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インタビュー

2023/07/20

Fastちゃんがズバリ聞く。教えて!早見さん!FAQ活用で知っておくべきこと 【第2回】FAQシステム内部利用で大事なコトって?

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一般のお客さま向けあるいは社内で使用するためのFAQシステムを導入したいけど、何から始めていいかわからない。あるいは、すでに導入したものの、これからどのように活用すればいいかわからない…。そんなお困りの方たちへの道しるべとなる知識を、FAQシステム活用・ナレッジ管理のスペシャリストである早見拓也さんにインタビューする全4回シリーズ。
第2回のテーマは「FAQシステム内部利用で大事なコト」です。コンタクトセンターで内部向けFAQを活用する際につまずきがちな課題や改善ポイント、そして十分な効果が期待できる運用方法などについて、FastSeriesの宣伝マン(見習い中)、Fastちゃんがインタビューしました。

PROFILE

interviewee

CRMソリューション事業部 ナレッジソリューション推進室

早見 拓也さん

大手コールセンターアウトソーサーでの応対品質調査、サービス開発を経験。その後FAQソリューションベンダーにてシステム導入支援、カスタマーサクセスに従事。現在テクマトリックス株式会社にて現職。ナレッジシステムの導入提案を行う傍ら、ナレッジマネジメントの伝道師として各種セミナー講師の活動も行う 。

interviewer

FastSeriesの宣伝マン(見習い中)

Fastちゃん

2020年10月よりFastSeriesの新宣伝マン(見習い)に就任。一人前の宣伝マンを目指し、FastSeriesについて日々勉強中。
人の話を聞くのが大好きで好奇心旺盛で真面目な性格だが、ちょっぴりせっかち。質問時の口癖は「ズバリ〇〇ですか?」。好きな食べ物は餃子。

内部向けFAQの活用がうまく進まない原因は?

第1回のインタビュー「コンタクトセンターに内部向けFAQは必要不可欠」と話していましたが、その必要性について改めて説明してください。

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

まず必要性を探る上で理解するべきは、「遂行業務」「業務規模」です。

むむ…「遂行業務」からまず教えていただけますか?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

フフフ、少しかしこまった言い方でしたね。「遂行業務の理解」とはつまり、自社の事業・業務・生業の中身や模様の理解です。

お客さまからのお問合わせに答えるには、製品やサービスの情報を知っている必要がありますよね。お問合わせが多岐、複雑、緻密になると、すべてを人に委ねるのは不可能なのでFAQシステムへの要求が高まります。商品点数や部材・部品が多い製造業・総合メーカー、また金融・保険業や医薬品・医療・医療機器業界のように、お金や命に係わる“情報の不備不足がクリティカルな業種”が例に多いのは、そうしたニーズからです。

自社のFAQは何が要求され、それはどういった業務(生業)ゆえなのか、理解しておくことは運用上も大事です。

もう1つの「業務規模」はどういうことですか?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

一般的にコンタクトセンター運営にて10~20人以上規模になると、センター内の組織化が求められます。そこで大変重要な課題になるのが、引き継ぎ業務(エスカレーション)やスタッフあるいはオペレーター教育です。これらを組織的かつ効率よく行うためには、内部向けFAQの存在と影響が大変大きくなります
このように、自社の「遂行業務」「業務規模」を理解した時、内部向けFAQの要求が高まっているとするならば、必要かどうかやコスト云々ではなく、むしろあることが前提のインフラだと考えた方がよいと思います。

それでも内部向けFAQを導入しないコンタクトセンターもあると思いますが、どんな理由が考えられますか?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

現場担当者の努力や工夫で、システム導入しなくても応対業務を遂行できているケースも度々あります。システムは当然予算が必要です。手入れをせずとも遂行できていれば、目先のシステム導入はコストにしか感じられないのも理由だとは思います。

ただし、いつまでも現場の努力や個人の力量に頼っていると、そのコンタクトセンターは組織としていっこうに成長しません。ナレッジの共有が進まず属人的な運用が続くことは、個々人の対応力の差や応対品質の差、入れ替わりや代替わりによる知識経験の消失など、企業としてのリスクもそのままです。
内部向けFAQ含め、仕組みとして業務や組織を成長させたいか?またはリスクはそのままに現場努力の掛け声で乗り切り続けるか?

