FastSeries ブログ
2020/10/14
開発者・岩元に聞いた、
FastSeriesのこれまでとこれから。(前編)
FastSeriesのなかでも誕生が最もはやいコンタクトセンターCRMシステム「FastHelp5」の初版である「FastHelp Enterprise」は、1996年にテクマトリックス株式会社(当時の社名はニチメンデータシステム株式会社)初の自社開発アプリケーションパッケージ製品として世に出ました。
その開発のきっかけや、初版発売後のヒストリーにはたくさんの裏話が!今回はFastSeriesがどのように生まれ、成長してきたのか、初版開発を企画したCRMソリューション事業部 副事業部長の岩元に、FastSeriesの宣伝マン(見習い中)、Fastちゃんがインタビューしました!
FastSeriesのなかでも誕生が最もはやいコンタクトセンターCRMシステム「FastHelp5」の初版である「FastHelp Enterprise」は、1996年にテクマトリックス株式会社(当時の社名はニチメンデータシステム株式会社)初の自社開発アプリケーションパッケージ製品として世に出ました。
その開発のきっかけや、初版発売後のヒストリーにはたくさんの裏話が!今回はFastSeriesがどのように生まれ、成長してきたのか、初版開発を企画したCRMソリューション事業部 副事業部長の岩元に、FastSeriesの宣伝マン(見習い中)、Fastちゃんがインタビューしました!
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執行役員 CRMソリューション事業部 副事業部長
兼
新規事業開発室 室長岩元 利純
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1994年、ニチメンデータシステム株式会社(現、テクマトリックス株式会社)入社。以来、技術者として様々なソフトウェア開発に携わる。
FastSeriesの立ち上げ期から現在に至るまで製品企画・開発の先頭に立ち続け、後進育成にも力を注ぐ。現在も更なる新規事業を企画中。好きな食べ物は焼肉。
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FastSeriesの宣伝マン
(見習い中)Fastちゃん
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2020年10月よりFastSeriesの新宣伝マン(見習い)に就任。一人前の宣伝マンを目指し、FastSeriesについて日々勉強中。
人の話を聞くのが大好きで好奇心旺盛で真面目な性格だが、ちょっぴりせっかち。質問時の口癖は「ズバリ〇〇ですか?」。好きな食べ物は餃子。
FastSeries誕生のきっかけ
はじめまして!FastSeriesの宣伝マンのFastちゃんです。本日はよろしくお願いします!
Fastちゃん
岩元
はい、よろしくお願いします。
今回はFastSeriesの誕生の頃の話を聞けるということでワクワクしています!
ズバリ最初の質問です!FastSeriesはもともと、自社で使うために開発したというのは本当ですか?
Fastちゃん
岩元
そうですね。もともと、テクマトリックス株式会社の前身はニチメンデータシステム株式会社という名前で、ネットワーク機器やセキュリティ機器を海外から輸入し日本で販売を行う事業をしていました。
開発のきっかけはあったんですか?
Fastちゃん
岩元
私が入社した1990年代中盤、当社で販売していたある海外製のソフトウェア開発ツールが大ヒットしたのがきっかけでした。
当時私たちは、まだ100名もいない小さな会社で突然、信じられないくらいヒットしたけれど、その結果、お客さまからのお問合わせが殺到しました。そこで、顧客サポートのために、社内に専任のヘルプデスクを作りました。ピーク時には40人規模まで増えましたね。
必要に迫られてヘルプデスクを作ったんですね!40人体制のヘルプデスクとは、反響の大きさがうかがえますね~。
Fastちゃん
岩元
当時は中小企業への問合わせと言えば代表番号への電話が主で、「コールセンター」という言葉もないような時代でした。
ただ、問合わせ履歴の管理ができていないとスムーズに対応できなかった。そこで、自分たちの顧客管理のために、その開発ツールを使って履歴管理システムを作りました。それが今の「FastHelp5」の原型です。
そうだったんですね!
自分たちで使ってみて便利だったから、「みんなに販売しよう!」となったのですか?
Fastちゃん
岩元
結果的にはそうですね。でもその時のシステムは、今のFastHelp5のようなCRMシステムよりも、もっと初歩的な問合わせ履歴管理システムだったので、そのまま販売した、というわけではないんですよ。
その後、アメリカをはじめ世界中でヘルプデスクの普及がはじまり、様々な履歴管理システムが登場してきました。もちろん当社にも、ヘルプデスク用のシステムを輸入販売する話が持ち上がって…。
えっ、輸入販売ですか…?
Fastちゃん
岩元
そう。でも、競合する様々な製品を研究したり、ベンチマークしたりして調べていくうちに、「自分たちでも開発できる」という手ごたえを感じたのです。そうして実際に開発、販売に至ったのが「FastHelp」の初版というわけです。
価値を理解されにくかった発売当初
無事に開発されるところまできましたね!
日本の企業が、日本の企業のために開発した製品ですから、もちろん発売と同時に大ヒット!ですよね?
Fastちゃん
岩元
私もはじめは「秋葉原の店頭に置けば飛ぶように売れるだろう」と思っていたのですが…
実は、1996年にリリースしてからしばらくは、ほんの数本しか売れませんでした。海外製のソフトウェアにならって製本したマニュアルもしっかり作っていたのに…と、当時は落ち込みましたね…。
ほんの数本ですか!たしかにそれは落ち込んでしまいますよね…。ズバリ売れなかった理由はなんでしょうか…。
Fastちゃん
岩元
その頃、ちょうど競合する輸入製品もこぞって国内へ入ってきていました。その頃はまだ「海外製品のほうが優れているはずだ」と考える人も多かったし、大手メーカーも海外製品を推すので、大企業で最先端のシステムを求めている人たちは、そちらへ流れてしまったんです。
「日本で作った」ことで、むしろ売れなかったということですか…。
Fastちゃん
岩元
そうですね。我々は「希少な国産製品」と考えていましたが、市場では、「実績やブランドのない製品」と見なされてしまったのです。それこそ一度は、販売終了しようという話にもなりました。
でも、やめなかったんですよね。続ける原動力はなんだったのですか?
