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ちょっと一息

2023/09/06

"怒り"と上手に付き合うために実践したい「アンガーマネジメント」とは?

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日々の仕事や日常生活の中で、つい焦ってイライラしたり、怒りで気分が落ち着かなくなったりすることは誰にでもあるのではないでしょうか。そのような時に役立つのが、自分を理解して怒りをコントロールするアンガーマネジメントです。今回は、怒りが生まれる原因と及ぼす影響に触れつつ、アンガーマネジメントによって怒りの感情と上手に付き合う方法についてご紹介します。

怒りの原因、及ぼす影響

怒りは、喜怒哀楽という言葉にも含まれるように、すべての人が持っている当たり前の感情です。怒りが発生する主な原因の一つとして挙げられるのが、自分が持っている価値観や信念が裏切られたという失望感。そのため、人によって怒りのポイントが異なるのはもちろん、同じ人でもその時々の機嫌の良し悪しによって、怒りが発生する場合とそうでない場合があります。
怒りの感情は、例えばそれを言動に移すことによって人を傷つけてしまったり、怒ったことを後悔することで自分を責めてしまったり、周囲の人を怖がらせることで人間関係をぎくしゃくさせてしまったりするなど、さまざまなデメリットがあります。
しかしその一方で、怒りの感情が努力の原動力となるケースや、怒ることで自身の真剣さが伝わり周囲の言動をより良い方向に導くことができるなど、ネガティブな要素だけではなく、怒りがポジティブに働くケースも少なくありません

怒りをコントロールする“アンガーマネジメント”とは?

誰もが持つ感情の一つであり、またポジティブな要素とネガティブな要素のそれぞれを持つ怒りだからこそ、単に押さえつけるのではなく、上手く付き合いながらコントロールしていくことが大切になります

そうして近年注目を集めているのが、アンガーマネジメントという考え方です。このアンガーマネジメントは、元々は1970年代のアメリカで、軽犯罪者の厚生プログラムとして普及しました。
例えば、会社で怒られた男性が家に帰ってきて、妻にその怒りをぶつける。すると妻は大きな理由もなく怒られたことで怒りの感情が芽生え、その怒りを子どもにぶつけてしまうかもしれません。すると今度は、怒られた子供が兄弟や友達に怒りをぶつけてしまうこともあるでしょう。コントロールされていない怒りの感情は、知らず知らずのうちに大きな負の連鎖を生むこともあります。しかし、アンガーマネジメントを身に付けられれば、こうした負の連鎖を断ち切ることができるようになります。
アンガーマネジメントにおいて注意をはらうべき怒りは4つあります。

・強度が強い怒り(小さなことでも激高する、一度怒ると非常に強く怒る)
・持続性がある(根に持つ、思い出し怒りをする)
・頻度が高い(イライラする、カチンとくることが多い)
・攻撃性がある(人や自分、モノを傷つける)

これら4つの怒りを抑えつつ、自分と相手にとって、長期的かつ健康的であるかどうかを考えた上で、怒りを出すべきかを判断することが、アンガーマネジメントの本質なのです。
ここで勘違いしてはいけないのが、アンガーマネジメントは「怒るべきところで怒らないこと」ではないという点です。仕事のシーンで置き換えると、部下が当たり前のように遅刻をしてきた時、同僚が粗暴な言動をした時など、怒らないことで社会のルールを逸脱するような行為を助長してしまう可能性のある我慢は必要ありません。

“アンガーマネジメント”で怒りをコントロールする

怒りをコントロールするアンガーマネジメントですが、ここからはそれを実践するための具体的な方法について見ていきましょう。アンガーマネジメントの方法は、大きく3つのステップに分かれます。

  • 衝動のコントロール

    怒りの感情が芽生えた時は、その感情をすぐに言動に移さず、6秒間待つようにしましょう。考えなしに動かないことが大切です。6秒とは、人の理性が働くまでにかかる時間と言われています。衝動的に怒らず、正しい判断をするために必要な時間で、これは「6秒ルール」とも言われる、代表的なアンガーマネジメントの手法です。

