CRMとFAQの一体構築により生産性と満足度を高め、AIによる効率化も実現

連携性・検索性・柔軟性を強化し、迅速かつ正確なサポート提供に向けた土台を整備

CRMとFAQの一体構築により生産性と満足度を高め、AIによる効率化も実現
業種
IT・情報
製品
FastAnswer, FastHelp
利用形態
クラウド型
導入の背景
  • 旧システムでは、動作の重さや操作性が現場生産性に影響、併せてライセンス費用が当初見積もりから約2倍に膨らんでいた
  • FAQ検索では表記ゆれへの対応に手作業の辞書登録が必要で、自己解決のハードルにもなっていた
  • サイトに登録された製品情報を問合わせ時に連携し、スムーズで的確なサポートを実現したかった
導入の効果
  • 大幅なコスト削減を実現しつつ、CRM・FAQの一体構築とシステム軽量化によりオペレーターの業務負担を軽減
  • 標準搭載の辞書機能やサジェスト機能によりFAQ検索性が向上し、求める回答にたどり着きやすい状態へ
  • Webフォームや設定値修正など、CS担当者が自ら対応できる範囲が広がり、運用効率化に寄与
  • AIによるお問合わせ回答生成支援の仕組みを実運用へと展開し、約3割を効率化
今回お話をお伺いした方
CSグループ
グループマネージャー

服部 香菜枝 氏

【背景と目的】

複数拠点委託の運用を支える上でコストと操作性、FAQ検索が課題に

ソースネクスト株式会社は設立以来、「製品を通じて、喜びと感動を、世界中の人々に広げる」をミッションに掲げ、パソコン・スマートフォン向けソフトウェアおよびハードウェア製品の企画・開発・販売を手がけてきた。AI通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」、セキュリティソフト「ウイルスセキュリティZERO」、年賀状ソフト「筆まめ」「筆王」などをはじめ、300種類以上のタイトルを展開し、国内外で累計2,000万人を超えるお客様に利用されている。

同社の当該部門は、製品の購入前・利用中のお問合わせに対応し、操作方法の案内やトラブル解決を通じて、お客様の製品利用を支える役割を担う。単に問合わせに回答するだけでなく、お客様の声を製品・サービスの改善につなげ、より快適に利用できる体験を提供することをミッションとしている点が特徴である。
さらに、一つひとつの対応を通じて「ソースネクストなら安心して利用できる」と感じてもらえる関係性を築き、お客様に長く選ばれ続けるサポートを目指している。

現在はその実現に向けて、AIを活用したお問合わせ内容の分析や定型的な質問に対する自動応答の仕組みづくりも進めている。よくある問合わせへの対応を効率化し、担当者が個別の状況や困りごとを踏まえた案内に注力できる体制を整えることで、新しい顧客体験の構築に取り組んでいる。

同社のコンタクトセンターは、広島・函館をはじめとする複数拠点に業務を委託し、電話・メールで製品やサービスに関する問合わせに対応している。複数拠点で一定の品質を担保しながら運用していくためには、オペレーターが必要な情報へ素早く到達でき、迷いなく応対できる仕組みが重要となる。

目指していたのは、お問合わせをいただいたお客様に素早く、かつ正確な回答を届け、その場で疑問を解決できる体制の整備である。しかし旧システムでは、動作が重く操作性にも課題があり、現場の生産性に影響が出ていた加えて、ライセンス費用が当初見積もりから約2倍に膨らむなど、想定を大きく超えるコスト負担が発生していたという。
中でも深刻だったのがFAQ検索の精度である。送り仮名の違い、ひらがな・カタカナ表記、表記ゆれなどに対し、手作業で辞書登録を行わなければ適切な回答にヒットしない状態にあり、結果としてお客様による自己解決のハードルが高くなっていた。こうした課題は、応対品質と効率の両面に関わることから、リプレース検討を後押しする大きな理由の一つとなった。

また、機能面・コスト面の課題に加え、現場からは「システム連携によりお客様の製品情報を事前に把握し、よりスムーズで的確なサポートを実現したい」という要望も上がっていた。具体的には、お客様が同社サイトに登録した製品情報を、お問合わせ時にシームレスに連携できる仕組みが求められていたのである。

こうした背景のもと、コンタクトセンターを取り扱う企業5社のソリューションと、テクマトリックスのFastSeriesを、課題解決とコストの両面から比較検討することになった。

CRMとFAQの一体構築、軽快な動作と検索性能がFastSeries選定の決め手に

FastSeries選定において大きなポイントとなったのが、CRMシステム「FastHelp」とFAQナレッジシステム「FastAnswer」が一体的に構築されており、両者をシームレスに連携できる点である。問合わせ応対の実務では、顧客情報・製品情報・過去履歴・回答候補(FAQ)を行き来する場面が多い。そこを分断なくつなげられることが、応対スピードと品質の安定化に直結すると判断された。
また、旧システムと同じデータ容量でも動作が軽快でレスポンスが速い点も高く評価された。現場での「待ち時間」は小さなストレスの蓄積となり、結果的に応対生産性にも影響するため、軽快さは重要な要件であったという。

運用面では、CS担当者自身が直感的な操作でレポートや表示内容をカスタマイズできる柔軟性もメリットと捉えられた。日々の運用で「見たい情報」「管理したい切り口」は変わり得るため、現場主導で調整しやすい設計は、継続運用のしやすさにつながる。

さらに決定的なポイントとなったのがFAQ検索性能である。標準搭載の辞書機能とサジェスト機能により、お客様が求める回答へたどり着きやすい点が評価され、自己解決の改善にも資する基盤になり得ると判断された。

