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2020/09/29
CXはなぜ企業にとって大切なのか
CXを向上するには、ITと人の両方を活かして幅広い顧客ニーズを満たすことが求められ、コンタクトセンターも例外ではありません。
近年では、消費行動をする際、ネット上の口コミやレビューを重視する傾向が高まっており、製品・サービスそのものの機能や価値に加えて、CXの向上が消費者を動かす営業戦略の要になっています。CXがなぜ企業にとって大切なのか、詳しく解説します。
CXを向上するには、ITと人の両方を活かして幅広い顧客ニーズを満たすことが求められ、コンタクトセンターも例外ではありません。
近年では、消費行動をする際、ネット上の口コミやレビューを重視する傾向が高まっており、製品・サービスそのものの機能や価値に加えて、CXの向上が消費者を動かす営業戦略の要になっています。CXがなぜ企業にとって大切なのか、詳しく解説します。
CXとは
CX(Customer Experience:カスタマーエクスペリエンス/顧客体験)とは「お客さまにとっての、製品・サービスに接する際の総合的な印象や体験」のことを指します。
メーカーであっても販売店であっても企業が目指すことは、「お客さまに製品やサービスを購入してもらう」こと。従来は、購入してもらうために製品・サービスそのものの魅力や他社との違いをアピールし、購入を促す、といった製品・サービスが主役の営業戦略がメインでした。
しかし、年々製品自体の品質や機能の差がなくなり、お客さまの価値観が多様化してくるなかで、こうした戦略は変化を迎えています。
近年では、購入に至るまでの過程から購入後の利用までを含めた購入前後のお客さまの体験全体や、企業そのものへの印象をいかに価値あるものにできるかが差別化のポイントになっており、そうしたお客さまの体験、製品そのもの、それを提供している企業への印象、その全てを含めたものが「顧客体験=CX」として、営業戦略のポイントになっています。
また、CX提供の場としてのお客さまと企業の接点は、ホームページ、店舗、ECサイト、営業担当者、コンタクトセンターなど複数にまたがります。
CXは製品・サービスを対象とするUX(User Experience:ユーザー体験)やCS(Customer Satisfaction:顧客満足度)といった指標も包括した、より広い視点が求められる概念であり、複数の顧客接点や複数のKPI(重要業績評価指標)を総合的に評価していく必要があります。
なぜCXが注目されるのか?
では、なぜCXが注目されるのでしょうか。
これには、近年における消費者の情報行動の変化が大きく影響しています。SNSの台頭と共に、インターネット上での口コミやレビューといった消費者間の情報交換が盛んにおこなわれるようになりました。家族や知人との対面コミュニケーションよりも遥かに多様で膨大な情報がインターネット上を飛び交い、購買行動などに大きく影響するようになったのです。
今や消費者は「企業が売り込む製品・サービス」よりも、「消費者(インフルエンサー含め)が推奨する製品・サービス、ひいてはその提供企業」に購買意欲を覚えるようになり、時には自らも良いと思った製品、サービス、企業の情報を発信する側に回ります。
そんななかで企業がCXを向上させることは、これまで以上にダイレクトに「お客さまからポジティブな情報を拡散してもらい、購入を促す」ことにつながっています。企業の目指すことは、もはや一度きりの購入促進に留まらず、CXの向上により顧客ロイヤルティ、ブランド価値を向上させ、継続的に、そしてたくさんの人に購入してもらうところにまで至っています。
当然、お客さまとの接点のひとつであるカスタマーサポートでも「お客さまの期待に応える」だけでなく、「お客さまの期待を超えて驚きを与える」レベルが求められているのです。
CX向上のために企業が心掛けたいこと
では、CXを向上させ、お客さまに驚きを与えるには、どのような施策や心掛けが必要なのでしょうか。
製品・サービスが主役の営業戦略が取られていた時代は、多くのお客さまの最大公約数をカバーする形で価値が提供されてきました。しかし現在は、お客さま一人ひとりに合わせた価値の提供が重視されています。
例えば、行動データ活用による、お客さまごとに最適化されたレコメンデーションの提供など、ITを活用した個別対応のきめ細やかさがCXによる驚きの鍵になるでしょう。
また、コンタクトセンターを例にとってみると、チャットボットによるシンプルで素早い応対とオペレーターによる複雑で丁寧な応対のすみわけのように「ITと人との分業」を取り入れることが重要です。そうすることで、利便性やスピードを求めるお客さまから、人によるきめ細やかさを求めるお客さままで、より幅広いニーズに適切に応える体制を整えることができ、CX向上を無理なくすすめることができるでしょう。
いくらITが進化しても、人による応対がCXに与える影響は大きく、コンタクトセンターにおいては、人による応対品質を高度に保つことに引き続き注力していく必要があります。
CX施策の効果測定に用いられる指標には「人にその製品・サービス、または企業をおすすめしたいか」といった主旨のアンケート項目で測定されるNPS(Net Promotion Score:ネットプロモーションスコア)や、企業に届くお客さまの声を分析するVOC(Voice of the Customer:お客さまの声)などがあります。NPSによる定量的な分析と、VOCによる定性的な分析の両方を踏まえて、お客さまの満足点や不満点をピンポイントで特定し、共有や改善などの合理的な対策を導き出していきたいところです。
まとめ
- CXとは「お客さまにとって、企業の製品・サービスに接する際の総合的な印象や体験」。
- CX向上は、消費者同士で製品・サービスや自社を推奨してもらうための重要な要素になっている。
- CX向上にはデータ活用やオムニチャネル化、ITと人との分業などで幅広いニーズを細やかにカバーすることが求められる。
CX向上を目指すには、ITの活用と人による情緒的な顧客体験のそれぞれを充実させるだけでは十分とは言えません。ITと人がバランスよく共存し、より幅広い顧客ニーズを満たすことで、真のCX向上につなげていきたいものです。
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