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2025/02/12

生成AIをコンタクトセンターでどう活用する?サービス事例を解説

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生成AIは、近年の飛躍的な進歩により、幅広いビジネスシーンで活用が広がっています。コンタクトセンターにおいても、生成AIの導入が業務効率化やコスト削減につながると注目されており、導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、コンタクトセンターにおける生成AIのサービスの事例や、導入によって得られるメリットのほか注意点などについて解説します。

コンタクトセンターにおける生成AIの活用例

コンタクトセンターでは、生成AIを活用できる場面が数多くあります。具体的な生成AIの活用例は、下記のとおりです。

<コンタクトセンターにおける生成AIの活用例>
・チャットボットやボイスボットによる自動対応
・会話内容の要約
・回答文の校正や提案
・FAQの自動作成や自動抽出
・VOC分析


チャットボットやボイスボットによる自動対応


コンタクトセンターにおける生成AIの活用例のひとつに、チャットボットボイスボットによる顧客対応の自動化が挙げられます。
生成AIが搭載されたチャットボットやボイスボットを取りいれることにより、今まで有人で対応していた本人認証や事前ヒヤリングなどの一次対応を自動化できるほか、顧客をFAQサイトへ誘導して自己解決を促すことも可能になります。チャットボットやボイスボットの導入により、オペレーターの負担を軽減し、対応スピードの向上が期待できるでしょう。

顧客対応の自動化について、詳しくはこちらをご確認ください。
社内外の問合わせ対応を自動化する方法は?システムや注意点を解説


会話内容の要約


オペレーターと顧客との会話内容を音声認識機能でテキスト化し、その内容を生成AIが要約するという活用方法もあります。
オペレーターが対応内容を要約して文章化する場合、要約そのものに多くの時間と労力を費やさなくてはなりません。また、要約文の質がオペレーターによってまちまちになる可能性もあります。会話内容を音声認識機能でテキスト化し、その内容を生成AIが要約するプロセスを導入すれば、業務効率の向上と要約品質の均一化の両立が可能です。オペレーターは有人対応が必要なやりとりに集中でき、結果として対応品質が向上するという間接的な利点もあります。

例えば、テクマトリックスが提供するボイスボット「FastVoice」、CRMシステム「FastHelp」、生成AI機能群「FastGenie」などを活用すれば、問合わせ時の挨拶や事前ヒヤリングをボイスボットが担当し、対応内容の要約を生成AIに任せてCRMシステムに素早く入力することが可能です。この仕組みにより、オペレーター4人分相当の業務効率化を実現できます。

■テクマトリックスのボイスボットと生成AIの活用による業務短縮イメージ
FastVoice-and-FastHelp-can-be-used-to-shorten-business-operations.png


回答文の校正や提案


コンタクトセンターにおける生成AIの活用例として、オペレーターが作成した回答文を校正・提案するサービスもあります。生成AIは、表現上の誤りを指摘するだけでなく、より伝わりやすい文面を提案することにより、顧客にとって理解しやすい文面を簡単に作成できます。オペレーターの文章作成スキルに依存しない体制を築けると同時に、人的ミスを回避できる点が大きな利点です。

テクマトリックスの生成AI機能群「FastGenie」なら、「顧客へのメッセージの添削」「オペレーター向けの回答支援」「顧客向けの回答作成支援」などの自動化により、オペレーターの顧客対応や後処置のリソースの軽減が可能になります。

■FastHelpの回答作成支援機能のイメージ
response-support-by-AI-on-FastHelp.png


FAQの自動作成や自動抽出


コンタクトセンターでは、自社の商品情報や過去の対応履歴などを学習させることで、生成AIによるFAQの自動作成や自動抽出ができます。生成AIが搭載されたFAQナレッジシステムを使えば、従来のように手作業でFAQをまとめる場合と比べて、作業を大幅に効率化できるだけでなく、FAQの内容を更新する際にも短時間で効率良く作業を完了できる点が大きな強みです。

