FastAnswerで社内ナレッジと公開FAQを一元管理し、整合性と更新性を強化

運用負荷と更新漏れリスクを低減し、お客様の声を事業に活かす

FastAnswerで社内ナレッジと公開FAQを一元管理し、整合性と更新性を強化
業種
食品・飲料・生協
製品
FastAnswer
利用形態
クラウド型
導入の背景
  • 社内に点在していた情報を初めてデータベース化し、利便性は向上した一方で、更新・管理が属人的になりやすい課題が残っていた
  • 電話・メール対応で参照する情報と、HPで公開するFAQなど、チャネルごとにツールが分かれていたため、更新負荷が高かった
  • 更新漏れや情報不整合のリスクを抑えつつ、社内向けナレッジと社外向け公開FAQを一元的に管理できる仕組みが必要だった
導入の効果
  • 現場から「見やすくなった」「HP公開FAQも同時に確認でき案内しやすい」など、応対時の参照性向上につながる声が得られている
  • FAQはQだけでなくAの本文も検索できるようになり、必要情報への素早いアクセスが可能に
  • 作成画面と検索・閲覧画面が一体化していることで、確認から修正・更新の流れがスムーズに、複数名での同時作業分担もしやすくなった
  • 公開/非公開切替やダッシュボード活用により、更新忘れ・登録漏れ防止など、情報の鮮度維持に役立っている
今回お話をお伺いした方
渡邉 智子
キリンホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部
お客様相談室CX推進チーム

渡邉 智子 氏

中山 典子
キリンホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部
お客様相談室CX推進チーム

中山 典子 氏

片平 圭一
キリンビジネスシステム株式会社
デジタル本部デジタル統括部DXグループ
担当部長

片平 圭一 氏

【背景と目的】

お客様の声を事業に活かすため、タッチポイントの量・質向上を重視

キリンホールディングス株式会社のコーポレートコミュニケーション部の中に置かれているお客様相談室は、お客様との接点を通じて得られる声を事業活動に活かし、より良い商品・サービスの提供につなげていくことを重要な役割としている。日々寄せられるお問合わせやご意見に真摯に、誠実に対応しながら、お客様の「健やかな暮らしのサポーター」になることを目指している点も同組織の特徴である。

また、お客様からいただいた声を社内各部門へフィードバックし、品質やサービスの改善、新たな価値創出へつなげていく取り組みも推進している。
一般的にコンタクトセンターでは、いかにお客様の自己解決を促進して呼量を削減するか、そのための仕組みを検討することも多い。一方で同社は、効率化の視点だけではなく、お客様の声をより事業に活かしていくために、お客様とのタッチポイントを量・質ともに向上させたいという考えを重視してきた。さらに、単に業務効率化を図るのではなく、お客様が望むコミュニケーションをスムーズに提供することで、「健やかな暮らしのサポーター」としての役割を果たすことを目指している。

データベース化で前進するも、属人化と分散運用が課題に

お客様相談室は、窓口対応を担うフロントチームと、お客様対応に必要な情報の整備、お客様の声の集計分析、活用提言、情報発信、電話システム、そしてFastAnswerの管理・運営を担うCX推進チームで構成されている。キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャン、キリンホールディングスの4社のお客様窓口を運営しており、取り扱う情報の量・種類が広がりやすい体制にある。

2020年には、社内に点在していた、お客様へのご案内に必要なさまざまな情報を初めてデータベース化した。紙ベースでしか残っていない情報、当時いた人から口伝で伝えられてきた情報、CRM内の情報、社内情報共有ツール内の情報などをまとめることができ、特に新しく着任したメンバーにとって利便性は向上した。

しかし、情報を集約したことで一定の前進はあった一方、運用段階では情報の更新や管理が属人的になりやすいという課題が残った。加えて、電話やメール、HPで情報を調べるお客様向けの公開FAQなど、チャネルごとに整備を進めるなかでツールが分かれていたため、同一内容を複数箇所に登録・更新する必要が生じ、運用負荷が高い状態となっていた。
このような分散運用は、担当者の手間を増やすだけでなく、更新漏れや情報の不整合が発生するリスクを押し上げる。結果として、業務の成果や効率を高めるうえで大きな障壁となっていた。

社内ナレッジと公開FAQを一元管理し、整合性と更新性を高める仕組みを検討

こうした背景から、同社は社内向けのナレッジデータベースと社外向けのHP公開FAQを一元的に管理し、情報の整合性と更新性を高めることができるシステムの導入を検討するに至った。

コストや操作性といった基本要素に加え、お客様からのお問合わせ内容に迅速に対応していくためには、現場主体で柔軟に運用できることが不可欠であり、同社にとって「自社運用が可能であること」は必須条件であった。
FastAnswerは、専門的なHTMLやタグの知識がなくても、ナレッジ作成画面上で画像編集や文字装飾ができるなど、現場メンバーでも扱いやすい設計となっている点が大きな魅力となった。

