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2025/01/06

コールセンターのDXとは?DX化の方法や役立つシステムを解説

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コールセンター(コンタクトセンター)の業務効率化や生産性向上に向けて、DXの推進を検討している企業も多いのではないでしょうか。DXの実現には様々なアプローチが想定されるため、自社の課題に合った解決策を見極めることが重要です。
この記事では、コンタクトセンターをDX化するメリットや具体的な方法やシステムのほか、DX化を進める手順についてわかりやすく解説します。実際にコンタクトセンターのDX化に成功した事例も併せて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

コールセンター(コンタクトセンター)のDXとは?

コールセンター(コンタクトセンター)のDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、業務プロセスや業務内容にデジタルテクノロジーを活用し、売上の向上や顧客の獲得を目指す施策のことです。単に既存の業務をデジタルツールによって効率化するのでなく、新たな価値の創出を目指している点が大きなポイントといえます。

DXが注目されている背景には、深刻化する人材不足があります。生産年齢人口が減少へと転じたことにより、今後ますます人材不足に拍車がかかるでしょう。そのため、DXの推進により、限られた人員でより大きな価値を創出していくことが求められており、コンタクトセンターに関しても例外ではありません。

コンタクトセンターをDX化するメリット

コンタクトセンターにおいてDX化を推進することは、人材不足の解消を始め、多くのメリットをもたらします。コンタクトセンターをDX化するメリットは、主に下記の4つです。

<コンタクトセンターをDX化するメリット>
・人材不足の解消
・業務効率化と従業員の満足度向上
・対応品質の向上と均一化
・顧客満足度の向上


人材不足の解消


コンタクトセンターをDX化するメリットのひとつは、人材不足の解消です。前述のとおり、昨今は幅広い業界において人手不足の深刻化が懸念されています。従来は人の手で担ってきた業務を、今後も同水準の人員でまかなえるとは限りません。特に、コンタクトセンターでは慢性的な人手不足を抱えており、オペレーターがあらゆる問合わせに対応する体制を維持できていない現場がほとんどでしょう。一次対応をデジタル化したり、自己解決を促すツールを活用したりすれば、慢性的な人材不足の解消に向けた対策になります。


業務効率化と従業員の満足度向上


業務効率化を実現し、従業員の満足度向上を図ることにつながる点も、コンタクトセンターをDX化する大きなメリットです。オペレーターにとって、類似する問合わせに繰り返し対応したり、クレーム対応に臨んだりすることは、少なからずストレスの原因となりかねません。デジタルテクノロジーの活用によって、一次対応などを自動化すれば、担当オペレーターの負担を軽減できます。こうした業務の合理化はオペレーターのストレスを軽減するとともに、ワークライフバランスが保たれた職場環境を実現するきっかけになるでしょう。


対応品質の向上と均一化


様々な問合わせに対する対応品質の向上と均一化が実現できることも、コンタクトセンターをDX化するメリットのひとつです。例えば、問合わせに対するFAQを整備したり、検索しやすくしたりすれば、オペレーターの知識や業務経験に依存しない体制を構築できます。また、顧客情報を瞬時に見ることができるような仕組みを整備することにより、必要な情報を事前に得たうえでオペレーターが対応することも可能です。
対応品質の向上と均一化は、企業としての信頼性を維持していくうえでも重要なポイントといえます。


顧客満足度の向上


コンタクトセンターのDX化は、顧客満足度の向上にも寄与します。コンタクトセンターの人的リソースは限られており、問合わせが集中した際には顧客を待たせる事態に陥りがちです。顧客が自己解決できる範囲を拡張したり、自動応答が可能な仕組みを整えたりすれば、顧客を待たせないようにすることができるでしょう。
顧客が不安や不満を感じるシーンをできるだけ少なくしていくことは、顧客満足度の向上の重要なポイントです。

コンタクトセンターをDX化するための方法

コンタクトセンターでは、さまざまな業務でDX化が進んでいます。ここからは、この下記の4つの業務のDX化について解説します。

<DX化できるコンタクトセンターの業務例>
・問合わせ対応のDX化
・後処理のDX化
・管理業務のDX化
・顧客接点のDX化


問合わせ対応のDX化


コンタクトセンターの主要業務である問合わせ対応のDX化には、主に一次対応をしたり、自己解決を促したりするシステムが活用されています。問合わせ対応のDX化に役立つシステムは、主に下記の6つです。

