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2025/01/08

社内外の問合わせ対応を自動化する方法は?システムや注意点を解説

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コンタクトセンターやバックオフィス系の部署などは、「社内外の問合わせが減らない」「オペレーターや担当者が、常に対応に追われている」といった課題を抱えていることが多いでしょう。そのような部署にとって有効な解決策のひとつが、問合わせ対応を自動化することです。
この記事では、社内外の問合わせ対応を自動化する方法やメリット、注意点のほか、システムの種類についてわかりやすく解説します。

社内外からの問合わせ対応についての課題

社内外の問合わせを主に担当するコンタクトセンターやバックオフィス系の部署などには、人材の不足やFAQの不足など、様々な課題があります。社内外の問合わせ業務に関する主な課題は、下記のとおりです。


問合わせ件数の増加と人材不足


問合わせ関連で課題として挙がりやすいのが、問合わせ件数の増加とそれを担当する人材が不足している点です。例えば、取り扱う商品・サービスのラインナップを増強したり、新たな機能などを追加したりすると、社内外からの問合わせは増えていく傾向にあります。基本的な内容の問合わせから複雑な内容のものまで、すべてをオペレーターや担当者が対応するのは限度があるでしょう。

さらに、生産年齢人口が減少へと転じた昨今では、多くの業界で人材不足が深刻化しつつあります。問合わせ件数が増加しても、オペレーターや担当者の増員が見込めない場合も多く、対応者の負担がどんどん増す傾向にあります。


マニュアルやFAQの不足


問合わせ対応時のマニュアルが整備されていなかったり、FAQが充実していなかったりすることも課題のひとつです。マニュアルやFAQが不足していると、自己解決につながらず、問合わせ対応が担当者の知識や経験に依存してしまいます。

また、マニュアルやFAQの不足は人材育成上のリスクにもなります。「新人研修がスムーズに進まない」「問合わせ内容の答えがわからず、顧客を待たせる」といったことが多発し、人材がなかなか育たない状況に陥ることもあるでしょう。


業務の属人化による対応品質のムラ


問合わせ業務は、属人化しやすいため、対応品質にムラが生じるケースも少なくありません。特に、専門性の高い問合わせの場合は、特定の担当者が対応を一手に引き受ける場合が多く、その知識や経験に依存する形となり、ほかの従業員が対応した場合とのばらつきが目立つようになります。
特定の従業員や部署でなければ対応できない問合わせが増えるほど、情報の一元化が進まず、対応の遅れや不正確な回答といった問題が表面化しがちです。

問合わせ対応を自動化する方法

社内外の問合わせ対応の課題を解決するために有効な手段が、IVRやチャットボットなどを活用した問合わせ対応の自動化です。近年は技術の進化に伴い、下記のような問合わせ対応を自動化するシステムが開発されています。

<問合わせ対応自動化のための主なシステム>
・IVR
・ビジュアルIVR
・チャットボット
・ボイスボット
・有人チャット
・RPA


IVR


コンタクトセンターなどで問合わせを自動化するためには、IVR(Interactive Voice Response、電話自動音声応答システム)の導入が有効です。顧客から電話を受けた際に「契約内容のご確認をご希望の方は1を、変更手続きを希望する方は2を…」といった音声メッセージを流し、問合わせ内容を振り分けます。これにより、対応すべきオペレーターや部署を絞り込めるうえ、簡単な問合わせであれば自動音声で解決方法の案内も可能です。

IVRは問合わせ業務全般を自動化するためのシステムではなく、「問合わせ業務の効率化」と「一部の問合わせへの自動対応」に役立つと考えていいでしょう。

■IVRの仕組み
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ビジュアルIVR


IVRの音声案内をWeb上などで視覚化したビジュアルIVRも、問合わせ対応を自動化するために有効なシステムです。ビジュアルIVRは、Webサイトやアプリなどに導入することで、FAQページや会員サイトへユーザーを案内できるほか、有人対応が必要な場合はオペレーターにつなぐこともできます。

また、ビジュアルIVRは、問合わせ対応前の情報収集にも有効です。例えば、顧客の氏名や生年月日、会員IDなどを事前に入力してもらうことで、オペレーターが本人確認のための情報を聴き取る必要がなくなります。

■ビジュアルIVRの利用イメージ
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チャットボット


問合わせ対応自動化のために、近年はリアルタイムで短い会話ができるチャットボットも多く活用されています。チャットボットは、ユーザーが打ち込んだ質問に適切な返答を返すプログラムが組まれており、ルールベース(シナリオ)型と自動学習機能型(機械学習型、人工知能型)の2種類があります。

ルールベース(シナリオ)型とは、開発者がユーザーの質問を予測してあらかじめシナリオを設定し、それに沿って会話を進めるチャットボットです。一方、自動学習機能型(機械学習型、人工知能型)は、機械学習アルゴリズムを用いて膨大なデータをあらかじめ学習させることにより、AI自身がユーザーの質問を読み取って適切に回答する特長があります。

