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2025/03/03

【事例あり】ノンボイス化の意味や重要性、システムの種類を解説

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  • オムニチャネル
  • チャットボット
  • 有人チャット
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コンタクトセンターの業務効率化を推進するには、入電数を最小限に抑えることが重要です。その手段のひとつとして、ノンボイス化が注目されています。
この記事では、ノンボイスの主な種類のほか、ノンボイス化を進めるにあたっての重要性を解説します。ノンボイス化の具体的な成功事例を併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ノンボイス化とは、音声を使わないカスタマーサポートのこと

ノンボイスとは、コンタクトセンターなどで音声を使わずにカスタマーサポートを提供するチャネル全般を表す概念のことです。これを推進することを「ノンボイス化」といい、近年、スマートフォンの普及や働き方改革の推進に伴い、コンタクトセンターなどのカスタマーサポート領域で導入が加速しています。
従来の電話応対に代わり、下記のようなノンボイスのシステムを活用することで、問合わせ対応の効率化とユーザーの利便性向上が期待できます。

<ノンボイス化を実現する主なシステムの種類>
・ビジュアルIVR
・FAQサイト
・チャットボット
・有人チャット
・SNS
・メール
・問合わせフォーム


ビジュアルIVR


ノンボイス化を実現するためのシステムのひとつに、ビジュアルIVRがあります。電話自動応答システム(IVR)を視覚化したシステムで、音声ガイダンスの代わりに、Webサイトやスマートフォンアプリなどの画面上で、顧客を案内します。画面の案内メニューに沿って操作するとFAQやチャットボットなど、自己解決を促すチャネルへ誘導される仕組みです。
ビジュアルIVRの導入により、電話の取り次ぎや担当部門への引き継ぎを最小限に抑えられるメリットがあります。

ビジュアルIVRを導入する際には、テクマトリックスの「FastNavigation」がおすすめです。コーディングなどの知識がなくても、直感でページデザインを作成できることに加え、アクセス解析やユーザー導線の分析も簡単に行えます。キャンペーンや営業時間外の案内などの追加切り替えも、柔軟に対応できます。

■FastNavigationによるビジュアルIVRのイメージ
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FAQサイト


ノンボイス化を進めるためには、FAQサイトを充実させることも有効です。FAQとは、「よくある質問」とその回答のことで、これをまとめたWebサイトがFAQサイトになります。顧客はFAQサイトで疑問に合ったFAQを検索し、適切な回答を見つけて自己解決を促すことができます。
また、メールやチャットでの問合わせに対して、FAQのURLも併せて案内し、スムーズな問題解決につなげることも可能です。

ただし、FAQサイトの運用には、顧客の声を収集し、定期的にFAQを更新する手間がかかります。テクマトリックスのFAQナレッジシステム「FastAnswer」であれば、膨大な顧客の声を分析し、よくある質問の抽出やFAQの作成・更新も簡単にできます。
fastanswer-introduction-page2-728-90px.png


チャットボット


ノンボイス化の推進のために、顧客の問合わせに自動で応答するチャットボットを活用する企業も増えています。Webサイトやアプリ上のチャットボットに顧客が質問を入力すると、即座に回答を得られるため、オペレーターが音声で案内する必要がありません。
チャットボットには、ルールベース(シナリオ)型と自動学習機能型(機械学習型・AI型)の2種類があり、どちらのチャットボットが適しているかは、想定される質問のバリエーションや用意すべきFAQの数、質問の内容などに応じて判断することが大切です。

<チャットボットの種類>
・ルールベース(シナリオ)型:ユーザーの質問を予測してあらかじめシナリオを設定し、それに沿って会話を進める
・自動学習機能型(機械学習型、人工知能型):AI自身がユーザーの質問を読み取って適切に回答する

■ルールベース(シナリオ)型と自動学習機能型(機械学習型、人工知能型)のチャットボットイメージ
comparison-of-rule-based-and-AI-chatbot-screens.pngテクマトリックスのコンタクトセンター向けチャットボットシステム「FastBot」は、専門的な知識がなくてもAIを活用したチャットボットを構築できるほか、公開後の更新も簡単です。
また、AIチャットボット機能も持ち合わせる生成AI機能群「FastGenie」もおすすめです。