また、FAQは一度作成すればそのまま利用し続けられるものではなく、定期的な見直しが必要です。生成AIを活用すれば、商品・サービスの最新情報を反映させたり、現場の実態に即した内容に更新したりする作業を自動化できるため、常に高品質なFAQを維持できます。

例えば、テクマトリックスの生成AI機能群「FastGenie」では、システム内の情報をもとにFAQの回答生成を行うことが可能です。また、従来はナレッジの検索もオペレーターのスキルに依存していましたが、自然文でAIエージェントに問合わせを行うことができるため、回答文の作成スピードも向上します。


VOC分析


コンタクトセンターに寄せられるお客さまの声(VOC:Voice of Customer)の分析にも、生成AIを活用できます。コンタクトセンターでは、日々の対応履歴が膨大なデータとして蓄積されますが、このデータを生成AIが効率的に処理し、分析に必要な情報の抽出が可能です。また、抽出したデータを分析に適した形式に変換し、傾向を可視化することで、より深い分析ができるでしょう。

従来のVOC分析では、大量の録音データを聴いたうえで必要な情報を収集しなくてはなりませんでした。こうした過程を生成AIで代替することにより、分析の省力化と迅速化を実現できます。前段のVOC抽出においても、テクマトリックスの生成AI機能群「FastGenie」では、対話から問合わせ内容の詳細分類を自動で判定・転記し、人間の判断に頼ることなく均一化された状態でデータを整備することが可能です。

コンタクトセンターにおける生成AI導入のメリット

コンタクトセンターの業務に生成AIを取りいれることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットとして、下記の4点が挙げられます。

<コンタクトセンターにおける生成AI導入のメリット>
・業務効率化
・生産性向上
・オペレーターのスムーズな育成
・CXの向上


業務効率化


生成AIの導入によって、コンタクトセンターの様々な業務を省力化できる点は大きなメリットです。前述した活用例のように、従来は手作業で行われていた複雑な工程を自動化できれば、業務効率が大幅に向上します。

例えば、大量のデータから必要な情報を抽出したり、決められたルールに沿ってデータを整えたりするプロセスは、生成AIが得意とするプロセスです。従業員が目視や手作業で行うべき作業が削減され、コア業務に集中しやすくなることは、業務効率化につながる大きな要因といえます。

問合わせ対応の効率化について、詳しくはこちらをご確認ください。
【問合わせ対応を効率化する方法】システムや事例を交えて解説


生産性向上


生成AIの導入には、コンタクトセンター全体の生産性向上という大きなメリットがあります。業務効率化によってコンタクトセンターの業務に不可欠なリソースを抑えながら、より少ないリソースで期待される成果を生み出すことが可能です。

例えば、チャットボットやボイスボットによって顧客の自己解決率が向上すれば、従来よりも入電件数が減少すると想定されます。その結果、オペレーターを増員する必要がなくなり、顧客の疑問点や不明点をスムーズに解消できるでしょう。また、電話や有人チャットなどオペレーターによる対応が必須の問合わせが絞られることで、対応品質の向上も期待できます。

コンタクトセンターのDX化について、詳しくはこちらをご確認ください。
コールセンターのDXとは?DX化の方法や役立つシステムを解説


オペレーターのスムーズな育成


生成AIの活用により、オペレーター育成をスムーズに進められるというメリットがあります。チャットボットやボイスボットを活用した自動応答によってオペレーターで対応すべき問合わせが絞り込まれるため、必要な知識やノウハウが明確化され、効率的な育成も可能です。また、通話内容が要約されることで後処理に時間がとられることなく、より多くの対応業務を行うことができます。

また、生成AIは経験の浅いオペレーターのトレーニングツールとしても有効です。生成AIを活用してロールプレイングを行うことで実践的なスキルを身に付けたり、生成AIが回答文の校正や提案をすることでスキルアップを図ったりできます。