■ルールベース(シナリオ)型と自動学習機能型(機械学習型、人工知能型)のチャットボットイメージ
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チャットボットの選び方について、詳しくはこちらをご確認ください。
失敗しないチャットボットの選び方!押さえるべきポイントを詳しく解説
社内チャットボットについて、詳しくはこちらをご確認ください。
【まとめ】社内向けチャットボットとは?種類や活用例、選び方を解説

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ボイスボット


問合わせ対応を自動化するシステムには、音声認識や対話型AI、自然言語処理などの機能を備えた音声会話システムボイスボットもあります。IVRと似たようなシステムと認識されることもありますが、ボイスボットは顧客との会話を通じて応対するシステムであるのに対し、IVRはあらかじめ設定された音声ガイダンスを流して、顧客を適切な回答へ誘導するという違いがあります。
パソコンやスマートフォンの操作が苦手なユーザーでも、扱いやすい点が特長です。

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有人チャット


チャットボットやボイスボットで対応できない複雑な問合わせ対応には、オペレーターが手動で入力する有人チャットも役立ちます。チャットボットやボイスボットは、定型的な問合わせには対応できるものの、複雑な質問や個別対応が必須の問合わせには、対応できないケースも少なくありません。その場合は、有人チャットと連携することにより、適切な対応が可能になります。

問合わせ対応を自動化する際には「自動化できる領域」と「有人対応が必要な領域」を整理することが重要です。適切なタイミングで有人対応に切り替えることにより、ユーザー体験を損なうことなく問合わせ対応を効率化できます。


RPA


問合わせ対応自動化のためのシステムには、繰り返し行われる定型的な操作をロボットが行うRPA(Robotic Process Automation)もあります。パソコンを利用したデータ入力や集計といった単純な作業を自動化することにより、従業員の業務負担の軽減に役立ちます。

コンタクトセンターの具体的な業務では、顧客情報の登録や問合わせ内容の転記、レポートの作成といった業務の自動化が可能です。また、問合わせ対応件数の集計などに活用できるため、オペレーターだけでなく管理者の負担軽減にもつながります。

問合わせ対応自動化のメリット

問合わせ対応を自動化するメリットは、業務の効率化や対応品質の均一化など、多岐に渡ります。具体的なメリットとして挙げられるのは、下記の5点です。

<問合わせ対応の自動化で得られるメリット>
・業務効率化とミスの削減
・対応品質の均一化
・24時間365日対応が可能
・見込み客の獲得
・データ分析が可能


業務効率化とミスの削減


問合わせ対応の自動化は、人為的なミスを削減し、業務効率化の向上につながるメリットがあります。従来、オペレーターが手動で対応していた一次対応や定型的な質問などについては、システムによる自動化が可能です。また、顧客対応時の情報収集や応対履歴の登録などを自動化することにより、オペレーターの負担軽減につながります。

さらに、問合わせ対応の自動化は人的ミスの削減にも有効です。ベテランのオペレーターでも聞き間違いや入力ミスは避けられませんが、自動応答やデータの自動処理のシステムを導入すれば、人為的なミスは削減できます。


対応品質の均一化


問合わせ対応の自動化は、対応品質の均一化にも寄与するメリットがあります。オペレーターの対応は、知識やスキル、経験などによって差が出ます。オペレーターによって対応品質がまちまちになることは、特に社外からの問合わせの場合、相手に不信感を抱かせることにもなりかねません。

自動応答を取りいれることで、同じ内容の問合わせに対しては、常に同じ回答ができるようになります。回答にブレがなくなるため、「以前聞いていた話と違う」「ほかの担当者は別のことを言っていた」といった事態が発生しにくくなるでしょう。


24時間365日対応が可能


24時間365日、常に問合わせ対応が可能になることも、問合わせ対応を自動化する大きなメリットです。オペレーターのみが対応する体制の場合、窓口の受付時間内でなければ電話がつながらないため、時間外の問合わせには対応できません。この場合、顧客に「回答をすぐに得られない」「問合わせをしてから回答を得るまでに時間を要する」という感情を抱かせ、顧客満足度が低下することも考えられます。

問合わせ対応が自動化すれば、オペレーターや担当者の不在時でも一次対応や定型的な質問に対応でき、顧客満足度を向上させることができるでしょう。


見込み客の獲得


問合わせ対応の自動化には、見込み客を逃しにくいというメリットもあります。自社の商品・サービスに関心を寄せている見込み客は、窓口の営業時間を気にせず、好きなタイミングで問合わせをします。しかし、回答が遅れたり、営業時間外で対応できなかったりした場合は、他社に流れてしまう可能性もあるでしょう。

こうした機会損失を防ぐには、常に一次対応が可能な仕組みを構築することが重要です。例えば、チャットボットやボイスボット、ビジュアルIVRを活用すれば、顧客からの問合わせへの自動回答や申し込みの一次受付、コールバック登録などに対応でき、必要に応じて詳しい内容を担当者に引き継ぐことも可能です。このように問合わせ対応を自動化することで、見込み客を取りこぼさず、企業の収益向上につなげることができます。


