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2023/10/04

サイレントカスタマーへの対策はどうすればいい?

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製品やサービスでわからないことや困ったことがあれば、コンタクトセンターに電話で問合わせたり、FAQサイトなどで調べる──。実は、お客さまによるこうした疑問解決を目指す行動は、必ずしも当たり前のことではありません。逆に、疑問や不満をそのまま放置するケースも珍しくないのです。今回は、そんな「サイレントカスタマー」の実態や、コンタクトセンターが取るべき対策について解説します。

サイレントカスタマーとは?なぜ疑問や不満を問合わせない?

サイレントカスタマーとは、製品・サービスに対して何かしらの疑問や不満を持ちながら、企業に直接伝えない顧客のことで、サイレントクレーマーとも呼ばれます。ただし、企業には伝えなくても、家族や知人に報告したり、SNSや口コミサイトにメッセージとして書き込むケースは少なくありません。困りごとが生じた際の問合わせの有無を調査した結果、約51%が問合わせを行わないサイレントカスタマーだったという統計(※1)もあり、実際にはもっと多いと思われます。

顧客が製品・サービスに対する疑問や不満を持ちながら、企業に直接伝えない理由は様々です。前出の調査ではその理由として「面倒だった」「さほど重要ではなかった」「解決できないと思った」が上位に挙がっていて、疑問や不満が生じることだけでなく、問合わせという行為そのものが顧客にとって手間やストレスになっている実態が伺えます。また、FAQサイトなどを調べて自己解決を図ったものの、必要な答えが得られずあきらめる=サイレントカスタマーになるというケースも少なくないでしょう。

サイレントカスタマーを放置するリスク

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「何も言ってくれないなら仕方ない」「クレームを入れられるよりはいいかも」と思う方もいるかもしれませんが、サイレントカスタマーを放置することは企業にとって大きなリスクとなります。

苦情処理と消費動向との相関関係を分析したグッドマンの法則(※2)によると、第一法則に「製品・サービスに不満を持って苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の再購入決定率は、苦情を申し立てない顧客と比べて高い」とあります。さらに、疑問や不満が解決されないままだと顧客が不満解消の機会を失い、黙ったまま去っていくおそれがあるとも分析しています。また第二法則では、「顧客の非好意的な口コミは好意的な口コミよりも2倍の影響を与える」と言われています。つまり、サイレントカスタマー本人の離反だけでなく、ネガティブな口コミが広まる影響で、同様の不満を持っている既存顧客や潜在顧客を失うおそれもあるということです。

サイレントカスタマーを放置するリスクはそれだけではありません。お客さまからコンタクトセンターに寄せられるお問合わせは、製品・サービスの課題を明確に把握するきっかけになりますが、サイレントカスタマーが増えるとそうした生の声を得る機会が減ってしまいます。その結果、製品・サービスに重要な問題があっても改善を図ることが難しくなるおそれもあります。

カスタマーサポートによるサイレントカスタマー対策

では、疑問や不満を抱いた顧客がサイレントカスターにならないようにするにはどうすればいいのでしょう? コンタクトセンターなどカスタマーサポート部門にできる対策は主に次の3つです。

  • エフォートレスな問合わせ環境を整備する

    問合わせという行為を「面倒」「わかりづらい」と思わせないよう、疑問や不満を抱いたらスムーズに問合わせやすい環境を整えることが大切です。電話の連絡先、お問合わせフォームやFAQサイトへの入口を企業のHPのわかりやすい場所に表示したり、24時間対応で気軽に問合わせやすいチャットボットを応対チャネルに加えるなど、エフォートレス体験の提供に努めましょう。

  • SNSによるアクティブサポートで能動的に対応する

    SNSや口コミサイトに不満を書き込むサイレントカスタマーに対しては、SNS上の投稿メッセージを検索し、製品・サービスへの疑問や不満に直接回答する「アクティブサポート」も有効です。企業に直接届かない声を積極的に拾って能動的に対応することで、離脱しそうな顧客をつなぎとめたり、悪い口コミの拡散防止が可能となります。さらに、アクティブサポートに満足した顧客による好意的な口コミの拡散も期待できます。

  • FAQサイトを充実させる

    スマートフォンが主要なコミュニケーションツールとなった昨今、疑問や困りごとが生じたらまずはネットで解決策を調べるという行動パターンが一般的です。ただし、その際に求めている解決策が見つからないと、サイレントカスタマーと化してしまうおそれがあります。自分で調べようとする顧客がスムーズに自己解決できるよう、FAQシステムを導入してQ&Aコンテンツを充実させることも効果的です

何も対処せずサイレントカスタマーを放置してしまうと、大切な顧客を失うだけでなく、製品・サービスを改善するチャンスを逃すなど、企業にとって大きな損失となります。コンタクトセンターに問合わせやすい環境づくりや、企業に届かない声を拾い上げるなどの積極的な対策に努めましょう。

まとめ

  • サイレントカスタマーとは、製品・サービスへの疑問や不満を企業に直接伝えない顧客のこと。問合わせという行為を顧客が手間やストレスに感じたり、自己解決に必要な情報が得られないと、サイレントカスタマーになるおそれが高まる。
  • サイレントカスタマーへの対処を行わず放置してしまうと、既存顧客の離反や潜在顧客の喪失、さらに製品・サービスを改善する機会を失うなど、企業にとって大きなリスクとなる。
  • サイレントカスタマーを生まないようにするには、顧客がスムーズに問合わせやすい環境を整備することが大切。FAQサイトの設置やSNSによる能動的なサポートも効果的。

※1:NTTマーケティングアクトProCX. “【調査データ】Japan Rage Study(CXに関する消費者調査)サマリー版白書”.NTTマーケティングアクトProCX. 2022-11-30. https://www.nttactprocx.com/reference/WP_JapanRageStudy.html, (参照 2023-07-18)
※2:NPO法人顧客ロイヤルティ協会. “本当の『グッドマンの法則』を正しく理解しましょう”.NPO法人顧客ロイヤルティ協会. https://www.customer-loyalty.jp/goodman, (参照 2023-07-18)

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