製造

ダイキン工業株式会社様

応対品質向上に貢献するFastHelp5・FastAnswer2
~複数チャネルの統合で管理工数の大幅削減を実現~

導入製品・ソリューション
FastHelp5
FastAnswer2

クラウド型

目的
CX向上
VOC活用
応対品質管理
情報分析・共有化
業務効率化
生産性向上
経営・利益貢献
顧客データ活用

今回お話をお伺いした方

  • サービス本部 西日本コンタクトセンター
    CS担当課長

    新堂 安紀 氏

  • 角村 祐季 氏
    サービス本部 西日本コンタクトセンター
    部品グループ

    角村 祐季 氏

  • 新堂 安紀 氏
    サービス本部 東日本コンタクトセンター
    企画グループ

    田野邊 明香 氏

  • 新堂 安紀 氏
    サービス本部 企画部
    ITグループ

    仲田 晃嗣 氏

  • 新堂 安紀 氏
    サービス本部 企画部
    ITグループ

    高橋 健太郎 氏

導入前の課題

  • コンタクトセンター業務に必要なCRM環境の老朽化で刷新が必要に
  • 社内ナレッジを蓄積するFAQシステムが稼働するサーバーOSもサポート切れ間近に
  • 既存業務フローを維持して移管できることを前提に、お客様満足度の向上と業務効率化に貢献する基盤を模索

導入後の効果

  • 応対履歴に過去の経緯を紐付けて管理できるなど、お客様満足度の向上に貢献
  • 複数チャネルの統合で管理工数の大幅削減を実現
  • 業務の平準化やSVの負荷軽減

背景と目的

  • コンタクトセンター業務を担う
    CRM基盤の老朽化で刷新を検討

    空調メーカーとして顧客サポートに注力しているダイキン工業株式会社では、24時間365日のサポート体制で問い合わせ対応を行っているダイキンコンタクトセンターを設置しているが、業務基盤であるCRM環境の老朽化に伴い、新たな環境への移行が必要に。合わせて、社内向けのFAQを集めたナレッジシステムもサーバーOSのサポート期限が迫っており、新たな環境への刷新が急務に。

  • 同時接続ライセンスと独自環境への
    柔軟な対応が可能な点を評価

    既存の業務フローを維持して移管できることを前提に、業務効率化やマルチチャネル対応による顧客満足度向上をはじめ、事業貢献につながるアウトバウンドに向けた仕組みづくり、そして障害が発生しても業務が継続できるBCP観点を要件に掲げ、新たなCRM基盤を選定。空調機という季節商品を扱う同社だけに、繁忙期と閑散期の差が激しいコンタクトセンター業務に対応できるよう、同時接続数でのライセンス体系を持つテクマトリックスが提供するコンタクトセンターCRMシステム「FastHelp5およびFAQナレッジシステム「FastAnswer2」に注目。自社が契約したクラウド上にCRM環境が整備できるため、基幹システムとの連携や技術的な対応がスムーズな点も高く評価した。

ヒートポンプやインバーター、冷媒制御技術の3つの空調コア技術を武器に、冷媒から機器開発、製造・販売、アフターサービスまでを自社で行う総合空調メーカーとして事業展開しているダイキン工業株式会社。住宅やオフィスはもちろん、工場や空港病院など様々な空間のニーズに応える空調事業とともに、フッ素樹脂をはじめとするフッ素化合物を手掛ける化学事業、空気清浄機向け高機能フィルタや集塵フィルタなどを扱うフィルタ事業という3つの事業を柱に、油圧ポンプや油圧ユニットなどの開発・生産を行う油機事業や、航空や医療分野に貢献する特機事業、高機能設備CADなどの電子システム事業を展開している。

そんな同社は、社内にアフターサービス部門が設置されている空調メーカーとして顧客サポートに注力しており、24時間365日のサポート体制で問い合わせ対応を行っているダイキンコンタクトセンターを2000年に設立。現在は、2025年を最終年度とする実行計画「FUSION25」を強力に推し進めており、コンタクトセンターでも持続可能な運営体制の整備に向けてさまざまな取り組みを進めていると説明するのは西日本コンタクトセンター 新堂 安紀氏だ。「季節商品である空調機を扱っているため、コンタクトセンター業務には繁忙期と閑散期の業務量に大きな差が出てきます。持続可能な運営体制を整備するべく、自動化の推進や在宅コンタクトセンターなどテレワークの活用、そして閑散期にはお客さまへアウトバウンドによる積極的な提案活動を行ない事業に貢献するという、3つの柱でコンタクトセンター運営を進めています」