将来を考える立場の方にとって答えは明白かと感じますが、いかがでしょう。

現場や担当者の方々がFAQシステムの必要性を感じているのに責任者から導入を認めてもらえない場合、うまく説得する方法はありますか?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

正面から価値や意義を説明して、納得してもらうことが一番よいのですが、たとえば「このままではいつか限界が来て危険ですよ」と危機感から必要性を説くこともあります。
明らかに対応が追いついていないケース、コンタクトセンター的に言えば放棄呼の増大やクレームの激増といった負の実績。また社内としては管理スタッフの激務や時間外業務の増加、不安定な採用や離職など。

また、第1回のインタビューで「他社が導入しているから自社もFAQシステムを検討」というケースも少なくないと指摘しましたが、この思考パターンを逆手に「他社はこれほど進んでいますよ」と社内に情報共有するのも手段でしょう。
目的が他社の追従だけでは失策ですが、課題や目的が定まっていれば、検討の材料として「他社が導入した」という情報を方便に利用するのもよいと思います。

みんなが「使おう」と思える内部向けFAQをつくるには?

内部向けFAQをせっかく導入しても、十分に活用されないことはありますか?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

あります。その場合、一般向けに公開しているFAQが活用されないケースより原因は根が深いこともあります。

ズバリ、その原因は何でしょう?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

再利用しやすい環境の提供、メンテナンスや運用そのものが行われていないことです。使いやすさ、読みやすさ、情報の最新性など、様々な要素でFAQシステムが「情報の再利用を実現しやすいシステム」なのに、そのよさを活かしきれないのです。内部向けFAQにおいては、利用者は身内という意識もあって、コンテンツ一つとっても使い勝手を配慮しないケースは少なくありません。

「とりあえず、書いておけばよいだろう」という発想ですね。

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

またもう1つ、知識と経験の豊富なベテランの方にありがちですが「自分は知っているし仕事もできるから、なくてもいい」と考えたり、無意識に必要ないと思ってしまう利用者側の問題もあります。

なくてもいいと考えている人に利用を促すにはどうすればいいですか?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

製品やサービスの普及の進行具合をモデル化する「キャズム理論」の考え方のように、どんなソリューションでも全体の2割は積極的な利用者層がいる傾向があります。知識を必要とする新人、新しい取り組みを好む方、プロジェクトの目的や意義に主体的に共感する方、導入の担当責任者などが該当します。
残り6割は様子を見て徐々に、2割は何を提供しても最後まで抵抗しやすいのですが、もともと使ってくれない最後の2割への対策を苦心するより、最初の2割と6割の人たちを大切に考え、味方に引き込む方法から考えた方がよいでしょう。

ズバリ、その具体的な方法を教えてほしいです!

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

最初の2割の人たちは貪欲に知識を欲しているので、本当に役に立つFAQを提供することが求められます。中間層にあたる6割の人たちには、「内部向けFAQが役に立った」という成功体験を与えること、いわば顧客体験の向上と同じ発想が重要です。

内部向けFAQなのに顧客体験?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

「利用者にどんな体験をさせているか」という視点を持つことは、内部向けFAQに限らずすべてのソリューションを機能させるために必要な姿勢です。
FAQシステムは利用状況や閲覧者コメントなど社内利用者へのフィードバックを提供できる機能が備わっていることがほとんどです。自分がつくったものが誰かの役に立った、自分が役に立った情報がランキング上位に上がっていたなど、成功体験を見える化する機能の活用が味方を増やすコツでしょう。
それとこれはかなりアグレッシブなケースですが、活用してくれない人への利用促進策として、1件の応対ごとにFAQを利用したかどうか記録し、利用状況に応じて査定に関わるポイントを付与するという運用を全社展開しているという例もあります。どれだけ組織が本気なのかを示しているとも言えますね。

内部向けFAQが機能するためにチェックすべき情報は?

