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2022/06/09

【プロセス編】個人と組織を成長させる「ダブルループプロセス」

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  • 業務効率化

ナレッジマネジメントのベストプラクティスとして高い注目を集めている、新時代のナレッジマネジメント「KCS」について、基本から実践まで3回にわたってFastちゃんがレポートするシリーズ「ナレッジマネジメント手法「KCS」とは」。

第2回の今回は【プロセス編】として、前回の【基本編】に続きHDI-Japan代表の山下氏に、KCSを実践していく上で重要となる、「ダブルループプロセス」について詳しく解説いただきました。KCS導入によって実現できる「これからのコンタクトセンターが目指すべき姿」について一緒に考えていきましょう!

speaker

HDI-Japan代表取締役CEO

山下 辰巳 氏

ファイザー株式会社及び株式会社ヤナセにて、社内ヘルプデスク、社外向けサポートセンターを構築。その後米国HDIに留学しHDI国際標準化委員会メンバーとして、数々の国際サポートスタンダードの作成にあたった。2001年にHDI-Japanを設立し、アジアで最初のHDI認定オーディタとなり、国際的スペシャリストとして海外からの各種要請にも応えている。

interviewee

FastSeriesの宣伝マン(見習い中)

Fastちゃん

2020年10月よりFastSeriesの新宣伝マン(見習い)に就任。一人前の宣伝マンを目指し、FastSeriesについて日々勉強中。人の話を聞くのが大好きで好奇心旺盛で真面目な性格だが、ちょっぴりせっかち。質問時の口癖は「ズバリ〇〇ですか?」。好きな食べ物は餃子。

KCSの進め方「ダブルループプロセス」<解決ループ>

KCSを実際に行っていくためには、「ダブルループプロセス」と呼ばれる「解決ループ」と「発展ループ」の2つのプロセスを実行していく必要があります

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  • 解決ループ:それぞれ「個人」が日々行うべきワークフロー

  • 発展ループ:「組織」がナレッジの品質向上(発展)のために行うべきプロセス


この2つはまさに車の両輪のようなもので、KCSの運用には不可欠で、この2つのループを止まることなく回すことが必要とされています。

まずは「解決ループ」から解説していきましょう。

解決ループ」は、コンタクトセンターのオペレーターなど個人が日々行うワークフローであり、以下の4つのプロセスから成り立っています。

  • ナレッジを捉える(Capture

    お客さまからの問合わせを聞き取り/リスニングして、ナレッジを検索し、問題を捉えます。

  • ナレッジを組み立てる(Structure

    問合わせ応対履歴をもとに、ナレッジを組み立てていきます。
    ここでポイントとなるのが応対履歴入力の項目を「構造化する」こと。文章ではなく事前に入力項目を区分(「質問の内容」「(お客さまの)環境」「原因」「状況」「解決策」「関連情報」)しておき、箇条書きで入力していきます。入力項目を区分し箇条書きすることで、文章で書く時に比べ文字数で3分の1程度になり、応対履歴の作成がスピードアップしていきます。

  • 再利用する(Reuse

    【基本編】でも触れたように、すでに作成されているナレッジを参照して対応します。

  • 改善する(Improve

    応対に利用したナレッジは、解決策などを肉付けして更新しブラッシュアップを行います。これによりナレッジの品質を高めていくことができます。

  • ズバリ!ここがPOINT
    • KCSは投資対効果が高いナレッジマネジメント手法

      KCSを実施するコンタクトセンターでは、ご紹介した4つのプロセスをオペレーター全員が繰り返し行っていきますKCSを実践していく上で、特に失敗例として多いのが1.のプロセスで「ナレッジを検索しない」ということ。人の頭から出てくる知識は25%程度といわれており、経験や知識のみで回答しようとせずに必ずナレッジを検索する、というプロセスを行うことを意識しましょう。

      文化を変えることで、最初は慣れずに一時的にパフォーマンスが低下することを前提に。プロセスの定着には早くても3か月、長くて1年程度かかります。もし生産性などのKPIで人事評価を行っている場合は、定着までの期間の評価を柔軟に調整しましょう。KCSが定着してからの生産性は、導入前に比べて2030%あがるという実証結果もあります。

KCSの進め方「ダブルループプロセス」<発展ループ>

発展ループ」は、組織全体でKCSを発展させるためのプロセスです。「解決ループ」と同じく、4つのプロセスで構成されています。

  1. コンテンツを健全に保つ(Content Health

    コンテンツの状態を意識しながら、ワークフローを組織的に定着させてナレッジコンテンツを健全に保ちます
    健全に保つテクニックとして10以上ありますが、主要なものは以下です。

    ① ナレッジの構造化

    ➁ コンテンツスタンダードを決める
     ナレッジコンテンツ作成のガイドラインを定め、記述ルールを組織に定着させます。

    ➂ 古いナレッジ(KCS導入前に利用していたナレッジ=レガシーコンテンツ)に手を付けない
     従来の90%のコンテンツはKCS導入後使われないと言われています。

    ④ コンテンツに評点をつける
     コンテンツに評点がつけられることで役立つナレッジが検索上位に表示されるようにするなどを行うことが
      可能です。

  2. プロセスを統合する(Process Integration

    従来型のナレッジマネジメントによって運営されているコンタクトセンターでは、オペレーターが問合わせ対応を行い(応対履歴管理を行うCRMシステムなどを利用)、すぐに回答できない場合はナレッジを開き(マニュアル管理しているフォルダやFAQシステムなどを利用)ます。そして対応が終わったら、CRMシステムに応対履歴を残します。
    対応とナレッジが分断されたシステムや方法で行われている場合は、KCSをうまく機能させることができません。そこで、このプロセス(対応とナレッジ)を統合させる仕組みをつくります。

