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2021/08/03
コンタクトセンター業務のアウトソーシング
メリットを最大限に活かすには
コンタクトセンターは社内に置いた方がいいのか、アウトソーシングした方がいいのかは企業によって異なります。
今回は、アウトソーシングの特徴から、どちらの方が自社にとってより適切かを見極めるポイントをご紹介します。
コンタクトセンターのアウトソーシングはなぜ注目されているのか?
近年、アウトソーシングは経営手段のひとつとして注目度が高まっています。
労働人口の減少に伴う人手不足が、企業にとって大きな課題であり、様々な分野で業務効率化が進む現状でこの波に乗り遅れると、企業の成長や存続にとって、ダイレクトに影響することが理由です。
アウトソーシングとは「外部委託」とも言われ、「会社などの組織が事業や業務の一部を、外部の専門組織へゆだねること」をいいます。
よく似た言葉として「BPO」がありますが、BPOとは「Business Process Outsourcing」の頭文字を取ったもので、「ビジネスで発生する業務をアウトソーシングする」という意味。それに加えて、アウトソーシングによって業務効率化や最適化を図る、そのために自社の課題を踏まえてBPOする業務を策定する…といった、経営戦略的な意味合いも含まれます。
人事、総務、経理など、企業内の様々な部門において、その業務委託を受ける専門企業があり、「コンタクトセンター」業務もアウトソーシングが可能な業務のひとつに数えられます。
コンタクトセンターのアウトソーシングは大きく、「インバウンド業務」と「アウトバウンド業務」の2つに分かれます。
「インバウンド業務」とは、お問合わせやご予約など、お客さまから電話・メールなどを通じて寄せられるご要望に応対する業務、「アウトバウンド業務」とは、新規顧客開拓や既存顧客のフォロー、市場調査など、見込み客も含めたお客さまへ、コンタクトセンターから電話・メールなどを通じて発信する業務を指します。
コンタクトセンターのアウトソーシングを成功させるために
アウトソーシングを成功させるために、始めに考えておきたいのが、自社のコンタクトセンターに求められる役割についてです。
業種・業態・規模、お客さまとの接点の持ち方によって、企業のなかでのコンタクトセンターが果たす役割は異なります。その役割をコストも意識しながら効率的に果たしていくためには、自社にコンタクトセンターを置いた方が良いのか、アウトソーシングした方が良いのか、をしっかりと見極める必要があるのです。
それではコンタクトセンター業務のアウトソーシングによって得られるメリットと活用シーンをご紹介しますので、自社が当てはまるかどうか確認してみましょう。
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コストメリットにつながるか
コンタクトセンターをアウトソーシングするメリットとして、社内にコンタクトセンターを設置する場合にかかるコスト、たとえば不動産費用や設備費、人件費や教育などにかかるコストが削減できるといったことが挙げられます。
その一方で、アウトソーシングにはその委託費用がかかりますので、委託範囲・期間に応じてコストメリットが出るかどうかの試算をしてみる必要があります。
アウトソーシングのもうひとつのメリットが、業務の増減に応じた人員調整などをしやすいこと。お問合わせ量の増減に季節性があるなど、繁閑期がある業務では、それに応じて人員を増やしたり、減らしたりといったことがアウトソーシングであれば比較的簡単にできます。
また、一時的なキャンペーン、リコールなどのトラブル対応、新規サービス立ち上げ時など、一定期間のみ専用のお問合わせ窓口を素早く立ち上げ対応したい場合にも、スピーディーに、かつお問合わせ業務に慣れた専門業者による窓口を設けられ、柔軟な運用がしやすいでしょう。こうした運用が想定される場合は、コスト削減につながることが見込まれます。 -
生産性向上につながるか
たとえば、限られた社員数のなかで、他の業務とコンタクトセンター業務を兼務している企業などでは、コンタクトセンター業務をアウトソーシングすることで兼務状態を解消し、本来の業務の生産性をアップさせるといったメリットも見込めます。
また、応対数が圧倒的に多く自社でオペレーターを確保することが難しかったり、一般的な受付業務のみでノウハウを社内に蓄積する必要性が低い場合は、アウトソーシングによるメリットが出やすいでしょう。単純で数の多い業務や既存の社員ではできないものは委託先に任せ、社内のリソースを独自性の強いコア業務に集中させる、という選択もあるということです。
一方で、コンタクトセンターはお客さまの声を直接聞くことのできる重要な接点。VOCを直接聞いて経営に活用したり、企業文化の浸透している環境で独自性の高い応対をすることでCX向上の一環としてブランディングに寄与させたい場合は、社内コンタクトセンターの方がより直接的に実行できるでしょう。もし、アウトソーシングしながらこれらの効果も求めるのであれば、それに対応できる委託先を選定し、良いパートナー関係を構築していくことが大切です。
また、社内にコンタクトセンターを設置する場合、スタッフの採用や業務などの管理も自社で行うことになります。こうした業務に割かれるリソースと、アウトソーシングした場合の費用のバランスによっては、アウトソーシングする方が全体的な生産性を高めることも考えられます。 -
品質向上につながるか
アウトソーシングを請け負っている企業は、様々なコンタクトセンター業務を経験している場合が多く、運用開始時からオペレーター経験者を登用できる可能性が、自社で新しくオペレーターを採用するより高いと言えます。もちろん、応対ノウハウについても同様で、運用のスムーズな滑り出しが期待できます。
特に、先述のキャンペーンやトラブル対応、新規サービス立ち上げのように、一時的にコンタクトセンター業務が発生する場合、そのために自社に専任者を置いて運営ノウハウをキープしたり、一からスタッフを採用したりするのは効率的でないことも。ここでプロに外部委託すれば、ゼロスタートにならず、ある程度の品質も担保できるでしょう。
この通り、コンタクトセンター業務のアウトソーシングはどんな企業にも必ずメリットがあるというものではありません。コンタクトセンターに何を求めるかによって、アウトソーシングで効果が上がるケースも、社内コンタクトセンターの方が望ましいケースもあるでしょう。
まず、自社におけるコンタクトセンターの役割を考え、それを果たすための最善の方法を検討することが大切です。
まとめ
- 「アウトソーシング」は事業や業務の一部を、外部の専門業者へ委託すること。コンタクトセンター業務もアウトソーシングが可能な業務のひとつに数えられる。
- 業種・業態・規模、お客さまとの接点の持ち方によって、企業のなかでのコンタクトセンターが果たす役割は異なる。
- 「コストメリット」、「生産性向上」、「品質向上」などのポイントに注目し、コンタクトセンターの果たすべき役割をはっきりさせたうえで、アウトソーシングするかを検討したい。
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