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2023/04/04

コンタクトセンター×メタバースの今とこれから

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2024年には約90兆円規模の市場になると予測されているメタバース。メタバースは私たちの暮らしやビジネスにどんな影響をもたらすでしょうか。

本記事では、メタバースとは何なのか、またどのように活用できるものなのかを最新事例を絡めて解説するとともに、さらにメタバースの今後の可能性についてもコンタクトセンターとの関係性に注目しながら見ていきたいと思います。

これだけは知っておきたい!メタバースの基礎知識

メタバースとは「メタ(超)」と「ユニバース(宇宙)」を組み合わせた造語で、インターネット上に構成された、現実に近い特徴を持つ3次元の仮想空間のことです。ユーザーは自分の分身となるアバターを操作し、メタバース内で現実世界と同じような行動や周囲の人(アバター)とのコミュニケーションが可能になります。

現在は主に、アバターを介してプレイヤー同士がコミュニケーションできるオンラインゲーム、コンサートやライブを仮想空間で開催するバーチャルイベント、従業員がアバターで出社する仮想オフィスなどで活用されているにとどまっています。しかし、バーチャル店舗や旅行といったさらなる新しいビジネスチャンスを見込んで、世界の大企業がこぞってメタバース事業に参入中。ビジネスでの利用も増加傾向にあり、世界の最新金融ニュース、マーケット情報、市場の分析や、マーケットデータ、金融情報を提供しているブルームバーグの試算によると2024年には市場規模が世界で約90兆円に達すると予測されています。

コンタクトセンター×メタバースの今(2023年現在)

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このように現時点ではまだ活用例は限定的ですが、コンタクトセンター業界でも今後の可能性と普及を見越して、メタバースを業務に利用するための開発や実証実験が進んでいます。具体例を紹介しましょう。

  • メタバース内のバーチャルコンタクトセンターに出社

    2022年8月から一部企業にてメタバース上でのバーチャルコンタクトセンターの実証実験が始まっています(※1)。オペレーターはメタバース上に構築されたコンタクトセンターに出社し、ヘッドセットとキーボードを使って応対業務にあたり、SVとの情報共有やエスカレーションもメタバース上で行います
    さらに、アバターを介してほかのオペレーターとコミュニケーションを取るという、同じ場所で働いているような体験も可能。場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を実現しやすく、在宅コンタクトセンターの課題だったコミュニケーション不足や孤立感の解消にもつながります。

  • メタバースでAI音声対話アバターが自動応対

    応対業務の新しい形態として、音声認識エンジンを搭載したAI音声対話アバターを開発している事例も(※2)。メタバース上でお客さまが発話するお問合わせを音声認識し、導入企業が任意で設定したQ&Aプログラムに沿ってアバターが自動で応じ、自然な話し言葉を用いたコミュニケーションが可能になっています。24時間365日いつでも無人応対できるため、応対業務の工数削減や人材不足の解消、さらに顧客接点の強化が期待されています。

コンタクトセンター×メタバースの今後は?検討・参入すべき時期はいつ?

このようにメタバースがコンタクトセンターのあり方を大きく変える可能性を秘めているのは確実ですが、現状はまだ技術先行の手探り段階であることは否めません。それでも、今のうちから「メタバースをコンタクトセンターでどのように活用できるか」と自分事として考えるよう意識しておくことで、未来の変化に追従していくことができます

コンテンツの充実によってメタバースが普及すれば、一般ユーザーにとってオンラインでの主要なコミュニケーションツールとなることは十分考えられます。そうなれば、お客さまのお問合わせの利便性を考慮して、メタバースを応対業務のデジタルチャネルの1つとして加える必要性も高まるでしょう。そして、こうした動きを見越した先進企業による実証実験や取り組み事例は、2023年度もますます出てくるはず。その時に導入・活用を具体的に検討できるよう、メタバースの動向を注視したいところです。

メタバースが将来どのような形に発展していくかは、まだまだ不透明なところがあります。しかし、今後メタバースが社会に定着すれば、働き方やコミュニケーションのスタンダードが変化することも予想されます。コンタクトセンターもそうした環境の変化に取り残されないよう、メタバースを身近な業務に置き換えて活用シーンを想像したり、変革への準備をしておくとよいでしょう

まとめ

  • メタバースとは、インターネット上に構成された、現実に近い特徴を持つ3次元の仮想空間のこと。現在はオンラインゲームなど用途が限定的だが、今後さらなるビジネスチャンスが見込まれている。
  • コンタクトセンター業界でも、多様な働き方の推進につながるバーチャルコンタクトセンターの実証実験や、AI音声対話アバターによるお客さま応対業務の自動化など、メタバースを活用した開発が進んでいる。
  • 今後メタバースでのコミュニケーションが一般的になれば、コンタクトセンターの応対チャネルとしてニーズが高まる可能性がある。その時に導入・活用を具体的に検討できるよう、自分事としてメタバースの動向を注視しておきたい

※1:トランスコスモス株式会社・NTTコミュニケーションズ株式会社. “トランスコスモスとNTT Com、メタバース上での「バーチャルコンタクトセンター」活用に向け、実証実験を開始”.トランスコスモス株式会社. 2022-09-01. https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/220901_0001.html, (参照 2023-03-20)
※2:株式会社アドバンスト・メディア. “国内初!メタバース空間上でお客様対応を自動化 ソーシャルVRアプリ「VRChat」向けAI音声対話アバターを開発”.株式会社アドバンスト・メディア. 2022-08-30. https://www.advanced-media.co.jp/newsrelease/23695, (参照 2023-03-20)

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