FastSeries ブログ
2023/08/24
Fastちゃんがズバリ聞く。教えて!早見さん!FAQ活用で知っておくべきこと 【第3回】FAQシステム外部公開で大事なコトって?
一般のお客さま向けあるいは社内で使用するためのFAQシステムを導入したいけど、何から始めていいかわからない。あるいは、すでに導入したものの、これからどのように活用すればいいかわからない…。そんなお困りの方たちへの道しるべとなる知識を、FAQシステム活用・ナレッジ管理のスペシャリストである早見拓也さんにインタビューする全4回シリーズ。
第3回のテーマは「FAQシステム外部公開で大事なコト」です。一般のお客さまが利用するFAQシステムの構築・運用にあたっての課題や押さえるべきポイントについて、FastSeriesの宣伝マン(見習い中)、Fastちゃんがインタビューしました。
-
CRMソリューション事業部 ナレッジソリューション推進室
早見 拓也さん
-
大手コールセンターアウトソーサーでの応対品質調査、サービス開発を経験。その後FAQソリューションベンダーにてシステム導入支援、カスタマーサクセスに従事。現在テクマトリックス株式会社にて現職。ナレッジシステムの導入提案を行う傍ら、ナレッジマネジメントの伝道師として各種セミナー講師の活動も行う 。
-
FastSeriesの宣伝マン(見習い中)
Fastちゃん
-
2020年10月よりFastSeriesの新宣伝マン(見習い)に就任。一人前の宣伝マンを目指し、FastSeriesについて日々勉強中。
人の話を聞くのが大好きで好奇心旺盛で真面目な性格だが、ちょっぴりせっかち。質問時の口癖は「ズバリ〇〇ですか?」。好きな食べ物は餃子。
知っておきたいお客さま向けFAQサイトの実態
早速ですが、一般のお客さま向けFAQシステムの理想形をズバリ教えてください!
Fastちゃん
早見
Fastちゃん、ちょっと待って。その前にひとつ聞いてみたいのだけど、Fastちゃんは商品やサービスについて困ったり、わからないことがあったら、まずどうする?
えっと…スマホで、Googleとかで検索して調べてみるかな?
Fastちゃん
早見
そうだよね。まずは手元のスマートフォンを使って外部の検索エンジンで調べ、検索結果から閲覧するのは上位に表示された数点のWebページ程度。その閲覧するページも、企業サイトか、メディアの記事か、個人ブログやまとめサイトか、正誤の判断はするけど多くの人はその出自まで気にしていません。
企業サイトにアクセスして企業情報を見て、そこから「よくある質問」ページで調べようとする人はむしろ少数派です。
Fastちゃんが質問した理想形の答えは、いち消費者・生活者として実は自分で理解しているんだ。しかし企業側の意識は、そうした実態に疎い傾向があります。
会社内などで使うFAQシステムとはずいぶん違うということですね。
Fastちゃん
早見
そうです。利用ユーザーが社内である業務向けシステムでは、役立つ情報を得ることさえできれば、「仕事だから」と探す手間をある程度不問にされます。
しかし一般のお客さまとして情報を得る場合、「3クリックルール」といった考え方のように、3回クリックする程度の簡単さで完結しないと「情報を探すという顧客体験」自体が成立しにくいのです。
3回! 確かに、情報がすぐ見つからないと「面倒くさいからもういいや」とあきらめるかも…。お客さまが「面倒くさい」と感じがちなポイントはありますか?
Fastちゃん
早見
FAQの記事自体の見にくさや読みにくさも影響します。サイトデザインの第一人者ヤコブ・ニールセン博士のアイトラッキング調査(※)などによれば、Webページ上のテキストは、ごく一部分しか見られていないこともわかっています。つまり、文字情報が多すぎると読まれもしません。しかも昨今は「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉があるように、よくも悪くも手早く情報を得ようとする動きが加速しています。
FAQを提供する企業側は、そうしたニーズに応えるために何をすればいいですか?
Fastちゃん
早見
情報を得るための3ステップ「探して・見つけて・理解する」を、お客さまがスムーズに行える環境を整えることです。FAQシステムの利活用も、お客さまの目線、つまりユーザー視点で設計・運用することが大事なのです。
「使われるFAQサイト」をつくるにはどうすればいい?
なるほど。では、そうしたお客さまのニーズや実態を踏まえて、「使われるFAQサイト」をどうしたら実現できるか、ズバリ教えてください!
