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2021/06/09

その目標、適切ですか?
コンタクトセンターを成功に導くKPIとは

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ビジネスの様々な場面で使われる「KPI」という単語をご存じでしょうか。
KPIは、目標を達成するためのプロセスを評価する指標のことを指します。
本記事では、コンタクトセンターにおいて、どのようなKPIを設定したら良いのか、そのヒントをご紹介します。

コンタクトセンターにおけるKPIの必要性

「KPI」は、「Key Performance Indicator」の略語で、日本語では「重要目標達成指標」「重要業績評価指標」などと訳されます。

売上などの最終的な目標を達成するために設定される中間目標の数値で、たとえばマーケティング部門では、HP上でのクリック数や資料請求数、営業部門では顧客との面談数や販売数などが設定されます。設定された数値を定点で計測することによって最終的な目標までのプロセスを定量的に評価します。

一方、コンタクトセンターは「顧客満足度の向上」など、一般的には数字で捉えることが難しい内容を部門の目標として定めていることが多く、コンタクトセンターにおけるKPIの設定は他部門に比べ難しいと感じている方も多いのではないでしょうか?

しかし、KPIを定めることによって、経営・利益貢献などの最終目標を達成するためのコンタクトセンター業務のプロセスを評価できれば、「顧客満足度の向上」のような抽象的な部門目標も客観的に評価することができるようになります。また、改善点・問題点が明確になり、コンタクトセンターの運営状況の把握やスタッフの評価もしやすくなるでしょう。

コンタクトセンターにおけるKPI設定のポイント

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企業の多くは売上と利益の向上を目的として活動しており、コンタクトセンターもその目的を達成するための役割を担っています。
一方で、コンタクトセンターの目的(最終目標)に何を置くかは、その企業内でカスタマーサービス部門に求められる役割によって異なるでしょう。

たとえば近年では、CX向上の必要性を強く意識した経営を行う企業も増えてきました。CXの向上によって企業力が増し、結果的に利益の向上が見込めるからです。CX向上においてコンタクトセンターの果たす役割は大きく、評価する指標として「顧客満足度の向上」「応対品質の向上」「ブランド価値の向上」を、それらをさらに分解して「AHT」「放棄呼」「ありがとう率」などをKPIとして測っているコンタクトセンターもあります。
このように、その目標設定の仕方によって、KPIもコンタクトセンターにより様々です。

ではここで、自社のKPIを設定する際に押さえておきたい2点のポイントをご紹介します。

  • 組織の方向性・目標を明確化する

    企業の最終目的、そしてその最終目的を達成するために組織の果たすべき役割がどのようなものであるかをしっかりと捉え、そのために何を意識する必要があるのか明確化することで、効果的なKPIの設定が可能になります。

    例えば、コストを抑えて生産性を向上することが求められているならば「業務の効率性」に関するKPIを、また、ブランド価値を高めリピーター顧客を獲得することが求められているならば「応対品質」を向上するKPIを設定するとよいでしょう。

  • 実現可能なKPI設定にする

    日々の応対業務のなかで計測するのが難しい、あるいは計測に手間のかかるKPIを設定したり、あまりにも実現が難しい数値目標を掲げては、SVやオペレーターが疲弊するだけで、正しい評価ができなかったり効果が出ないこともあります。
    また、目標達成に至るプロセスを評価するための数値がKPIであり、プロセスを評価することに適さないKPIの設定もあまり意味がありません。

    計測した数値を分析して結果検証を行い、改善してこそ意味を成します。計測や改善までに長い時間がかかれば、お客さま離れを起こすこともあるので、KPIは比較的短期間で計測でき、改善の対応ができるものにしておくことで効果が期待できます。

    さらに、外部環境や企業の目的・果たすべき役割の変化に伴ってKPI自体を見直す必要がある場合も。大切なことは、KPIを正しく使うことです。
    コンタクトセンターが担う役割や企業のバリューチェーンのなかで、何のためのコンタクトセンターなのか、今このときは何をすれば企業の目標達成につながるのかを考え、時代や働き方などそのときの環境と変化を見つめながら、常に見直し・検証を行うことによって、KPIに振り回されない運用が可能になっていくでしょう。

コンタクトセンターにおけるKPIの例

では、どのようなKPIがコンタクトセンターで実際に設定されているのでしょうか。代表的なKPIをご紹介します。

  • 応答率

    コンタクトセンターへ届く問合わせに対して、オペレーターが対応した数の割合。サービスレベルや「電話のつながりやすさ」など顧客満足の目標達成度合いを測る指標として用いられる。

    算出方法:対応件数÷問合わせ件数×100

  • 稼働率

    オペレーターが稼働している時間のうち、お客さまへの問合わせ対応など、本来の業務を行っている時間の割合。業務効率と負荷の度合いを測る指標として用いられる。

    算出方法:(本来の業務時間(電話、メール、チャット、他))÷(総稼働時間−離席時間)

  • AHT(平均処理時間)

    問合わせ1件あたりにオペレーターがかけた時間。業務効率達成度合いの指標として用いられる。

    算出方法:(総通話時間+総後処理時間+総保留時間)÷総問合わせ対応数

  • ASA(平均応答速度)

    問合わせのために電話をかけてからオペレーターにつながるまでの待ち時間。顧客満足度を測る指標として用いられる。

    算出方法:つながるまでの待ち時間÷つながった件数

  • NPS®(Net Promoter Score®

    複数の回答者に対して調査を行い、点数(推奨度)によって、顧客を「3つのグループ」に分類し、評価する。企業やブランドに対する愛着・信頼・他者への推奨の度合いなどが数値化され、顧客ロイヤルティを評価する指標として用いられる。

    算出方法:推奨者の割合-批判者の割合


その他、顧客満足度は、お客さまへのヒアリング(アンケートやアフターコールなど)で、オペレーターの応対などに対する意見を集めて分析した数値を用いて評価することも。

最後に、独自のKPI設定によって「応対品質の向上」という目標が達成された事例(※)をご紹介します。

お客さまからのお問合わせで「ありがとう」を言われた割合を「ありがとう率」と呼び、それを最重要KPIとすることで、コンタクトセンター内の意識改革を果たした、という事例です。お問合わせで「ありがとう」の声が聞こえた回数を自己申告制で集計し、「月間のありがとう数÷月間の対応件数」を順位表にして公開・共有しました。その結果、「ありがとう率」が向上し、第三者機関による品質調査においても「ありがとう率」採用前に比べて高い評価を得るようになったそうです。

KPIを重視するあまり、機械的な応対が「品質の低下」を引き起こしては本末転倒。よく指標とされるKPIを取り入れるだけではなく、コンタクトセンターが持っているミッションや役割に合ったものをKPIとして設定することが、適切なコンタクトセンター運営を行うカギとなるでしょう。

まとめ

  • コンタクトセンターにおいても目標達成のためのKPI設定は必要
  • 組織の性質や目的を見極めたうえでどのようなKPIを設定すべきかを考える。よく用いられるKPIは、応答率稼働率AHTASANPS®など。
  • 最終的な目的や組織のミッションにあわせて、独自のKPIを設定することで、より適切な運用ができる場合も

※出典:株式会社リックテレコム.“最重要KPI“ありがとう率”で意識改革 生産性偏重からの脱却を実現”.Call Center Japan. 2011/11. https://www.callcenter-japan.com/ct/2011/images/pdf/1111_award03.pdf, (参照 2021-04-26)

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