FastSeries ブログ

ナレッジ

2024/09/20

チャットサポートとは?導入のメリットや種類、成功事例を紹介

  • コンタクトセンター
  • チャットボット
  • 顧客満足
  • LINE(ライン)
  • Twitter
  • Facebook

電話やメールでのカスタマーサポートは、顧客の声を直接聞ける重要な情報収集の場であり、顧客体験を向上させる大切なタッチポイントです。しかしその一方、1件の対応に膨大な時間がかかり、全体の生産性が著しく低下することも少なくありません。そこで、生産性向上と顧客満足度の向上を両立させる方法として、近年注目を集めているのが「チャットサポート」の活用です。
この記事では、チャットサポートの種類や特徴、メリットのほか、導入するためのポイントなどについて詳しく解説します。成功事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

チャットサポートとはオンラインでのテキストによるコミュニケーションシステムのこと

チャットサポートとは、モバイル端末やパソコンを通じて、テキスト形式で顧客とやりとりするコミュニケーションシステムのことです。近年では、チャットボットを活用することで顧客対応を24時間365日可能にしたり、AIが柔軟に受け答えしたりするタイプもあります。
電話やメールでの問合わせが一般的だった従来のコンタクトセンターでは、電話での問合わせには電話で、メールの問合わせにはメールで、それぞれオペレーターが対応していました。こうした有人のサポートには温もりが感じられるため、丁寧に回答することで「話をよく聞いてくれた」「わかるまで説明してくれた」といった好意的な反応につながります。

その反面、限られたリソースで対応できる範囲には限界があり、「電話がつながらない」「メールの返信が遅い」といった不満が生じることも少なくありません。特に、複雑で高度な専門知識を要する問合わせや、時間外の問合わせには即時対応が難しく、かえって顧客満足度を低下させることもあります。
チャットサポートは、こうしたコンタクトセンターの課題を解決できる方法として、多くの企業で導入が進んでいるシステムです。

チャットサポートの種類

チャットサポートは、チャットボットと有人チャットサポート、ハイブリッドサポートの3つの種類に大きく分けられ、いずれもWebサイト内に設置されたチャットボタンを押すことによって対話がスタートします。ここでは、それぞれの特徴と機能をご紹介します。


チャットボット


「チャットボット(chatbot)」とは、会話を意味する「チャット(chat)」と、ロボットを意味する「ボット(bot)」を組み合わせた造語です。テキストやボタンで入力を行うと自動で会話や返答してくれるようなプログラムで、企業のウェブサイトに問合わせ窓口の一つとして設置されているケースも多いです。有人チャットと比べて、基本的にはプログラムで24時間365日対応できるため、顧客を待たせることがありません。チャットボットには、「ルールベース型(シナリオ型)」と「機械学習型(AI型)」の2種類があります。


・ルールベース型(シナリオ型)

チャットボットのシナリオ型は、あらかじめ顧客の質問を想定して設定したシナリオをもとに複数の選択肢を提示し、顧客が選んだ質問に回答します。


・機械学習型(AI型)

チャットボットのAI型は、顧客がテキストで打ち込んだ文章から、質問の内容や意図をくみ取って回答します。人工知能を活用した自動対話プログラムで、まるで人が話しているかのような自然な会話で顧客からの質問に回答します。学習済みのデータから質問内容に合った回答をAI自身が探すため、シナリオ型よりも広範な問合わせに対応できます。

チャットボットについて、詳しくはこちらをご確認ください。
チャットボットとは?仕組みやメリット、課題解決の事例を紹介
コールセンターのAI活用について、詳しくはこちらをご確認ください。
コールセンターでAIを活用するメリットと導入事例を紹介


有人チャットサポート


有人チャットサポートは、オペレーターがリアルタイムで対応するタイプです。人が対応するため、専門知識を持ったオペレーターであれば幅広い質問に答えられます。また、電話と違って複数の質問に1人で同時に応対できるため、顧客の待ち時間を削減することができます。個別のニーズに細やかに対応できることから、顧客満足度も比較的高いでしょう。