Fastちゃん
岩元
少ないながらも喜んでくださるお客さまがいましたし、いつかきっと売れると信じていましたから。
強い信念…!でも、そう信じる理由もあったんですよね。
Fastちゃん
岩元
当時、輸入製品はちょっとした不具合を直すのにも、とても時間がかかっていました。システムを利用しているユーザーの要望を開発元へ届けるのにも一苦労、そもそも声を届けること自体難しいケースも珍しくありませんでした。
自社で開発・提供して、自社でサポートする私たちのFastSeriesは、利用者の要望を製品へ反映するのも、もちろんはやいし、万が一不具合があってもきちんと改善してサポートできる。
海外製品にはまねできない良さがあると感じていたし、実際に使っていただいたお客さまにはとても好評でしたので、この良さを知ってもらえればきっと売れるはずだと。
たしかに、使いにくいところがすぐ良くなったら、うれしいしやる気も出ますよね。
ちなみに「知ってもらう」きっかけもあったのですか?
Fastちゃん
岩元
そうですね。事業を始めて5年目に、みなさんご存じのとある文具メーカー様と出会い、これが大きな転機になりました。
ご担当者様が当時の「FastHelp2」を大変気に入ってくださって、当時はまだまだ無名だった私たちの製品を多数のコンペからご選択いただき、また社内に手を尽くして導入を決定してくださったのです。それだけでなく「FastHelpは良いよ」とあちこちで宣伝してくださった。
おぉ!良さが伝わったのですね!
Fastちゃん
岩元
はい。ちょうどその頃からFastHelpがぐんぐん売れはじめ、毎年数倍のペースで伸びていきました。まさに「知ってもらう」ことでご利用企業様が増えていったのです。
コンタクトセンターのニーズを反映し続け「本当に必要な機能」と「使いやすさ」を追求
販売開始から約25年、ずっと続けてこられた決め手はズバリなんですか?
Fastちゃん
岩元
そうですね。やっぱり自社で開発・提供・サポートしていることで、システムをご利用いただくお客さまの声を直接聞けることが大きいと思います。
ニーズにすばやく気づけて、業務に即したかたちで製品に落とし込んできたことが、ここまで続いてきた理由かな、と。
そういう意味では、テクマトリックスだけでなく、コンタクトセンターのみなさんと一緒に作ったシステムなのですね!
Fastちゃん
岩元
コンタクトセンターのお客さまに「こういう機能ってありますか?」と聞かれる機能は、「FastHelp5」であればだいたい搭載されています。これは実際にシステムをご利用いただいているユーザー様のニーズを反映することで改善してきた結果です。
日本のコンタクトセンターのきめ細やかなカスタマーサポートに必要とされる機能はなんなのか、業種の違いでワークフローに違いはあるのかなどといったことも徐々にわかるようになりました。
その結果、例えば製薬会社のくすり相談室での利用に特化したCRMシステム「FastHelp Pe」は業界でヒットしている。こういったことの地道な積み重ねが、私たちの強みになっていると思います。
発売当初に苦労した「実績やブランド」を手に入れてからも、それだけに頼らず、現場で役立てられる「真の実力」を蓄えてきたのですね。
Fastちゃん
岩元
はい。逆に言えば、25年間開発し続けているので、多くの機能があるのは当たり前とも言えます。常に気をつけているのは、多くの機能をいかにさりげなく使いやすくできるか。これは難しいですね。
「機能があり過ぎて使い切れない!」ってこともあり得ますもんね。
Fastちゃん
岩元
そうなんです。基本的に、機能性と操作性は相入れないものなので、詰め込めば詰め込むだけ使いにくくなる側面もあるんですね。
技術者はつい機能を詰め込みがちなところもあるので、機能と操作性のバランスを取るように心がけ、本来的な使いやすさ向上を目指しています。
Fastちゃん、インタビューを終えて…
Fastちゃん
- 「自社で」使うために作ったシステムがきっかけで、「みんなに」便利に使ってもらえるFastSeriesが生まれたのにはびっくりしました。
- こんな良いシステムが売れない時代があったなんて…でもお客さまのために「自社開発、自社サポート、ユーザーファースト」を徹底したことで、ついにヒット製品に。約25年続く秘訣はそこだったんですね。
- 機能と操作性、相入れないものをうまく整理して「使いやすさ」をアップデートし続けている。当たり前のようでいて、難しい!勉強になりました…!
テクマトリックスとFastSeriesの歩み
- 1996年
- CRMソフトウェアFastHelpの初版「FastHelp Enterprise」リリース
- 2000年
- 社名を「ニチメンデータシステム株式会社」から「テクマトリックス株式会社」へと変更
- 2001年
- 「FastHelp2」リリース
- 2004年
- くすり相談室専用CRMシステム「FastHelp Pe」初版リリース
- 2007年
- FastHelp売上が販売初期の約17倍を達成、業界の主力製品に
- 2013年
- テクマトリックス株式会社が東京証券取引所市場第一部に上場
- 2015年
- 最新バージョンのコンタクトセンターCRMシステム「FastHelp5」リリース
- 2017年
- FAQナレッジシステム「FastAnswer2」リリース
- 2018年
- タイ・バンコクに駐在員事務所設立
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