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2025/04/08

コストセンターとは?プロフィットセンターとの違いや転換方法、成功例

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近年では、社会的な変化に伴う利益率向上の必要性などから、コストセンターを収益性のある「プロフィットセンター」に転換するための見直しを図る企業が増えています。そのためには部署単位ではなく、会社全体での連携が必要不可欠です。
そこで本記事では、コストセンターとプロフィットセンターについての基礎知識と、コストセンターがプロフィットセンターに転換するためのポイントについて解説します。

コストセンターとプロフィットセンターの違い

コストセンターは利益を生まない部署、プロフィットセンターは利益を生む部署を指します。具体的にどのような部署を指すのか、詳しく見ていきましょう。


コストセンター:利益を生まず、コストだけがかかる部門のこと


コストセンターとは、単体では利益を生まず、人件費や設備費、材料費といったコストだけが計上される部門のことです。総務部や人事部、経理部、コンタクトセンターなどが代表的です。製造業においては、研究・開発施設や倉庫部門などを含むこともあるでしょう。

いずれも、一定以上の規模を持つ企業には必須の部署ですが、部署単体に収益を上げる仕組みはありません。各部門をサポートすることで間接的に売上に貢献しているため、「間接部門」と呼ばれることもあります。
企業全体の収益を高めるため、コストセンターには作業の効率化や労働力の削減を行い、「発生するコストを最小限に抑えること」が求められます。


プロフィットセンター:利益を生み出す部門のこと


プロフィットセンターはコストセンターの対になる部門で、直接的に売上を生み出すことから「直接部門」とも呼ばれます。具体的には、営業部門や販売部門などがあり、業界・業種によっては製造部門やマーケティング部門、経営戦略部門などもプロフィットセンターに分類される場合があります。

プロフィットセンターの役割は売上を作ることです。プロフィットセンターでも人件費をはじめとしたコストは発生しますが、コスト削減以上に利益を最大化することが求められます。

企業によってコストセンターとプロフィットセンターの分類は異なる

コストセンターとプロフィットセンターの分類は、企業内における部署の意味付けや捉え方によって変わります。マーケティング部門、製造部門、コンタクトセンターは、その代表例です。
ここでは、この3部門がコストセンター、もしくはプロフィットセンターとして分類される具体例を見ていきましょう。


マーケティング部門


マーケティング部門の役割は、主に商品やサービスが継続的に売れるための仕組みづくりです。分析や宣伝に注目するとコストセンターに分類されますが、顧客に経験価値を提供して購買行動につなげていることに目を向けるとプロフィットセンターに分類できます。
マーケティング部門をプロフィットセンターとした場合、部門の評価は収益に対するマーケティング施策の貢献度によって決まるため、月間売上や顧客満足度などの数字的な目標を立てて成果を示す必要があります。


製造部門


製造部門は、企業の売上を生み出す商材を作る部門です。しかし、商品は営業が販売して初めて売上になるため、収益に対する貢献度としては間接的で、コストセンターとみなされることがほとんどです。製造部門をコストセンターとした場合、コストダウンが課題となるため、たとえ利益率が高い商品でも製造中止になることがあります。

一方、製造部門に含まれるアフターサービス部門が、継続的に顧客とコミュニケーションをとり、定期的なメンテナンスをしていたとします。そのことが評価されて購買行動に結び付いている場合などは、プロフィットセンターとして位置付けることが可能です。


コンタクトセンター


コンタクトセンターは、顧客からの問合わせ対応やクレーム対応を担当する部署で、一般的には売上を出さないコストセンターに分類されます。ただし、顧客に電話して商品・サービスをすすめるアウトバウンドの業務を行っている場合は、プロフィットセンターに分類されることが多いでしょう。

また、近年のコンタクトセンターは、質の高い対応で他社との差別化を図ったり、顧客のニーズを把握して営業と連携をとったりと、売上につながる重要な顧客接点として機能するようになりました。このような場合も、プロフィットセンターに分類されます。

コストセンターはプロフィットセンターへの転換が必要

近年では、これまでコストセンターに分類されていた部門をプロフィットセンターに転換する動きが拡大しています。
この背景には、少子高齢化に伴う人手不足や、世界的な原油・原材料価格の高騰などの社会的変化が関係しています。これがもたらす人件費の上昇や、国際競争力の低下の影響も大きいでしょう。変化する時代の中で生き残るために、組織全体の意識を変え、利益を最大化する取組みが求められているのです。

コストを削減すれば短期的に利益は上がりますが、無理なコストカットは品質や従業員のモチベーションの低下を招き、長期的な弊害が大きくなる可能性があります。
コストセンターの存在意義を再考し、利益を生み出す部門へと変化させることで、会社全体の生産性と収益性の根本的な改善を目指すことが大切です。

