FastSeries ブログ
2024/06/20
ナレッジベースとは?作り方や構築するメリット、活用のコツを解説
日々の業務を通じて得られるナレッジは、多様かつ大量です。しかし、その多くは業務担当者の頭の中に蓄積されるだけで、企業全体の資産として有効活用されていないのが現実ではないでしょうか。コンタクトセンターなど専門的な業務では、知り得たナレッジが属人化することによって業務効率が低下している場合があります。
そこで本記事では、ナレッジを共有するデータベースを活用するメリットや構築方法のほか、活用法について解説します。
日々の業務を通じて得られるナレッジは、多様かつ大量です。しかし、その多くは業務担当者の頭の中に蓄積されるだけで、企業全体の資産として有効活用されていないのが現実ではないでしょうか。コンタクトセンターなど専門的な業務では、知り得たナレッジが属人化することによって業務効率が低下している場合があります。
そこで本記事では、ナレッジを共有するデータベースを活用するメリットや構築方法のほか、活用法について解説します。
ナレッジベースとは業務の知見を一元化したデータベースのこと
ナレッジベースとは、業務に活かせる知見を一元化したデータベースのことで、「知識ベース」「データベース」とも呼ばれるものです。これを構築することで、従業員一人ひとりの頭の中に蓄積されたノウハウや業務知識を共有し、組織全体の資産として活用することができます。
ナレッジベースは、属人化しがちな業務知識を関係者全員が確認できる場所に集約し、その伝承を促す経営手法「ナレッジマネジメント」の一環でもあります。従業員一人ひとりをハイパフォーマーに引き上げられるほか、従来は「目で見て覚えるように」といわれていた業務を、体系的に伝承できるようになります。
ナレッジベースを構築するメリット
ナレッジベースを構築すると、社内の引き継ぎや情報共有がスムーズになるほか、コンタクトセンターなど顧客対応業務のレベルアップにもつながります。ここでは、ナレッジベースを構築する主なメリットを、3つご紹介します。
社員間における知識の引き継ぎの効率化
人材の流動化で、どの組織でも頻繁に人が入れ替わるようになりました。新たに採用したスタッフに対しては、ベテランスタッフが研修を行ったり、サポートをしたりして育成していくのが一般的な流れでしょう。
しかし、この方法では、教える側のレベルによって教育の内容にばらつきが出ることに課題があります。採用する人員に対して教える側の人数が足りず、教育の質を保てない組織も少なくありません。
ナレッジベースを構築しておくと、誰もが同じように必要な知識を確認できるため、引き継ぎや教育の効率化が図れます。
顧客対応のレベルアップにつながる
コンタクトセンターでは、過去の問合わせ事例や回答のナレッジベースを蓄積することで、オペレーターの経験年数やスキルにかかわらず、適切な対応をとることができます。
情報の属人化を防いで質の高い顧客対応を標準化できるため、顧客満足度の向上につながるでしょう。また、クレームを対応する際に、蓄積された情報から過去の解決法が早期に発見できることも期待できます。
部署を越え、企業全体での情報共有ができる
ナレッジベースを活用すると、部署間だけでなく企業全体でスムーズに情報を共有できます。例えば、コンタクトセンターで得た顧客の声をナレッジベースに共有することで、商品開発のヒントになったり、これから取り組む予定のプロジェクトをより良く改善したりできる可能性があります。
参考:ナレッジ共有とは?ツール導入のメリットと成功させるポイントを解説
ナレッジベースの構築方法
ナレッジベースは、下記のように既存の社内システムや専用のシステムなどで作ることができます。より簡単なプロセスで充実した機能を求めるなら、専用システムの導入がおすすめです。
FAQシステム
FAQシステムは、よくある質問とその回答をまとめたものを、カテゴリーやセクションで階層を細かく設定できるものです。ナレッジを集約し、社内やコンタクトセンターなどで活用します。
このシステムは社内やコンタクトセンターだけでなく、顧客向けのヘルプページの構築にも活用できます。顧客自身が問合わせの前に解答にたどり着く回数を増やすことができ、オペレーターの負担を軽減することにもつながるでしょう。
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社内wikiシステム
社内wikiシステムタイプは、社内の業務ナレッジを蓄積する場合に適したタイプです。投稿しやすく、情報を探しやすいUI・UXで、主体的な共有を促進します。
オンラインストレージ
社内資料を蓄積する場合には、外出先やテレワークでも必要なファイルにアクセスできるオンラインストレージが適しています。無料のものもありますが、外部からのアクセスが増えることを考慮して、有料の法人向けにすると、セキュリティ面での不安が軽減されます。
コンタクトセンターにおけるナレッジベースの活用法
ナレッジベースを構築する際には、具体的な活用イメージを持ち、適したシステムを導入することが大切です。現在の業務において、効率化を妨げているポイントやデータ活用によって精度や質の向上が見込めそうな業務を見つけ、ナレッジベースの応用を検討しましょう。
ここでは、コンタクトセンターにおけるナレッジベースの具体的な活用法をご紹介します。
自動音声応答装置による顧客の振り分け
顧客が企業の問合わせ窓口などにアクセスした際、自動で流れる音声応答には、ナレッジベースが活用されていることが多くあります。音声ガイダンスとダイヤルプッシュで誘導し、一般的な解答で済む問合わせであれば自動音声で対応します。
オペレーターが対応する必要がある問合わせに対しても、音声ガイダンスで適切な部署につなぐことにより、たらい回しによる待ち時間の長期化を防ぐことができます。