  • 思考のコントロール

    衝動をコントロールできたら、今度はその怒りの原因が「許せる」「まぁ許せる」「許せない」のどれに合致するのかを線引きしていきましょう。例えば相手が遅刻してきた場合、寝坊をして遅刻したのは「許せない」かもしれませんが、電車の遅延で遅刻したのは「許せる」など、相手の状況や背景によってその判断は変わるものです。そこで「許せる」「まぁ許せる」と思えれば、怒りとして表現する必要はありません

  • 行動のコントロール

    思考のコントロールによって「許せない」と判断(怒る選択)した後は、行動のコントロールを行います。ここでは、その怒りの原因を「変えられることで重要」「変えられることで重要ではない」「変えられないことで重要」「変えられないことで重要ではない」の4つに分類しましょう

「変えられないこと」に関しては、重要な場合は、その出来事を受け入れた後で、現実的な選択をしますが、重要でない場合には手放してしまうようにしてください。例えば運転中の交通渋滞など、自分ではどうしようもないことに対して意識を向け続けても意味はなく、イライラした負の感情が積もるだけです。そんな時は、好きな音楽を聴いたりして気分を変えるようにしましょう。
そして「変えられる」ことに関しては、自身の行動に移していくようにします。重要なものであれば相手に直接伝えたり、重要でないものならば全体発表の場でそれとなく伝えたりなど、必要なアクションを考えていきましょう。
最近ではアンガーマネジメント研修を積極的に実施して、社員に学ばせようと考える企業も多くなっています。

ちょっと一息のコワザ

アンガーマネジメントの具体的なステップがあるとはいえ、怒りの感情をうまくコントロールしていくのは、なかなか簡単ではありません。ここでは、怒りのコントロールに役立つテクニックをいくつかご紹介します。

  • スケールテクニック

    自分の怒りの強さを10段階に分け、現在感じている怒りをスコアリングします。過去最大に怒りを感じた瞬間を10として、現在の怒りの点数がいくつぐらいに相当するのかを判断するようにすれば、感情をコントロールしやすくなります。

  • 自分の怒りのバロメータを知る

    寝不足の時や空腹の時など、怒りを感じやすい状況は人によって異なります。自分はどのような時に怒りを感じやすいのかを改めて分析し、その状況にならないように事前に対策するようにしましょう。

  • その場から逃げる

    怒りを感じた時は、すぐにその場を離れてしまうのも効果的です。6秒ルールというものがあるように、時間を置くことで怒りが静まるケースは多いものです。その場を離れても大丈夫な場合はすぐに逃げてしまうのが、一番効果的な怒りの対処法といえるかもしれません。

まとめ

  • アンガーマネジメントは怒りを抑えつけるのではなく、怒りを上手にコントロールすることで、自分や相手の長期的な幸せを目指す考え方。
  • 怒りは誰しもが持っている感情で、悪いものではありません。しっかりと向き合って活用していくことが大切です。

<監修>
庄野 晴美(株式会社COCOHARELISS 代表取締役)
(紹介文)
2020年 NLPマスタープラクティショナー、NLPコーチ
2023年 日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントファシリテーター、アンガーマネジメントティーンインストラクター、アンガーマネジメントキッズインストラクター、アンガーマネジメントコンサルタント、アンガーマネジメント叱り方トレーナー
2023年 自己肯定感アカデミー認定講師としてセミナーを開催
企業研修、管理者セミナーなど「アンガーマネジメント」を開催
「企業まるごとコーチング」会社全体のカウンセリング・コーチングによりサポートしている
心理カウンセラー・メンタルコーチとして、個人のカウンセリング・コーチング
カウンセリングHP  https://cocohareliss.com/
コーチングHP  https://cocohareliss.net/
<参考文献>日本アンガーマネジメント協会代表理事 安藤俊介、「怒り」を上手にコントロールする技術 アンガーマネジメント実践講座

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