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2021/12/23
在宅時のマネジメントに役立つ
リモートコミュニケーションのルールづくり
スタッフが在宅で勤務する「コンタクトセンターの在宅化」にあたって、在宅勤務時のルール作りが不十分なまま在宅化を進めてしまうと、オペレーターとSVとの連携がうまく機能しないケースも。
本記事ではコンタクトセンターのSVなどオペレーターを管理するリーダーの方たちに向けて、在宅勤務におけるオペレーターのマネジメントとコミュニケーションを緻密に行うためのルールづくりのポイントを紹介します。
コンタクトセンターの在宅化におけるマネジメントの課題
コロナショックにより急速にコンタクトセンターの在宅化を行い、一部、あるいは全部を現在も在宅化したまま、というコンタクトセンターも多いのではないでしょうか。
在宅でのコンタクトセンター運営をスタートしてから時間が経過すると共に、SVにとっての課題となりつつあるのが離れた場所にいるオペレーターのマネジメントです。通常のセンターと同じレベルで管理することが難しく、お客さまからのお問合わせ対応中に急なトラブルが起きても適切なタイミングでフォローしづらくなったり、そもそもオペレーターの働きぶりや意欲を把握することが難しいのではないのでしょうか。
一方のオペレーターにとっても在宅勤務だとSVへのちょっとした相談などコミュニケーションを取るタイミングがつかみづらく、応対業務に支障をきたすおそれもあります。このような状況が続くと、お客さまの課題解決ができないなどコンタクトセンターでの応対品質を維持できず、顧客満足度を下げてしまう可能性があります。
さらに、SVとのコミュニケーション不足に陥りやすい状態が続くと、オペレーターが「困った時にすぐ相談できる人がそばにいなくて不安」「これまで当たり前にできていたことを、家でもちゃんとできるか心配」といった悩みやストレスを抱えやすくなり、モチベーションの低下なども懸念されます。オペレーターの働きぶりを間近で見ることができず、そうした離職につながりかねない異変を察知しづらい点も、人材確保が難しい昨今のコンタクトセンターのリスクとして考慮すべきでしょう。
在宅勤務時のコミュニケーションルールを決める
コンタクトセンターの在宅化によって生じるマネジメントの課題を解決するには、SVとオペレーター間の情報共有・連絡に関する基本ルールをあらかじめ決めておくことが重要です。主なポイントは次のとおり。
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基本的な連絡手段は「テキストチャット」に
オペレーターとの基本的な連絡手段は、比較的リアルタイムのやり取りが可能なテキストチャットにしましょう。1対1の通話が基本の電話と違って、チャットであれば1人以上とのやり取りが可能で、常時複数人の状況を見ながらフォローしなければいけないSVとの連絡手段として適しています。また、テキストは目に見えるログが残り、連絡事項を後で見返すことができる点においても有効です。
ただし、テキストによるコミュニケーションは表現が曖昧だと内容を誤って解釈するおそれもあるので、より丁寧な表現を心がけましょう。また、利用するツールは、ITリテラシーの差で使いこなせない人が出ないよう、誰もが使いやすいシンプルで簡単なものを選ぶことが大切です。 -
複雑な対応時だけ、電話やビデオで「通話」を
テキストによるやり取りだけでは十分かつスピーディに説明できないような相談内容は、電話やビデオ通話の方が適しています。特にエスカレーション対応はチャットのみで状況を伝えるのが難しい場合があるので、お客さまの時間の都合を確認したうえで一度終話し、SVと電話で相談してからオペレーターがコールバックするという二次対応の体制も構築しましょう。
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連絡可能な「時間」をあらかじめ決め、共有しておく
相手の様子が見えない在宅勤務だと、オペレーターがSVに質問や相談をしたくても「今、連絡しても大丈夫か」と状況を計りかねることがあります。
「お客さまと終話して折り返し、としたお問合わせに関する相談は、毎日〇時~〇時の間に通話で相談可」というルールをあらかじめ設定したり、SVがチャットのステータス機能を活用して応対可能な時間帯を示したり、「応対時間外でも緊急の場合は連絡可」といった特例的な連絡ルールも決めておくとよいでしょう。
大切なのは、全員が時間のルールを共有しておくことです。
在宅勤務でもコミュニケーションを活性化するコツ
在宅勤務によって顔を合わせなくなると、コミュニケーション不足や人間関係の希薄化などが懸念されます。また、何でもない雑談を他人とする機会がないと、勤務中に生じる悩みやストレスを解消しづらくなります。そうした課題を解決する手段として、次のような形でコミュニケーションの活性化を図るとよいでしょう。
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オンラインで定期的に顔を合わせながら話をする
SVとオペレーターがお互いに顔を合わせてコミュニケーションできるよう、ビデオ通話を活用しましょう。例えば、チーム全体でコミュニケーションを取るなら、毎朝15分程度の朝礼や雑談目的のコーヒーブレイクタイムをWeb会議ツールで行うのが効果的。実際に、オンライン朝礼で業務連絡だけでなくカジュアルな話題を交えたり、休憩時間にコーヒーブレイクタイムを取り入れることで、スタッフ同士でざっくばらんに話せる関係性づくりに役立てた企業もあるそうです。
オペレーターとの個別オンライン面談も週1~2回程度、定期的に実施しましょう。話すべき議題がない時でも数分雑談するようにすれば、わざわざチャットで連絡しづらい内容も話しやすくなり、さらにはオペレーターからSVへ連絡する心理的ハードルが下がることも期待できます。 -
チャットでの声かけは定期的に行う
SVがセンター内の様子をうかがうラウンドは、在宅勤務だと物理的に不可能。その代わりに、オペレーターにチャットで「困ってることはない?」「大丈夫?」などの声かけを積極的に行うようにしましょう。
しっかり見守られているという安心感をオペレーターに与えるだけでなく、SVとコミュニケーションしやすい関係性を築くことができ、お客さまとのトラブルがあっても早急な対応が可能になります。
コンタクトセンターの在宅化が進むと、対面での対話や情報共有が容易な従来型コンタクトセンターよりもスタッフ間のコミュニケーション不全が発生しやすくなります。在宅勤務でもオペレーターの業務状況の把握や支援・指導を円滑に行えるよう、オンラインでもコミュニケーションを取りやすいルールづくりを構築しましょう。
まとめ
- コンタクトセンターの在宅化で、オペレーターのマネジメントが課題に。改善しなければ、応対品質の低下や離職率アップにつながってしまう
- 在宅時のコミュニケーション基本ルールをあらかじめ決めて共有することが大切。「テキストチャット」を基本に、複雑な相談時には「通話」を。
- さらにコミュニケーションを活性化するために、定期的にオンラインで対面・雑談する機会を設けたり、チャットでの声かけを行うことも有効。
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