FastSeries ブログ

ナレッジ

2023/09/13

エスカレーションを効率化させるルールのつくり方

  • OP(オペレーター)
  • SV(スーパーバイザー)
  • コンタクトセンター
  • マネジメント
  • 業務効率化
  • LINE(ライン)
  • Twitter
  • Facebook

お客さまからのお問合わせにオペレーターが対応しきれずエスカレーションを行う際、SVなどへの引き継ぎがスムーズに行かず困ったことはありませんか?
今回は、コンタクトセンターで発生するエスカレーションにおける課題と、効率的なエスカレーションのポイントについて解説します。

エスカレーションとは?よくある課題について

エスカレーションとは、自分では対処しきれない問題が発生した際、上司や責任者などの上位者に指示や判断を仰ぐことです。コンタクトセンターにおいては、一次対応にあたったオペレーターがお客さまからのお問合わせに対応するのが困難な時、SVやエスカレーション専任者に電話を転送して応対を引き継ぐことを指します。オペレーターの知識や能力を超えた複雑なお問合わせ、何らかのインシデントの発生やクレーム対応において多くなります。

緊急事態の解決を目的とするエスカレーションは、迅速に行うことが重要。もしもオペレーターがエスカレーションを怠ったり応対の引き継ぎが遅れると、お客さまに対して、誤った対応をして解決に時間がかかってしまい、顧客満足度の低下につながるおそれがあります。このようにエスカレーションがうまくいかないケースは、応対を引き継ぐべきか否かの判断基準や、誰にどう応対を引き継ぐかという対応フローなど、エスカレーションに関するルールが明確に定められていない場合に起こりがちです

エスカレーションフローを構築するための基本ルール

operators-have-a-conversation-sub.jpg

エスカレーションの基準が曖昧だと、緊急事態であってもオペレーターが判断に迷い、タイミングを逃して一人で応対を続けてしまうおそれがあります。逆に、応対に困ったらとりあえずSVにエスカレーションする体制では、必要以上にエスカレーションが発生していまいSVに過度な負担がかかってしまいます。エスカレーションをうまく機能させるには、まず円滑に進めるためのルールを作成する必要があります。次に挙げるポイントを踏まえて「いつ、誰に、どのような手段で」というフローを構築しましょう。

  • エスカレーションの基準を明確化する

    エスカレーションすべきか否かをオペレーターの自己判断だけに委ねず、「クレーム対応で責任者からの回答を求められた」「特定の専門知識が必要なお問合わせを受けた」など、エスカレーションの基準を明確にすることが重要です。また、応対時間の基準を設定し、「基準時間を過ぎても終話できなければエスカレーションする」といったオートマチックなフローも設けるのもよいでしょう。

  • エスカレーションのルートを整備する

    「どんな時、誰にどんな手段で連絡するか」というルートを整備しておくことも、迅速にエスカレーションを行うには不可欠です。まず、エスカレーションが必要なケースを重要度によってレベル分けし、内容ごとにカテゴリー分けします。そして、SVやお問合わせ内容の関連部署など適切なエスカレーション先を振り分けましょう。さらに、電話・チャット・メールなど、担当者への連絡方法も明確にしておくとよりスムーズです。担当者が不在だったり連絡がつかない時に備え、別の対応者への連携も準備しておくと万全でしょう

  • CRMシステムを活用しエスカレーション情報を共有する

    対応を引き継いだ担当者が状況を正確かつスムーズに把握できるよう、応対履歴を記録し一元管理できるCRMシステムを導入するなど、エスカレーションに関する情報を確認・共有できるシステムづくりも有効です。また、エスカレーション後に担当者がどう解決したかをCRMシステムに記録してデータベース化し、ナレッジとしてオペレーターと共有できるようにすれば、今後同じような問題が発生した場合でも一次対応者による解決が期待できます。

エスカレーションしやすい環境づくりも重要

エスカレーションが機能しないパターンとしてもう1つ挙げられるのが、オペレーターが「迷惑になるかも」「怒られるかも」と不安を感じ、SVやエスカレーション専任者への連絡をためらうケースです。そうした連携の遅れを防ぐには、普段からスタッフ間でコミュニケーションを活発に行うことでセンター内での心理的安全性を確保したり、「当事者の責任を問わない」という規定を設け、萎縮せずエスカレーションできる環境を整備しておく必要があります。

また、SVなどエスカレーションを受ける側の心構えとして、日ごろから業務に関する相談に乗るなど信頼関係を築いておいたり、エスカレーションに対して不安や焦りを感じているオペレーターの気持ちを落ち着いて受け止める姿勢も大切です。さらに、エスカレーション終了後に報告を兼ねて「さっきは大変だったね」と一言フォローすれば、「この人なら気軽に相談できる」という安心感を与えられるでしょう。

エスカレーションを適切かつスムーズに実施することは、様々なお問合わせに日々応じるオペレーターの心理的な負担軽減につながります。また、トラブルやクレームが大きくならないうちに解決できれば、顧客満足度の向上も期待できます。一次対応者のオペレーターが判断に迷わないよう、エスカレーションのルールやフローを明確にしておきましょう。

まとめ

  • エスカレーションとは、オペレーターがお客さまからのお問合わせに対応しきれない時にSVなどの上位者へ引き継ぐこと。緊急事態の解決に有効なプロセスだが、ルールを曖昧にしておくとうまく機能しないおそれがある。
  • エスカレーションフローの構築にあたっては、エスカレーションを行う基準とルートについてルールを明確化する必要がある。担当者が引き継ぎ内容をスムーズに把握したり、どのように解決したかという情報をオペレーターと共有できるよう、CRMシステムも活用したい
  • オペレーターが躊躇せずエスカレーションしやすいよう、日ごろから心理的安全性の高い環境づくりに努め、スタッフ間のコミュニケーションを通じて信頼関係を築いておくことも大切。

人気記事ランキング

おすすめ記事

カスタマーサービス関連のお役立ちコンテンツを定期的にお届けします。

Consulting

価格・導入に関するご相談、資料請求は以下よりお問合わせください。

イベント情報