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2023/11/07

お客さまの課題を先回りして解決!SNS時代のアクティブサポート

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製品・サービスへの疑問や不満があっても問合わせない顧客(サイレントカスタマー)を放置することは、企業にとって大きな損失となります。その対策の1つとして有効なのが、インタラクティブなSNSを通じて行う「アクティブサポート」です。今回は、アクティブサポートが必要な理由や、実践するにあたって注意すべきポイントを解説します。

アクティブサポートとは?なぜ必要?

アクティブサポートとは、顧客からの問合わせに企業が答えるという従来のカスタマーサポートとは逆に、企業側が顧客の疑問や不満をいち早く発見し、サポートを求められる前に先回りして対応する手法です。主にX(Twitter)・Instagram・FacebookなどのSNS上で行われていて、自社の製品・サービスに対する疑問や不満を発信している顧客に直接アプローチしたり、ポジティブな意見に対してレスポンスを返すなどの方法があります。

SNSはその匿名性ゆえに自らの本音や日々感じたことを投稿しやすく、また日本国内におけるSNSの利用者は国内ネットユーザーの約82%にあたる8270万人と推定されています(※)。そのSNS上でアクティブサポートを行うと、企業に直接届かないサイレントカスタマーの声を拾い上げて疑問や不満を解消し、顧客の離反やネガティブな口コミの拡散を防ぎやすくなります。さらに、能動的なサポートで好印象を与えることによって、自社のファン獲得も期待できます。また、様々な意見を拾い上げることで、顧客のニーズ把握、製品やサービスへのフィードバック、レピュテーションマネジメントにも役立つでしょう。

こうしたアクティブサポートの意義を理解している企業の中には、サポート専用のSNSアカウントを設定しているところもあります。

アクティブサポートの進め方

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アクティブサポートにおいて重要なのは、顧客の声を拾ってから返信するまでに時間をかけることなく、瞬時に行うこと。そのためには、社内での担当者や進め方をしっかり決めておく必要があります。ここではアクティブサポートの進め方で押さえるべきポイントを解説します。


ソーシャルリスニングで現状とニーズを把握する


事前にソーシャルリスニングを行い、SNSやネット上にある一般消費者の声を広くチェックします。集めた意見を分析することで顧客のニーズを把握し、必要なアクティブサポートの内容を検討しやすくなります。


運用体制やルールを構築する


顧客が求めるアクティブサポートがわかったら、その実現を可能とする運用体制の構築へと移ります。この時点で、SNSでの検索キーワード(企業名、製品・サービス名など)、話しかける基準、サポートの対応範囲、顧客との距離感、語尾やトーン&マナーの統一など、明確なルールをつくっておくことも大切です。


実際にアクティブサポートを行う


決められた運用ルールに基づいてSNS上のメッセージを検索し、対象となる顧客にコミュニケーションを取ります。問題を抱える顧客に対しては解決方法を提示し、不満を表明している場合は謝罪の気持ちも伝えましょう。また、良い意見に対してお礼を伝えることも、ロイヤルカスタマーの育成につながるアクティブサポートとして大切です。

アクティブサポートで注意すべきポイント

せっかくアクティブサポートを行っても、顧客の求めているものでなければ意味がありません。中には企業側からのコメントを望まない人もいるので注意が必要です。ちぐはぐな対応にならないために、検索でヒットした投稿だけでなく前後の投稿の流れもチェックし、アクティブサポートに入るタイミングや内容を慎重に検討しましょう。また、的確なアクティブサポートを行うには、製品・サービスについて十分に理解しておくことも不可欠です。

もう1つアクティブサポートで注意すべきなのは、炎上リスクです。SNSでのやり取りは常に公開されていて、軽率な発言や誤った対応は炎上を招くおそれがあるので、正しい情報伝達や丁寧な文面を心がけましょう。とはいえ、無難なメッセージを意識しすぎると、相手にマニュアル対応だと感じさせてしまう可能性もあります。マニュアルやテンプレートに縛られず、顧客一人ひとりの状況に合わせた親身な対応が求められます。そのバランスが取れた文章を作成するには経験が必要なので、練習や研修の機会を積極的に設けましょう。

コンタクトセンターに問合わせてこない顧客の声を直接拾い、疑問や不満を先回りで解決するアクティブサポートは、SNS時代ならではの「攻めのカスタマーサポート」といえます。効果的に実践することで、顧客満足度の向上につなげましょう。

まとめ

  • アクティブサポートとは、顧客の疑問や不満をいち早く発見し、先回りでサポートする手法。サイレントカスタマー対策や自社のファン獲得など、様々な効果が期待できる。
  • アクティブサポートを実践するには、ソーシャルリスニングで現状とニーズを把握した上で、それに見合った対応を行える運用体制やルールを構築することが大切。
  • 顧客が求めるアクティブサポートを実現できるよう、製品・サービスへの理解を深めておくことは不可欠。SNSで炎上を招かない丁寧なメッセージと、マニュアル対応と感じさせない親身な対応をバランスよく両立させたい。

※ICT総研. “2022年度SNS利用動向に関する調査”.ICT総研. 2022-05-17. https://ictr.co.jp/report/20220517-2.html, (参照 2023-07-31)

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