・CRMシステム
コンタクトセンター用CRMシステムとは、顧客情報管理やCTI連携、ワークフロー、データ分析などの機能を備えたシステムのことです。FAQシステムやチャットシステムとの連携ができる商品なら、幅広いシステムの管理を一元化でき、オペレーターの対応業務の効率化を目指せます。また、多様化した顧客ニーズを把握するため、顧客に関する情報を収集、分析することが可能です。

・ビジュアルIVR
ビジュアルIVRは、IVR(Interactive Voice Response:電話自動応答システム)を視覚化したシステムです。顧客からの問合わせに対して、電話や音声ガイダンスではなく、Webサイトやスマートフォンなどの画面上で案内を行います。顧客は、画面上の案内メニューを問合わせ内容に沿って操作すると、商品・サービスのFAQページやチャットボットボイスボットなどに誘導され、自己解決へと進む仕組みです。
電話の取り次ぎや担当部門への引き継ぎなどの工程を、最小限に抑えるシステムとして有効です。

・チャットボット
チャットボットは、リアルタイムで自動応答への短い会話ができるデジタルシステムのことです。Webサイトなどにチャットボットを設置することにより、顧客が適宜質問を入力し、自己解決できるよう促します。チャットボットは大きく分けてルールベース(シナリオ)型と自動学習機能型(機械学習型、人工知能型)の2種類があり、用途に沿って使い分けが必要です。

チャットボットの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【チャットボットの作り方】自作・システム利用のポイントを解説

・有人チャット
有人チャットとは、顧客の問合わせに対して、オペレーターが直接チャットでやりとりするシステムです。前述のチャットボットによる自動応答では解決が難しい複雑な内容の問合わせや、個別対応が不可欠な質問などについては、有人チャットを併用することで対応がスムーズになります。状況に応じてチャットボットや有人チャットに切り替えられるシステムであれば、より利便性が高まるでしょう。

・ボイスボット
ボイスボットとは、音声認識や対話型AI、自然言語処理などの機能を備えた音声会話システムのことです。ボイスボットは、顧客からの電話を受けると、まず音声認識AIが顧客の問合わせ内容を解析してテキスト化します。次に、そのテキストを自然言語処理システムが解析して適切な回答文を生成した後、音声合成技術で読み上げる仕組みです。受電業務への対応はもちろんのこと、ツールによっては架電業務についても対応可能です。音声対応のため、デジタルデバイスの操作に慣れていない顧客にとって利用しやすい点もメリットといえます。

・FAQシステム
FAQシステムとは、社内や社外から寄せられることが多い「よくある質問」とその回答をセットにして整理し、ユーザー自身が検索できるようにしたシステムです。FAQシステムは、アクセスした人自身がFAQ内の情報を検索して適切な回答を見つけることができるため、コンタクトセンターへの問合わせ件数の削減、ナレッジの蓄積による回答の均質化、新人研修のコスト削減などが期待できます。FAQシステムは、そのFAQの作成・管理を簡単に行えるシステムとなります。

FAQの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【FAQの作り方】問合わせ削減に向けた手順や構成を解説

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後処理のDX化


コンタクトセンターでの問合わせ対応後に発生する後処理も、DX化によって効率化・合理化を推進できます。後処理では、対応内容によって入力項目が多岐にわたったり、複数のシステムに同じデータを重複して登録したりするケースが多く、オペレーターにとって負担となっているケースも少なくありません。

このような後処理のDX化には、電話対応の通話内容をAIによる音声認識でテキスト化したり、CRMを利用して処理の簡素化を図ったりするなどの方法があります。ただし、CRMでタグやカテゴリなどの入力項目を設定する場合、「項目の選択が人によってばらつきが出る」「新人オペレーターが悩む時間が増える」といった課題が発生することもあります。
テクマトリックスのコンタクトセンター向けCRM「FastHelp」は、AI機能を活用して、通話内容を自動で要約し、各項目への転記まで行うことが可能です。これにより、長時間の通話内容も短時間で要約でき、入力作業が効率化されるため、担当者がコア業務に集中しやすい環境を整えることが可能になります。


管理業務のDX化


コンタクトセンターの管理業務を、DX化によって最適化する方法もあります。例えば、CRMを活用することで、顧客情報の管理やスタッフの進捗管理の一元化を図ることができます。

