FastSeries ブログ
2023/09/20
Fastちゃんがズバリ聞く。教えて!早見さん!FAQ活用で知っておくべきこと 【第4回】AIに惑わされるな!~DX実現に本当に必要なソリューションとは~
一般のお客さま向けまたは、社内で使用するためのFAQシステムを導入したいけど、何から始めていいかわからない。あるいは、すでに導入したものの、これからどのように活用すればいいかわからない…。そんなお困りの方へ道しるべとなる知識を、FAQシステム活用・ナレッジ管理のスペシャリストである早見拓也さんにインタビューする全4回シリーズ。
最終回となる第4回のテーマは「FAQシステムのDXとAI活用」です。コンタクトセンターでAI(人工知能)を活用する際のつまずきポイント、最新AIテクノロジーとして話題のチャットGTPをFAQシステムで活用できる可能性、そしてFAQシステムのDXに求められる取り組みについて、FastSeriesの宣伝マン(見習い中)、Fastちゃんがインタビューしました。
一般のお客さま向けまたは、社内で使用するためのFAQシステムを導入したいけど、何から始めていいかわからない。あるいは、すでに導入したものの、これからどのように活用すればいいかわからない…。そんなお困りの方へ道しるべとなる知識を、FAQシステム活用・ナレッジ管理のスペシャリストである早見拓也さんにインタビューする全4回シリーズ。
最終回となる第4回のテーマは「FAQシステムのDXとAI活用」です。コンタクトセンターでAI(人工知能)を活用する際のつまずきポイント、最新AIテクノロジーとして話題のチャットGTPをFAQシステムで活用できる可能性、そしてFAQシステムのDXに求められる取り組みについて、FastSeriesの宣伝マン(見習い中)、Fastちゃんがインタビューしました。
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CRMソリューション事業部 ナレッジソリューション推進室
早見 拓也さん
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大手コールセンターアウトソーサーでの応対品質調査、サービス開発を経験。その後FAQソリューションベンダーにてシステム導入支援、カスタマーサクセスに従事。現在テクマトリックス株式会社にて現職。ナレッジシステムの導入提案を行う傍ら、ナレッジマネジメントの伝道師として各種セミナー講師の活動も行う 。
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FastSeriesの宣伝マン(見習い中)
Fastちゃん
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2020年10月よりFastSeriesの新宣伝マン(見習い)に就任。一人前の宣伝マンを目指し、FastSeriesについて日々勉強中。
人の話を聞くのが大好きで好奇心旺盛で真面目な性格だが、ちょっぴりせっかち。質問時の口癖は「ズバリ〇〇ですか?」。好きな食べ物は餃子。
知っておきたいお客さま向けFAQサイトの実態
近年はコンタクトセンターの様々な業務にAIを活用する取り組みが進んでいます。簡単な登録でブラウザを立ち上げればAIが身近にある今、まだAIを活用していないセンターは、すぐにでも導入すべきですか?
Fastちゃん
早見
コンタクトセンター・サポートセンター業界では既に10年程前からAIブームがあり、IBM Watsonに代表される自動応答やチャットボットが話題になりました。しかし、現在まで振り返ってみても、AI導入だけでサポート業界全体が劇的に変わったという話題は伺いません。
ズバリ、それはなぜでしょう?
Fastちゃん
早見
技術が未成熟だから、過渡期だからという議論も多く聞かれますが、そもそも「利用者(ユーザー)に何を体験させたいか」「どんな課題解決を実現したいか」という展望や目標が曖昧なままでは、劇的な変化も確かな成果も見出せません。
技術検証としてAIを試用するのであれば問題ありませんが、サポートの実業務においてAIに期待するのであれば、どんな顧客体験や課題解決が成されるのかというゴールが示されないままでは、具体的な成果も得られないでしょう。
ムム、似たような話を聞いた気が…そういえば早見さんは連載の第1回で、目的を持たないままFAQシステムを導入するデメリットを指摘していましたね!
Fastちゃん
早見
そう! まったく同じです。誰もが社内での役割やプロセスに馴染むほど「なぜ?何のために?どうしてこのプロジェクトを行い、なぜこのシステムを使うのか」ということを考えなくなりがちです。あるべき論に聞こえますが、課題、目的、ゴールを忘れてはいけませんね。
今最も注目されているAI技術といえば、チャットGPTに代表されるテキスト自動生成型AIがありますが、なんだか同じようなことが起きそう…。
Fastちゃん
早見
そうですね。チャットGPTなどLLM(Large Language Models・大規模言語モデル)によるAI技術は、業務革新のきっかけも与えてくれますが、どんな具体的な成果が得られるかは本日現在、いまだ検証段階です。「最新テクノロジーだから!」「乗り遅れるな!」と言う情報だけで焦ったりせず、まずは慎重に状況を見るとよいと感じます。なぜなら、このようなブームは何度も我々が経験してきた道だからです。
AI(チャットGTP)はFAQシステムに使えるか?
ズバリ、チャットGPTなどのAIは、FAQナレッジシステムの運用にも活用できますか?
Fastちゃん
早見
活用できる面はあると思います。FAQを構成する質問文と回答文のうち、質問文の生成の実現化は早いかもしれません。たとえば、コールログを読み込ませて特に多い問合わせを要約したり、質問文として改編してFAQの雛形にするといったアウトプットが考えられます。コールリーズンに即したFAQコンテンツの生成支援、コンテンツ作成時間の圧縮、分析時間の短縮なども実現できれば、FAQシステムの運用が大きく効率化されるでしょう。
確かに便利そう! 回答文の作成にも活用できそうですか?
