FastSeries ブログ
2024/12/04
【徹底解説】チャットボットの導入効果や事例、効果測定の方法
チャットボットは、オペレーターに負担をかけずに顧客サービスの質を高められるシステムです。しかし、チャットボットの具体的な導入シーンがイメージできないことや、効果を図る方法がわからないことから、導入に迷うケースも多いでしょう。
この記事では、チャットボットの導入効果や事例のほか、効果測定の方法について詳しく解説します。
チャットボットは、オペレーターに負担をかけずに顧客サービスの質を高められるシステムです。しかし、チャットボットの具体的な導入シーンがイメージできないことや、効果を図る方法がわからないことから、導入に迷うケースも多いでしょう。
この記事では、チャットボットの導入効果や事例のほか、効果測定の方法について詳しく解説します。
チャットボットはどんなところで活用される?
チャットボットは、顧客が送信した質問内容に応じて短いテキストで適切な回答をするシステムで、コンタクトセンターでの顧客からの問合わせ対応など、多様な場面で活用されています。ここでは、代表的なチャットボットの活用例を見ていきましょう。
<チャットボットの主な活用例>
・顧客からの問合わせ対応
・定型業務の受付処理
・社内の問合わせ対応
・社内ナレッジの共有
・マーケティング支援
顧客からの問合わせ対応
チャットボットの活用シーンとして特に多いのが、顧客からの問合わせへの対応です。よくある質問とその回答をまとめたFAQをシナリオ化してチャットボットに設定することで、簡単な質問や定型的な問合わせは、チャットボットで対応が可能となります。
チャットボットを導入することで、コンタクトセンターでの有人対応は専門的な内容や複雑なケースのみに絞られ、オペレーターの業務効率化と人的コストの削減が期待できます。また、顧客も迅速に回答を得られるため、満足度の向上にもつながるでしょう。
定型業務の受付処理
チャットボットは、Webサイト内での注文や予約の受付といった定型的な業務処理にも活用されています。定型業務は、やりとりの内容があらかじめ予測できるため、シナリオをもとにしたチャットボットと顧客だけのやりとりで完結できます。
これまで定型業務を担当していた人員をより高度な質問対応に配置転換すれば、リソースの有効活用が可能です。また、研修コストの削減にもつながり、業務全体の効率化を図ることができるでしょう。
社内の問合わせ対応
チャットボットは、社内の問合わせ対応にも活用できます。総務や人事、情報システムなどのバックオフィス系部署は、社内から頻繁に寄せられる問合わせに追われて、本来の業務にかけるリソースが手薄になることもあるでしょう。
社内の問合わせ窓口としてチャットボットを導入することで、労務関係の確認や発注の依頼、システム不具合の問合わせなど定型的な対応を自動化できます。チャットボットの導入で、各部署が最優先で進めるべき仕事に集中できるようになります。
社内ナレッジの共有
チャットボットは、社内のナレッジ共有のツールとしても活用できます。ナレッジ共有とは、社内に蓄積された知見や情報、スキルを従業員に共有することで、業務の属人化を防ぐ取組みです。
社内のナレッジを一元化し、チャットボットで検索できるようにすれば、「社内に知見があったのに、ゼロから情報を探してしまった」「マニュアルが見つからず、顧客対応が遅れた」といった時間の無駄や顧客満足度の低下を防ぐことができます。また、FAQにおける検索手順の誘導支援にも活用できるでしょう。
マーケティングへの活用
マーケティングに必要な情報収集にも、チャットボットは役立ちます。多くのチャットボットシステムは、顧客の問合わせ内容を蓄積することができるため、顧客の悩みや困りごとがデータとして集まります。そのため、これまで把握しきれなかった顧客のニーズを明らかにすることが可能です。
さらに、CRMなどの顧客管理システムと連携できるチャットボットなら、チャットボットでの会話を顧客情報に紐づけることができ、パーソナライズされたマーケティング施策にも活用できるでしょう。
チャットボットの導入効果
チャットボットを導入すると、業務効率化や人的コストの削減など、様々な効果があります。ここからは、チャットボット導入における主な効果を解説します。
<チャットボットの主な導入効果>
・業務効率化
・人的コストの削減
・24時間365日素早い対応が可能
・研修コストの削減
・問合わせがしやすくなる
・データを営業やマーケティングに活用できる
業務効率化