チャットボットの選び方について、詳しくはこちらをご確認ください。
失敗しないチャットボットの選び方!押さえるべきポイントを詳しく解説
チャットボットの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【チャットボットの作り方】自作・システム利用のポイントを解説
チャットサポートについて、詳しくはこちらをご確認ください。
チャットサポートとは?導入のメリットや種類、成功事例を紹介


有人チャット


チャットボットでノンボイス化を進める際は、有人チャットとの併用がおすすめです。有人チャットは、オペレーターがリアルタイムでチャット対応するシステムで、チャットボットでは対応が難しい複雑な質問や、個別対応が求められる問合わせに適しています。チャットボットから適宜有人チャットへ切り替えることで、スムーズな顧客対応が可能になります。

チャットボットと連携できる有人チャットシステムは、テクマトリックスの「FastText」がおすすめです。チャットボットシステム「FastBot」と連携することで、応対履歴とともにオペレーターへ引き継ぐことができます。Webサイトだけでなく、LINEやSNSなど多彩なチャネルでの利用が可能です。

また、FastText」とコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」を連携させれば、オペレーターはチャット対応を行う際に、画面を切り替えることなく、顧客番号などの利用者固有の情報をもとに本人情報およびチケット情報を参照できるようになります。これにより、画面切り替えの手間や利用者情報の転記によるミスを軽減できるなど、オペレーターの参照業務の効率化にも貢献します。


メール


メールでのやりとりもノンボイス対応のひとつです。FAQサイトやチャットボットと異なり、オペレーターが1件ずつ対応する必要がありますが、年齢層の高い顧客にも身近なチャネルとして活用されています。
短いテキストのやりとりが多いチャットと異なり、詳細な説明や、資料の添付が必要な場合には、メールが有効なコミュニケーション手段となります。


問合わせフォーム


ノンボイス化の一環として、Webサイトに問合わせフォームを設置することも有効です。問合わせフォームを設置すれば、企業側はメールアドレスを開示せずに、顧客から質問を受け付けることができます。
ただし、問合わせ件数が増えると対応に時間がかかり、返信の遅延によりトラブルが発生する可能性もあります。そのため、FAQサイトやチャットボットでは解決できないケースや、営業時間外の問合わせ対応として活用するのもおすすめです。

ノンボイス化のメリット

コンタクトセンターのノンボイス化は、様々なメリットがあります。主なメリットとして、下記の4点が挙げられます。

<ノンボイス化のメリット>
・24時間365日の顧客対応が可能
・リモート環境でも対応可能
・電話によるオペレーターの心理的負担の軽減
・対応スピードの向上


24時間365日の顧客対応が可能


ビジュアルIVRやFAQ、チャットボットなどのノンボイスシステムを活用すれば、オペレーターが不在でも24時間365日の顧客対応が可能になります。オペレーターの勤務体制を昼夜交代制にする必要性がないうえ、顧客の待ち時間を減らせる点も大きなメリットです。


リモート環境でも対応可能


ノンボイス化が進むことで、オペレーターがリモート環境でもスムーズに顧客対応できるようになります。音声通話を必要としないため、インターネットの接続があれば場所を選ばずに対応が可能です。柔軟な働き方が求められている昨今、リモート対応の選択肢が増えることは、企業にとって大きなメリットといえます。


電話によるオペレーターの心理的負担の軽減


ノンボイスであれば、オペレーターは顧客と直接音声でコミュニケーションをとる必要がなくなり、心理的な負担を軽減できます。
電話対応では、クレーム対応だけでなく、顧客の声の聞き取りづらさによるストレスも発生しやすく、オペレーターの負担が大きくなることも少なくありません。ノンボイス化を進めれば、オペレーターの心理的負担を減らし、マネジメントコストの削減にもつながるでしょう。


対応スピードの向上


ノンボイス化により、問合わせ対応のスピードが向上することは、顧客・企業双方にとって大きなメリットです。問合わせ内容がテキストデータとして残るため、顧客は何度も同じ説明を繰り返す必要がありません。また、オペレーターの人数にかかわらず同時に複数の問合わせを処理できるため、顧客の待ち時間を削減し、迅速な問題解決につながります。

