金融・保険
ライフネット生命保険株式会社様
理想的なナレッジ運用体制の基盤として採用したFastAnswer2
~ナレッジへの到達率や到達時間、現場の意識などポジティブな意見が多数~
- 導入製品・ソリューション
- FastAnswer2
クラウド型
- 目的
- CX向上
- ナレッジ管理
- 働き方改革
- 従業員満足
- 応対品質管理
- 業務効率化
今回お話をお伺いした方
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コンタクトセンター
センター管理G畑野 智彦 氏
導入前の課題
- コンタクトセンターにおいてナレッジ管理を行うSVの業務負荷が拡大
- ナレッジ更新がSVに集中するため、情報鮮度が担保できない
- 検索性の悪化でナレッジ特定に時間がかかる
導入後の効果
- 既存ナレッジシステムと並行稼働させながら、およそ3ヶ月でFastAnswer2への移行を実現
- 移行によって、オペレーターからのポジティブな意見が多く寄せられる
- 平均保留時間の削減によって、経済的価値よりもCSやES向上に貢献していることを評価
背景と目的
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SV中心のナレッジ管理、業務負荷の高まりや情報鮮度の担保が大きな課題に
オンラインにて保険サービスを提供するライフネット生命保険株式会社(以下、ライフネット生命)では、開業当初からコンタクトセンターにおけるナレッジを蓄積していきながらSV中心にナレッジ管理を実施してきたが、事業拡大のなかでSVの業務負荷が高まり、ナレッジ運用体制に無理が生じる状況に。ナレッジの情報鮮度が維持できないケースも出てくるなか、同社が目指す理想的なナレッジ運用体制に向けた環境の再整備に乗り出した。
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目指す理想的なナレッジ運用体制の基盤として総合評価が最も高かったFastAnswer2を選択
最新で正確なナレッジを必要な時にすぐに利用できることを理想的なナレッジ運用体制として設定。全員でナレッジ活動を推進するという文化醸成を進めながら、最適なシステムによって支援できる環境づくりを目指す。PoCによる現場の声を集めるなかで、テクマトリックスのFastAnswer2が最も高い総合評価を獲得。システム要件やSTATS要件、サポート体制や自立利用性も評価したうえで、新たなナレッジ運用体制の基盤としてFastAnswer2が選択された。
2008年に開業したオンライン生命保険のライフネット生命。「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する」を経営理念に、オンライン生命保険市場のリーディングカンパニーを目指している。そんな同社のコンタクトセンターは、顧客接点を担う顔として契約検討や契約後の支援を行っており、複数のチーム構成でチャネルに応じた対応を行っている。
現在同社では、顧客体験の革新や販売力の強化の2点を重点領域に据えており(※2024年3月時点)、この重点領域にコンタクトセンターとして貢献するべく、顧客と向き合ってともに進化し続ける組織としての共進化をスローガンに掲げている。「重点領域に貢献できる高品質な人材を担保していくために、ナレッジマネジメントを重視しています」と語るのは、データ管理や人事総務 、システム管理などセンター運営全般の企画・管理業務を担うセンター管理Gに所属し、ナレッジ管理や案件管理の一部を担当している畑野 智彦氏だ。
実は開業当初から一部のナレッジ機能は活用していたものの、当初は管理部門がナレッジ管理を担当し、不明点があればSVに確認するという運用がその中心だった。そして2018年には現場主導でFAQシステムを導入し、不明点があればFAQを確認するという習慣づけをする体制を整備。FAQシステムを整備してからは、SVがナレッジ管理を担当する運用に移行したという。「規模の拡大に応じて、SVだけでナレッジを管理する体制に無理が生じ始めました。コンテンツの修正依頼を行うコメント機能はあったのですが、チーム運営や定常業務の負荷が高まるなかで対応しきれない状況も発生してきたのです」。そこで、その課題に対処すべく、SV管理のもと、現場主導で更新できる体制への移行が望まれたのだ。
また、古いナレッジが更新されないことで情報の鮮度が悪く、検索結果から該当のナレッジを特定することが難しいという検索性に関する課題にも直面していた。「SV業務のなかでもエスカレーション割合が高く、SVの負担が大きなものになっていました。実は当時実施したSVへのアンケート結果では、エスカレーションの内容がほぼ100%ナレッジ内に回答が存在していたということも明らかになったのです」。そんな状況を打開するべく、既存の環境においてアンケート調査やワークショップを含めた改善活動を続けていくなかで、一般論とは異なる、同社ならではのコンタクトセンターにおけるナレッジマネジメントの理想形を見出していったという。
同社が考える理想的な形は、最新で正確なナレッジを必要な時にすぐに利用できることであり、それには探しやすくて便利なナレッジ体制を整備することだ。そして、その実現に向けては、一人ひとりが体験したタイミングでナレッジに貢献すること、つまりは自身で使って自身で更新できるものが求められていた。「ナレッジは時間の経過とともに変わっていきます。参考にしようとしたナレッジが昨年の情報だったという状況を生まないためにも、古い情報を発見したメンバーがナレッジを改定したりアーカイブ化したりなど、自分自身で使いながら更新していける環境が必要だと考えたのです」と畑野氏は説明する。