Fastちゃん
早見
LLMが学習する情報は、Web上で収集した大量かつ有象無象の自然言語データがベースになり、学習量が膨大である結果、「流暢な回答」を生成することができますが、LLMだけでは正誤の判断という概念はありません。またAI全般の特徴として、AIが高度であるほどインプットからアウトプットがどうなるかを簡単に制御はできなくなります。企業利用でのデメリットを回避するとなると、人間によるチェックが欠かせません。回答の提示に直接LLMを適用する、人の力をスキップして効率化するなどには、まだハードルが高いと言えます。
今後、AIを導入することになったら、どんなポイントをチェックするといいですか?
Fastちゃん
早見
ナレッジソリューションとしてのポイントがあるとすれば、「コンテンツ(情報)を生成するのか、コンテクスト(文脈)を生成するのか」は必ず存在する視点だと思います。企業からの情報提供の大前提として、誤った情報をお客さまやオペレーション現場に提供することはあってはなりません。一方、文章構成、文体や伝え方、言葉選びなどを補正したり付加する用途やソリューションであれば、LLMの伸びしろは大いにあると感じます。
総じて何をインプットし、何をアウトプットするものなのか、今後出現するソリューションの見極めには必要ですね。
ほかにもLLMの活用例として、どんなことが考えられますか?
Fastちゃん
「使われるFAQサイト」を運用するポイントするには?
将来的にAIがセンター業務で活用できるようになった時のために、備えておくべきことがあれば教えてください!
Fastちゃん
早見
はい、前提として理解しておきたいのは、LLMを含め生成AIが学習しているのはテキストデータであるということ。音声関連のAIソリューションも存在しますが、それらも電話音声からテキストへのディクテーション(書き起こし)が組み合わされています。AI活用の現場では、より精緻なテキスト、正確な記載のあるテキスト、利活用にかなうテキストデータがいっそう貴重なものになっています。
ズバリ、具体的に現場ではどんな取り組みが必要でしょうか?
Fastちゃん
早見
ナレッジ活用の基本でもありますが、正しい情報や業務知識、履歴情報、VOCがテキストデータやデジタルデータとして保存され、残っていることです。とはいえ、LLMが学習しているような世界規模の膨大なデータを用意する必要はありません。あくまでも自分たちの仕事の情報・プロセス・知識が体系立ててテキストデータにまとめられていれば十分です。可能であれば一つ一つのドキュメントファイルではなく、CSVデータなどに一括で置き換えられる状態で管理されているのがよりよいと思います。
今後、日本国内の企業もLLMや生成系AIを発表すると思います。それらに伴い日本語への最適化も進み、より扱いやすいサービスも登場が期待されます。いざ自社にも取り入れようと思ったその時、データの下ごしらえが十分であれば、活用もスムーズに進むでしょう。
では最後に、AIなどの最新技術の導入や、コンタクトセンターのDX化を進めるために注意するべきポイントがあれば教えてください!
Fastちゃん
早見
DXという言葉は概念であり、LLMを含むAIという言葉もテクノロジーの総称です。こういった抽象度の高いテーマは、総じてコンセプトが先行し、地に足のついた着地、現場での具体化を見失いがちです。繰り返しになりますが、冒頭の「目的不在」そして「ユーザー不在」に陥らないことです。ここでのユーザーとは、一般消費者含む自社のお客さまや、社内の利用者も含みます。また、可能な限りシステム検討の際は現場の方たちで試用をすることもおすすめです。
「目的不在」はわかりましたが、「ユーザー不在」とはどういうことですか?
Fastちゃん
早見
DXなりAIなりのソリューションやプロジェクトによって、ユーザーがどんな体験、変化を生むのかという視点です。たびたび期待される自動応答を例に考えてみます。提供企業が「人的コストをゼロにする」という確固たる目的があったとしましょう。しかし企業視点だけで自動応答を進めても、成功は望めないケースが多い。それは自動応答によってユーザーが「何を得て、何が変化し、納得あるいは満足するのか」という視点がないからです。
例えば呼減という話題は長年に渡り業界的イシューですが、本当に電話をかけさせたくなければ、今すぐ電話線を切ればいい。しかしそうはならない、できない理由があるわけです。AIやDXにおいても、企業・運用者としての課題解決や目的設定と、顧客(ユ―ザー)体験の両輪をバランスよく推進する視座が求められるのだと感じます。
大切なのは「誰のために、何のために導入するのか」という目的…まさに第1回の冒頭で早見さんが解説していたことですね!
Fastちゃん
早見
そうですね。これまで私が体験してきた実感として、何かしらのシステム導入で劇的な改善を実現したセンターは、「ユーザーやスタッフにこういう体験をしてほしい」という展望やビジョンを必ず持っていました。AIなどの画期的なテクノロジーはつい「導入ありき」で考えがちですが、トレンドに惑わされることなく、自社のあるべき姿や原点に立ち返ってみてください。
Fastちゃんインタビューを終えて…
Fastちゃん
- AIなどの最新技術に乗り遅れてはいけないという焦りは禁物! まずは導入目的をしっかり定めましょう。
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チャットGTPなどテキスト自動生成型AIは、現段階では文章作成の補助機能としての活用がベター。FAQシステムにおいては質問文の作成に活用できますが、自動応答への活用にはまだまだ課題が山積み!
- AIがセンター業務で活用できるようになった時のために、AIに学習させる自社業務に関する情報をテキストデータとして管理しておくことが大切。
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