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2022/09/22
第4回【柱3・テクノロジーの活用】人との理想的な共存
“働きたい”と思えるコンタクトセンターをつくるためには何が必要なのかを様々な観点から考えるシリーズ「“働きたい”コンタクトセンターをつくるには」。
最終回となる第4回は、必要な柱の3つめとして、テクノロジーの活用を、人との共存という観点で解説します。
“働きたい”と思えるコンタクトセンターをつくるためには何が必要なのかを様々な観点から考えるシリーズ「“働きたい”コンタクトセンターをつくるには」。
最終回となる第4回は、必要な柱の3つめとして、テクノロジーの活用を、人との共存という観点で解説します。
「テクノロジー」を活用する意味を改めて考えよう
シリーズ3回を通してみてきたように、従業員が“働きたい”と思えるコンタクトセンターを実現するには、採用のマッチング率を高める「Win-Winな採用」を意識した上で、自分らしく働けるよう「働き方の多様性」を認めることが大切です。コンタクトセンターの従業員が気持ちよく働くことができていて、ESが高いことは一般的に、CS向上と相関関係があると言われています。コンタクトセンターの目的である「お客さまに高いCXを提供すること」を達成するためにも、コンタクトセンターの環境整備は非常に重要なことは改めて意識しておきたいことです。
一方、働き方の自由度を上げながら、少ない人員で高い応対品質を保つには、マンパワーだけに頼るのではなく、やはり工夫が必要です。
そこで重要となるのが、テクノロジーの活用。近年、テクノロジー・デジタル技術を活用した企業の価値創造=DXに大きな注目と期待が集まったように、日々テクノロジーは進化しており、それを取り入れない手はありません。コンタクトセンターで働く人たちとそれを支えるテクノロジーとのバランスが取れた環境の構築が求められています。
“働きたい”と思えるコンタクトセンターに必要なテクノロジー
従業員の“働きたい”という意欲につながるテクノロジーの活用ポイントを解説します。
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人とテクノロジーのハイブリッドを前提に
テクノロジー活用の大きなメリットは、自動化による生産性向上や業務効率化にあります。たとえば、音声認識システムを応対時に活用したり、WFMシステム(ワークフォース・マネジメント)でオペレーターの人員配置やシフト表作成をするなど、これまで人が行っていた業務のうち単純化・省力化できる作業を代替えしたり補ったりするのです。
ここで重要なのは、人とテクノロジーは共存・共生するものだ、という前提。テクノロジーに完ぺきを求めず、「一部をテクノロジーにお任せして、人にしかできない業務は人が行う」という業務設計をしっかりと行うことが大切です。
単純作業はテクノロジー活用で半自動化し、複雑・創造的な作業は人が担う。このような形で人とテクノロジーの共生・共存を実現すれば、従業員のモチベーションを維持したままコンタクトセンター全体のパフォーマンスの最大化が可能となるでしょう。
単純作業とは何か、今のテクノロジーで自動化・効率化する範囲はどこまでが適切なのかは、各ソリューションベンダーに相談してみるとよいでしょう。 -
テクノロジーは業務だけでなく従業員トレーニングにも
将来のキャリアプランをイメージしながら必要なスキルを獲得し成長していくことは、従業員にとっての働きがいにつながります。そのためには初期研修や現在の能力に応じたトレーニングが欠かせませんが、これらもテクノロジーの活用によって、省力化と質の維持・向上の両立が期待できます。
たとえば、動画教材とトレーニング機能を備えたeラーニングを導入すれば、オペレーターが自らの弱点と思う項目を何度も自律的に学習することが可能です。また、オペレーターの応対音声をテキスト化してその内容を自動でスコア化する音声認識システムを活用すれば、応対評価の迅速なフィードバックを実現できるだけでなく、SVにとっては応対評価の省力化にもつながりコーチングに時間を割くことができます。
ただでさえ覚えることが多いオペレーターにとってシステム操作が負担にならないよう、直感的に使いやすいシステムを意識して選ぶ、ということもおすすめです。 -
スモールスタートが成功のカギ
ただし、コンタクトセンターの業務改革を目指すにあたって、新たなテクノロジーをやみくもに導入し何もかも一気に変えようとするのはおすすめしません。
日々の応対業務と並行しながらの大きな変化は現場の混乱やストレスにつながり、また費用面でも負担がかかります。改革の障壁を下げるためには、まずは最優先となる適用業務から限定的に導入し、その効果を見極めてから拡大していくスモールスタートが望ましいでしょう。たとえば、業務効率を改善するためにお問合わせの応対履歴管理をコンタクトセンター専用のCRMシステムで行う、テレワークが可能なようにシステムをクラウド化する、など期待する効果を見据えて少しずつ改革を進めることが大切です。
コンタクトセンターにおいて「最新テクノロジーを導入すればセンターの運営に役立ちそう」とテクノロジーを導入すること自体が目的化してしまうと、期待したほどの効果を得られなくなるおそれがあります。忘れてはいけないのは、テクノロジーを使うSVやオペレーターを大切にするという視点です。
テクノロジーはあくまで人が働きやすくなるようサポートするものであり、人とテクノロジーはその長所を活かしながら不完全なところを補い合う働き方が求められます。テクノロジーの適切な活用によって人が能力を発揮しやすい環境の具現化を目指し、誰もが「ここで働きたい」と思えるコンタクトセンターの実現へと近づきましょう。
まとめ
- 従業員にとって働きやすいコンタクトセンターを実現するには、テクノロジーの活用が不可欠。
- テクノロジーはあくまで人が働きやすくなるようサポートするもの。単純作業をシステムに任せて人は複雑なお問合わせに集中するなど、人とテクノロジーの共生・共存を目指したい。
- テクノロジーの活用にあたっては、過大な期待やシステムを使うこと自体が目的化していないかを意識したい。最優先課題を解決するために限定的な範囲から導入し、その効果を見極めてから拡大していくスモールスタートが望ましい。
従業員が“働きたい”と思えるコンタクトセンターに求められる姿と、その実現に欠かせない3つの柱について解説するシリーズはいかがでしたか?
雇用者と労働者が互いに納得できる「Win-Winな採用」。一人ひとりが個性を活かして自分らしく活躍できる「働き方の多様性」の推進。人の活躍をサポートする「テクノロジーの活用」。これらの3本柱を改めて見つめなおすことで、“働きたい”と思えるコンタクトセンターをつくりましょう。
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