コストセンターがプロフィットセンターへ転換する方法

プロフィットセンター化するというと、商品やサービスの新規売上を増やすことが最初に思い浮かびます。しかし、組織において売上に貢献する方法はそれだけではありません。
商品やサービスに対する評価を高める工夫をしたり、リピート率を上げたりすることも、将来的に売上に結び付く可能性は高くなります。

こうした施策は間接部門の業務で実行できるものも多く、コストセンターのプロフィットセンター化においては、意識したい考え方だといえるでしょう。
ここからは、コストセンターのプロフィットセンター化を実現するためのポイントをご紹介します。


部署だけでなく会社全体の事業戦略を理解する


コストセンター単体に注目すると、企業の売上につながる道筋が見えにくくなるため、会社の事業戦略にもとづいて、コストセンターの役割を見直しましょう。
普段、何気なく実践している業務が売上につながっていることがわかれば、各部署がやるべきことやできることが見えてきます。


目標を設定する


目標が不明確なままプロフィットセンター化を進めると、コストセンターに所属する従業員は何を目指して働けばいいのかが曖昧になってしまいます。部署を挙げて取り組むためにも、目標の設定と共有によって意識の統一を図りましょう。また、目標を設定することによって適切な振り返りを行いやすくなるため、実施した施策がどれだけ利益に貢献していたかも明確になります。


他部署との連携を強化する


多くの場合、コストセンター単体ではプロフィットセンター化が難しいため、他部署との連携によって利益を上げる必要があります。
例えば、コンタクトセンターなら顧客からの問合わせを集約して、顧客の傾向や商品の改善点をマーケティング部門や営業部門、開発部門などに伝えて売上に貢献することができます。


情報や経験の共有


コストセンターに分類されている部署に対して、社内の必要な情報や知見にアクセスできる環境を整えることも大切なポイントです。
例えば、コンタクトセンターでは、顧客から問合わせがあった際に、瞬時に顧客の属性や過去の問合わせ履歴、購買履歴が必要です。情報共有によるスピーディーな対応により顧客満足度が上がり、将来的な購買に影響を与える可能性があります。

そのためには、CRM(顧客管理システム)などのシステムを使って、社内の各部署に散在する情報を一元化することをおすすめします。

コストセンターからプロフィットセンターへの転換例

コストセンターをプロフィットセンターへ転換するには、単なるコスト削減だけでなく、新たな収益機会を創出する視点が重要です。従来、コストセンターとされていたコンタクトセンターや生産工場も、適切な施策を取りいれることで、企業の成長を支える部門へと変革できます。
ここからは、代表的なコストセンターからプロフィットセンターへの転換例を紹介します。


コンタクトセンターのプロフィットセンター化


コンタクトセンターは、顧客満足度の向上を通じて売上増加につなげることで、プロフィットセンターへと転換できます。近年、対面接客の機会が減少し、顧客と直接やりとりする機会が限られているため、コンタクトセンターの対応品質が高ければ、顧客満足度が向上し、追加購入やアップセルの機会が増えるでしょう。

さらに、顧客対応のデータを分析し、マーケティングや営業部門と連携することで、新たな商品・サービスの開発にも貢献できます。例えば、顧客のフィードバックをもとに商品を改善することで、顧客のニーズに即した商品を提供し、ブランドの信頼性向上やリピーターの増加を促進できます。


生産工場のプロフィットセンター化


生産工場は、製造コストの管理にとどまらず、効率化や付加価値の向上によって利益を生み出す部門へと転換できます。例えば、製造部門に含まれるアフターサービス部門が定期的なメンテナンスを実施し、顧客との継続的なコミュニケーションを行うことで、購買行動を促進するケースもあります。

商品の長期的な利用をサポートするメンテナンス契約や、追加サービスの提供によって顧客満足度を高め、リピート購入につなげることで、アフターサービス部門自体がプロフィットセンターとして機能できるでしょう。

コンタクトセンターはプロフィットセンター化に最適

コストセンターの中でも、特にプロフィットセンター化しやすいのがコンタクトセンターです。顧客との接点が発生するコンタクトセンターは、顧客とのコミュニケーションを通じて受注につながる足掛かりを見つけることができます。
コストセンターがプロフィットセンターとして貢献できる理由は、下記のとおりです。


