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2022/07/05

くすり相談室にCRMシステムを導入するときの3つのポイント

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製薬会社のくすり相談室やメディカルインフォメーションセンターには、主に医師・薬剤師などの医療従事者から医薬品の効能や使い方に関するお問合わせが日々寄せられ、相談員は迅速かつ正確に回答することが求められています。
今回は、くすり相談室がそうした使命を果たすためにCRMシステムを導入する必要性と、システム選定の3つのポイントを解説します。

なぜ、くすり相談室にCRMシステムが必要なのか?

まずは、くすり相談室の担う役割について解説します。主なポイントは次の3つです。

  • 高度な専門知識

    くすり相談室の大きな役割は、医療従事者から寄せられる医薬品に関するお問合わせに対して、必要とする情報を迅速に提供する“高度な専門組織”であること。つまり、医薬品にまつわる専門知識を理解し迅速かつ的確に情報提供を行うことが求められています。それには、膨大な情報をより効率的に管理できるようシステムによるサポートが不可欠です。

  • もう一人のMR

    MRから医療従事者への情報提供は、非常に重要で大切な接点です。しかし、コロナ禍によってMRによる病院への直接訪問が制限されたり、情報提供における法律の規制も厳しくなっていることや、そもそものMR不足・業務効率化の限界が課題となっています。そうした状況において、いわば“もう一人のMR”としての役割をくすり相談室が担う必要性があります。
    具体的な役割として、MRに代わって直接医療従事者への情報提供を行ったり、「誰がどのような情報を知りたくてお問合わせしたか」という内容を担当MRに素早くフィードバックし、お問合わせ応対のフォローを依頼することが期待されています。

  • 顧客情報の把握

    マーケティングの観点からも、顧客(医療従事者や患者)データや属性を集め、分析する重要性がますます高まっています。顧客情報と医薬品情報を一元管理し分析することで、開発部署や会社全体への情報転化を行い、高付加価値を生み出す役割もくすり相談室には期待されています。



このように高度化・専門化するお問合わせ対応とMRのサポート業務、そして蓄積される顧客データやナレッジの管理・分析という役割を担うには、くすり相談室におけるCRM(顧客関係管理)の実践が不可欠です
昨今では、Webチャット・SNSなどノンボイスを中心にお問合わせチャネルのデジタル化が進んでおり、特にCRMシステムオムニチャネル対応・情報の一元管理機能は必須と言えるでしょう。

くすり相談室で利用するCRMシステムを選ぶ3つのポイント

くすり相談室に求められる役割を高度に実現するには、次に挙げる3つのポイントを意識してCRMシステム選定を行いましょう。

  • くすり相談室特有の業務を効率化できる機能があるか

    FastSeries_blog_20220705_second.png

    くすり相談室ならではの業務を効率的かつ正確に行うには、以下のような機能が必要となります。

    ・情報の一元管理機能

    顧客情報・各チャネルからのお問合わせ履歴・医療施設情報・担当MR情報などをそれぞれ紐づけて一元管理します。たとえば、医薬品情報や医療施設情報、ドクター情報などのメディカルデータベースがCRMシステムとは別のシステムで管理されている場合は、システム連携など拡張性の有無もポイントとなります。

    MRとの情報連携機能

    お問合わせ情報をくすり相談室から簡単に担当MRにメール転送できたり、外出中のMRが顧客情報に紐づいたお問合わせ履歴や応対の進捗をタブレットやスマートフォンから確認できるなどの機能があれば、くすり相談室とMRはスピーディーに情報連携でき、医療従事者への対応をスムーズに行えます。

  • オムニチャネルに対応しているか

    別々のチャネルから入るお問合わせの応対にばらつきが生じないよう、CRMシステムで各チャネルの応対履歴を一元管理する必要があります。現在、くすり相談室での対応が進んでいるのは以下のチャネルです。

    ・電話

    ・メール

    FAX

    ・お問合わせフォーム(Web

    Webチャット(有人/ボット)

    LINEなどのメッセージングアプリ

    またこれら以外にも、よくある質問とその回答をWebサイトで閲覧できるFAQサイトなど、お客さまがお問合わせを自己解決するためのソリューションも広がりを見せています。

  • 回答支援や業務効率化につながるITソリューションと連携できるか

    相談員が医療従事者からの多岐にわたる高度な質問に一定の品質で回答し、また応対以外の業務も効率的に進めるには、次のようなITソリューションとの連携が有効です。これらの機能を有している、あるいは連携が可能であることが選定ポイントになります。

    CTIシステム

    入電すると発信者番号からお客さま情報(候補)をCRMシステム画面に表示し、顧客検索の手間を軽減させることができます。その他のCRM×CTI連携で実現できることはこちらの記事からご確認いただけます。

    FAQシステム

    お客さまからよく寄せられるお問合わせ内容に対して、あらかじめ回答を準備しナレッジとして管理します。CRMシステムとの連携で、候補ナレッジを表示させることができるようになるなど、膨大な情報やナレッジから素早く適切な回答候補を探し出すのに役立ちます。

    ・音声認識システム

    音声認識システムは電話の音声を自動でテキスト化してCRMシステムに取り込み、応対履歴の入力を省力化したり応対品質管理に活用できます。


ここまで紹介した3つのポイントの中でも特に重要なのは、①のくすり相談室特有の業務を効率化できる機能が標準で備わっていること。なぜなら、基盤としてのCRMシステムをシステム選定から最小のカスタマイズで短期間で導入しやすいからです。

2021年の日本製薬工協会(製薬協)の調査(※)によると、くすり相談室への主な問合わせ内容は「効能・効果」「飲み合わせの注意」「副作用」。つまり、くすり相談室の応対にばらつきが生じると、人の命に直結する間違いを引き起こしかねません。だからこそ、人の健康や命に係わる医薬品の情報を提供するくすり相談室には、多数かつ多様なお問合わせに迅速に応じるとともに、回答の正確さも求められます。各種データを一元管理し、他システム内のナレッジとの連携も可能なCRMシステムを導入し、お客さまの力になれるくすり相談室の実現を目指しましょう。

まとめ

  • くすり相談室がお客さま(医療従事者)からのお問合わせに迅速かつ正確に応対するには、お客さま情報を一元管理し、担当MRとの情報共有もスムーズに行えるCRMシステムが効果的。
  • CRMシステムの選定にあたっては、他システム内のメディカルデータベースとの連携やMRへの情報伝達など、くすり相談室ならではの業務を効率的に行える機能を備えたものを優先したい。
  • お客さまとのタッチポイントの多様化に応じられるオムニチャネル対応や、多岐にわたる高度な質問に一定の品質で回答したり、業務の効率化を実現するシステムとの連携も、CRMシステムの選定ポイントとして重視したい。

※出典:日本製薬工業協会. “第15回くすりと製薬産業に関する生活者意識調査”.日本製薬工業協会. https://www.jpma.or.jp/news_room/issue/survey/lofurc000000uv9q-att/01.pdf, (参照 2022-05-13)

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