ノンボイス化のデメリット

ノンボイス化には多くのメリットがありますが、下記のようなデメリットも考慮する必要があります。

<ノンボイス化のデメリット>
・顧客の感情が読み取りにくい
・デジタルツールに不慣れな顧客には使いづらい
・すべての問合わせに適しているわけではない

ノンボイス対応では、テキストのみのやりとりになるため、顧客の感情を読み取りにくいことが課題として挙げられます。特に、クレーム対応や個別の相談では、適切な対応が難しくなる場合もあるでしょう。
また、デジタルツールに不慣れな顧客にとっては使いづらい点もデメリットです。特に、高齢者やITに不慣れなユーザーにとって、テキストでの問合わせは負担に感じる可能性があります。

ノンボイス対応は、定型的な問合わせには適しているものの、複雑な問題や緊急対応には電話のほうがスムーズに解決できるケースもあります。すべての問合わせをノンボイス化するのではなく、適切なバランスで導入を進めることが重要です。

ノンボイス化を進める際の注意点

ノンボイスには多くのメリットがありますが、導入時にはいくつか注意すべきポイントがあります。スムーズな運用と効果的な活用のために、下記のポイントを意識しましょう。

<ノンボイス化を進める際の注意点>
・顧客の需要に合わせた複数のチャネルを用意する
・有人対応と無人対応を組み合わせる
・FAQなど自己解決を促進するコンテンツを整備する
・マナーや言葉遣いに配慮する
・CRMなどの顧客対応システムと連携する


顧客の需要に合わせた複数のチャネルを用意する


ノンボイス化を進める際は、顧客の状況に応じて適切なチャネルが選べるよう、複数のチャネルを用意することが大切です。ITツールを使い慣れていない顧客や有人対応を希望する顧客もいるため、電話対応の選択肢も用意しておきましょう。


有人対応と無人対応を組み合わせる


ノンボイスは無人対応を想定した仕組みもありますが、状況によっては有人対応もできるようにすることをおすすめします。FAQやチャットボットでは解決できない問合わせや、個別対応が必須の問合わせが発生する可能性もあるため、有人対応と無人対応を組み合わせ、状況に応じて使い分けられるようにすることが望ましいでしょう。


FAQなど自己解決を促進するコンテンツを整備する


ノンボイス化は、FAQサイトなど顧客に自己解決を促す仕組みを充実させ、定期的に見直してコンテンツを追加・修正していくことが大切です。FAQサイトに的確な質問と回答が掲載されていれば、顧客が問合わせる手間と時間を省き、スムーズに疑問を解決できます。また、FAQサイトを目立たせたり、SEO対策機能があるFAQシステムを活用したりすることで、顧客がコンテンツを見つけやすいようにしておくことも重要です。企業側にとっても業務効率化やコスト削減につながるうえ、顧客の負担軽減も期待できるでしょう。

テクマトリックスのFAQナレッジシステム「FastAnswer」なら、高度な検索機能や、SEO対策なども備えたFAQサイトを作ることができます。

FAQサイトの改善について、詳しくはこちらをご確認ください。
FAQサイトを改善するポイントは?指標や分析方法を解説
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マナーや言葉遣いに配慮する


ノンボイス化はテキストが主体のコミュニケーションのため、音声による対応以上にマナーや言葉遣いに注意を払う必要があります。ビジネスシーンでやりとりされるメールなどでは簡潔な表現が望ましいものの、顧客対応には向かない表現が含まれます。特に有人対応の際には、チャットの文面が無機質に感じられることのないよう、普段以上に丁寧な言葉遣いを心掛けましょう。


CRMなどの顧客対応システムと連携する


ノンボイスシステムとCRMシステムを連携させることも重要なポイントです。CRMで連携し、顧客対応を一元管理することで、過去の問合わせ履歴や現在の状況を担当者間で共有できます。また、問合わせの履歴を分析することにより、ノンボイスの導入効果や改善が必要な課題を見極めやすくなるでしょう。ノンボイスを実現するためのシステムを選定する際には、CRMなどとの連携が可能なシステムを選ぶことをおすすめします。

なお、テクマトリックスのコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」と有人チャット「FastText」を連携させれば、リアルタイムに利用者情報や問合わせ履歴を共有できます。そのため、顧客が電話やチャットなどの複数のチャネルを通じて問合わせをした場合でも、それぞれのチャネルで対応するオペレーターが一貫性のある応対を行うことが可能です。オムニチャネル化により、オペレーターの対応が迅速かつ効率的になることで、質の高い顧客体験を提供でき、顧客満足度の向上が期待できます。