そこで、全員でナレッジ活動を推進するという文化の醸成に向けて、KCS(Knowledge Centered Service)と呼ばれる理想的な概念を導入しつつ、現場に合わせてカスタムしていくことでナレッジ全体を向上し続けていく環境づくりを進めることに。その環境づくりに必要な、等質なコンテンツ生成や直感的で分かりやすい構造・分類、そして重みづけされた最適化された承認フローなどは運用改善によって実現することを目指したものの、その支援に向けて最適なシステムが求められたのだ。
システム選定においては、50項目を超えるシステム要件を定めたうえで各社にヒアリングを実施し、現場で想定されるシナリオや設定されたペルソナに基づいてPoCを実施。現場からの声を集めていきながら、既存環境の機能最大化も視野にソリューションを検討することに。そこでテクマトリックスのFastAnswer2が現場からの総合評価で最も高いという判定を受けたという。またシステム要件や統計情報を示すSTATS要件、サポート体制や自立利用性なども評価したうえで、FastAnswer2が選択されることになったのだ。
導⼊の効果
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オペレーター主体でナレッジの修正を実施、ナレッジの陳腐化を回避できる運用体制に
現在は、コンタクトセンターに在籍するオペレーター がFastAnswer2内に蓄積されたナレッジを活用、オペレーターが主体的にナレッジを修正してSVに申請承認を行うなど、毎月平均で約60のナレッジが継続的に更新されている。システム移行については、既存の慣れたナレッジシステムと並行稼働させながら、およそ3ヶ月かけて移行させており、現場へのインパクトを最小限におさえることに成功している。
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定性評価はポジティブな意見が多数、
ナレッジ到達率や所要時間の改善にも貢献平均保留時間を軸に定量的な効果は継続して検証しており、経済的価値よりもCSやES向上につながる基盤として評価。また、アンケートによる定性評価はポジティブな改善傾向があり、現場の意識改革にも大きく貢献。解決につながるナレッジへの到達率やその所要時間などについても改善効果が見られるなど、現場からの評価は高い。
現在は、コンタクトセンターに在籍するオペレーター がFastAnswer2内に蓄積されたナレッジを活用しており、顧客からの各種問い合わせに対する応対を行っている。1ヶ月あたりのコール数は数千件、 アクティブに利用されているナレッジは1100件を超えている。常に最新のナレッジに更新するべく、毎月平均で約60のナレッジが継続的に更新されている。基本的にはコンタクトセンター内のオペレーターを中心に活用しているが、他部署へナレッジを共有する機会もあるなど、ナレッジ活用の幅を広げている状況にある。
実際の運用については、入電後にオペレーター自身が管理するマニュアルやスクリプトを確認しながら対応を進め、確認が必要なことがあればFastAnswer2にてナレッジを検索、必要に応じてSVへのエスカレーションを行っている。古いナレッジを発見した場合は、オペレーター自身がナレッジを修正してSVへ申請承認を行うケースとともに、コメントにてSVへ対応依頼を実施するケースがある。ナレッジの新規作成や改訂については、顧客対応がトリガーになるだけでなく、運用変更を起点とした関連ナレッジのチェック機会などもあるという。
システム移行については、既存の慣れたナレッジシステムと並行稼働させながら、およそ3ヶ月かけて移行を実施しており、現場へのインパクトを最小限におさえることに成功している。「大きな支障もなく無事に移行できたのは、FastAnswer2の見やすさや直感的な操作性によるパフォーマンスの高さも大きい」と畑野氏。
導入による効果については、STATSを確認しながらの定量評価は継続して行っており、別途アンケートによる定性評価や現場意識に関してはポジティブな声が多く寄せられている状況だ。ナレッジマネジメントの効果とビジネスKPIの紐付けについては、CSやESの向上はナレッジマネジメント以外の要素も大きく影響することから、同社では平均保留時間を指標として検証を進めている。「以前からナレッジマネジメントの体制が整っていたこともあり、ナレッジによって時間の総量が改善したとしても、経済的価値はそこまで大きなものにはならないと考えています。平均保留時間が削減した時間の総量で判断するのではなく、改善した度合いによってCSやESという重要な領域に効果を波及させているという評価につなげていく想定です」。
また現場意識の変革については、オペレーターが発見する便利な操作といった気付きなどの共有やナレッジ運営に対する意見が投稿できるフォームを導入直後に作成、改善の声を積極的にあげていくという文化が根付いてきているという。さらに、実施前と比べて解決につながるナレッジへの到達率や到達までの所要時間についてアンケートを実施したところ、それぞれポジティブな傾向が出ていると評価する。
今後の展開
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理想的なナレッジ運用体制に向けて、
日々挑戦し続ける現在も、当初に設定した理想的なナレッジ運用体制として理想とのギャップを埋めていき、“探しやすくて便利なナレッジ(体制)の実現”に向けた階段を登り続けており、その着実な歩みを進めている。「既存のナレッジは時間の経過とともに古くなってくため、ナレッジマネジメントの取り組みに終わりはありません。恒常的な運用が高度にサイクルを回していけるように、日々挑戦し続けています」と畑野氏に今後について語っていただいた。
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