内部向けFAQの運用において押さえておきたいポイントはありますか?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

FAQにとって重要な、情報の最新性を管理する上で、記事ごとの更新日表記や古い記事へのアラートなどは仕組みとして備えておくとよいでしょう。また、FAQ運用においては「誰が何をしたか」という役割分担を明瞭にすることも重要です。したがって、コンテンツの作成から公開までの承認プロセスを管理する機能や環境も必要です。

FAQ運用における役割にはどのようなものがありますか?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

主に4つあります。コンテンツの作成、承認、公開、そしてQC(品質管理)です。センターの規模によっては一人で複数の役割を担うこともあるでしょうが、その際も「自分が今何を行っているか」を4つの軸と照らし合わせることで、業務プロセスを整理しやすくなります。できればコンテンツの作成者と査読や品質管理を行う人を分けておくと、FAQの効果を客観的にジャッジしやすくなるのでよいでしょう。

内部向けFAQが有効に機能しているかどうかは、どんな情報から判断すればいいですか?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

FAQサイトの運用KPIとしてわかりやすいためか、0件ヒット率がよく挙げられます。しかし、0件ヒットはコンテンツがないという初歩的な課題であり、まず取り組むべき初期KPI。一定の閾値までクリアしておくことがスタート地点と感じます。FAQコンテンツの質そのもの、有益なものかどうかの判断は、利用者に直接聞かないと厳密にはわかりません。内部向けFAQは、同じ社内の人が利用者ですから、直接聞きやすい環境にあるはずです。その点は大事にしましょう。利用者とコミュニケーションを取って意見をFAQにフィードバックできる仕組みづくりが大切です。

ズバリ、おすすめの仕組みづくりはありますか?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

2つあります。まず1つは「定性的、直接的な意見収集」です。たとえば月に一度程度でも、座談会など社内同士のコミュニケーションの場をつくり、意見交換をするのです。社内の意見交換は改善すべき点や不足点が挙がりがちですが、ダメ出しばかりだと運用者の貢献意欲も下がります。「これは役に立った、よかった」というフィードバックもあってよいでしょう。

確かに! よかった点が共有できるといいですね。もう1つは?

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

一定の規模のコンタクトセンターにおいては、「デジタル形式で評価やコメント収集を行う方法」も有効です。たとえば、FAQの記事一つひとつに評価づけやコメントを投稿するなど、意見をフィードバックできる機能を備えたシステムを導入するとよいでしょう。また、利用者に評価づけやコメント投稿を呼びかけたり、利用者から寄せられた意見を社内に公開することも、フィードバックの体制を機能させ、改善を促進する上で大切なことです。

意見を収集するシステムがあっても、何もアウトプットせず働きかけもしなくては、十分なフィードバックは得られないということですね。

Fast_chan_01.pngFastちゃん

113_profile_160_160.jpg早見

そうです。勝手に始まったプロジェクト、取りっぱなしのアンケートなど、一方的な社内メッセージに対しては誰もが「力になろう、もっと使おう、推進しよう」という気持ちにはなれません。システムを社内で活性させるにも、必ずインタラクティブな、双方に届け合うフィードバック、コミュニケーション設計が大事です。「システムは、人と人が関わり合う業務を、円滑に取り持つための道具なだけ」ということを念頭に置いておきましょう。

Fastちゃんインタビューを終えて…

Fast_chan_01.pngFastちゃん

  • 内部向けFAQは、コンタクトセンターの業務遂行におけるインフラとして必要不可欠なシステム!
  • 内部向けFAQが使われるようにするには、利用対象者が内部であっても使い勝手や有益性を配慮するという発想が大事!

  • 内部向けFAQが有効に機能しているかどうか判断するには、アナログまたはデジタルの方法で、利用者から直接意見をフィードバックできる仕組みをつくることが大切です!

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