チャットボットの導入は、オペレーターをはじめとする従業員の業務効率化につながります。特に、コンタクトセンターには日々多くの問合わせが寄せられ、対応するオペレーターは電話対応や問合わせ内容の整理、対応に基づく事務処理などで業務負荷がかかりがちです。
コンタクトセンターへの問合わせの中でも、定型的で難度の低い質問への対応をチャットボットに任せることで、オペレーターの業務負荷を軽減でき、業務効率化の向上が期待できるでしょう。
人的コストの削減
チャットボットを導入し、定型的な対応や初期対応を任せることは、人的コストを削減につながります。
特にコンタクトセンターでチャットボットを導入すれば、一度に複数の問合わせに対応できるため、これまで複数名のオペレーターで対応していた問合わせを効率的に処理できます。その結果、オペレーターの人数を削減しつつ、全体の対応件数を増やすことも可能になるでしょう。
24時間365日素早い対応が可能
チャットボットは、営業時間外でも24時間365日稼働できるため、顧客や従業員の問合わせにいつでも対応できます。特にコンタクトセンターでは、有人対応のみの場合、夜間シフトでオペレーターが手薄になったり、早朝や深夜はオペレーターを配置できなかったりして、「すぐに知りたい」「今解決してほしい」といった顧客の要望に応えることが難しい場合もあります。
チャットボットを導入すれば、簡単な質問はその場で解決でき、難しい質問はオペレーターが営業時間内に対応する流れをつくることが可能です。オペレーターに無理を強いることなく、顧客の満足度と信頼を高めることができるでしょう。
研修コストの削減
チャットボットを導入すれば、コンタクトセンターのオペレーターの人数を削減でき、研修コストや採用コストの削減にもつながります。通常、オペレーターを採用すると、接客の基本や商品・サービスの基礎知識を身につけるための研修が必要です。
チャットボットの導入により、オペレーターの採用人数を抑えられるため、研修コストが削減できます。また、人手不足に悩む現場の状況を改善できるのも大きなメリットです。
問合わせがしやすくなる
チャットボットを導入すれば、問合わせのハードルが下がり、問合わせがしやすくなる効果もあります。
例えば、電話でのやり取りが苦手でコンタクトセンターへの問合わせを躊躇していた顧客でも、チャットボットなら気軽に問合わせができるでしょう。チャットボットを導入することで、今まで問合わせができなかった顧客の声もきちんと拾うことができます。
データを営業やマーケティングに活用できる
顧客の問合わせ対応をチャットボットで行えば、集まった顧客の声を営業やマーケティングのデータに活用できます。顧客からの問合わせを通じて得られる情報は、企業側にとって貴重なマーケティングデータになります。問合わせをオペレーターが対応する場合、対応後の事務処理の精度によって、情報の厚さに差が出る可能性がありますが、チャットボットであれば会話自体をテキストデータとして記録できるため、情報の取りこぼしがありません。
このデータを活用することで、より精度の高いマーケティング施策や営業活動が可能となります。
チャットボットの効果を測定する方法
チャットボットは、顧客対応の自動化、顧客満足度の向上、業務の効率化といったさまざまなメリットをもたらしますが、その効果を測定し、改善することも可能です。ここからは、チャットボットの効果を測定する6つのポイントを紹介します。
<チャットボットの効果を測定する方法>
・起動回数や対応件数
・回答率と解決率
・有人対応の件数
・コンバージョン率
・Webサイトへの遷移数
・顧客満足度
起動回数や対応件数
チャットボットの効果を測定するには、チャットボットが「何回起動されたか」を表す起動回数と、「何件対応したか」を示す対応件数を確認する方法があります。
例えば、起動回数は顧客がチャットボットを使用した数、対応件数は実際に質問をした数です。起動回数は多いのに対応件数が少ない場合、チャットボットが開かれていても「相談しにくい」という印象を与えている可能性があります。この場合は、最初に表示されるメッセージをより具体的にするなどの対策をすると、対応件数の改善につながります。
一方、起動回数が少ない場合は、チャットボットの位置がわかりにくい可能性もあるため、サイト内の目立つ位置に移動したり、デザインを工夫したりすることで、対応件数の増加につながるでしょう。
回答率と正答率、解決率