このコンタクトセンターを支えるCRM基盤は、オンプレミスのサーバー上で稼働するJavaアプレットを用いて構築されたソフトウェアを軸に構築され、すでに数十年ほど運用されてきたが、サーバーの保守切れに伴って新たな環境への更改が必要だったという。また、社内向けのFAQを集めたナレッジシステムもサーバーOSのサポート期限が迫っており、新たな環境へバージョンアップするにも高額な費用が発生する状況だった。他にも外部向けにナレッジを提供するSaaSのFAQシステムについても、膨大なアクセス数に伴いコストが増加しており、新たな環境への切り替えを検討する必要があったという。「特に重要だったCRM領域の刷新をメインに、内部のFAQシステムも同時に検討を進めていくことに。外部向けのナレッジシステムは並行稼働できる状況だったため、まずはCRMと社内FAQシステムを先行して刷新するプロジェクトが始まったのです」とサービス本部 企画部 ITグループ 仲田 晃嗣氏は当時を振り返る。

新たなCRM基盤を構築するためには、既存の業務を移管できることを前提に、業務効率化やマルチチャネル対応による顧客満足度向上はもちろん、事業貢献につながるアウトバウンドに向けた仕組みづくり、そして障害が発生しても業務が継続できるBCP観点などを要件に掲げ、ソリューションを検討することに。「自社である程度運用できるように、ダイキン側で設定の変更を実施できる仕組みを検討しました。また、基本的なコンタクトセンター業務がパッケージとして提供されているソリューションを中心に、展示会などで情報収集したうえで製品候補を絞りました」と仲田氏。大きな要件ではなかったものの、CRMと社内のFAQシステムの連動性についても気にかけた部分だったという。

複数のソリューションを候補に挙げるなか、注目したのがテクマトリックスの提供するコンタクトセンターCRMシステム「FastHelp5」およびFAQナレッジシステム「FastAnswer2」だった。「繁忙期と閑散期でコミュニケーターの増減が発生するという我々の運用面を考えると、同時接続数でのライセンス体系だったことは大きかった。人に対してライセンスを付与する体系だった場合、ライセンス管理が非常に煩雑になるためである。また、多くのソリューションがSaaSモデルでしか利用できないなか、我々が契約したクラウド上にインストールして運用できるのがFastHelp5でした。その環境のほうが基幹システムとの連携が非常にやりやすく、工数削減にもつながりますし、我々独自の連携など技術的にも対応しやすかったのです」と仲田氏は評価する。

結果として、同社のコンタクトセンターの業務基盤として「FastHelp5」が選択され、業務にて連携する機会の多い社内ナレッジシステムとして「FastAnswer2」が選ばれることになったのだ。

導⼊の効果

  • 応対履歴ごとに過去の経緯を紐付け管理、
    お客様満足度の向上にも一役

    お問合わせ対応時にお客さまへ渡している資料も応対履歴に紐付けて管理できるため、情報共有がスムーズになり、担当者以外でも状況が把握しやすくなった。また対応完了までの期間が長い案件でも、応対履歴に対して過去の経緯が全て紐付けて管理できるため、引き継ぎ漏れがなくなった。様々な情報をFastHelp5で一括検索・対応できるため、お客様をお待たせすることなく、お客様満足度の向上にも貢献している。現在は電話・メール・SMSでの応対履歴FastHelp5にて統合しているが、将来的には音声自動応答システムなどの他システムとも連携し、マルチチャネルのお客さま対応の基盤として育てていく。

  • 管理工数を大幅削減、作業の平準化や
    SVの負荷軽減にも寄与

    東西2箇所のコンタクトセンター合わせて1000名以上がFastHelp5にてお客さまの応対業務を実施、主に空調関連事業の総合窓口として年間200万件ほどの問い合わせ対応を行っている。FastHelp5によって問い合わせカテゴリを軸にした自動引き継ぎなどが可能になっただけでなく、メールも含めた複数チャネルの統合によって管理工数の大幅削減を実現。業務の平準化や教育を実施するSVの負荷軽減にもつながることで、安定的なコミュニケーターの定着にもつながるはずだと期待を寄せている。

現在は、東西2箇所のコンタクトセンター合わせて1000名以上のコミュニケーターが利用できる契約となっており、AWS上に設置されたFastHelp5を活用して繁忙期には1000名以上が、閑散期になると半数ほどに絞った形で顧客対応が行われている。個人はもちろん、販売店や工務店など法人顧客からの問い合わせを受け付けているが、その内容は多岐にわたっており、主に修理受付や技術相談、部品販売、油機、リコール関連窓口など各グループに分かれている。「ダイキン工業におけるお客さま相談窓口としてコンタクトセンターが存在していますが、実質的には油機グループ以外は空調関連事業の窓口として機能しています。年間200万件ほどのお電話をいただいている状況です」と新堂氏は説明する。顧客対応チャネルとしては、現在は電話とメール、そしてFAXとなっており、電話とメールがFastHelp5によって統合管理できるようになっている。