ハイブリッドサポート


ハイブリッドサポートとは、チャットボットと有人チャットサポートを組み合わせたタイプです。一次的な対応はチャットボットが行い、簡単な質問やよくある質問であればそのままチャットボットのみで対応を完結します。チャットボットで対応しきれない珍しい質問や、複雑で難度の高い問合わせ、個別対応が必要な顧客の場合には、対応をオペレーターが引き継ぎます。
チャットボットと有人対応をスムーズに切り替えることができれば、対応の質を落とさずに効率化を図ることが可能です。

テクマトリックスのチャットボット「FastBot」と有人チャットシステム「FastText」なら、コンタクトセンターのハイブリッドサポートを可能とします。

チャットサポートを導入するメリット

チャットサポートを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは代表的な4つのメリットを紹介します。


顧客の待ち時間が短くなる


チャットサポートを導入する最大のメリットは、顧客の待ち時間が減り、満足度向上が期待できることです。コンタクトセンターにサポートを依頼する顧客の多くは、問題を一刻も早く解決したいと考えています。そのため、コンタクトセンターに電話をかけた際に保留音が続くと、先が見えない待ち時間にいらだちを感じて顧客満足度が低下する可能性が高くなります。
その点、オペレーター1人で複数人の対応ができるチャットサポートであれば、待ち時間の削減が可能です。即時性が評価されれば、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。


問合わせすることへのハードルが下がる


テキストを通じてやりとりするチャットサポートは、電話よりも気軽に利用できるため、顧客が問合わせすることへのハードルを下げることにつながります。電話での問合わせについて「製品やサービスについて聞きたいことがあるけれど、電話は苦手」「場所を選ばなければならず面倒くさい」という顧客は少なくありません。

問合わせがしにくいと、顧客が企業や製品、サービスへの不満を密かに抱えたまま去っていくサイレントカスタマーになることもあります。クレームが少ないからといって安心していると、知らないうちに大量のサイレントカスタマーが発生して既存顧客が大量に他社へ流れたり、口コミなどでマイナス評価が拡散されたりする場合もあるかもしれません。サイレントカスタマー対策としても、チャットサポートの導入は有用であるといえます。


コンタクトセンターの業務効率が向上する


チャットサポートを導入すると、オペレーター1人あたりの対応件数が増加し、業務効率が向上します。従来は電話で最初に聞き取っていた顧客の基本情報も、チャットサポートなら顧客自身に入力してもらった上で対応することも可能なため、復唱の手間が減って1件あたりの対応時間の削減にもつながるでしょう。


伝達ミスが減る


チャットサポートなら顧客の問合わせ内容が文字で残るため、オペレーターの聞き間違いや伝え間違い、ニュアンスの微妙な誤解などを防げます。特に、顧客の名前や商品名に伴う伝達ミスは大きなトラブルにつながることも多いため、チャットサポートでミスを未然に防ぐことには大きな意味があります。

チャットサポートのデメリット

チャットサポートには、コンタクトセンターの既存の問題を解消するさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。ここでは、代表的な4つのデメリットを紹介します。


顧客によっては使いこなせないことがある


チャットサポートは簡単な仕組みですが、顧客のITリテラシーによっては使いこなせないこともあります。チャットサポートを使うための問合わせが必要になっては本末転倒なため、誰でも直感的に操作できるシステムを採用することが重要です。


質の高いシナリオ設定をしなければならない


チャットサポートがチャットボットのシナリオ型の場合、シナリオにない回答はできないため、事前に質の高いシナリオを適切な数設定しておく必要があります。また、顧客の質問の傾向などに応じて、定期的なシナリオのブラッシュアップも欠かせません。


テキストで適切に対応できるスキルが必要


有人チャットサポートでは、テキストの内容から顧客が抱えている不満や課題、ニーズを瞬時にくみ取るスキルが求められます。電話やメールから顧客の感情を推測する従来のスキルとは必要な能力が異なるため、スキルアップの研修やノウハウの共有が不可欠です。

チャットサポートを導入するためのポイント

チャットサポートの導入を成功させるためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。代表的な4つのポイントを紹介します。


