FastSeries ブログ
2025/02/05
チャットボットを導入する手順や注意点、導入事例を紹介
顧客や従業員から寄せられる問い合わせへの対応を効率化するため、チャットボットの導入を検討している企業は多いでしょう。一方で、どのような手順で導入すればよいのか、わからないケースも少なくありません。
この記事では、チャットボットを導入する際の基本的な手順や導入期間の目安、導入時の注意点をわかりやすくまとめています。チャットボットの具体的な導入事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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顧客や従業員から寄せられる問い合わせへの対応を効率化するため、チャットボットの導入を検討している企業は多いでしょう。一方で、どのような手順で導入すればよいのか、わからないケースも少なくありません。
この記事では、チャットボットを導入する際の基本的な手順や導入期間の目安、導入時の注意点をわかりやすくまとめています。チャットボットの具体的な導入事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
チャットボット導入における6つの手順
チャットボットとは、テキストベースで短い対話ができるデジタルシステムのことです。コンタクトセンターなどで、顧客からの問合わせ対応や、社内の情報共有を自動化するために使われ、業務効率化やサービス品質の均一化を図る効果が期待できます。チャットボットを導入する際の基本的な手順は下記の6ステップです。
<チャットボット導入時の手順>
1 導入目的の明確化
2 チャットボットの設置場所を決定
3 運用担当者の決定
4 チャットボットシステムの比較・選定
5 FAQとシナリオの作成
6 テスト運用後に本格的な運用の開始
1 導入目的の明確化
チャットボットを導入する際は、まず導入する目的を明確にします。顧客や従業員など対象とするユーザーと解決したい課題を整理することにより、自社に合ったシステムを選定しやすくなります。
例えば、ECサイトに搭載するチャットボットなら、オンライン接客機能が充実しているシステムを選ぶといいでしょう。あるいは、対象ユーザーが自社の従業員のみであれば、社内問合わせ専用システムを活用するのが合理的です。このように、対象ユーザーと解決したい課題を明確化することが、導入すべきシステムを選定する際の判断基準となります。
社内向けチャットボットについて、詳しくはこちらをご確認ください。
【まとめ】社内向けチャットボットとは?種類や活用例、選び方を解説
2 チャットボットの設置場所を決定
導入目的を明確にしたら、Webサイトやアプリなど、チャットボットを設置する場所を決めます。
例えば、自社の商品に関する顧客からの問合わせ対応にチャットボットを利用するのであれば、企業の基本情報を紹介するコーポレートサイトよりも、商品内容を紹介するサービスサイトのお客さま相談窓口が記載されているページに設置するほうが合理的でしょう。対象ユーザーがよく利用しているメディアやプラットフォームを分析し、チャットボットがユーザーの目にとまる場所を選ぶことが重要です。
3 運用担当者の決定
チャットボットの設置場所を決めたら、運用担当者を決めましょう。チャットボットの商品を扱うベンダーとのやりとりをはじめ、チャットボットに登録するFAQの作成など、チャットボット導入時にはやるべきことが数多くあります。また、チャットボットの運用開始後も継続的に利用状況を分析したり、FAQやシナリオを更新したりする作業が不可欠です。
運用担当者が不明確なままチャットボットを導入してしまうと、責任の所在が曖昧になるだけでなく、運用効果を十分に上げられない可能性があります。
4 チャットボットシステムの比較・選定
チャットボットの運用担当者が決まったら、チャットボットの導入目的や設置場所に適したシステムを選定します。チャットボットの仕組みは大きく分けて、ルールベース(シナリオ)型と自動学習機能型(機械学習型、人工知能型)の2種類があります。料金体系やサポートの有無、無料トライアルの有無なども比較検討するとよいでしょう。
■ルールベース(シナリオ)型と自動学習機能型(機械学習型、人工知能型)のチャットボットイメージ
なお、チャットボットによってあらゆるタイプの問合わせに対応できるとは限りません。必要に応じて有人チャットやオペレーター対応に切り替えられるシステムを選ぶことで、複雑な質問や個別対応が必須の問合わせにも対応しやすくなります。
テクマトリックスのコンタクトセンター向けチャットボットシステム「FastBot」は、AIを活用したチャットボットを構築できるほか、有人チャット「FastText」とスムーズに連携できます。
また、AIチャットボット機能も持ち合わせる生成AI機能群「FastGenie」もおすすめです。
チャットボットの選び方について、詳しくはこちらをご確認ください。
失敗しないチャットボットの選び方!押さえるべきポイントを詳しく解説
チャットボットの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【チャットボットの作り方】自作・システム利用のポイントを解説