チャットボットの効果を測定するには、顧客の質問に対してどれだけ回答を返せたかを示す「回答率」と、回答率と解決率に合わせて、チャットボットの回答がどれだけ正確だったかを示す「正答率」、回答によって顧客の疑問がどれだけ解消されたかを示す「解決率」を確認する方法も有効です。この3つの指標によって、用意した回答の質を判断できます。
回答率が低い場合、顧客のニーズと用意されているFAQの内容が一致していない可能性があります。顧客が何を求めているのかを再度分析し、回答の数を増やしたり、よりわかりやすい表現に変更したりして、改善をしましょう。
有人対応の件数
チャットボットの導入目的がオペレーターの負荷軽減や業務効率化である場合、効果測定の指標として、有人対応の件数の推移を確認するといいでしょう。チャットボットの導入前に比べて、有人チャットや電話対応の件数が減少していれば、チャットボットが効果を発揮していると判断できます。
一方で、有人対応の件数が変化していない、あるいは増えている場合は、チャットボットの回答バリエーションが不足しているか、内容が不十分な可能性もあります。回答内容の見直しと改善を行いましょう。
コンバージョン率
チャットボットの効果を測定する際は、コンバージョン率も参考になります。資料請求や会員登録など、コンバージョンにつながるアクションの前にチャットボットを配置し、顧客の疑問をチャットボットで解決したうえでスムーズに次のステップに進んでいることが確認できれば、チャットボットがコンバージョンに寄与しているといえます。
Webサイトへの遷移数
商品の購入やサービスの利用をコンバージョンとする場合、チャットボットの効果測定には、チャットボットからECサイトやサービスサイトへの遷移数も重要なチェックポイントです。
顧客の疑問が解決したタイミングで、関連する商品ページやサービスのURLなどを案内することで遷移数を伸ばすことができれば、チャットボットが間接的に売上に貢献したと評価することができます。
顧客満足度
チャットボットの効果は、顧客からのフィードバックで測ることも可能です。例えば、顧客がチャットボットを閉じる際に「対応にご満足いただけましたか?」といったメッセージを表示し、「はい」「いいえ」の選択を促すことで顧客満足度を把握できます。
顧客満足度が高ければ、チャットボットの対応範囲を広げるなど、今後の活用計画にも役立てることができます。
チャットボットの効果を高める運用ポイント
チャットボットの効果をより高めるには、運用上の工夫が必要です。ここからは、チャットボットの効果を高める運用ポイントについて解説します。
<チャットボットの効果を高める運用ポイント>
・課題とFAQの整理
・導入前と運用後の体制構築
・自社に合ったシステムの選択
・有人チャットとの連携
・KPIの設定
・分析と改善の積み重ね
課題とFAQの整理
チャットボットの効果をより高める運用をするためには、運用前に課題とFAQの整理が必要です。まず、何のためにチャットボットを導入するのか、チャットボットによって何を解決したいのか、といった自社の課題を明確にしましょう。
課題が明確になることにより、必要なFAQが把握でき、顧客のニーズに合った回答を準備することができます。
導入前と運用後の体制構築
チャットボットの効果を高めるためには、導入前と運用後の体制を構築することが重要です。前述のとおり、チャットボットの導入前には課題とFAQの整理が必要であり、顧客の声からよくある質問を集めたり、回答を準備したりするには、多くの手間がかかります。これらをスムーズに行える体制を整えることは必須といえます。
また、優れたチャットボットを導入しても、運用後に改善を繰り返さなければ効果は持続しません。運用中の顧客の反応や、チャットボットの稼働率を適宜確認し、PDCAサイクルを回せる体制を構築することが大切です。
自社に合ったシステムの選択
チャットボットの効果を最大化するためには、自社に合ったシステムを選ぶことが不可欠です。チャットボットと一口に言ってもその機能は様々で、「シナリオを簡単に作れる」「AIを搭載している」「多言語に対応している」など、システムによって得意とする分野が異なります。せっかく導入しても、自社課題を解決する機能が備わっていなければ効果はあまりありません。
チャットボットの種類と機能に加え、予算も踏まえて、自社にあったシステムを選びましょう。
有人チャットと連携させる
チャットボットは、有人チャットと連携させることで、より効果が高まります。比較的簡単な質問が多い一次対応や営業時間外の対応はチャットボットに任せ、質問の難度が上がる二次対応からは有人チャットが引き継ぐといった運用で、チャットボットだけでは解決できない場面での顧客の離脱を防ぐことができます。
