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2021/04/20
押さえておきたい!
コンタクトセンターのBCP対策
2020年、多くの人が想定し得なかったコロナ禍という緊急事態に遭遇し、改めて注目されたのが「BCP(事業継続計画)対策」。
元々、自然災害などのBCP対策を行っていたコンタクトセンターでも、コロナ禍においては様々な想定外の事態が起こりました。これからもコンタクトセンターが事業を継続していくためには、どのようなBCP対策が必要なのでしょうか。
2020年、多くの人が想定し得なかったコロナ禍という緊急事態に遭遇し、改めて注目されたのが「BCP(事業継続計画)対策」。
元々、自然災害などのBCP対策を行っていたコンタクトセンターでも、コロナ禍においては様々な想定外の事態が起こりました。これからもコンタクトセンターが事業を継続していくためには、どのようなBCP対策が必要なのでしょうか。
BCP対策とは
中小企業庁※によると、BCP(事業継続計画)とは「企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと」。つまりBCP対策とは、企業がこの計画の内容を取り決めることや、それに沿って「平常時に行うべき活動」を実践することといえます。
コロナ禍において実感した方も多いかと思われますが、緊急事態が起こってからや、平常時の企業活動が危うくなってからできる事業継続のための対応はかなり限られます。万が一の際にもお客さまに安心していただき、状況に応じた対応を可能にするためには、事前のBCP対策が欠かせないのです。
コンタクトセンターにBCP対策が必要な理由
自然災害や大火災、大規模な事故といった緊急事態下のコンタクトセンターには、非常時だからこその対応も求められます。企業が提供している製品やサービスに緊急事態の影響が及んだ場合、コンタクトセンターには平常時をはるかに上回るお問合わせが集中したり、平常時とは異なった内容のお問合わせが頻発したりする可能性があります。
その一方で、コンタクトセンターの施設そのものやスタッフが被災したり、交通インフラへの影響でセンターへの出勤が困難になるなど、コンタクトセンター側も平常時の事業活動ができなくなる可能性もあるのです。
このような理由から、従来、自然災害などに対するBCP対策を策定しているコンタクトセンターは少なくありませんでした。しかし、こうした備えの盲点を突く形になったのが、2020年に起こった新型コロナウイルス感染症による緊急事態です。実際、2020年6月にテクマトリックスが実施したアンケートでは、「感染症流行による緊急事態は想定していなかった」、「BCP対策の見直しを迫られた」という声が多く聞かれました。
緊急事態下では、コンタクトセンターなどの問合わせ窓口は、お客さまの不安や負担を取り除き、企業のサービスを普段と同様に提供し続けるための拠り所となります。盲点に気づかされた今こそ、コンタクトセンターが改めて感染症流行による緊急事態も含めたBCP対策をしっかりと策定し、サービスや製品に関してのお客さまサポートという本来の役割を果たすことが必要なのです。
コンタクトセンターのBCP対策に必要な4つのポイント
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優先的に継続・復旧すべき機能の見極め
緊急事態下で継続すべき機能や早期復旧すべき機能などを、自然災害・大火災・感染症の流行・テロ攻撃といった、様々な事態を踏まえて精査し、スムーズに取り組めるようあらかじめ優先順位をつけておきます。
また、こうした機能の継続や早期復旧に必要とされる具体的な対策を洗い出し、後述するポイント2~4の策定につなげることも大切です。 -
運用面の対策
緊急事態下では、損害を食い止めるため、また、早期復旧のために平常時以上のスピーディーな対応が求められる場面が多々あります。あらかじめあらゆる場面を想定して、緊急事態下のためのルール運用や、役割分担などを策定しておく必要があります。
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ロケーション選定
平常時の事業拠点が使用不能となった場合、事業を継続する場所についても考える必要があります。二次拠点を設ける必要があるのか、オペレーターのテレワークなどで対応可能なのかといったことを検討し、二次拠点の準備なども進めておかなければなりません。
コロナ禍においては、公共交通機関での通勤やセンターでの密集を避けなければならず、二次拠点を活用するのも難しいという状況が起こりました。在宅勤務やシェアオフィスの利用など、テレワークの実施方法についても精査しておく必要があるでしょう。 -
システム面の対策
平常時利用しているシステムが、緊急事態下でも利用できるかどうかは、その種類や状況によっても変わってきます。
センターを利用できない場合、電源が確保できない場合、システム管理者が稼働できない場合など、想定されるケースごとに利用を妨げる問題を洗い出し、対策を検討しておきましょう。
具体的な例としては、センターの電話環境を社外で利用できるクラウドPBXの導入、据え置きハードウエアに依存するシステムのクラウド化、情報機器持ち出し・社外アクセスなどのセキュリティ対策、テレワーク環境の整備などが挙げられます。
まとめ
- BCP対策とは、企業が「緊急事態下で損害を抑え、事業継続または早期復旧を目指す計画をあらかじめ策定し、それに沿って平常時の備えを実践する」こと。
- 緊急事態下のコンタクトセンターは、お客さまにとってサービスを使い続けるための拠り所となるので、常にBCP対策を見直しておこう。
- コンタクトセンターのBCP対策は「1.優先的に継続・復旧すべき機能の見極め」「2.運用面の対策」「3.ロケーション選定」「4.システム面の対策」を押さえておくことが大切。
※出典:中小企業庁,“1.1 BCP(事業継続計画とは)”中小企業BCP策定運用指針, https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_c/bcpgl_01_1.html,(参照 2021-1-27)
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