チャットサポートについて、詳しくはこちらをご確認ください。
チャットサポートとは?導入のメリットや種類、成功事例を紹介
5 FAQとシナリオの作成
導入するチャットボットが決定したら、システムに登録するFAQとシナリオの作成に着手します。
まずは、顧客の声を整理して、コンタクトセンターなどに寄せられるよくある質問について回答を用意し、FAQを作成しましょう。その次に、質問内容に応じて回答を分岐させていくシナリオを設計します。過去の問合わせ履歴から頻出する問合わせ内容をピックアップし、優先順位を付けてシナリオに取り入れていくのがポイントです。
チャットボットによる回答の精度は、FAQとシナリオ設計しだいといっても過言ではありません。
膨大な問合わせ情報からFAQを選別するには、FAQナレッジシステムなどを活用するのがおすすめです。テクマトリックスのFAQナレッジシステム「FastAnswer」なら、コンタクトセンターに集まる膨大な顧客の声を、FAQナレッジとして蓄積し、スムーズなナレッジ共有ができます。
FAQの作り方について、詳しくはこちらをご確認ください。
【FAQの作り方】問合わせ削減に向けた手順や構成を解説
6 テスト運用後に本格的な運用の開始
シナリオの作成と登録が完了したら、本格的に運用する前に必ずテストを実施しましょう。テストは、実施期間と対象者を絞って運用する方法が一般的です。
シナリオ設計をどれだけ綿密に行ったとしても、カバーできていない質問や想定していなかった質問への対応が必要になる可能性は十分にあります。ユーザーの疑問が適切に解決できているか確認しながら、適宜FAQを追加するなど、調整していくことが重要です。
テストが完了し、必要な修正作業を終えたらいよいよ本格的な運用を開始します。運用開始後もユーザーの利用状況を随時確認し、FAQの更新やシナリオの修正を継続していくことが大切です。
チャットボットの効果について、詳しくはこちらをご確認ください。
【徹底解説】チャットボットの導入効果や事例、効果測定の方法
チャットボット導入期間の目安
チャットボットの導入期間の目安は、事前に要件がまとまっている場合、最短即日~1週間程度で導入できます。シナリオ作成を代行してもらう場合や、チャットボットの開発をベンダーに依頼する場合は、1~3ヵ月程度の期間を想定するのが望ましいでしょう。ただし、どのようなチャットボットツールを選ぶか、周辺システムとの兼ね合いはどうするか、FAQをいくつ登録するかなどによって導入期間は変動します。
前述の手順を参考に、各ステップで想定外の事態やトラブルが発生することを見越して、余裕のあるスケジュールにすることをおすすめします。
チャットボットを導入する際の注意点
チャットボットの導入にあたって、いくつか注意しておきたいポイントがあります。チャットボットの導入効果を最大限に引き出すためにも、下記の3点に留意しましょう。
ユーザーにチャットボットの存在を認知させる必要がある
チャットボットを設置しても、その存在自体が対象ユーザーに認知されていなければ利用率は向上しません。顧客向けチャットボットなら、トップページや商品ページへの設置、問合わせページ上で目立つように配色やデザインを工夫するといいでしょう。社内向けのチャットボットであれば、社員向けにメッセージを送ったり、説明会を開催したりして、導入の意義や利用メリットを周知することをおすすめします。
チャットボットが広く認知されるまでの期間は、入力例を提示したり、よくある質問を示したりすることで、利用を促すことが大切です。
定期的な分析や更新が必要になる
チャットボットは、一度導入すれば終わりというようなシステムではありません。定期的に利用状況の確認と改善を繰り返し、最適化を図る必要があります。
例えば、ユーザーが質問を途中で取りやめ、離脱しているケースが多く見られるポイントには、何らかの問題が潜んでいる可能性が高いでしょう。ユーザーが離脱直前に投げかけた質問と回答内容を分析し、十分に回答できていない点がないか確認することが重要です。
必要に応じてFAQを更新・追加したり、シナリオを調整したりするなど、ブラッシュアップを積み重ねていく必要があります。
効率的な運用のためにKPIを設定する
チャットボットの運用効果を把握するには、KPIを設定して達成状況を確認していくことが重要です。運用効果を測るためのKPIとして、主に下記の3点が挙げられます。
<チャットボットの運用成果を測る主なKPI>
・起動回数
・回答率
・解決率
起動回数が少ない場合は、チャットボットに関するユーザーへの認知を広げたり、チャットボットの設置場所を再検討したりする必要があります。回答率を改善するには、質問に対する回答内容の検証、FAQの追加や更新が必要です。解決率が低い場合は、回答内容の修正やシナリオの調整を検討することをおすすめします。
チャットボットの運用フェーズに合わせて、KPIを変更することも重要なポイントです。導入当初は起動回数を中心に改善を図り、効果が見られたら、次に回答率や解決率へと重点課題を移行させていくといいでしょう。
コンタクトセンターでのチャットボットの導入事例
ここからは、チャットボットを導入した2社の事例を紹介します。導入前の課題と導入後の効果について見ていきましょう。
4万人の営業が利用するチャットボットを構築|第一生命保険株式会社様