CXの向上


生成AIの導入は、CX(顧客体験)の向上にも効果を発揮するメリットがあります。24時間365日体制で問合わせ対応が可能になるほか、顧客とのやりとりをAIが学習し続けることで、回答の質がブラッシュアップされていきます。

顧客の視点に立つと、こうした生成AIの強みは「営業時間外で問合わせへの回答がすぐに得られない」「電話に出たオペレーターによって対応が異なる」といった不満の解消につながります。迅速かつ的確な対応を体験した顧客は、その企業に対して好印象を抱き、信頼がより厚いものになるでしょう。

コンタクトセンターでの生成AI導入を成功させるためのポイント

コンタクトセンターにおける生成AI導入を成功させるには、どのような点を意識する必要があるのでしょうか。ここからは、特に重要な4つのポイントを紹介します。

<生成AI導入を成功させるためのポイント>
・課題と目的に応じたシステムを導入する
・サポート体制が充実しているかを確認する
・運用のためのルールづくりや研修をする
・チューニングを繰り返して最適化を図る


課題と目的に応じたシステムを導入する


コンタクトセンターでの生成AI導入を成功させるためには、まずは導入の目的を明確にする必要があります。自社が抱えている課題を洗い出し、それを解決するために生成AIをどのように活用するのか、具体的に決めておくことが重要です。

生成AIと一口にいっても、その機能や強みは多岐にわたります。自社の課題や目標を整理できていれば、必要とする機能や特長を絞り込みやすくなります。具体的にどの業務で生成AIを活用し、どのような効果を期待しているのかを共有することで、導入後の運用もスムーズに進められます。


サポート体制が充実しているかを確認する


生成AIをコンタクトセンター業務に導入する際は、システムを提供するベンダーのサポート体制が充実しているかを確認しておきましょう。特に、初めて生成AIを利用する場合は、予期せぬトラブルや不明点が発生する可能性も高いため、適切なサポートを受けられるかどうかによって、問題が解決するまでの時間に大きく差が開くケースもあります。

そのため、サポート窓口の対応可能な曜日や時間帯、提供されるコミュニケーション手段(電話、メール、チャットなど)、具体的なサポート方法などについて、事前に確認することをおすすめします。


運用のためのルールづくりや研修をする


コンタクトセンターに生成AIを導入する際は、適切なルールを定めて、それをスタッフに周知するための研修が必要です。特に、禁止事項や推奨事項を伝える際には、その背景や目的を丁寧に説明することが大切です。運用開始前に「業務のどの工程を生成AIで補うのか」「導入するシステムは、どのような使い方ができるのか」などを詳細に記載したマニュアルを作成し、スタッフに配布して理解を促しましょう。


導入前のPoCやチューニングを行い最適化を図る


コンタクトセンターで生成AIを活用する際は、導入直後から狙いどおりの効果が得られるとは限らず、導入前の期待効果の検証作業や継続的な学習などの調整が必要になる場合があります。初期段階でPoCを行い、自社にとってより良い効果を発揮できるように調整しておくことや、運用を続ける中でチューニングを繰り返して最適化を図ることも大切です。

このようなプロセスには時間がかかるため、導入前からその点を理解し、長期的な視点で取り組むことが求められます。運用の中で効果を適切に評価し、検証と改善を繰り返すPDCAサイクルを回しながら、最適な運用を目指しましょう。もし自社のコンタクトセンターに生成AI導入の可能性がありそうなら、後回しにせずに各部署やベンダーへ早めに相談しておくことが吉でしょう。

コンタクトセンターで生成AIを活用する際の注意点

生成AIの活用にあたって、注意するべき点もあります。下記の2点に関しては、事前に対策を講じておく必要があるでしょう。


虚偽情報の管理が欠かせない


コンタクトセンターで生成AIを活用する際は、事実と異なる虚偽情報を出す可能性がある点に注意が必要です。この現象は「ハルシネーション」と呼ばれ、誤った情報や古い情報が学習データとして取り込まれたり、学習データが不足していたりすることが主な原因です。現時点の技術では、ハルシネーションを完全に排除することは難しいため、虚偽情報がないか確認するプロセスを設ける必要があります。