データ分析が可能


問合わせ対応を自動化するシステムの中には、対応履歴をデータとして収集・蓄積できる機能が備わっている場合もあります。こうしたデータを活用することで、回答精度の向上や商品・サービスの改良につなげることが可能です。例えば、頻度の高い問合わせ内容をもとに、FAQや製品マニュアルを改訂すれば、顧客満足度の向上が期待できます。

また、従来は問合わせ対応の会話を録音して、内容を分析するケースもありました。しかし、これには膨大な時間がかかるため、重要な情報が埋もれるリスクもあります。問合わせ自動化のシステムを活用することで、これらのデータが効率的に整理・分析され、顧客ニーズの迅速な把握が可能です。

問合わせ自動化の注意点

問合わせ対応を自動化する際には、いくつか注意するべき点もあります。ここからは、特に注意が必要な3つのポイントを見ていきましょう。


有人対応が必要になることもある


問合わせ対応を自動化する仕組みを整えたとしても、状況によってはオペレーターによる有人対応に切り替える必要があることに注意しましょう。例えば、チャットボットは定型的な問合わせに対して回答を提示するのは得意ですが、複雑な質問や個別対応が不可欠な問合わせについては対応できないことが想定されます。そのため、問合わせ対応を自動化しても、有人チャットや電話での対応が必要になるケースがあることを理解しておきましょう。


運用開始までの準備に時間と手間がかかる


問合わせ対応を自動化するための仕組みを構築するには、相応の時間と手間がかかります。例えば、チャットボットを導入する場合、対応内容の基礎となるFAQの整理や対話シナリオの作成・登録作業は必須です。また、RPAを活用する場合は、自動化の範囲を検討し、必要な処理内容を設定してからテストを行う必要があります。
このように、問合わせ自動化のシステムを導入する場合でも、運用開始までにある程度の時間と手間がかかります。事前準備の負担や、導入までのスケジュールを十分に考慮することが大切です。

チャットボットの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【チャットボットの作り方】自作・システム利用のポイントを解説


運用開始後もメンテナンスが必要


問合わせ対応を自動化する仕組みを導入した場合、運用開始後も定期的なメンテナンスが必要です。
例えば、チャットボットやボイスボットなどは、運用を進める中で回答の精度に課題が見つかったり、対応しきれていない問合わせがあったりする場合も十分に考えられます。その場合は、問合わせ対応のデータを定期的に分析したうえで、シナリオの調整やFAQの追加などを行い、精度を高めることが必要です。
問合わせの自動化は、実現するまでがゴールではなく、運用開始後も定期的なメンテナンスが必要になる点を理解しておきましょう。

問合わせ対応自動化はシステム同士を連携できるものがおすすめ

問合わせ対応を自動化するためのシステムは多くの種類があります。複数のシステムを並行して運用するケースも多いことから、各システムを連携できると利便性が向上し、より顧客管理がしやすくなるでしょう。

テクマトリックスの「FastSeries」は、問合わせ対応自動化を叶える連携性に優れたシステムラインナップが豊富です。ビジュアルIVR「FastNavigation」、ボイスボット「FastVoice」、チャットボット「FastBot」、有人チャット「FastText」など、それぞれ連携したソリューションとしてご提案も可能です。これらのシステムは、CRMシステム「FastHelp」による一括管理にも対応しています。

■テクマトリックス「FastSeries」のラインナップ
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さらに、「FastHelp」や「FastNavigation」など各種システムには、コンタクトセンターに集まる顧客の声や問合わせの導線をスピーディーに整理・分析するための機能も備わっている点が特長です。

■ビジュアルIVR「FastNavigation」の統計機能例
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問合わせ対応を自動化し、業務効率の向上や対応品質の均一化を実現したい方は、「FastSeries」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

FAQ作成の業務効率化を支援するFAQナレッジシステムは「FastAnswer
コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp
WebサイトやLINE上で顧客対応を自動化するチャットボットは「FastBot
自社希望に合わせたセルフカスタマイズができるAIボイスボットは「FastVoice
各チャネルへ適切に誘導し自己解決につなげるビジュアルIVRは「FastNavigation
チャットボットとの連携もスムーズな有人チャットは「FastText

まとめ

  • 問合わせ対応自動化のための方法として、IVRやビジュアルIVR、チャットボット、ボイスボット、有人チャット、RPAなどのシステム導入が注目されている。
  • 問合わせ対応の自動化で得られるメリットは、「業務効率化とミスの削減」「対応品質の均一化」「24時間365日対応が可能」「見込み客の獲得」「データ分析が可能」などがある。
  • テクマトリックスの「FastSeries」には、連携性に優れた問合わせ対応自動化システムが豊富。ビジュアルIVR「FastNavigation」やボイスボット「FastVoice」、チャットボット「FastBot」、有人チャット「FastText」などのサービスがあるほか、CRMシステム「FastHelp」による一括管理にも対応している。

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