例えば、テクマトリックスの有人チャットシステム「FastText」とチャットボットシステム「FastBot」は、スムーズな連携が可能です。チャットボットから最適なオペレーターの割り当てや、チャットボットによる事前ヒヤリングした情報を有人チャットでも確認できるといった機能があります。スムーズな連携で、オペレーターの生産性と顧客対応の利便性をさらに向上させることができます。
■チャットボット「FastBot」と有人チャット「FastText」の連携例
KPIを設定する
チャットボットの効果を高める運用をするためには、KPI(Key Performance Indicator)を設定することも重要です。KPIとは、目標にどれだけ近づいているかを判断するための指標であり、チャットボットでは「回答率」「正答率」「解決率」などがよく設定されます。
KPIを設定することで、チャットボットのパフォーマンスを定期的に評価し、目標値に近づけるために顧客のニーズに合わせた改善を繰り返し行うことが促進されます。
コンタクトセンターのKPIについて、詳しくはこちらをご確認ください。
コールセンターのKPIとは?各指標の意味と算出方法、目安を詳しく解説
分析と改善を繰り返す
チャットボットの効果を高める運用をするためには、導入後に分析と改善を繰り返すことが大切です。チャットボットに蓄積されたデータを随時分析し、改善を繰り返すことで、より顧客のニーズに合った対応が可能になり、使いやすさと満足度の向上が期待できます。
【チャットボット導入事例】事務担当者の負荷を大幅に軽減|第一生命保険株式会社様
ここからは、テクマトリックスが提供するWebチャットシステムを導入した事例を紹介します。今回は第一生命保険株式会社様の取組みを見ていきましょう。
全国に約4万人の営業職員を擁する同社がチャットボットを導入した目的は、社内の営業職員からの照会業務を一手に担う事務担当者の業務負荷の軽減です。全国約4万人の営業職員からの問合わせに、約2,500人で対応しており、効率化は急務でした。
チャットボットを導入したことにより、照会業務はチャットボットのみで完結が可能になり、チャットボットで対応できない内容はすぐに、電話や有人チャットに切り替えられるような仕組みとなっています。問合わせはコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」で一元管理されているため、各チャネルからの問合わせを統合的に管理することもできるようになりました。
■チャットボットの導入イメージ
第一生命保険株式会社様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
第一生命保険株式会社様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)
チャットボットは顧客にも企業にも効果的なシステム
チャットボットは、顧客と企業、双方の満足度向上につながる効果的なシステムです。導入の効果を高めるためにも、自社に合ったチャットボットシステムを導入することが大切になります。
テクマトリックスのチャットボットシステム「FastBot」なら、シナリオの作成も容易なうえ、生成AIや基幹システムとも連携でき、高度な顧客対応を任せたいケースにも対応できます。
有人チャットとの連携では、チャットボットで入力された顧客情報をそのまま引き継げるため、顧客に手間をかけさせません。
■チャットボットと有人チャットの連携イメージ
さらに、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」と連携すれば、顧客情報を必要とする変更・申請手続きなどの自動化も可能です。
コンタクトセンターをはじめ、顧客や取引先・社内からの問合わせ対応を効率化したいと考えている場合や、現状の問合わせ業務に課題を感じている場合には、チャットボット「FastBot」や有人チャット「FastText」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
WebサイトやLINE上で顧客対応を自動化するチャットボットは「FastBot」
チャットボットとの連携もスムーズな有人チャットは「FastText」
コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp」
まとめ
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