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2022/11/04
LTV向上のカギはコンタクトセンターが握る!
近年、企業の経営に欠かせない考え方として、リピーターを大切にする「LTV(ライフタイムバリュー)」というキーワードが注目されています。このLTVを向上させる大切な役割を、実はコンタクトセンターも担っています。
今回は、日々のコンタクトセンター業務を通じて自社のLTV向上に貢献するためのポイントを紹介します。
近年、企業の経営に欠かせない考え方として、リピーターを大切にする「LTV(ライフタイムバリュー)」というキーワードが注目されています。このLTVを向上させる大切な役割を、実はコンタクトセンターも担っています。
今回は、日々のコンタクトセンター業務を通じて自社のLTV向上に貢献するためのポイントを紹介します。
LTVとは?なぜLTVが重視されるのか
LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)とは「顧客生涯価値」を意味する用語です。一人の顧客と取り引きを始めてから終わるまでの期間にその顧客が企業へどれだけの利益をもたらすのか算出したもので、企業や商品・サービスへのロイヤルティ (忠誠心)が高い顧客ほどLTVが大きくなる傾向にあると言われています。顧客との関係を良好に保つことで利益を向上させるCRM (顧客関係管理)との親和性が高く、内容的にも分かりやすい指標と言えるでしょう。
LTVの最も基本的な計算方法は次のとおりです。
LTV=平均購買単価 × 粗利率 × 年間購買頻度 × 継続購買期間(年)
※顧客の獲得・維持コストを鑑みるなど、値の求め方に応じて計算式が変わる
では、なぜ企業の経営においてLTVが注目されるのか?その理由として次のポイントが挙げられます。
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新規顧客獲得の難しさ
新規顧客の開拓には、既存顧客の維持と比べて5倍のコストがかかると言われています。既存顧客を維持して取り込むことは、経営面から考えると長期的にプラスの影響を与えます。
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サブスクリプションサービスやクラウドサービスの普及
近年、モノを「所有」するのではなく使いたい時だけ「利用」するサブスクリプションサービスや、「買い切り型」ではなく「継続的な利用」を前提とするクラウドサービス の普及が進んでいます。こうした「所有」から「利用」へという消費行動の変化に伴い、顧客にサービスを「継続」して利用してもらうことの重要度が、収益確保のために増しています。
コンタクトセンターがLTV向上で果たす役割とは
近年、インターネットの普及によって商品購入の利便性が高まり、またモノが飽和状態なことから、商品やサービスそのものだけでは企業の差別化が難しくなっています。
そうしたなか、顧客の購買頻度や継続購買期間を増やすためには、企業やブランドのイメージ向上からカスタマーサポートまで、すべての顧客接点においてCXを高める必要があります。つまり、カスタマーサポート部門であるコンタクトセンターも、品質の高い応対でお客さまとの関係を良好に保つことによって、LTVの向上につながる役割を果たすことができるのです。
コンタクトセンターがお客さまと良好な関係を築いてリピーターへと育てるには、「自分たちの応対で自社のファンをつくる」という意識を持つこと、そしてそれを実現するための仕組みづくりが欠かせません。たとえば、お客さまとの友好な関係づくりをしている好例として、カルビー株式会社の取り組みが挙げられます。同社では「お客様相談室はファンづくりの場所」と考え、お客さまの声を「クレーム」ではなく「ご指摘」として真摯に受け止め、どんな申し出にも誠実に応える全件対応に努めています(※1)。
コンタクトセンターの応対でお客さまを「ファン」にするには
CX向上やお客さまのファン化を意識したコンタクトセンターにおける仕組みづくりは、お客さま視点の導線(チャネル)設計、オペ―レーターの応対にゆとりをもたらす風土づくりやKPI指標、丁寧で質の高い回答を提供するための教育やナレッジ(FAQ)などの回答支援整備、LTVと親和性の高いCRMシステムの活用…など、多岐にわたります。
そのなかでも、第一歩として取り組みやすく効果も大きいのは、オペレーターが自社の商品・サービスへの理解と愛着を深めること。オペレーターの商品・サービスへの理解度が深いほど、お客さまの不満や悩みに対して的確な解決策を導き出しやすく、さらに「商品・サービスの良さを知ってほしい」という思い入れから丁寧な応対につながり、お客さまの満足と共感を得やすくなります。
また、クレームを顧客満足に変えてLTVに活かす発想として、「グッドマンの法則」(※2)を紹介しましょう。グッドマンの法則によると、「不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の当該商品サービスの再入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客のそれに比べて高い」という法則性があるそうです。つまり、苦情を申し立てるお客さまにこそ、誠心誠意に応対すれば信頼を得ることが可能ということ。コンタクトセンターに届くクレームは、お客さまをファンにするチャンスにつながる可能性があるのです。
お客さまと直接やり取りするコンタクトセンターは、企業に対する印象を大きく左右する部門です。丁寧かつ誠実な応対によって既存のお客さまをファンへと育て、自社の長期的な事業成長とLTV向上に貢献していきましょう。
まとめ
- LTVとは、一人の顧客との取り引き開始から終了までの期間に得られる利益を表す指標。企業の長期的な経営において重要な指標として注目されている。
- LTVを向上させるには、カスタマーサポートを含むすべての顧客接点においてCXを高める必要がある。
- コンタクトセンターはカスタマーサポートを通じて「自分たちの応対で自社のファンをつくる」という意識を持つことが重要。
- オペレーターが自社の商品・サービスへの理解と愛着を深めることは、LTV向上に有効な意識づけの第一歩となる。
※1:カルビー株式会社.“カルビーお客様相談室のファンづくり”. THE CALBEE. 2021-08-31. https://note.calbee.jp/n/ndb5ae35195da, (参照 2022-08-09) ※2:顧客ロイヤルティ協会. “本当の『グッドマンの法則』を正しく理解しましょう。”.顧客ロイヤルティ協会. https://www.customer-loyalty.jp/goodman, (参照 2022-08-09)
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