初期費用や月額費用を考える


チャットサポートの導入には、初期費用と月額使用料がかかります。自社のコンタクトセンターが抱えている課題に対して、導入にかかる費用が適切か否かを検討しましょう。人を増やして対応した場合の人件費と、チャットサポートにかかるコストを比較することも大切です。


オペレーターに課題をヒアリングする


チャットサポートの導入効果を高めるために、実際に顧客対応をしているオペレーターに話を聞き、現状の課題を洗い出しましょう。課題に沿って必要な機能や対応する領域を検討すると、自社のコンタクトセンターにフィットしたチャットサポートを導入できます。


複雑な問合わせへの対応方法を決める


問合わせの内容によっては、チャットサポートのみでは対応しきれない複雑な質問になることも考えられるため、対応方法を決めておく必要があります。一般的な質問は自動対応のチャットボットに任せ、感情に配慮する必要がある場合や専門的な質問の場合は有人対応にチェンジするなど、従来の電話対応を含めて適切な対応方法を使い分けられるようにルールを設定しましょう。

チャットサポートの導入成功事例:第一生命保険株式会社様

コンタクトセンター向けCRMシステムを提供しているテクマトリックスでは、CRMシステムとAIを連携させたチャットボットサービスの提供を実施しています。ここからは、コンタクトセンター向けCRMシステムにチャットボットを連携させた第一生命保険株式会社様の導入事例を紹介します。

個人保険に関する事務手続きに関連して、事務企画部に寄せられる営業担当者からの膨大な照会業務が大きな負担となっていた第一生命保険株式会社様では、事務担当者の業務負荷軽減が効率化に向けた最大の課題であるとして、テクマトリックスのCRMシステム「FastHelp」を主軸システムとするスマートセンターを新設しました。
チャットボットで対応しきれなかった内容は、すぐに電話や有人チャットに切り替えられ、担当者にスムーズに引き継げるよう、問合わせ履歴を一元管理できるCRMシステム「FastHelp」に、チャットボットと有人チャットを連携させています。チャットボットはすでに全国のオフィスで活用されており、電話とチャットボットの割合は7:3ほどとなっています。
導入後は、すべてのチャネルからの問合わせ履歴を一元管理できるようになり、事務担当者の業務負担が大幅に軽減されるようになりました。余ったリソースを接客などに振り分けられるようになり、顧客満足度の向上にもつながりました。


■チャットボットを導入したスマートセンターのイメージ


f2155a739c7f848338755ea770f078715ced2895.png
第一生命保険株式会社様の取り組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
第一生命保険株式会社様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)

チャットサポートとCRMシステムの連携で、より細やかな対応を

チャットサポートは、コンタクトセンター業務の効率化と顧客満足度の向上を両立する有用な取り組みです。より細やかな対応を行うために、チャットボットと有人チャットサポートの連携や、チャットサポートでの対話を顧客情報に紐づけられるCRMとの連携を検討しましょう。

テクマトリックスのコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」は各種チャットシステムとの連携が可能で、過去の対応履歴をスピーディーに参照できます。チャットボットから有人チャットサポートへの切り替えもスムーズで、さらなる顧客満足度の向上に貢献します。

コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp
コンタクトセンターのハイブリッドサポートを実現するチャットボットは「FastBot」、有人チャットシステムは「FastText

まとめ

  • チャットサポートとは、モバイル端末やパソコンを通じて、テキスト形式で顧客とやりとりするシステムで、チャットボット、有人チャットサポート、ハイブリッドサポートの3種類がある。
  • チャットサポートを導入するメリットは、「顧客の待ち時間が短くなる」「問合わせすることへのハードルが下がる」「コンタクトセンターの業務効率が向上する」「伝達ミスが減る」などがある。
  • チャットボットやハイブリッドサポートを導入するなら、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」と連携できるチャットシステムがおすすめ。

    fasthelp5-crm.png

人気記事ランキング

おすすめ記事

製品詳細資料をご希望の方はこちらからまとめてご請求可能です。

Consulting

価格・導入に関するご相談、資料請求は以下よりお問合わせください。

イベント情報