具体的な対策としては、情報の出どころを表示させるようにすることや、学習データを慎重に選別したり、AIが参照するデータを制限したりすることが挙げられます。また、ハルシネーションに関する最新情報を継続的に収集し、どのようなプロンプトで発生しやすいかを特定することも有効です。


セキュリティ対策が必要になる


コンタクトセンターで生成AIを利用する場合は、情報漏洩リスクをふまえたセキュリティ対策が欠かせません。例えば、機密情報をプロンプトとして入力した場合、それがAIの学習データとして活用され、無関係の顧客に機密情報の一部を提示されるリスクもあります。あるいは、悪意のある第三者が生成AIに連携したシステムを不正に操作し、機密情報を窃取するおそれもあります。

こうしたリスクを軽減するためには、セキュリティ対策システムの導入や、セキュリティポリシーの策定・順守を徹底し、データの暗号化やアクセス権限などの適切な管理が必要です。

コンタクトセンターで生成AIを活用するならFastSeriesがおすすめ

生成AIは日々進化を続けており、コンタクトセンターでの活用例も増えつつあります。生成AIの特性をうまく活用することで、コンタクトセンターの業務効率化や生産性向上、CXの改善などにつなげてみてはいかがでしょうか。

テクマトリックスが提供する「FastSeries」は、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」をはじめ、ボイスボット「FastVoice」やFAQナレッジシステム「FastAnswer」などで、生成AIを活用したオペレーター支援が可能です。また、チャットボット「FastBot」は、様々な人工知能(AI)システムと連携し、24時間365日顧客対応ができます。

■テクマトリックス「FastSeries」のラインナップ
FastSeries-lineup-FastGenie.png
FastVoice」と「FastHelp」は、連携させることにより、事前ヒヤリングや対応後の処理の効率化も可能です。

■FastVoiceによるヒヤリング内容をFastHelpに自動表示するイメージ
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生成AI機能群「FastGenie」は、通話内容を自動要約してテキスト化し、CRMシステムに自動登録する機能も備えています。

■FastGenieによる電話対応のカテゴリーやタグの自動判定、転記イメージ
FastHelp's-AI-summarizes-call-content-automatically-determines-tags-and-transcribes.png
また、AIによるVOC・FAQの自動抽出や、ナレッジ運用にも対応しています。コンタクトセンターでの生成AI活用を検討している場合は、生成AI機能群「FastGenie」を利用できるFastSeriesの導入をぜひご検討ください。

コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp
WebサイトやLINE上で顧客対応を自動化するチャットボットは「FastBot
自社希望に合わせたセルフカスタマイズができるAIボイスボットは「FastVoice
FAQ作成の業務効率化を支援するFAQナレッジシステムは「FastAnswer
リアルタイム対話要約、回答支援、FAQ作成支援、VOC抽出ができる生成AI機能群は「FastGenie

まとめ

  • コンタクトセンターにおける生成AIの活用例には、「チャットボットやボイスボットによる自動対応」「会話内容の要約」「回答文の校正や提案」「FAQの自動作成や自動抽出」「VOC分析」などがある。
  • コンタクトセンターで生成AI導入を成功させるための主なポイントは、「課題と目的に応じたシステムを導入する」「サポート体制が充実しているかを確認する」「運用のためのルールづくりや研修をする」「チューニングを繰り返して最適化を図る」などがある。
  • テクマトリックスが提供する「FastSeries」では、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」を始め、ボイスボット「FastVoice」やFAQナレッジシステム「FastAnswer」、チャットボット「FastBotなどで、生成AIを活用したオペレーター支援が可能。

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