テクマトリックスにコンタクトセンター業界での豊富な導入実績があり、社内でもFastSeries利用経験のある人がいたり高い評価であったりしたことが、意思決定における安心材料となった。
また、同社の実際の製品データやFAQを用いて作り込まれたデモが提示され、現場がストレスなく業務にあたるイメージを具体的に描けた点が大きかった。担当者の対応力やコミュニケーションの取りやすさも含め、総合的な納得感の中で導入判断に至ったという。

株式会社ソースネクストの事例構成図

限られた期間で確実な移行を優先しつつ、業務に効く細かな要件へ落とし込む工夫

導入は、現行システム更新まで約7ヶ月という限られた期間で進められた。そこで基本方針として掲げたのが、現行仕様を踏襲しつつ確実なカットオーバーを優先することである。短期間の移行では「あれもこれも変える」アプローチはリスクが大きくなるため、まずは業務継続性を最重要とし、移行後に段階的に改善余地を広げる設計思想で推進された。

要件定義で特に議論が深まったのが、FAQからお問合わせフォームへの導線設計である。お客様のログイン状態や製品登録(シリアル)の有無をどう判定し、不要な入力操作をいかに省くか。お客様にとって入力負担が大きいほど離脱や不満につながりやすく、自己解決導線にも影響し得る。そこで、テクマトリックスと深く議論を重ね、体験面も含めた要件へ落とし込んでいった。

マスタ設計では、製品名を表す言葉(概念)が新旧で異なるという前提があり、どう紐付け、階層構造として整理するかに最も時間を要した。製品名・シリーズ名・カテゴリなどの整理は、検索性だけでなくレポートや運用管理にも波及するため、ここを丁寧に設計することが重要となった。

データ移行に際して、過去の膨大な問合わせデータについて、移行期間の制約も踏まえ、新システムへの全件移行は行わない判断をしている。
その代替として、過去データを検索できる社内閲覧システムを内製し、過去ナレッジへのアクセス性を担保した。新システム側を軽量に保ちつつ、必要な時に過去情報へ到達できる形を用意したことは、現実に即した設計上の工夫である。

そして、テクマトリックス主催でスーパーバイザー向けの対面トレーニングを実施し、オペレーター向けには同社主催のオンライン説明会も開催した。全国5拠点への展開を効率的に進めるため、対象者と目的に応じて手段を分け、定着を意識した展開を行った。

【導入の効果】

コスト削減と軽量化、運用内製範囲の拡大で効率化を前進

導入後の効果として、大幅なコスト削減を実現できただけでなく、システムの軽量化によりオペレーターの業務負担が軽減した。旧システムで課題となっていた動作の重さが応対のリズムを崩す要因になっていたことを踏まえると、軽快さは日々の業務体験に直結する改善となっている。

また、Webフォームや設定値の修正など、CS担当者自身で修正できる範囲が広がったことで運用のスピードと柔軟性が増し、大幅な業務効率化につながっている。問合わせ内容や運用ルールが変化する中で、都度現場で手を入れられる範囲が広いことは、継続改善を進めるうえで重要な基盤となる。

現場の反応も前向きであり、デモを操作した段階から「旧システムで感じていた業務上のストレスがなくなり、前向きに業務に取り組めるイメージが持てた」と好評の声が寄せられている。導入効果が数値だけでなく現場の納得感としても得られている点は、運用定着の観点でも意味が大きい。

AI回答生成の実運用を開始、約3割は修正なしで送信可能に

さらに同社は現在、テクマトリックスの支援のもと、AIによるお問合わせ回答生成支援の仕組みを実運用へと展開している。併せて、AIによる回答精度が高い一部の製品・カテゴリについては、自動返信機能の実装と運用検討も進めている。
具体的には、Web上の情報で解決できる可能性が比較的高い製品(主にPCソフト)で、技術的なお問合わせ内容に絞りAI回答を生成し、オペレーターが内容を確認したうえで送信する運用としている。

運用上は、オペレーターがAI回答をそのまま送信できたか、修正して送信したかなどの観点で分類を行い、どの程度そのまま送れる回答を作れているかを分析しているという。定量的には、AIが回答を生成した問合わせのうち約3割はそのまま送信できている状態であり、回答生成支援の手応えを得ている段階にある。

【今後の展開】

AI活用を段階的に拡張し、「人とAIのハイブリッド対応」へ

一方で運用を進める中で、想定よりAI回答の対象外となる問合わせも存在することが見えてきた。例えば、社内システムを確認しなければ回答できないものなど、外部公開情報やFAQだけでは完結しづらい問合わせが一定数含まれており、こうした問合わせをどのように扱うかが課題となっている。

今後は、自社独自のナレッジとの連携によって回答精度をさらに高め、自動返信の適用範囲を他の製品群へと段階的に拡大していく計画である。

AIに任せられる部分はAIが担い、人はより高度で複雑な相談に注力する。こうした「人とAIのハイブリッド対応」を推進することで、お客様満足度の最大化を目指していく方針だ。
そして、お客様に「ソースネクストのサポートなら安心」と感じてもらえる体験を、これからも一つひとつ積み重ねていく。AIを活用して継続的な改善を進めていく考えである。

ソースネクスト株式会社
社名
ソースネクスト株式会社
設立
1996年8月
事業内容
パソコン・スマートフォンソフトウェアおよびハードウェア製品の企画・開発・販売
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日本製・ユーザーファーストのコンタクトセンターソリューション

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