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2022/12/21
【前編】実態調査から考えるロイヤルカスタマー獲得のヒント
企業の経営において大切なのは、景気の変動に左右されず安定した収益を上げていくこと。その成否を大きく左右するのが、「ロイヤルカスタマー」と呼ばれる最上位顧客です。
ロイヤルカスタマーとはどういうお客さまなのか、そしてコンタクトセンターはロイヤルカスタマーの獲得に貢献できるのかについて、前後編の2回にわたって考えていきます。前編となる今回は、テクマトリックスが行った実態調査の結果を通じて、ロイヤルカスタマーについての理解を深めていきましょう。
企業の経営において大切なのは、景気の変動に左右されず安定した収益を上げていくこと。その成否を大きく左右するのが、「ロイヤルカスタマー」と呼ばれる最上位顧客です。
ロイヤルカスタマーとはどういうお客さまなのか、そしてコンタクトセンターはロイヤルカスタマーの獲得に貢献できるのかについて、前後編の2回にわたって考えていきます。前編となる今回は、テクマトリックスが行った実態調査の結果を通じて、ロイヤルカスタマーについての理解を深めていきましょう。
ロイヤルカスタマーとは?企業にとって重要な理由
ロイヤルカスタマーとは、企業あるいは商品・サービスへの信頼や愛着を意味する「顧客ロイヤルティ」が高いお客さまのこと。利用頻度や購買金額の多いお客さまの中でも、特に企業や商品・サービスに対して愛着や思い入れを持ってくれる最上位顧客を指します。商品やサービスを頻繁に購入・利用し企業の売上に貢献する「優良顧客」と属性が似ていますが、優良顧客は信頼や愛着という感情的なロイヤルティが必ずしも高いとは限らず、ほかに気に入った商品やサービスがあれば乗り換える可能性もあります。
「1:5の法則」という会社経営の法則によると、新規顧客の獲得は既存顧客の維持と比べてコストが5倍かかるとされています。モノがなかなか売れない時代である近年は、顧客との長期的・継続的な関係において得られる利益を示すLTV(顧客生涯価値)が重視されていますが、その観点からもロイヤルカスタマーの育成は重要な課題。今後、企業はますます顧客ロイヤルティを高める工夫が求められるでしょう。
実態調査から考察!顧客ロイヤルティを高め、ロイヤルカスタマーを獲得するポイント
ロイヤルカスタマーの存在が企業にとって重要ということはわかりましたが、ではどうすればお客さまから信頼や愛着を獲得し、顧客ロイヤルティを高めることができるのでしょう?
テクマトリックスが2022年7月~8月に18歳から80歳の男女459名を対象に行ったロイヤルカスタマーに関する実態調査(※)の結果から、カスタマーサービスのあり方に注目しながら分析していきましょう。
※調査結果のグラフは画像クリックで拡大します!
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どんなことでロイヤルティを感じる?
「商品・サービスの質」や「企業イメージ」に次いで、「カスタマーサービス(コンタクトセンターや店員、相談窓口のサービス対応)」がランクイン。およそ40%の人(つまり5人中2人)が、カスタマーサービスがよいことがロイヤルティを感じることにつながる、と回答しています。カスタマーサービスの選択率の高さは、プロモーション・ブランドイメージ・口コミなど、一般的に企業(商品・サービス)の印象を左右しそうな項目を上回っており、デジタルや情報社会になってきていると言われる現代においても、顧客接点での応対が顧客ロイヤルティに大きな影響を与えていることが改めて明らかになりました。
この結果から、お客さまから信頼や愛着を得るには、まず商品・サービスの質や利便性を高めた上で、店員や相談窓口の対応などカスタマーサービスの品質向上に努めることが有効と言えるでしょう。 -
ロイヤルティを感じている企業から離れる原因は?
「質が低下する」に次いで、なんと「カスタマーサービス(問合わせ対応)が不親切」が2位にランクイン。せっかく商品・サービスを気に入って長く使い続けてくれているロイヤルカスタマーでも、カスタマーサービスが不親切なことが原因で離れてしまうリスクはこんなにも高い(半数に迫る勢い!)のです。
商品・サービスの質もカスタマーサービス(問合わせ対応)も、①でロイヤルティを感じる要素として上位に挙がっていた項目。この結果から、信頼や愛着を得た要因で逆に失望させてしまうと、ロイヤルカスタマーの離反を招くおそれが高まることがよくわかります。 -
顧客ロイヤルティがあるとどんな行動を取る?
「気に入った商品・サービスを繰り返し利用する」が圧倒的な1位で、全世代合計(全体)のおよそ8割の人が選択。この結果から改めて、「顧客ロイヤルティがある=継続的な購入・利用が見込める」ということ、そしてロイヤルカスタマーが簡単に他社の商品やサービスへ乗り換えることがなく(「競合他社の商品・サービスを利用しない」と回答した人がなんと14.8%もいました!)、企業にとって安定した収益につながる重要な存在であることがよくわかります。
一方、ミレニアル世代/Z世代(1981年~2000年の生まれ)に特に顕著だったのが、他者へのレコメンド。3人に1人が、友人・家族や知らない人(SNSなどでの発信含む)を問わず、自分がロイヤルティを感じる商品・サービスをおすすめするために好意的な口コミをする割合が非常に高い(ミレニアル世代/Z世代はSNS口コミ:27.3%・知人へのおすすめ:43.9%に対して、それより上の世代はSNS口コミ:11.7%・知人へのおすすめ:40.6%)ことが明らかとなりました。こうした宣伝効果も、顧客ロイヤルティを高めることで得られる副次的な効果と言えます。
実態調査 というお客さま(一般消費者)の生の声を分析することで、企業にとってロイヤルカスタマーを増やす意義を改めて理解し、また顧客ロイヤルティを獲得し、さらに高めていくためのヒントがつかめたのではないでしょうか?
後編では、今回のポイントを踏まえて、ロイヤルカスタマーを育てるためにコンタクトセンターが実践すべきことを紹介します。(新規ブログ記事の公開のお知らせがほしい方はこちらから是非ご登録を。)
まとめ
- ロイヤルカスタマーとは、利用頻度や購買金額が多く、なおかつ企業や商品・サービスへの信頼や愛着が高いお客さまのこと。優良顧客と比べて他社の商品やサービスへ乗り換える可能性が低く、企業が大切に扱うべき最上位顧客である。
- ロイヤルカスタマーの条件である信頼や愛着をお客さまが抱くには、商品はもちろんカスタマーサービスの質も高め、お客さまが満足できるCXを提供することが大切。
- 商品やサービスを継続的に利用し続けてくれるロイヤルカスタマーは、売上への貢献度が高い。また、好意的な口コミの発信によって、新規のお客さま獲得の宣伝効果も期待できる。
※テクマトリックス株式会社によるアンケート概要
【アンケート名称】企業への問合わせに関する意識調査(2022年7月~8月)
【実施期間】2022年7月22日(金)~8月1日(月)
【実施方法】Web
【有効回答者数】653名
【有効回答者数】459名
<3つの世代グループ>※下記の年齢は、2022年に誕生日を迎えた歳とします。
沈黙の世代/ベビーブーマー世代(1964年以前の生まれ):58歳~
X世代(1965年~1980年の生まれ):42歳~57歳
ミレニアル世代/Z世代(1981年~2000年の生まれ):22歳~41歳
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