製薬・医療機器
小林製薬株式会社様
お客様からの意見、要望を集中管理
蓄積した情報は営業、研究、製造部門が共有
- 導入製品・ソリューション
- FastHelp5
オンプレミス型
- 目的
- VOC活用
- 業務効率化
- 顧客満足
今回お話をお伺いした方
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お客様相談室
室長小幡 宏政 氏
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お客様相談室
課長岡田 弘法 氏
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お客様相談室
消費生活アドバイザー北島 広美 氏
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IT製品部
システムグループ住友 俊之 氏
小林製薬株式会社(以下、「小林製薬」)のお客様相談室は、同社が製造・販売する医薬品、衛生雑貨品、芳香消臭剤などの商品についての問い合わせ、クレームを一元的に取り扱う部署である。同社は2004年11月に、「FastHelp」による新しいコールセンターシステムを導入。問い合わせ対応の情報はお客様相談室だけでなく、営業、研究、製造部門にフィードバックして共有し、新製品開発にも役立てられている。
個別に構築してきたシステムを統合
小林製薬は、1886年に創業した歴史ある製薬会社。「アンメルツ」「アイボン」などの医薬品のほか、「サラサーティ」「熱さまシート」などの衛生雑貨品、「ブルーレット」「サワデー」などのタンククリーナー・芳香消臭剤、栄養補助食品の製造、販売を手がけている。
お客様相談室は、同社販売商品に関して、お客様や販売店からの問い合わせ、クレームを扱う部署として1993年に開設された。設立当初は、電話や手紙で寄せられた質問に対して4名の相談員が対応するという体制だった。それが事業の拡大とお客様意識の変化から問い合わせ件数が年々増え、「現在では常時相談員 12名が年間53,000件ほどの問い合わせに対応している。」(お客様相談室長、小幡宏政氏)という。
問い合わせ数の増加に伴い、お客様相談室では1996年にコールセンターシステムを導入した。この当時の受付システムは、お客様や販売店からの電話による問い合わせを受け付け、その受付情報をデータベースに蓄積していくだけのシステムだった。一方、コールセンター用 PBX システムは別にあり、それぞれを連携するシステムの構築も行われたが、「もともと別々に作られたシステムだったので連携がうまくいかず、お客様とのやりとりの最中にシステムに不具合が発生するなど、トラブルが頻発した。」(お客様相談室課長、岡田弘法氏)
また、問い合わせの内容を営業、研究、製造部門のシステムと連携して情報共有する構想もあり、新規のコールセンターシステムに統合することになった。このシステム構想が本格化したのが2003年のことである。
相談員の使い勝手を重視してFastHelpに決定
新しいコールセンターシステムの選定は、小林製薬の情報システム部門であるIT部が中心になって行われた。当初は8社のコールセンターシステムを候補に挙げ、その後3社に絞り込んで徹底的に比較・検証が行われた。その結果、選定されたのがテクマトリックス社の「FastHelp」だった。
「選定には相談員の代表2名を入れ、その相談員の意見を聞きながら検討した。当社が目的とするシステムの要件を伝えてデモをしてもらい、その要件に対するレスポンスの良さ、画面の出来、そして実際に使用する相談員が一番使い勝手が良いと思うものを重視してFastHelpの導入を決定した。」(IT部製品システムグループ、住友俊之氏)
短期間のシステム構築で実稼働を開始
小林製薬のお客様相談室システムは、いわゆるコールセンター業務のみに限定したものではない。社内の営業部門、研究部門、製造部門との情報共有を重視したシステムを目指した。例えば、製品に不具合があった場合には、研究部門、製造部門に調査の依頼をしたり、その回答をフィードバックしたりするといった、いわゆるワークフロー的な仕組みが、FastHelpによって統合される形となった。テクマトリックス社はお客様相談室向けアプリケーションとなる「FastHelp」に加え、PBX、CTIといった周辺機器含めたインテグレーションを担当した。
「システム構築の期間は、2004年4月から10月までの半年間でした。運用開始の直前、2~3日前まで変更の要望を出しましたが、テクマトリックスさんにはそれらをほぼ全て対応してもらいました。2004年11月1日にリリースしましたが、当日は何の問題もなく稼動し、当日の業務を終了できました。ノントラブルで立ち上がったことについては、とても感心しました。」(住友氏)
対応の効率が向上し、相談員の業務も均質化
FastHelpによるお客様相談室システムを導入したことにより、さまざまな効果が得られたという。「特に相談員の作業効率がよくなりました。問い合わせに対し、電話に集中する時間が増えました。」(お客様相談室消費生活アドバイザー、北島広美氏)
「また、新システムによってどの製品に対する問い合わせが多く、対応に追われているかというデータが取れるようになったため、これまでの製品による役割分担を見直す事が可能になった。これは、現場における最も大きなメリットだと思う。」(北島氏)
一方で管理面にもメリットがあるという。「管理を行う人間が、各相談員がお客様からの問い合わせに対してどのくらいの時間を費やしているかが一目でわかるようになりました。また、問い合わせやクレームの内容は毎日、経営幹部にレポートされており、お客様の声が会社の経営に直接生かされています。」(小幡氏)
お客様向けのリアルタイムの情報公開を目指す
現在運用中のコールセンターシステムは、まだ完成形ではない。次のフェーズとして現在手がけているのは、研究部門、製造部門のシステムとの連携強化だという。また、現在は別のシステムとして運用されているEメールやWebとの連携も課題となっている。
「将来的には、お客様からの声を中心にホームページのFAQを充実させるような仕組みを考えています。Webへの誘導を図って、お客様へ情報提供を行うと共に、電話による問い合わせ件数を減らすことができる。」(岡田氏)
将来的に全社システムへと発展していく小林製薬のコールセンターシステムは、今後のCRMシステムのあり方を示す好例になるだろう。
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