応の3つに分類できるでしょう。この分類により、ビジュアルIVR内の画面構成や導線が決まります。


4 わかりやすい画面表示や導線設計にする


3で分類した問合わせ内容をもとに、ビジュアルIVRの画面表示のデザインや導線の設計を進めていきます。問合わせの多い内容をビジュアルIVRの案内メニューに並べると、顧客にとって使い勝手の良い画面表示になるでしょう。また、案内メニューからの遷移先についても、わかりやすい導線設計にすることが重要です。

ビジュアルIVRの活用例

ビジュアルIVRは、通信販売やECのコンタクトセンター、医療機関の受付など、さまざまなシーンでの活用が可能です。
通信販売やECのコンタクトセンターでは、季節やキャンペーンによって問合わせが殺到する時期があります。こうした業界でビジュアルIVRを導入すれば、電話がつながるまで顧客を長く待たせることなく、自己解決を促すことが可能です。さらに、医療機関などでも、定型的な質問に答えてもらうだけで済む一般外来の受付や、ワクチン接種の予約、診療時間外の案内などをビジュアルIVRに一任することもできます。

ビジュアルIVRでコンタクトセンター業務を効率化しよう

ビジュアルIVRは、音声による自動案内の内容をメニュー画面で可視化するシステムです。ビジュアルIVRを導入することで、顧客は視覚的に説明を理解してスムーズに自己解決ができ、コンタクトセンター側はオペレーターの負荷を減らして対応の質を高めることができます。

テクマトリックスのコンタクトセンター向けビジュアルIVR「FastNavigation」は、顧客にとってわかりやすい画面表示ができるうえ、顧客を適切なチャネルへ案内する導線の設定や確認が容易に行えます。また、オペレーターへはもちろん、チャットボット「FastBot」やボイスボット「FastVoice」、有人チャット「FastText」など、様々なチャネルに橋渡しすることも可能です。ビジュアルIVRをご検討中の方は、お気軽にお問合わせください。

見やすい画面と操作性を兼ね備えたビジュアルIVR「FastNavigation
WebサイトやLINE上で顧客対応を自動化するチャットボットは「FastBot
自社希望に合わせたセルフカスタマイズができるAIボイスボットは「FastVoice
現場が使いやすく各種システムともスムーズに連携する有人チャットは「FastText

まとめ

  • ビジュアルIVRは、IVR(Interactive Voice Response:電話自動応答システム)を視覚化したシステムで、顧客からの問合わせに対して、Webサイトやスマートフォンなどの画面上で案内する仕組みである。
  • ビジュアルIVRのメリットは、オペレーターの負荷軽減や顧客の待ち時間の軽減、機会損失の防止、顧客満足度の向上などがある。
  • 自社に合うビジュアルIVRを導入する際は、「既存システムと連携できる」「画面デザインやシナリオを管理者側でカスタマイズができる」「分析機能がある」などをポイントにして選ぶのがおすすめ。

    fastnavigation-visualivr-request-documents.png

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