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2022/10/26

カスタマーハラスメントからオペレーターを守るには

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近年、消費者が商品やサービスを提供している企業の従業員に対して、過度な要求をしたり嫌がらせ行為をする「カスタマーハラスメント」が社会問題化しています。その被害はコンタクトセンターのオペレーターにも及び、危機意識を持っている方もいるのではないでしょうか。

本記事ではSVやセンター長などオペレーターをマネジメントする立場の方たちに向けて、カスタマーハラスメントからオペレーターを守るために知っておきたいポイントをご紹介します。

コンタクトセンターが直面しているカスハラ問題

コンタクトセンターにおいてお客さまからのクレームやご意見は、企業のサービスや商品の改善につながる貴重な意見として傾聴すべきものです。しかし、度を超えた要求を突きつけたり、人格を攻撃するような暴言を浴びせて脅迫や威嚇をしたり、長時間の拘束を強いることはカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)にあたります。

カスハラが起きる背景として、ストレスのはけ口という側面がある一方、企業間の競争から生まれた過剰に丁寧なカスタマーサービスもその遠因です。カスタマーサービスへの要求度が上がったことで「これくらいしてもらって当然」「お客さまは神様」という意識がお客さまに芽生え、ささいなミスや不十分な対応を受けた際に「お客だから何をしてもいい」とカスハラに走るケースが見られます。

こうしたカスハラは以前から存在しましたが、「クレームを聞くのもコンタクトセンターの役割」という割り切った考え方が主流だったことから、かつてはその問題が表面化しませんでした。しかし、近年ハラスメントが社会全体で問題視され、コンタクトセンターにおいても深刻な問題として認識されるようになったのです。

カスハラによってオペレーターの心が傷つけられ、対応によるストレスから休職や退職に追い込まれるケースも少なくありません。オペレーターやSVの人材定着が課題となっているコンタクトセンター業界において、カスハラ対策は人材不足解決の観点でも重要といえます。

オペレーターをカスハラから守るための対策

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常に最前線でお客さまのお問合わせに対応しているオペレーターをカスハラから守るには、オペレーターの対応が属人化しないよう、センター全体で対策を徹底することが大切です。ここでは組織としてのカスハラ対策を紹介します。

  • クレームとカスハラの線引きを明確に

    カスハラに対しては法的措置も視野に入れ、毅然とした対応を取らなければなりません。そのためには、まずクレームとカスハラの境界線を明確に定め、カスハラへの対応マニュアルやトークスクリプトをコンタクトセンター全体で共有・徹底する必要があります。
    線引きや対応方法を明確に定めたうえで、「カスハラに該当する場合は、迷わず切電していい」とオペレーターに伝えておくことで、オペレーターは安心して働くことができます。また、お客さまをなるべく不快にせず丁寧に要求をお断りする「電話を切る技術」の教育やノウハウ化も、オペレーターを守る手段のひとつです。
    コンタクトセンターだけでは解決が難しい、あるいは問題が長期化するような場合は、法務部門や弁護士と相談・連携し、企業として法的に対応するようにしましょう。

  • オペレーターを孤立させない

    オペレーターの異変にいち早く気づくことができるようSVが定期的にフロアを巡回(在宅勤務の場合はチャットで定期的に声かけ)し、クレームからカスハラに発展しそうなお問合わせはSVがモニタリングで監視することも有効です。
    必要に応じてエスカレーションで引き継ぎ、毅然とした対応で通話を迅速に切り上げるなど、オペレーターがひとりで負担や苦痛を背負わないよう注意が必要です。特にリモートワークの場合はチームのメンバー間で物理的にも心理的にも距離が生じ、オペレーターが孤立しやすくなってしまうことから、対応後のオペレーターへの精神的なフォローも忘れずに行いましょう。

  • 教育やシステム活用で応対品質を高いレベルに均一化

    最初は不満や怒りをあらわに話しているお客さまも、オペレーターが丁寧かつ適切に説明すれば納得して感情が収まることもあります。不十分なカスタマーサポートでお客さまの不満や怒りをカスハラへとエスカレートさせないよう、応対品質を高めるためのオペレーター教育コーチングを定期的に実施するとよいでしょう。
    また、FAQシステムデジタルトークスクリプトを使って応対ナレッジをセンター内で共有し、お客さまの疑問に的確かつスムーズに回答できるように備えたり、応対履歴を管理できるCRMシステムで顧客情報を把握するなど、応対業務支援システムの活用も効果的です。

コンタクトセンターではお客さまの心情に寄り添うことも大切ですが、一方で、オペレーターにも目を向けてしっかりケアすることも同じくらい大切です。カスハラからオペレーターを守り健全なコンタクトセンター運営を行えるよう、センター全体でカスハラ対策を徹底しましょう。

まとめ

  • お客さまによる度を超えた要求や暴言を浴びせる「カスタマ―ハラスメント」は、コンタクトセンターでも深刻な問題として認識されるようになっており、運営側の対策が必要。
  • カスハラからオペレーターを守るには、カスハラとクレームの線引き(定義)を明確に決めることが大切。そのうえで、カスハラへの対処法として対応マニュアルの共有・徹底、さらにカスハラに発展しそうなお問合わせのモニタリングなど、センター全体で対処しなければならない。

  • オペレーターの不十分な対応でお客さまの不満や怒りがエスカレートしないよう、教育やシステムの活用によって応対品質の均一化を図ることもカスハラ対策として効果的。

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