FAQの作成
企業のウェブサイト上で「よくある質問」を検索できるう。FAQのページを作る時にも、コンタクトセンターのナレッジベースが活躍します。
顧客から多い質問とその回答を紹介することで、オペレーターが何度も同じような質問に答える手間をなくし、より煩雑で難度の高い対応が求められる問合わせにリソースを集中することができます。コンタクトセンター向けFAQシステムを使えば簡単に作成・更新できるうえ、CRMと連携できれば共通のデータベースで一元管理も可能です。
また、コンタクトセンター向けFAQシステムは社内向けとしても活用できます。新入社員からよくある質問や、知っておいてほしいことをまとめて社内向けFAQを作成しておけば、社内教育の効率化に役立つでしょう。
参考:【FAQの作り方】問合わせ削減に向けた手順や構成を解説
社内のデータ共有
これまで、各部署の棚や個人のパソコンなどに散在していた資料をデータ化して、ナレッジベースで一元化すれば、社内の誰もが、いつでも必要な情報を得ることができます。営業や経理が保管していた顧客の情報が、コンタクトセンターでの対応に役立つこともあるでしょう。
資料を共有した人を表示することで、共有された情報に詳しい人を容易に見つけられるため、組織全体でのナレッジマネジメントへの応用も可能です。
社内研修での知識共有
コンタクトセンターでの対応における言葉遣いや態度などのニュアンスは、テキストベースのマニュアルだけでは伝わりにくいことがあります。使用するナレッジベースによっては画像や動画も蓄積できるため、テキストの補完として使うことで、文章だけでは伝わりにくいスキルを共有して社内研修の効果を高めることができます。
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FAQナレッジシステム(FastAnswer)の導入事例
ここからは、テクマトリックスが提供するFAQナレッジシステム「FastAnswer」を導入して、応対の平準化、人的リソースの最適化を実現した企業様の事例をご紹介します。
・株式会社ユーキャン様
通信講座や通信販売を手掛けている株式会社ユーキャン様では、オペレーターのお客さま応対業務に欠かせない社内FAQナレッジシステムが、2012年当時はスクラッチ開発されており、コンタクトセンター業務の外部委託先との情報連携に課題を持っていました。また、オペレーターが素早く簡単にFAQナレッジにアクセスできず、応対時には個別のマニュアルや紙による資料を多用せざるを得ない状況が続いておりました。
そこで、委託先コンタクトセンターとの安全な情報共有ができ、最新情報が常に掲載可能、自社でのサーバー準備が不要なシステムの導入を目指し2013年にはテクマトリックスのFAQナレッジシステム「FastAnswer」を導入しました。
FastAnswerを活用することで応対に必要なFAQナレッジが一元管理され、オペレーター全員が必要なFAQナレッジにすぐにアクセス可能になったため、委託先コンタクトセンターも含めて応対の平準化を実現しました。
また、商品名だけでなくFAQ本文や添付資料の内容も含めて検索でき、予測変換検索や参照履歴の機能も活用することで検索性が圧倒的に向上し、必要な情報に素早くアクセスできオペレーターの負荷軽減も実現しました。
株式会社ユーキャン様の取り組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
株式会社ユーキャン様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)
ナレッジベースに関するよくある質問
Q. ナレッジベースとは?
A. ナレッジベースとは、業務に活かせる知見を一元化したデータベースのことで、「知識ベース」「データベース」とも呼ばれるものです。これを構築することで、従業員一人ひとりの頭の中に蓄積されたノウハウや業務知識を共有し、組織全体の資産として活用することができます。属人化しがちな業務知識を関係者全員が確認できる場所に集約し、その伝承を促す経営手法「ナレッジマネジメント」の一環でもあります。
Q. ナレッジベースを構築するメリットとは?
A. ナレッジベースを構築するメリットは以下の通りです。まず、社員間の知識引き継ぎが効率化され、新スタッフの教育が統一された質で行えます。次に、コンタクトセンターでは、過去の問い合わせ事例を活用し、オペレーターが一貫した高品質な顧客対応を提供でき、顧客満足度が向上します。さらに、企業全体での情報共有が促進され、各部署の情報を活用して商品開発やプロジェクト改善に役立てることができます。
Q. ナレッジベースの構築方法とは?
A. ナレッジベースの構築方法には、FAQシステム、社内Wikiシステム、オンラインストレージの活用があります。FAQシステムはよくある質問と回答をまとめ、社内やコンタクトセンター、顧客向けに利用します。社内Wikiシステムは業務ナレッジの蓄積に適し、情報共有を促進します。オンラインストレージは、外出先やテレワークでも必要なファイルにアクセスでき、法人向けの有料サービスでセキュリティを強化できます。
まとめ
- ナレッジベースとは、業務に活かせる知見を一元化したデータベースのこと。「知識ベース」「データベース」と呼ばれることもある。
- ナレッジベースを構築するメリットは、引き継ぎや情報共有の効率化のほか、コンタクトセンターなどの顧客対応業務のレベルアップなどがある。
- コンタクトセンターでナレッジベースを作る場合は、コンタクトセンター向けFAQシステムの導入がおすすめ。顧客対応のクオリティアップや対応の効率化、負担軽減につながる。
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