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2024/04/04

エスカレーションとは?スムーズに行う方法とフローの作り方を解説

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エスカレーション(escalation)とは、上昇・拡大を意味する言葉で、ビジネスの文脈では問題を上司に相談し、判断や対応を求める行為を指します。
コンタクトセンターの場合、エスカレーションは顧客からのお問合わせにオペレーターが対応しきれず、管理者・監督者や上司に判断を仰ぐ行為です。
この記事では、エスカレーションのために必要なことやルール、失敗する原因、効率的な対応フローの作り方などについて解説します。

エスカレーションとは問題が発生したときに上司に判断を仰ぐこと

エスカレーションとは、自分では対処しきれない問題が発生した際、上司や責任者などの上位者に判断を仰いだり、上位者に報告して対応を委ねたりすることです。場合によっては上司にとどまらず、さらに上へ報告がなされることもあるでしょう。
なお、エスカレーションは、下記のように業界や部署によって意味合いが異なる場合があります。


<エスカレーションの意味の違い>


コンタクトセンター:オペレーターでは解決できないような顧客の問合わせを、上司や管理者、より詳しい専門家に質問する、もしくは引き継ぐこと。
SEやサーバー管理者:トラブルの発生をクライアントに報告すること。

どちらにしても、一次対応で解決できない問題を上位者に伝え、対応や判断を委任することには違いがありません。

エスカレーションが必要な場面

エスカレーションは、何らかのインシデント(トラブルのおそれがある事案)が発生したとき、自分のスキルや権限では解決できない場合に必要です。
例えば、クレームの内容が自分では対応できないときや、値引き交渉など責任者の判断が必要なときなどが当てはまるでしょう。

エスカレーションをせずに放置したり、自分で解決しようとしたりすると、インシデントがより大きく発展し、企業の不祥事として社会的な問題になる可能性もあります。そのため、緊急事態の解決を目的とするエスカレーションは、迅速に行うことが重要です。

エスカレーションをスムーズに行うためのポイント

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エスカレーションは、トラブルを未然に防ぐために大切なことですが、スタッフにエスカレーションをするように伝えるだけでは、漠然としていてスムーズに行えません。混乱を防ぐためにも、どのようなケースで誰にすればいいのかなどルールを整えることが大切です。エスカレーションで大切なことは次の2つのポイントです。


ルールを作って社内で共有をする


エスカレーションは、個人の主観的な判断に頼るのではなく、きちんとルールを定めて社内共有することが大切です。ルールを決めて共有することで、「エスカレーションするかどうか迷う」「誰に報告すればいいかわからない」「エスカレーションしたのに担当者が対応してくれない」など迷いや対応の遅れを防ぐことができます。


報告のフローを作成する


ルールを決めたら、エスカレーションのフローを作りましょう。エスカレーションをする基準や、その後の社内対応の手順などをまとめて作成します。
エスカレーションが必要なときは急を要することが多いため、フローをきちんと作成することによって、対応をスムーズに進められ、顧客を長時間待たせるのを防ぎます。

エスカレーションフローの作り方

エスカレーションをうまく機能させるには、円滑に進めるためのフローを作成する必要があります。次に挙げるポイントを踏まえて「いつ、誰に、どのような手段で」という詳細なフローを構築しましょう。


エスカレーションの基準を明確化する


エスカレーションの基準を明確化するために、まずは何をインシデントにするかを考えます。どこまで現場対応にして、どこから上司対応にするか、インシデントの重要度を分けることにより、対応が瞬時にわかるとともに、エスカレーションの発生過多を防げます。
また、「クレーム対応で責任者からの回答を求められた」「特定の専門知識が必要なお問合わせを受けた」など、エスカレーションの内容をカテゴライズすることも重要です。応対時間の基準を設定し、「基準時間を過ぎても終話できなければエスカレーションする」といったオートマチックなフローも設けるのもよいでしょう。


エスカレーションのルートを整備する


「誰にどんな手段で連絡するか」というルートを整備しておくことも、エスカレーションを迅速に行うためには不可欠です。インシデントのカテゴライズに合わせて、「この内容なら◯◯さん」など内容ごとに報告する担当者を振り分けましょう。一般的には部署内の上司や管理者になりますが、事案によってはほかの関連部署や、さらに上の責任者への報告が必要になることもあります。

さらに、エスカレーションは電話・チャット・メールなど、どのシステムを使ってやり取りをするのかも明確にしておくとよりスムーズです。担当者の不在や、連絡がつかない場合に備え、別の対応者への連携も準備しておくと万全でしょう。