社会のニーズに最適な保険商品・サービスを提供している第一生命保険株式会社様では、全国約4万人の営業担当者からの問合わせ対応や事務作業をオートメーション化するために、テクマトリックスのCRMシステム「FastHelp」と連携したチャットボットを導入しました。
全国の営業オフィスには約2,500人の事務担当者がいるものの、書類作成や複雑な照会業務のエスカレーションを効率化するために、問合わせ対応を本社に集約する必要に迫られていました。
チャットボットを導入したことで、営業担当者による照会を自動化するとともに、有人チャットへと適宜切り替えられる仕組みが確立され、問合わせ履歴の一元管理が可能になりました。また、ひとつのアプリケーション・インターフェースでチャット応対が可能になり、回答そのものや後処理の効率が大幅に向上しています。
■照会業務の範囲とシステム利用イメージ第一生命保険株式会社様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
第一生命保険株式会社様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)
FastHelpとLINEを連携したチャットボットを活用|日本コープ共済生活協同組合連合会様
日本コープ共済生活協同組合連合会様では、2015年から利用しているFAQナレッジシステム「FastAnswer」に、2017年から「FastHelp」のトークスクリプトオプションを連動させ、2018年にAIチャットボットを利用したLINEチャットサポートを導入しました。AIによる自動回答と併せて、有人対応へと適宜切り替えられる仕組みを取り入れ、コールセンターでの問合わせ対応の利便性向上とオペレーターの負担軽減を両立させています。
LINEチャットサポートの主な導入効果として、下記の3点が挙げられます。
<チャットボットの主な効果>
・24時間365日対応が可能になった
・チャネル拡大により、移動中など通話が難しいシーンでも対応可能となった
・インターネット手続きとの連動により、コールセンター以外でも手続きが完了できるようになった
結果として、LINEチャットサービスの開始から約4ヵ月間で約1万3,000人のLINE友達登録を達成しています。業務効率化を図りつつ、ユーザーの利便性向上にも成功している好例です。
■LINEチャットを利用した応対イメージ日本コープ共済生活協同組合連合会様の取組みについて、詳しくはこちらをご確認ください。
日本コープ共済生活協同組合連合会様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)
コンタクトセンターの業務効率化にはチャットボットの導入がおすすめ
チャットボットは、導入目的を明確にし、自社の課題解決につながるシステムを選ぶことにより、効果を最大限に引き出せます。また、多くの問合わせを受け付けるコンタクトセンターでは、問合わせ対応をチャットボットに任せることでオペレーターの負担軽減と業務効率化を図る効果が期待できます。
テクマトリックスのコンタクトセンター向けチャットボット「FastBot」は、社内と社外どちらの問合わせにも対応可能なシステムです。シナリオを簡単に作成・管理できることに加え、LINEとWebサイトのシナリオを一元管理できる機能も備えています。
■FastBotにおけるLINEとWebサイトの管理画面
また、チャットボットでは回答が困難な問合わせに関しては、有人チャットや通話対応などオペレーターへのスムーズな連携が可能です。
さらに、チャットボット導入時に必須となるFAQには、同シリーズの「FastAnswer」の活用がおすすめです。膨大なFAQやナレッジの作成・検索・管理を容易にし、「よくある質問」を最適化します。「FastSeries」はチャットボット、FAQナレッジシステム、CRMシステムなどそれぞれと連携したソリューションのご提案が可能です。コンタクトセンターの業務効率化を図るなら、ぜひ「FastBot」「FastAnswer」「FastHelp」などを備えるFastSeriesをご活用ください。
WebサイトやLINE上で顧客対応を自動化するチャットボットは「FastBot」
チャットボットとの連携もスムーズな有人チャットは「FastText」
FAQ作成の業務効率化を支援するFAQナレッジシステムは「FastAnswer」
コンタクトセンターの管理と業務効率化を実現するコンタクトセンター向けCRMシステムは「FastHelp」
まとめ
- チャットボット導入時の手順は、「1 導入目的の明確化」「2 チャットボットの設置場所を決定」「3 運用担当者の決定」「4 チャットボットシステムの比較・選定」「5 FAQとシナリオの作成」「6 テスト運用後に本格的な運用の開始」。
- チャットボットの導入期間の目安は、事前に要件がまとまっている場合は、最短即日~1週間程度での導入も可能。シナリオ作成を代行してもらう場合や、チャットボットの開発をベンダーに依頼する場合は、1~3ヵ月程度の期間を想定するのが望ましい。
- チャットボットを導入する際の注意点は、「ユーザーにチャットボットの存在を認知させる必要がある」「定期的に分析や更新が必要になる」「効率的な運用のためにKPIを設定する」などがある。