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2023/01/24
コンタクトセンターの心理的安全性を高めるテクノロジーとは
企業で従業員一人ひとりが自分らしく働き、その効果で組織の力を高めていくためのキーワードとして、近年「心理的安全性(サイコロジカルセーフティ)」という言葉が注目されています。
今回は、SVやセンター長などオペレーターをマネジメントする立場の方に向けて、コンタクトセンターで心理的安全性を確保するメリットを考察しながら、心理的安全性を高めるために活用できるテクノロジーについて解説します。
企業で従業員一人ひとりが自分らしく働き、その効果で組織の力を高めていくためのキーワードとして、近年「心理的安全性(サイコロジカルセーフティ)」という言葉が注目されています。
今回は、SVやセンター長などオペレーターをマネジメントする立場の方に向けて、コンタクトセンターで心理的安全性を確保するメリットを考察しながら、心理的安全性を高めるために活用できるテクノロジーについて解説します。
心理的安全性とは?その効果は?
心理的安全性(サイコロジカルセーフティ)とは、ハーバード大学のエイミー・エドモンソン教授が提唱した概念。「対人関係においてリスクのある行動をしてもこのチームでは安全である」という考えがチームメンバーによって共有され、自分の意見を発言しても他人から拒絶されることや、ミスをしても非難される心配がない状態を指します。
心理的安全性が注目されるようになったのは、2015年にGoogle社が「企業の生産性を高める方法」としてこれを発表したことがきっかけです。Google社は社内のチームを対象に調査を実施し、その結果から「心理的安全性の高いチームのメンバーは、自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地がある」と心理的安全性がもたらす影響を分析。また、心理的安全性の高いチームのメンバーは離職率が低く、他のメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用するなど、チームのパフォーマンスが向上するという特徴が見られたそうです(※)。
コンタクトセンターでも心理的安全性は重要!
お客さまとの応対が主業務のコンタクトセンターでも、SVとオペレーターやオペレーター同士の間で、業務報告や情報共有のためにコミュニケーションをとる必要が生じます。その際に心理的安全性が確保されていないと、たとえばオペレーターがトラブルにつながる問題を起こしても、怒られることを恐れてSVへの報告が滞るかもしれません。逆に、心理的安全性が確保されていれば、問題の報告や業務改善につながる情報の共有がスムーズになり、センター全体の生産性向上が期待できます。
では、コンタクトセンターで心理的安全性を確保するにはどうすればよいか。
まずは、SVとオペレーターの1on1ミーティングを定期的にセッティングしたり、オペレーター同士が気軽に雑談できる場所や機会を設けるなど、思っていることを言いやすい風通しのよい環境を普段からつくることが第一です。また、困っているメンバーがいたらすぐに声をかけたり率先して助け合うことを通じて、わからないことやできないことがあっても大丈夫(怒られたり責められない)と思える関係性を築くことも大切です。
テクノロジーを活用すれば心理的安全性はさらに高められる
お客さまからクレームを受けたりカスタマーハラスメントに発展しそうになっても、SVがすぐに把握できる体制が整っているとオペレーターに安心感を与えることが可能です。そうした「見守り」の要素をもつ次のようなテクノロジーを活用することで、コンタクトセンター内での心理的安全性はより高めやすくなります。
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CTIシステムのモニタリング・ウィスパリング機能
SVがお客さまとオペレーターとの通話を聞き、オペレーターだけに聞こえるよう指示を送ることができ、応対業務で困っている時でも寄り添うようにサポートし安心感を与えられます。
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チャットツール(センター内チャット)
センター内のコミュニケーション手段としてチャットを導入すれば、オペレーターが電話中で声を出せない状況でもSVに質問や相談を行うことが可能です。また、手上げしなくても気軽にSVに呼びかけ、必要な判断や指示を迅速に仰ぎやすくなります。
普段から顧客情報管理で利用しているCRMシステムにチャット機能が内包、あるいは別画面をわざわざ立ち上げなくてもセンター内チャットが利用・確認できるUIになっているとより便利です。 -
音声認識システム
NGワードや特定キーワードを含む通話を抽出する機能を活用すれば、大規模なコンタクトセンターでもSVが効率よく応対チェックとサポートを行いやすくなります。炎上やカスタマーハラスメントにつながるようなワードを検出した場合、速やかに対応できるような「見守り」の機能としても活用できるでしょう。
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バーチャルコンタクトセンター
コンタクトセンターの在宅化によってメンバー間のコミュニケーションが希薄になると、孤立感を抱きやすくなります。そんな場合に効果を期待できるのが、技術や再現性の発展がめざましいメタバースやVRです。仮想空間に出社して互いに声かけできるバーチャルオフィスツールや、勤務状況を把握できるシートマップを活用すれば、離れた場所で働いていても一体感を感じられるバーチャルコンタクトセンターの構築が可能です。
テクノロジーを導入してメンバー間のコミュニケーションを活発化することは、コンタクトセンターでの心理的安全性を確保する一助となります。
また、人が人にしかできない高度な業務に集中できるよう、システム(テクノロジー)がサポートすることも、心理的安全性を高めるひとつの方法です。そうしたテクノロジーのメリットを最大限に活かし、誰もが安心して自分らしさを発揮できる環境づくりを目指しましょう。
まとめ
- 心理的安全性とは、チームにおいて周囲から否定や拒絶される心配をせずに、自分の意見を発信できる状態のこと。心理的安全性が確保されることで、チーム内での情報共有や意見交換が活発になり、生産性向上が期待できる。
- コンタクトセンターにおいても、メンバー間でのコミュニケーションを円滑に行えるよう、心理的安全性の確保は大切。そのためには、思っていることを言いやすい環境づくりと関係性の構築が求められる。
- 「見守り」として活用できるテクノロジーを使うことでオペレーターに安心感を与え、よりセンター内での心理的安全性を高めやすくなる。
※出典:Google re:Work.“「効果的なチームとは何か」を知る”. Google re:work. https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/ (参照 2022-12-16)
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