【調査レポート】カスタマーサポートの「チャット利用実態」にみる、企業と消費者の見えざるギャップとは?
この記事をシェアする
「とりあえずチャットを置いておけば、顧客は自己解決してくれるはず」
——そんな期待を抱いてWebチャットを導入したものの、現場からは「なかなか利用率が上がらない」「結局電話の問合わせが減らない」というため息が聞こえてくる。カスタマーサポートの現場に身を置く方であれば、一度は感じたことのあるジレンマではないでしょうか。
一方で、スマートフォンを片手に日々のサービスを利用する一般消費者は、サポートチャネルに対して何を求めているのでしょうか。
今回私たちは、企業のコンタクトセンター運営に携わる「従事者(企業側)」(※1)と、日々サポートへ問合わせる「一般消費者(ユーザー側)」(※2)の双方を対象に、Webチャットシステムの利用実態に関する意識調査を実施しました。
データから見えてきたのは、「手軽なチャットで素早く解決したい消費者」と、「システムの限界や連携不足に苦悩する企業」という、鮮明な意識のギャップでした。両者の本音を読み解きながら、これからのカスタマーサポートに求められる「真の解決策」を探ります。
生成AIが業務効率化し顧客との絆に時間をつくる
FastSeries全体像はこちら
FastSeriesの事例をチェック
ユーザーの本音:チャットは便利だが、いつの間にか“他のチャネル”を掛け持ちしている
普段使いの問合わせチャネルは「電話」と「Webフォーム」
企業へ問合わせる際、消費者が普段どのチャネルを使っているかを聞いたところ、「電話」と「Webフォーム」が依然としてツートップを占める結果(図1)となりました。

Webチャット自体は2位・3位の選択肢として健闘しているものの、「いつもWebチャットを利用する」という人は12%にとどまり、「ほとんど利用しない」が62%にのぼります(図2)。

「Webチャット」は補助輪的な利用にとどまる
Webチャットは、スマホ(48.42%)やPC(46.32%)から、「平日の夜間(34.74%)」や「日中」を問わずスキマ時間に使われている(図3・図4)ものの、メインの相談窓口というよりは「補助輪」的な存在であることがうかがえます。また、気になるのは一般ユーザーからのアンケート結果としてはスマホ利用率が低いこと。日本のスマホ普及率が携帯電話保有者のうち98.3%(※3)、世帯保有率では91.8%(※4)であることから、チャットの一般への普及率が低いもしくは企業のスマホ対応が遅れている可能性があります。


ここで非常に興味深い、かつ見逃せないデータがあります。
「Webチャットを利用しながら、他のチャネル(電話・メールなど)を併用してお問合わせをした経験はありますか?」という質問に対し、なんと45.26%(半数弱)のユーザーが「ある」と回答したのです。併用先として挙げられたのは、「Webフォーム(60.47%)」や「電話(55.81%)」、「メール(48.84%)」でした(図5)。

つまりユーザーは、「チャットを試したものの、ボットやテキストだけでは解決しきれず、結局電話をかけ直したりフォームから送り直したりしている」という行動パターンを日常的にとっているのです。
企業のリアル:導入は進むが、現場は「解決力の限界」と「連携不足」に喘いでいる
では、このユーザーの動きを、サポートを提供する企業側はどう捉えているのでしょうか。
Webチャットをチャネルとして整備する動きは進んでいる
コンタクトセンター従事者を対象にした調査では、Webチャットシステムの導入状況について「導入済み(28.57%)」(2021年実施の同様の調査結果14.7%から5年で14ポイントちかく上昇)と「導入を検討中(31.75%)」を合わせると約6割(60.32%)に達し、多くの企業が前向きに取り組んでいることが分かります(図6)。

現場の声を覗くと、理想と現実のギャップが浮き彫りに
しかし、すでに運用している現場の声を覗くと、理想と現実のギャップが浮き彫りになります。

もっとも多くの企業が挙げていた課題は、「Webチャットで解決できる内容が限られている(42.86%)」でした(図7)。
この数値は、先ほどの消費者調査における「チャットから他のチャネルへ流れざるを得ないユーザーの姿」と完全に合致します。消費者が「チャットでは解決できない」と感じて電話やフォームに切り替えているその裏で、企業側もまさにその限界に頭を悩ませていたのです。
さらに、「人材不足」「スキルのばらつき」「利用率の低さ(各23.81%)」や、「他チャネルとの連携不足(20.63%)」といった課題も深刻です。
ギャップの正体:「サイロ化」がもたらす顧客ストレス
消費者と企業、双方のデータを突き合わせると、見えてくる課題の本質は「チャネルの分断(サイロ化)」にあります。
ユーザーは「チャットで気軽に質問したい」と思いアクセスするものの、複雑な用件で自動ボットやテキスト対応が行き詰まると、一度チャットを離れて電話をかけ直します。その際、企業側のシステムやオペレーションがチャットの履歴と電話の履歴を紐づけていなければ、ユーザーは「さっきチャットで伝えたのに、また最初から状況を説明させられた」という強いフラストレーションを味わうことになります。
実際、消費者のチャットに対する総合満足度を見てみると、「やや満足・非常に満足」が約37%いる一方で、「どちらとも言えない」が38.95%、「不満層」が約23%と、評価が綺麗に割れています(図8)。手軽さゆえの期待値の高さに対し、体験の質が追いついていない現状が伺えます。