    例えば、オペレーターが応対履歴を入力するうちに関連ナレッジが同じ画面で次々提示される、参照したナレッジをクリックすると応対履歴の解決策項目に紐づき入力される(後処理時間は0)、など、シームレスに解決ループプロセスを実行できるような仕組みづくりのことを指します

  3. パフォーマンスを評価する(Performance Assessment

    KCSではナレッジコンテンツごとに「だれが、いつ、どのようにアクセスしたか」を記録します。作成数・更新数そしてその質を総合的に評価し、ナレッジコンテンツ提供の寄与度が高い人を評価・褒賞するのです。このことによってオペレーターのモチベーションを向上させ、さらに良いナレッジを増やす循環をおこしていきたいわけですが、これまでナレッジを提供してきた人を評価・褒賞してこなかった、という文化をまずは変えなくてはいけません。

  4. リーダーシップとコミュニケーションを推進する(LeadershipCommunication

    KCSに関わるすべての社員にマインドセットを行うことです。「必ずKCS運用を成功させるんだ」という、経営層の強いリーダーシップが必要になります。

  • ズバリ!ここがPOINT
    • KCSはオペレーターのモチベーション向上につながる!

      従来型の重複作業を繰り返すコンタクトセンターと異なり、「自分の手で良質なコンテンツをつくる」という創造性が求められるため、オペレーターのモチベーションが高まります。コンタクトセンター部門の役割の変化が期待できるのです。

    • 経営層が強いリーダーシップを発揮し、積極的な導入推進を行うことが重要!

      KCS導入時のよくある失敗例として多いのは、経営層が関与せず現場に丸投げしてしまうこと。多くのコンタクトセンターでは、KCS導入に伴いこれまでの運営方法を文化から抜本的に変えていくことが必要となります。いままでの慣れた手法を捨て新しい仕組みを導入するには、トップマネジメントは必須。全社的な取り組みとして実行していくことが重要です。

HDI-JapanがKCSの普及活動で描く、コンタクトセンターの未来像とは?

HDI-JapanではKCSアワード」という表彰制度を設けており、KCSの実行によって優れた成果を達成した企業を表彰しています。KCSアワードの受賞企業からは「アワード受賞を目指すことで社員全体が同じベクトルを向いて導入を進められたことが大きな収穫だった」といったコメントが寄せられており、全社が一丸となって目指す目標となっています。

また、KCSアワードだけでなく、毎年10月にはHDIアカデミーというイベントも開催。KCSにおける各企業の成功例、失敗例、努力事例とともに、先行する海外における最新の取り組みや事例を紹介しています。

そのほかにもHDI-Japanでは、基礎的な教育研修から、コンサルタントを育成する高度実践コースまで、KCS導入企業に向けたさまざまな認定資格やトレーニングコースを設けており、KCSのさらなる普及に努めています

最後に、山下氏から特別メッセージをいただいたので、POINTにまとめました!

  • ズバリ!ここがPOINT
    • 「ナレッジセンターサービス」という名称に込められたもの

      もともとKCSは「ナレッジセンターサポート」の略だったのが、バージョン6の発表に合わせて「ナレッジセンターサービス」と名称を変更。コンタクトセンター向けのフレームワークだったものが、どんな部署にも応用できることがわかったことがその大きな理由です。KCS導入によって、問合わせの対応に重複作業がなくなり、会社全体の成長に活かすことができるのです!

    • 「オペレーター」から「ナレッジワーカー」へ

      KCSを実践することは、コンタクトセンターにおいて、オペレーターの仕事が大きく変わっていく可能性を秘めているといえます。
      使いやすいセルフサービスを構築したり、業務を効率化するためには、オペレーターの手で「お客さまの声」を「価値のある情報」としてナレッジとし、蓄積していくことが不可欠。企業でもっとも重要な価値を生み出すポジション・業務になっていってほしいし、十分可能性を含んでいると考えています。まさに「コンタクトセンターの存在が、企業のあり方そのものを変えてしまう」かもしれません!

Fastちゃん、レポートを終えて…

Fast_chan_01.pngFastちゃん

  • KCSでは、ダブルループプロセスを繰り返し行うことでナレッジを品質の高いコンテンツにしていくんだね。文化を変える、とう言葉に導入には相当の覚悟が必要と感じたけれど、取り組む価値のある手法だと感じました。
  • KCSは、コンタクトセンターでの取り組みだけでなく、経営層を含めた会社全体での取り組みが重要なんだね!
  • 「自分の手で良質なコンテンツをつくる」という創造性が求められ、オペレーターの果たす役割が変わる。コンタクトセンターからナレッジセンターへと変貌を遂げた新時代がとても楽しみです。

ここまで【基本編】【プロセス編】の2回にわたり、KCSについて詳しく解説してきました。聞くところによると、実際の運用にはテクマトリックスのFastSeries製品を使うことが、スムーズな導入への近道らしい…?
いよいよ次回の【実践編】では、テクマトリックス社員がFastSeriesを用いたKCS運用方法について紹介します。お楽しみに!

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