CRMシステムを活用しエスカレーション情報を共有する


エスカレーションによるインシデント処理ができた後は、一連の応対履歴をデータベース化し、社内共有をします。フローには、記録すべき項目まで記載しておくといいでしょう。

コンタクトセンター向けCRMシステムなら、エスカレーションに関する応対履歴を一元管理でき、エスカレーション後に担当者がどのように解決したかをデータベース化することも可能です。ナレッジとしてほかのスタッフと共有できるようにすれば、今後同じような問題が発生した場合でも一次対応者による解決が期待できます。

コンタクトセンター向けCRMシステムFastHelp5は、承認・ワークフロー機能はもちろんのこと、カテゴリーなどの条件を基にあらかじめ登録されているFAQ検索もでき、CX向上を支援します。

エスカレーションが失敗する主な原因

オペレーターがエスカレーションを怠ったり、応対の引き継ぎが遅れたりするなど、エスカレーションが失敗すると、顧客を待たせて、信頼度を下げてしまう可能性があります。さらなるトラブルの火種となることもあるため、エスカレーションが機能していない場合は改善が必要です。ここからは、エスカレーションが失敗する主な原因と解決策を見ていきましょう。


エスカレーションすべきか迷う


エスカレーションの基準が曖昧だと、緊急事態であってもオペレーターが判断に迷い、タイミングを逃して一人で応対を続けてしまうおそれがあります。逆に、応対に困ったらとりあえず上司や管理者にエスカレーションする体制では、必要以上にエスカレーションが発生していまい管理者に過度な負担がかかってしまいます。
エスカレーションをうまく機能させるには、インシデントの内容を細かく想定し、エスカレーションする線引きを明確にすることが大切です。また、迷ったときのエスカレーション先まで決めておくといいでしょう。


どの部署に報告すべきかわからない


エスカレーションが他部署に及ぶ場合、どの部署の誰にエスカレーションをすればいいのかわからないというケースもあります。他部署への連携に関してはフローから抜けていることも多いため、内容に応じて相談する部署と担当者を明記し、常に情報を更新するようにしておきましょう。


エスカレーションが止まっている


スタッフがエスカレーションしても、その先の担当者が不在だったり、忙しかったりするために止まっていることもよくあります。また、手書きのメモなどは、情報の漏れや紛失のリスクもあります。
このような場合は、「担当者不在の場合の連絡先をフローに明記する」「エスカレーションの内容をシンプルにして答えやすくする」「デジタルシステムを使いステータス表示から第三者からも進捗状況を把握できるようにする」などの体制を作っておくといいでしょう。情報共有やメモの取り方を、部署内で統一しておくことが大切です。

エスカレーションしやすい環境づくりも重要

エスカレーションは、担当者が「迷惑になるかも」「怒られるかも」と不安を感じ、上司や管理者への連絡をためらう環境にあると、うまく機能しません。そうした連携の遅れを防ぐには、普段からスタッフ間でコミュニケーションを活発に行い、部署内での心理的安全性を確保することが大切です。さらに、エスカレーションした当事者の責任を問わない規定を設けるなど、萎縮せずにエスカレーションできる環境を整備しておく必要があります。

また、エスカレーションを受ける側の心構えとして、日頃から業務に関する相談に乗るなど信頼関係を築いておく、エスカレーションに対して不安や焦りを感じているオペレーターの気持ちを落ち着いて受け止める、などの姿勢も大切です。さらに、エスカレーション終了後に報告を兼ねて「さっきは大変だったね」と一言フォローすれば、「この人なら気軽に相談できる」という安心感を与えられるでしょう。

エスカレーションを適切かつスムーズに実施することは、様々なお問合わせに日々応じるオペレーターの心理的な負担軽減につながります。また、トラブルやクレームが大きくならないうちに解決できれば、顧客満足度の向上も期待できます。一次対応者が判断に迷わないよう、エスカレーションのルールやフローを明確にしておくことが大切です。

まとめ

  • エスカレーションとは、オペレーターが顧客からの問合わせに対応しきれないときに、管理者などの上位者へ引き継ぐこと。緊急事態の解決に有効なプロセスだが、ルールを曖昧にしておくとうまく機能しないおそれがある。
  • エスカレーションフローの構築にあたっては、エスカレーションを行う基準とルートについてルールを明確化する必要がある。担当者が引き継ぎ内容をスムーズに把握し、どのように解決したかという情報をオペレーターと共有できるよう、CRMシステムも活用したい。
  • オペレーターが躊躇せずエスカレーションしやすいよう、日頃から心理的安全性の高い環境づくりに努め、スタッフ間のコミュニケーションを通じて信頼関係を築いておくことも大切。

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