企業と消費者の架け橋となる「マルチチャネル&CRM統合」というアプローチ
この双方のギャップを埋め、真の顧客体験(CX)向上を実現するためにはどうすればよいのでしょうか。
カギはCRMシステムを軸に、すべての顧客接点を統合すること
カギとなるのは、単体のチャットツールをバラバラに導入するのではなく、「コンタクトセンター向けCRMシステムを軸に、すべての顧客接点を統合すること」です。
- 履歴のワンストップ管理:
チャットでのやり取り、過去の電話やメールの履歴がすべて一つのCRM上で一元化されていれば、チャットから電話へ切り替えた際も、オペレーターは前後の文脈を完璧に把握してスムーズに対応できます。 - AIと人間のシームレスな連携:
初期対応はAIチャットボットで素早く自動化しつつ、複雑な問合わせはスムーズに熟練オペレーターへ引き継ぐ導線を構築することで、「解決力の限界」を突破します。 - 効果測定と改善のループ:
顧客満足度(CSATやNPS)をチャット上から手軽に収集し、データに基づいた改善を継続できる体制づくり。
チャットシステムは、もはや「トレンドだから導入するツール」ではありません。「顧客がどのチャネルを行き来しても、ストレスなく問題が解決するオムニチャネル環境」を支えるインフラとして捉え直す時期に来ています。
テクマトリックスでは、下記のチャットシステムソリューションをご用意しています。
- CRMシステム「FastHelp」:マルチチャネル対応CRMが応対履歴を一元管理
- チャットボット「FastBot」:導入がカンタンで、24時間の自動応答による自己解決を促進
- 有人チャットシステム「FastText」:ボットとのシームレスな連携が特長
それぞれの詳細は上記リンク先の各製品ページでもご紹介しています。ぜひ、ご検討ください。
まとめ
今回は、企業のコンタクトセンターが提供するチャネルのうち、チャットに着目し、一般消費者(ユーザー)の利用状況にフォーカスしました。
現時点では、チャットボットの精度が十分ではないことが、一般消費者と企業双方の認識に影響している可能性があります。一般消費者にとっては精度への不安が残っており、企業側でも同様に、精度への懸念から導入してもチャットボットに完全には任せられないという意識が強いと考えられます。
また、今回の調査から明らかになった「企業と消費者のギャップ」を埋め、チャット運用を成功に導くカギは、「チャネル単体の導入」ではなく「システム全体の統合と適材適所の組み合わせ」にあります。
つまり、チャットボット単体ではなく、他の問合わせチャネルとの組み合わせが重要になっていると考えられます。今後、AIを活用したボットの精度向上に期待しつつ、他チャネルとの連携を強化し、一般消費者の疑問をシームレスに解決していく施策が重要になるでしょう。
コンタクトセンター向けCRMシステム「FastHelp」は、電話・メール・Webフォームだけでなく、Webチャットなどの多様なチャネルからの問合わせ履歴をワンストップで一元管理。オペレーターやボットが「誰が・いつ・どこで・どんなやり取りをしたのか」を瞬時に把握できる環境をつくり、チャネルを跨いだ移動でも顧客を迷子にさせません。
さらにテクマトリックスでは、CRMによる強力なマルチチャネル対応に加え、ニーズに合わせて選べるデジタルコミュニケーションツールも豊富に提供しています。
- 有人チャットシステム「FastText」:スムーズなリアルタイム対応とオペレーターの負荷軽減を両立。
- チャットボットシステム「FastBot」:導入がカンタンで、24時間の自動応答による自己解決を促進。
「まずは手軽にチャットボットや有人チャットを導入したい」「将来的にはCRMと連携させてオムニチャネル化を進めたい」といった、どのようなフェーズのご要望にも柔軟に対応可能です。
チャットシステムは、もはや「トレンドだから導入するツール」ではありません。「顧客がどのチャネルを行き来しても、ストレスなく問題が解決するサポート体制」を築くことこそが、ブランドの信頼を高める最大の近道です。
自社のチャット運用やシステム連携にお悩みの方は、ぜひお気軽に当社の詳細資料を下記からご請求ください。

【調査概要】
※1:テクマトリックス株式会社によるアンケート概要
【アンケート名称】コンタクトセンター運営におけるWebチャットシステム利用実態調査(2026年8月)
【実施期間】2026年8月5日(水)~8月14日(金)
【実施方法】Web
【調査対象】コンタクトセンター従事者(関係者)(センターの運営・サポートに携わる方)
【有効回答者数】63名※2 :テクマトリックス株式会社によるアンケート概要
【アンケート名称】Webチャットシステムの利用実態調査(2026年8月)
【実施期間】2026年8月5日(水)~8月6日(木)
【実施方法】Web
【調査対象】一般消費者(企業への問合わせを行う一般ユーザー)
【有効回答者数】250名※3:
モバイル社会研究所.“携帯電話のスマートフォン比率98.3% スマートフォンのOS比率はAndroid55.4% iPhone44.6%【2026年調査】”. モバイル社会研究所. 2026-03-19. https://www.moba-ken.jp/project/mobile/20260319.html, (参照 2026-09-17)※4:
総務省.“令和7年通信利用動向調査の結果”. 総務省. 2026-05-29. https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000183.html, (参照 2026-09-17)
生成AI・CRM・FAQ・チャット・音声応答・
IVRなどの機能を組合せ自由!
申込後すぐにご案内
情報収集中のお困りごとのご相談から
この記事をシェアする
チャットシステムの導入をご検討中の方におすすめ
生成AIでコンタクトセンター業務はどう変わる?
チャット精度をその目で確認
業務・サービス品質を新次元へ導く機能をご紹介
導入企業の成果と効果事例を収録
お困りごとのご相談から