FastHelp・FastAnswerで問合わせ対応基盤を刷新し、業務効率化と応対品質の安定化に貢献

複数システムの分散運用を解消し、自己解決の強化にもつながる運用へ

FastHelp・FastAnswerで問合わせ対応基盤を刷新し、業務効率化と応対品質の安定化に貢献
業種
製造
製品
FastAnswer, FastHelp
利用形態
クラウド型
導入の背景
  • かつて電話中心の窓口と、後から開設したEC窓口を別々に運営していたが、EC問合わせの増加を受けて窓口を一本化する方針となった
  • 当時は、一定の手間はありつつも電話用、メール用、FAQ用ツールをそれぞれ併用し運用していたが、電話問合わせツールがサービス終了となり、代替サービスの検討が不可避に
  • 奇しくも自社ECサイトをリニューアルするタイミングと重なり、お客様対応ツール全体の刷新を決定。単なる置き換えではなく、顧客の利便性向上を目的とした情報収集を開始した
導入の効果
  • FastHelp、FastAnswerにより、複数システムにそれぞれ対応する手間が減り、業務遂行の効率化を実現
  • お客様との対応記録について、検索が分かりやすく、突発的な問合わせでもお客様を待たせずに対応しやすい環境へ
  • FastAnswerのFAQをベースにした生成AIチャットボット運用を足掛かりに、自己解決手段の利用率向上を進める取り組みに注力している
今回お話をお伺いした方
小沼 和広
CX推進部 カスタマーサポート課
専任課長

小沼 和広 氏

【背景と目的】

電話中心からEC中心へ、問合わせ構造の変化と窓口統合の経緯

株式会社三陽商会は、1943年5月設立の紳士服・婦人服および装飾品の製造販売を手掛ける企業である。全国の百貨店、専門店、直営店で製品販売を行い、長年にわたりブランドと顧客接点を築いてきた。

同社のCX推進部 カスタマーサポート課は、商品やサービス全般に関するお客様からの相談窓口として活動している。同社製品に信頼を寄せるお客様も多いなか、その期待に寄り添った対応を常日頃より心掛けている点が部門ミッションとなる。運営体制としては、ECを担当するメンバーと、それ以外の全般を担当するメンバーに分かれて対応している。

問合わせ窓口の体制は、当初から電話対応を中心とした窓口があり、その後、ECに関する窓口が開設され、一定期間は二つの窓口を別々に運営していた。しかし、年を追うごとにECに関する問合わせが増加し、窓口を一つに統合する方針となった。
同社では、十数名の所属人員が年間約数万件の問合わせを対応し、内訳としてはECが約4分の3、その他が残りを占めている。また、チャネル比率はメールが約8割、電話が約2割で、質問内容もEC関連が中心となっている。電話でのアクセスは年々減少傾向にあり、今後も減っていく見込みだという。

こうした変化は、窓口の運営形態だけでなく、現場が扱う情報・対応履歴・FAQの整備方法にも影響する。問合わせ構造がEC中心へ寄っていくなかで、現場が「素早く探せる」「迷わず運用できる」基盤の重要性が高まっていった。

電話ツールのサービス終了とECリニューアルを契機に、お客様対応基盤の刷新を決断

窓口統合後しばらくは、「電話での問合わせ用ツール」「メールでの問合わせ用ツール」「FAQ用ツール」を併用しながら運用していた。多少の手間はかかるものの、大きな支障はなく、既存のやり方の延長で回せていた面もあったという。

一方で転機となったのが、長年利用していた「電話での問合わせ用ツール」を提供していた会社がサービスを終了することになった点である。継続利用ができなくなる以上、代替サービスの導入検討を避けて通れない状況となった。

奇しくも、自社ECサイトのリニューアルが決まったことで、お客様対応ツール全体の刷新も決定した。しかも、単なる代替ではなく、利便性向上も含めた刷新の機会として情報収集をスタートすることになった。結果として、問合わせ対応を担う現場の運用に合致し、今後の体制にも適応できる基盤を整備するプロジェクトへと発展していったのである。

FastSeriesの機能適合と伴走型のサポート体制を評価

複数社からお客様対応ツールの見積もりを取得し比較検討した結果、同社はFastSeriesのCRMシステム「FastHelp」、FAQナレッジシステム「FastAnswer」を選定した。選定理由としては、「当社に相性が良いコンテンツを有していた」と評価している。

もちろん、刷新は従来の延長だけで成立するものではない。旧システムで利用していた一部機能がそのまま置き換えられない場面や、旧操作方法に慣れたメンバーが新たなやり方を習得する必要があるなど、移行期ならではの負荷も生じ得る。そうした点は、導入を進めるうえで一定の調整が求められた領域である。