ノンボイス化の事例

ノンボイスの仕組みを導入し、成果が得られた事例を紹介します。ノンボイス化によって解決された課題や、導入後の具体的な効果を見ていきましょう。


LINEでチャットボットと有人チャットを連携|日本コープ共済生活協同組合連合会様


日本コープ共済生活協同組合連合会様では、年間200万件以上にのぼる組合員からの問合わせ対応に、3ヵ所のコールセンターで対応しています。2015年から利用しているFAQナレッジシステム「FastAnswer」に、2017年からCRMシステム「FastHelp」を連動させ、2018年からはAIチャットボットを利用したLINEチャットサポートを導入するなど、ノンボイス化を進めてきました。

チャットボットを構築する際は、AIの学習データとして既存のFAQを活用。また、運用後はチャットボットによる自動応答から必要に応じて有人対応へと切り替えられる仕組みにすることで、柔軟な対応が可能になりました。AIチャットボットの回答による自己解決率は80%以上に達しており、大きな成果を上げています。
さらに、電話以外の窓口として、チャネルを拡大することで、移動中など声を出せない場所でも対応できるようになるなど、顧客の利便性も上がっています。

■FastHelpを用いたLINEチャット応対イメージ
FastHelp-coop-case-composition.png日本コープ共済生活協同組合連合会様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
日本コープ共済生活協同組合連合会様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)


ノンボイス率は80%を達成|ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社様


「So-net」や「NURO 光」を始めとする幅広い事業を展開するソニーネットワークコミュニケーションズ様では、従来の同期型チャットにおけるセッション切れや、オペレーターの最適な配置などに課題を抱えていました。
CX(カスタマーエクスペリエンス)を損なうことなく、リソースの最適化を実現するために、長年コンタクトセンターで活用してきたCRMシステム「FastHelp」と非同期型チャットを連携。電話やメールはもちろん、同期型チャットや非同期型チャットを含めた有人での対応履歴はすべて保持可能になりました。

オペレーターのリソースの最適配置を実現しながら、利用者が感じる不便さを解消することでCX向上に貢献し、今では有人対応サポートの半数がメッセージサポートとなり、全体的なノンボイス率は80%ほどになっています。

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)

コンタクトセンターのノンボイス化はFastSeriesがおすすめ

コンタクトセンターのノンボイス化は、顧客による自己解決率の向上につながります。顧客体験を損なうことなく業務効率化を図りたい場合は、ノンボイス化を検討してみてはいかがでしょうか。

テクマトリックスでは、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」を中心に、ノンボイス化を支援する「FastSeries」を提供しています。

■FastSeriesラインナップ
FastSeries-2025-new-lineup.png一例として、チャットボットシステム「FastBot」はSNSなど複数チャネルとのシナリオの一元管理が可能です。また、有人チャット「FastText」へのスムーズな切り替えにも対応しています。

■LINEとWebサイトの画面イメージ
fastbot-line-control-function.jpgこのほか、CRMシステムに連携可能な有人チャットシステム「FastText」やFAQシステム「FastAnswer」、ビジュアルIVR「FastNavigation」も活用していただけます。ノンボイス化を実現したい場合は、ぜひFastSeriesをご活用ください。

自己解決チャネルへ適切に誘導するビジュアルIVRは「FastNavigation
WebサイトやLINE上で顧客対応を自動化するチャットボットは「FastBot
チャットボットとの連携もスムーズな有人チャットは「FastText
FAQ作成の業務効率化を支援するFAQナレッジシステムは「FastAnswer
コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp

まとめ

  • ノンボイスとは、コンタクトセンターなどで音声を使わずにカスタマーサポートを提供するチャネル全般を表す概念のこと。
  • ノンボイス化を実現するシステムは、主にビジュアルIVR、FAQ、チャットボット、有人チャット、SNS、メール、問合わせフォームなどがある。
  • ノンボイス化のメリットは、「24時間365日の顧客対応が可能」「リモート環境でも対応可能」「電話によるオペレーターの心理的負担の軽減」「対応スピードの向上」などがある。

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