 具体的な運用は、入電のタイミングでCTI連携したFastHelp5に電話番号に紐づいた顧客情報が表示され、要件ごとに対応する各グループの画面や基幹システムの画面と連携を行っている。修理受付や部品販売に関する問い合わせでは、基幹システム側に仕組みが存在していることから、FastHelp5で問い合わせ先を認識した段階で基幹システム側の画面に遷移し、基幹システムに顧客とのやり取りを入力しながら応対業務を実施。基幹システムに入力した情報はFastHelp5側にも情報が蓄積されるようになっており、顧客に紐づいたやり取り情報は全てFastHelp5から確認できるようになっている。技術相談やシンプルな問い合わせに関しては、FastHelp5上に直接応対履歴を入力、メールからの問い合わせもFastHelp5にてメール内容を確認し、対応していく運用となっている。なお、修理受付後に訪問修理が必要な場合は、別システムにてエンジニアの手配も実施している状況だ。

 社内ナレッジを蓄積しているFastAnswer2については、15万ほど存在している機種に紐づいた形でナレッジが整理されており、基本的には運用部隊が主体的にナレッジ登録をしている状況だ。

今回FastSeriesでコンタクトセンター業務の刷新を行ったことで、問い合わせのカテゴリを軸にした自動引き継ぎなどが可能になっただけでなく、メールも含めた複数チャネルの統合によって管理工数が大幅に削減できるようになったとサービス本部 東日本コンタクトセンター 田野邊 明香氏は評価する。「メールの署名や冒頭文が自動挿入されるだけでなく、FAQもワンクリックでメール挿入できるなど、コミュニケーターの工数削減に大きく貢献しています。社員によるメール対応がコミュニケーターに移管でき、業務の平準化や教育を実施するSVの負荷軽減にもつながっているなど、多くのメリットが得られています」将来的には、安定的なコミュニケーターの定着にも効果があるはずだと田野邊氏は期待を寄せている。

また、現在は電話およびメールでの問い合わせがFastHelp5にて統合できており、将来的には他の対応チャネルの拡張に向けても期待が高まっているとサービス本部 西日本コンタクトセンター 部品グループ 角村 祐季氏は語る。「問い合わせチャネルが複数あるため、FastHelp5にて統合できるメリットは大きい。また、自分たちで作った資料をお客さまにお送りした際も、以前は個人で管理せざるを得ませんでしたが、今はその資料が応対履歴に添付できるようになることで、問い合わせ内容が担当者以外でも把握しやすくなったのは部品グループ内でも評判です」特に部品グループでは、部品在庫がない場合は納期の確認も含めて問い合わせをクローズするまでの期間が長い案件が多い。1つの応対履歴に対して過去の経緯が全て紐づけて管理できるため、引き継ぎ漏れがなくなるなど顧客対応の品質向上に貢献しているという。「以前は電話番号でしか検索できませんでしたが、部品グループで管理している受注番号でも案件の検索が可能になり、受注番号に紐づく全ての履歴が一度に確認できます。一度電話を切って調べなければいけなかったようなことも、入電中にすぐに把握できるなど、お客さま対応においてもメリットが生まれています」と角村氏は高く評価する。

FastSeriesについては、大きなトラブルなく安定稼働を続けており、その技術力の高さ評価する。「パッケージを提供するテクマトリックスから直接導入、支援いただけており、我々独自のカスタマイズにも柔軟に対応いただけています。設定変更だけでも従来は多くの費用が発生していましたが、コストパフォーマンスよく改修できるようなったことがとてもありがたい」と仲田氏は評価する。サービス本部 企画部 ITグループ 高橋 健太郎氏も「カスタマイズ対応はもちろんですが、以前のCRMからの移行についてもスピーディかつ柔軟に動いていただき、スムーズに移行できました。とても感謝しています」と評価する。

今後の展開

  • お客さま情報の管理すべてをFastHelp5に集約したい

    今後については、現在コンタクトセンターのみで運用しているFastHelp5を、現場に近いサービスエンジニアが在籍する拠点にも展開し、お客さま管理基盤としてさらに拡張していきたいという。「ダイキン全体のお客さまを全てFastHelp5で管理していけるような基盤に育てていきたい」と仲田氏は今後の展開に意欲的だ。また、現在導入を検討している自動応答の仕組みや有人チャット、そしてFAXとの連携など、別で管理している多数の仕組みとの連携も視野に、業務基盤としての拡張を目指していきたいという。

  • テレワーク環境下でコンタクトセンター運営に必要なチャット応対の整備に期待

    またテレワーク環境でコンタクトセンターを運営していくなかでは、音声以外の対応も進めていく必要があるという。「電話だけでテレワークを行うのはハードルが高い部分もあるため、ノンボイスでのお客さま対応を強化していけるよう、FastChatをはじめとしたチャットなどへの展開も考えていきたい」と高橋氏に今後について語っていただいた。

作成日時2023年7月

記載の情報は2023年5月時点のものです

社名
ダイキン工業株式会社様
設立
1924年10月25日
事業内容
冷房・暖房から、冷蔵・冷凍まで、空気のスペシャリスト集団として「空調」「化学」「フィルタ」を柱に、アメリカ、中国、アジア・オセアニア、欧州など170カ国を超える国と地域で事業を展開。

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