顧客満足度を高める


コンタクトセンターとのやりとりを通じて「すぐに問題を解決してくれて助かった」「親切な対応で安心できた」と感じた顧客は、企業や商品・サービスに信頼を寄せ、継続的に購入してくれるロイヤルカスタマーになることが期待できます。
また、従来のオペレーター対応だけでなく、チャットボットボイスボットを導入すれば、24時間365日対応が可能となり、顧客満足度をさらに高めることができます。チャットボットやボイスボットで資料請求や契約手続きなどの事務処理を自動化すれば、対応のスピードが上がり、機会損失を防ぐことにもつながるでしょう。

コンタクトセンターの支援システムを提供するテクマトリックスでは、従来のルールベース(シナリオ)型チャットボット「FastBot」に加えて、生成AI機能群「FastGenie」によるAIチャットボットも対応しています。また、AIボイスボット「FastVoice」は、AIによる音声認識技術を活用し、サービス時間内の本人認証や事前ヒヤリング、Webサイトやチャットへの誘導などを自動化できます。
チャットボットやボイスボットにより、オペレーターの負担を軽減し、対応時間の短縮を実現しながら、顧客満足度を向上させることが可能です。

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VOCの抽出と分析による商品開発・マーケティングへの貢献


顧客対応の中で得られるVOC(Voice of Customer:顧客の声)は、商品開発やマーケティング施策の改善に欠かせない要素であり、コンタクトセンターをプロフィットセンター化するうえで重要な要素です。
コンタクトセンターには、商品の不具合、使い方に関する質問、購入前の相談など、多くの貴重な情報が集まります。これらをデータ化し、商品開発部門やマーケティング部門と共有すれば、新商品の開発や既存商品の改良、販促施策の改善につなげることが可能です。

しかし、VOC分析では、オペレーターが入力した内容にばらつきが生じたり、データの整理に多くの工数がかかったりする課題があります。特にVOC活用に力を入れている企業では、入力の分類不備チェックや修正作業に大きな負担が発生しているケースもあるでしょう。

テクマトリックスの生成AI機能群「FastGenie」は、AIがVOCの抽出・分析を自動化します。対話内容をリアルタイムで整理・要約し、分類された状態でデータ化するため、均一化された分析データをすぐに活用可能です。コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」を連携すれば、顧客情報・応対履歴・VOC・満足度などが分類・均一化されたデータを適切に格納・出力できるため、クレームの傾向分析や商品・サービスの改善に役立てることができます。

■FastGenieの対話内容の要約・自動判定によりFastHelpに蓄積されるデータ価値の向上例
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案件発掘力の強化


顧客からの要望を営業に伝えることで、新規顧客の発掘が可能です。商品やサービスに興味を持っている顧客からの問合わせがあれば、営業に伝えて商談に結び付けることができます。それがスピーディーに行われれば、営業成績の向上の機会を逃さないことにもつながります。
知り得た情報を瞬時に社内共有できるシステムの導入を検討するといいでしょう。

CRMシステムを使ってコストセンターをプロフィットセンターに転換

コストセンターとされる部門も、CRMシステムの導入や業務の効率化によって、利益を生み出すプロフィットセンターへ転換できます。顧客満足度の向上をはじめ、商品開発・マーケティング・営業活動の強化につなげるためにも、CRMシステムを活用し、業務の最適化を進めましょう。

テクマトリックスの「FastSeries」では、コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」を中心に生成AIやAIエージェントを活用したコンタクトセンター向け支援システムを提供しています。

■FastSeriesラインナップ
FastSeries-2025-new-lineup.png例えば、生成AI機能群「FastGenie」は、AIチャットボット機能を備えており、柔軟な問合わせ対応の自動化を可能にします。

チャットボット機能のほかにも、「電話やメール対応時の回答支援」「リアルタイムでの対話要約」などの機能も備わっています。

さらに、CRMシステム「FastHelp」は、ボイスボット「FastVoice」やFAQナレッジシステム「FastAnswer」などを連携させれば、AIを活用したオペレーター支援が可能です。
コンタクトセンターにCRMの導入を検討している場合は、ぜひ「FastSeries」の導入をご検討ください。

コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp
チャットボットとの連携もスムーズな有人チャットは「FastText
自社希望に合わせたセルフカスタマイズができるAIボイスボットは「FastVoice
リアルタイム対話要約、回答支援、FAQ作成支援、VOC抽出ができる生成AI機能群は「FastGenie
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まとめ

  • コストセンターとは、単体では利益を生まず、人件費や設備費、材料費といったコストだけが計上される部門のこと。
  • コストセンターでも、商品やサービスに対する評価を高める工夫をしたり、リピート率を上げたりすることでプロフィットセンター化することができる。
  • CRMシステムの活用で、コストセンターをプロフィットセンター化できる。

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