Fastちゃん
早見
先ほどの「探して・見つけて・理解する」に対応する3つのポイントがあります。
1つ目は「モバイルファースト」。
つまり、スマートフォン上で使いやすいFAQサイトをつくることです。企業側はパソコン上の見た目だけを配慮しがちですが、スマートフォンで見るとサイトレイアウトや文章構成が崩れることもありますし、小さな画面に表示されたFAQサイトで検索窓をタップしキーワードを入力するのは、実はとても面倒。他にもカテゴリ構成、アイコンのデザインなど、スマートフォン向けのUIを意識することが大事です。
確かに! では2つ目のポイントは?
Fastちゃん
早見
2つ目は「SEO対策」。企業サイトにアクセスせず、検索エンジンなどで調べるお客さまに対してSEO対策は必須です。ここで必要なのは直リンクです。各記事ページにSEOタグを埋め込み、検索エンジンで発見・遷移できるようにしておかないとアクセスを損ねます。とはいえ、コンテンツごとに手作業でタグを埋め込むのは運用上非現実的なので、弊社が提供しているFastAnswer2のようなSEO自動対応を備えたFAQシステムの導入がおすすめです。
「探して・見つけて」のポイントを教えていただきましたが、3つ目の「理解する」のポイントは?
Fastちゃん
早見
3つ目は「FAQ記事の中身・書き方・構成」です。先ほど紹介したアイトラッキング調査でも、1つの記事内で読まれるテキストは全体の20%程度という結果が出ています。少ない文量で要件を伝えきれるような工夫が必須です。ラブレターだって何千文字も熱意をもって書かれても、読む気がしないどころか気味が悪くなりかねませんよね(笑)。
冷静と情熱の間のバランス! 適正な文字数はあるのですか?
Fastちゃん
早見
スマートフォン画面のファーストビューに収まる範囲で、数百文字~1000文字程度。理想論ですが、これが1記事あたりの1つのしきい値です。お客さまが読み込む限界は2000文字程度ですが、その文量に収めるには相当に要約する必要があります。
洋画の字幕は瞬間的にシーンを読み取れるよう、1発話ごとの文字数は12~3文字がマックスとされていますが、タイパが重視される現代はこうした「要約」の上手いコンテンツが好まれます。文章の構成でも「結論ファースト(結論を先にもってくること)」といった工夫で「要は何を伝えたいのか」をまとめることも大事です。
伝えたいことをしっかり書こうとすると、文章は長くなりますよね…。説明すべきことを盛り込みつつ、文字数を抑えるコツはありますか?
Fastちゃん
早見
イラストや表組など、画像でのコンテンツもいいでしょう。画像は説明力や視線誘導力が高く、要件に叶えば積極的に取り入れたいですが、補足文など画像の周囲にある重要な文章を読み落とす可能性があるので要注意です。画像とテキストそれぞれの順序や配置には留意しましょう。
動画も強力な説明ツールになりますが、動画利用は不向きなケースも多いので気をつけましょう。たとえば一次解決やトラブルシューティングでは、長尺の動画は好まれません。また、再生中は人の動きを拘束するため「ながら見」を行うシチュエーションには動画は不向きですし、順序だてて行う説明は文章の方が適しています。料理の映像を見ながら料理を作るのは至難の業ですよね。そういうことです。
文字が読まれないからといって、やみくもに画像や動画にすればいいというわけではないんですね…
Fastちゃん
早見
そうですね。大事なのはメディアごとの向き不向き、お客さまの目線、ユーザー視点で利便性の有無を判断することです。すべて道具の1つであり、道具を使用することが目的にならないように気をつけましょう。
他に活用できるメディアや要素はありますか?
Fastちゃん
早見
ありますよ。ドキュメントファイルやマニュアルなど、FAQから添付物に誘導して説明するケースがあります。ただ、FAQ記事から別データや別リンクに遷移したり、ダウンロードを強要されること自体はお客さまにとってストレスになりやすいです。
極力“たらい回し”にならないよう、リンクの扱い、ドキュメントファイル内のキーワード検索の提供など、目的情報へアクセスしやすい配慮や設計も大事ですね。
たらい回しと言えば、FAQサイトでの根本解決が難しいケースもサポート業務において多々あります。そうした場合の多くは電話窓口やショップ来店へ誘導することになりますが、FAQサイトを一次対応口と定めるならば、根本解決に至らずともお客さまのためになる情報提供や創意工夫の余地がないか見定めることも、顧客体験の向上につながると思います。
たとえば、契約変更などショップでしか対応できないケースでの来店誘導は当然の対応ですが、来店時に必要になる書類情報はFAQで提供可能なはず。お客さまの書類不備や不要な再来店をその時点で回避できるかもしれません。
「使われるFAQサイト」を運用するポイントするには?