デモ提示と手厚いサポートが決め手に

製品選定においては、非常にタイトなスケジュールでの依頼にもかかわらず、テクマトリックスから丁寧かつ的確な提案が得られたことが大きかったという。特に印象的だったのは、同社のHPを事前に確認したうえで、「FastAnswerで構築した場合にはこのような見え方・使い勝手が可能である」と、具体的なデモページを提示した点だ。担当者の熱意が伝わったことと、実際の運用イメージを具体的に描くことができたことは、大きな評価ポイントとなったと同社は語る。

また、導入後のサポート体制も重視された。運用開始後に不明点や課題が発生した際、メールに加えて電話でもサポートを受けられる点、レポート機能を活用した運用改善の伴走支援がある点は、継続的な活用を進めるうえで重要な要素である。加えて、システム停止がそのままお客様対応の停止につながるため、障害時の対応も評価ポイントとなり、検知後1時間以内の通知および復旧後の迅速な連絡体制が整備されている点を含め、安心して利用できると判断した。

並行稼働の中での要件定義・移行——「先祖返り」を防ぐ鮮度管理に注力

導入にあたっては、現行システムを運用しながら並行して要件定義、開発、データ移行を進める必要があり、スケジュール管理と品質管理の両立が大きな課題となった。特に、データ移行の過程で発生するタイムラグによって、最新の情報が反映されない「先祖返り」を防ぐ必要があり、FAQの鮮度管理には細心の注意が払われた。

また、システム変更は窓口対応メンバーにとっても、大きな負担となり得るため、「いかにスムーズに受け入れてもらうか」という観点も重視された。従来の操作感とのギャップをできるだけ小さくするため、極力旧システムから違和感なくログインできるように工夫するなど、心理的負担の軽減にも配慮している。
加えて、新しいシステムの定着を促進するため、「使いやすさ」を実感してもらうことを最優先とし、検索性や画面の見やすさにこだわった設計が行われた。現場の声を取り入れながら要件を調整することで、実際の業務に即した使いやすい環境づくりを意識したという。

なお、FastAnswerの管理・運営において、基本仕様をキリン仕様にどうアレンジできるか、社内の制約、ツール連携、新旧データのマッチング、お客様相談室として実現したいことがシステム上でどのように再現できるかといったシステム要件については、グループ内企業であるキリンビジネスシステム株式会社 デジタル本部の協力を得ながら進められている。

【導入の効果】

見やすさと検索性の向上、更新作業の分担が進み運用効率化へ

キリンホールディングス株式会社の事例構成図

導入後、現場メンバーからは「見やすくなった」「HPで公開しているFAQも同時に確認できるため、お客様への案内がしやすくなった」といった前向きな声が寄せられている。応対の場面では、参照すべき情報へ素早く到達できるかどうかが案内品質や応対のスムーズさに直結する。

検索性の面では、FastAnswerではFAQのQだけでなくAの本文も検索できるようになり、必要な情報に素早くアクセス可能となった。新しい操作に慣れるまでには一定の時間を要したものの、日常業務の中で利便性を実感できる場面が増え、活用価値が見えやすくなっている。

また、FAQを作成する立場から見ても、ナレッジ作成画面と検索・閲覧画面が一体化していることで、内容の確認から修正・更新までをスムーズに行えるようになった。複数メンバーによる同時作業が可能となったことで、更新対応のスピードやチーム内での分担もしやすくなり、運用効率の向上につながっている。

さらに、非公開・公開の切り替えが容易なこと、ダッシュボードを登録スケジュール管理ツールとして活用できることなどは、FAQの更新忘れや登録漏れ防止につながる。情報の鮮度維持に大きく役立っていることを実感しているという。

【今後の展開】

レポート・分析機能も活用し、「見つけやすく、作りやすく、育てやすい」運用へ

今後は、外部・内部のレポート活用や、ナレッジ修正の見直し予定の登録など、まだ十分に使いきれていない機能も活用し、より「見つけやすく」「作りやすく」「育てやすい」FAQ・ナレッジにしていきたい考えである。分析機能なども活用しながら、お客様のニーズや傾向の把握にもつなげていく方針だ。

さらに、社内のさまざまな部門とも連携しながら、FAQの鮮度管理(棚卸)をより迅速に、ストレスなく行う方法も検討していく。お客様相談室が担う「お客様の声を事業に活かす」という役割において、ナレッジの整備・運用は単なる情報管理に留まらず、改善や価値創出へつながる基盤となる。今後も、テクマトリックスの伴走・提案に期待しながら、継続的な改善を進めていく考えである。

キリンホールディングス株式会社
社名
キリンホールディングス株式会社
設立
1907年2月
事業内容
キリングループの経営戦略策定及び経営管理
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