顧客情報やスタッフの進捗状況が散在している状態では、重要な情報を見落としたり、トラブルに発展する予兆を見過ごしたりする事態にもなりかねません。例えば、「過去クレームにつながった方の情報を知らずに対応してしまう」「NGワードの含まれたメールを許可なく新人が送ってしまう」といったことが起こると、対応業務を増やしてしまうこともあるでしょう。
テクマトリックスのコンタクトセンター向けCRM「FastHelp」は、トラブルを未然に防ぐための下記のような機能が利用できます。

テクマトリックス「FastHelp」のトラブル予防の機能例
・顧客情報設定:各コンタクト方法の可否、連絡推奨時間、注意事項、マークなど、顧客ごとに作成・設定された様々な情報を対応時に確認可能
・NGワード設定:事前に設定したNGワードや注意ワードを検出し、リスクを軽減
・ワークフロー機能:メール送信時に上司の承認を挟むなど、ミスを防ぐ仕組みを構築

情報の一元管理が可能になることは、DX化の推進によって得られる大きなメリットといえます。また、CRMなどに分析機能が備わっていれば、顧客のニーズや不満を感じている点などをデータにもとづいて分析し、対応品質の向上につなげることも可能です。


顧客接点のDX化


顧客接点のDX化は企業と顧客との関係を強化するうえで重要なポイントです。多くの企業では顧客接点を多様化し、統合的に管理する「オムニチャネル化」を積極的に推進しています。従来の実店舗や電話での対応以外にSNSやLINEといった新たなチャネルの開設や、WebサイトのFAQページの増設など、様々な方法で顧客との接点を広げる施策が行われています。

顧客の購買行動が多様化している現代では、単一の接点に依存することなく、複数のチャネルを活用して顧客とつながることが求められており、タッチポイント(顧客接点)が限定的であると、気づかないうちに機会損失が生じていることも少なくありません。オムニチャネル化とDX化は、セットで推進していくべき施策といえます。


コンタクトセンターのDX化を進める手順

コンタクトセンターのDX化を進める際は、課題の洗い出しやシステムの導入などを慎重に行わなくてはなりません。基本的な流れは下記のとおりです。

<コンタクトのDX化を進める手順>
1. 課題の洗い出し
2. DX化できる業務プロセスを探す
3. デジタルシステムを検討する
4. システムを導入してDX化を実行する


1 課題の洗い出し


コンタクトセンターのDX化を効果的に進めるには、まずは現状の課題を洗い出し、解決を図りたい事項を整理する必要があります。
課題を洗い出す際には、定量的・定性的な観点の両面から分析していくことが重要です。例えば、オペレーターの平均通話時間や応答率、平均後処理時間といった定量データを分析しつつ、各オペレーターが感じている課題をヒヤリングすることをおすすめします。こうした分析を通じて、定量データの背後にある課題の本質を丁寧に洗い出すことが大切です。


2 DX化できる業務プロセスを探す


コンタクトセンターの課題が明確になったら、DX化によって解決できる業務プロセスを見極めます。すべての課題をDX化で解決しようとするのは非現実的な場合もあります。DXによって改善や価値創出を実現できる業務プロセスを、優先的に選定することがポイントです。

場合によっては、既存の業務プロセスや仕組みを抜本的に見直す必要が出てくるケースもあります。その際には、DX化を機に業務プロセス全体を再構築することも選択肢のひとつです。


3 デジタルシステムを検討する


DX化できる業務プロセスを選定したら、課題解決に合致するデジタルシステムを検討します。課題にもとづいてシステムを選定することで、無駄のないDX化が推進できます。

例えば、オペレーターの負担軽減を目的にする場合は、ビジュアルIVRやチャットボット、ボイスボットといったシステムの導入が想定されるでしょう。一方で、顧客接点の多様化を目指すのであれば、FAQページの増設やSNSを活用したチャネルの開設などが有効です。


4 システムを導入してDX化を実行する


選定したデジタルシステムを導入し、DX化を実行します。新しいシステムの導入に伴い、業務フローが変更されたり、対応方法が従来と異なったりする場合があるため、従業員への十分な説明や研修を行うことは欠かせません。適切な準備を行えば、混乱を最小限に抑えることができます。

DX化のゴールはシステムを導入することではなく、課題を解決して成果を生み出すことです。定期的な効果の分析と検証を行い、PDCAサイクルを回して改善を重ねることで、さらなる効果を得られるでしょう。