「使われるFAQサイト」をつくるために運用者が押さえるべきポイントは何ですか?
Fastちゃん
早見
社内活動や運用検討でのポイントについて何点かまとめてみましょう。まずは「探して・見つけて」の視点からです。
多くの企業では自社のWebサイト運用について、広報、マーケティング、サポートなど複数部門が担っていると思います。しかしお客さまから見える情報はあくまで、いち企業のサイトです。運用部門をまたぐことで情報の齟齬やスタンスの違いは生むべきではありません。
企業サイトの中でのFAQサイトの立ち位置や重要度など、可能な限り社内の合意形成を進めておくとよいと思います。得てしてサポート情報よりもセールスプロモーションやサービス訴求が優先される企業サイトが多いのですが、「顧客体験としてFAQサイトは重要」とお客さまに感じてもらうために、まず自社としてどうしたいのかまとめる活動があるべきですね。
確かに! とても重要なテーマですね。次の視点は?
Fastちゃん
早見
では続いて「理解する」の視点から。理解できるFAQコンテンツをお客さまに提供する土台としてQC(クオリティコントロール)は大事です。品質管理の基本はバラつきを是正すること、つまりルールづくりと平準化です。運用スタッフ間で一定のルールをつくり、共通見解を押さえておきましょう。
FAQ作成におけるルールは、レイアウト(表組の取り扱いや文節の規定など)ルールとライティング(書き方、言葉選びなど)ルールに大別されますが、よいルールの基本は「誰でも順守でき、誰でも理解に誤差を生まないこと」です。
明文化できる定量的なルールがよいでしょう。「1記事あたりの文字数はLENカウントで1000文字以下」「1行あたりの文字数は20文字まで」「3行ごとに改行する」「ナンバリングはアラビア数字のみ」などが一例です。
一方、ルールだらけで作成が滞るようになっては本末転倒です。とはいえ自由がよいわけでもありません。「形無しと型破り」は違います。どの程度の粒度が適切かのバランスは企業各々で異なりますが、作成者の裁量も尊重するためにも一定の基準は示しましょう。
では最後に、運用者がFAQシステムを選ぶにあたって大事な視点はありますか?
Fastちゃん
早見
お客さま向けFAQサイトに叶う機能の有無や確認は当然ですが、FAQシステムは機能のコモディティ化(当たり前化)が進んだ市場なので、比較サイトの星取り表では各システムの違いを見分けにくいのも事実です。
そこで重要なポイントは「運用者起点」です。現場の運用スタッフにとっても使いやすく細やかな設定ができるシステムであるか見てみてください。また、可能な限りシステム検討の際は現場の方たちで試用をすることもおすすめです。
Fastちゃんインタビューを終えて…
Fastちゃん
- お客さまが疑問を調べるプロセスはスマートフォンの利用が進んでいて、検索エンジンからの直リンクが一般的。さらに「タイパ」が重要になっている。こうした実態を踏まえてFAQサイトを運用することが必要!
-
「使われるFAQサイト」を実現するには、「探して・見つけて・理解する」という3ステップごとに、お客さま目線でサイト設計やコンテンツ検討を勧めることが重要!
- FAQサイトの運用は社内の関連部署との間で連携やコミュニケーションを取ることも大事。さらに運用スタッフの間でも共通のルールづくりや意識合わせをしておくこと! システム選びにも運用スタッフを巻き込むとよい。
※Kara Pernice. “F-Shaped Pattern of Reading on the Web: Misunderstood, But Still Relevant (Even on Mobile)”.NN/g Nielsen Norman Group. 2017-11-27. https://u-site.jp/alertbox/20060417_reading_pattern, (参照 2023-06-01)
人気記事ランキング
おすすめ記事
-
- 電話
- 03-4405-7836
(平日10時~17時)
-
- フォーム・メール
- 各種お問合わせは
こちらからお気軽にどうぞ
-
- よくあるご質問