その一方で、同社が特に評価しているのがサポート体制である。導入前から導入後しばらくの間、慣れない操作方法へのアドバイス、利便性が高まる機能の提案、質問への迅速なレスポンスなど、利用に際して生じる不安や不満が大きくならないよう、丁寧に支援を受けられたことが安心材料になったという。
現在もその姿勢は変わらず、安心して利用できている点が、運用フェーズでの継続評価につながっている。

半年以上前から準備を開始し、データ移行と情報整理を計画的に推進

導入プロジェクトは、2023年9月のスタートに向け、半年以上前から導入スケジュールを組み立て、週単位で進捗状況を確認しながら推進された。日々の問合わせ対応を止めずに移行を進める以上、計画性と見える化が重要となる。

特に懸念となりやすいのが、旧システムで管理していたお客様情報やFAQコンテンツなどのデータが、FastHelp、FastAnswerへ無事に移管できるかどうかである。
同社でもこの点を心配していたが、移行の過程で、古い情報を持ち続けることがリスクにもなり得ると再認識し、良いタイミングでデータをクリーニングできたという。結果として、単なる移行作業に留まらず、今持つべき情報は何かということも見直す機会にもなった。

また、便利になる操作機能の習得やトレーニングについても、余裕を持ったスケジュールが組まれ、メンバーが安心して取り組める状態を整えた点も、定着に向けた重要な工夫となっている。

【導入の効果】

複数ツール対応の負荷を軽減し、検索性を軸に応対を安定化

導入後、当初の目的であった業務遂行の効率化は図れている。複数のシステムにそれぞれ対応する手間がなくなり、他の業務に取り組める時間が増えたという。
窓口運営では、問合わせ処理だけでなく、情報整備や改善活動など応対以外の時間が確保できるかが、体制の持続性にも直結するため、こうした変化は実務上の効果として大きい。

お客様との応対記録についても、検索機能が分かりやすく、突然のお問合わせが生じた際にもお客様を待たせることなく操作できている。特にメールが中心となる運用においては、過去のやり取りや関連情報へ素早く到達できることが応対品質に影響するため、検索性の改善が日常の業務体験を下支えしている形だ。

また、移行当初は旧システムで利用していた特定の機能について継続利用を想定していたものの、結果として現在では当時ほど必要性を感じなくなったという。ニーズや最適な機能の定義は時代や問合わせ構造の変化とともに移り変わるものであり、刷新を通じて変えるべき点と変えずに守るべき点を整理できたことも、運用面での学びとなっている。

株式会社三陽商会の事例構成図

FastAnswerのFAQを基盤に、自己解決の強化へ取り組みを拡張

最近では、運用中のFastAnswer内のFAQコンテンツを参照し、生成AIチャットボットを運用している。電話・メール中心のサポート業務の中で、さらなる呼量削減のため、お客様の自己解決率をより上げたいという課題意識があった。

この取り組みには、単一システムの利用というより、FastAnswerのFAQを回答の拠り所(基盤)として使う点に意味がある。FAQをベースにすることで回答精度の改善が期待でき、自己解決の手助けとなる可能性が高まるためである。
また、FAQ、CRM、チャットボットを併用することで、コンテンツ更新を含む業務全体の効率化を図っている。運用後は、顧客がまず電話ではなく自己解決手段を利用する機会が一層増えており、今後さらにスムーズなサポートにつながることが期待されている。

【今後の展開】

AI活用を前提にしつつ、足元の課題解決から継続的に改善を進める

同社では、カスタマーサポート部門においても、さまざまな形でAIを活用することは必須になっていくという認識を持っている。

定型業務は効率化が進む一方で、非定型業務にはマンパワーでなければ対応できない領域も残る。日進月歩で進化するAIに盲従するのではなく、自社の課題解決について足元を見据えて取り組む姿勢を重視している。
その上で、実践ポイントとしては、PoC(概念実証)を通じてまずやってみること、そして回答検索の時間短縮のような改善でも積み重ねが業務効率化や自己解決率向上につながるという考えだ。
FastHelp、FastAnswerという基盤を中心に据えながら、運用改善を継続し、お客様の期待に寄り添った対応品質を維持・向上していく方針である。

株式会社三陽商会
社名
株式会社三陽商会
設立
1943年5月
事業内容
紳士服・婦人服及び装飾品の製造販売
全国の百貨店、専門店、直営店での製品の販売
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