コンタクトセンターのDX化の事例

ここからは、テクマトリックスが提供するコンタクトセンターのDX化を推進するシステムを利用した日本コープ共済生活協同組合連合会様の事例を紹介します。

「コープ共済」を取り扱う生協と日本生活協同組合連合会が共同で設立している日本コープ共済生活協同組合連合会様のコールセンターでは、従来活用していたFAQナレッジシステム「FastAnswer」に、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」を連動させることにより、受電処理の効率化を図っています。さらにLINEチャットを導入することで、オペレーターの負担軽減と顧客を待たせない一次回答を実現しました。

LINEチャットサポートはCRMシステム「FastHelp」と連携しているため、チャットボットによる自動応答から有人対応への切り替えもスムーズに行えます。また、オンラインで完結できる手続きに関してはLINEチャットにて手続き画面へと誘導することで、効率的に処理できるようになりました。
実際、LINEチャットを介したリクエスト数は平均約300件/日(2019年1月平均)、多い日は約600件/日にのぼります。このうち、コンタクトセンターの営業時間外に受け付けたリクエスト数が占める割合は全体のおよそ半数です。コンタクトセンターのDX化がオペレーターの負担軽減とCX(顧客体験)の向上に大きく貢献した事例といえます。

■日本コープ共済生活協同組合連合会様によるコールセンターのDX化のイメージ例
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日本コープ共済生活協同組合連合会様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
日本コープ共済生活協同組合連合会様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)

コンタクトセンターのDX化を支援するFastSeries

コンタクトセンターの業務は人の手に頼りがちですが、DX化を推進できる業務プロセスは数多くあります。今回ご紹介したDX化の基本的な進め方や導入事例を参考に、コンタクトセンターのDX化を推進してみてはいかがでしょうか。

テクマトリックスには、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」を中心とした、DX化を支援するFastSeriesがあります。

■テクマトリックスのコンタクトセンターソリューションFastSeries
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例えばコンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」であれば、AIによるオペレーター支援ボイスボットを活用してヒヤリング結果を表示したり、顧客の詳細情報を自動で表示したりすることが可能です。
さらに、通話内容を自動要約してテキスト化し、CRMに自動登録する機能も備えています。

■FastHelpによる電話対応のカテゴリやタグの自動判定、転記イメージ
FastHelp's-AI-summarizes-call-content-automatically-determines-tags-and-transcribes.png
また、ボイスボットシステム「FastVoice」による事前ヒヤリング内容をテキスト化し、「FastHelp」の画面に表示することも可能です。

■FastVoiceによるヒヤリング内容をFastHelpに自動表示するイメージ
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FastVoice」による事前ヒヤリングや「FastHelp」による後処理時間の短縮で、オペレーター4人分相当の効率化が得られます。

■FastVoiceとFastHelpの活用による業務短縮イメージ
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また、CRMシステムに連携可能なFAQシステム「FastAnswer」やビジュアルIVR「FastNavigation」、チャットボット「FastBot」、有人チャット「FastText」もあり、コンタクトセンターのDX化をスムーズに進められます。コンタクトセンターのDX化を検討している場合は、ぜひFastSeriesの導入をご検討ください。

コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp
自社希望に合わせたセルフカスタマイズができるAIボイスボットは「FastVoice
FAQ作成の業務効率化を支援するFAQナレッジシステムは「FastAnswer
自己解決チャネルへ適切に誘導するビジュアルIVRは「FastNavigation
WebサイトやLINE上で顧客対応を自動化するチャットボットは「FastBot
チャットボットとの連携もスムーズな有人チャットは「FastText

まとめ

  • コールセンター(コンタクトセンター)のDXとは、業務プロセスや業務内容にデジタルテクノロジーを活用し、売上の向上や顧客の獲得を目指す施策のこと。
  • コンタクトセンターをDX化するメリットは、「人材不足の解消」「業務効率化と従業員の満足度向上」「対応品質の向上と均一化」「顧客満足度の向上」などがある。
  • テクマトリックスには、コンタクトセンターのDX化を支援するCRMシステム「FastHelp」をはじめ、FAQシステム「FastAnswer」やビジュアルIVR「FastNavigation」、チャットボット「FastBot」、有人チャット「FastText」、ボイスボット「FastVoiceがある。

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