慶應義塾大学病院臨床研究推進センター 様
- 問い合わせ件数増加のなか既存FAQシステムがEOL(製品終了)を迎えた
- 既存FAQシステムの機能や操作性の踏襲も図った
- FAQサイトの利用状況を把握、フィードバック可能な環境を希望した
- 検索機能によりFAQの特定が容易になり、FAQサイトへのアクセスが増加した
- レポート機能でアクセス状況を把握でき、プレビュー機能によりサイト公開が容易になった
- 手厚い伴走支援のもと、製品決定からわずか3ヶ月で本番移行を完了した
慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター 臨床研究支援部門では、病院内外からの問い合わせ件数が増えるなか、既存FAQシステムがEOL(製品終了)を迎えました。従来の機能や使い勝手を踏襲しつつ、アクセス件数など利用状況のフィードバックが可能なソリューションとして、テクマトリックスのFAQナレッジシステム「FastAnswer」を選定しました。
FastAnswerの検索機能によりFAQ検索性が向上し、FAQサイトへのアクセスも増加しています。レポート機能で利用状況を的確に把握でき、プレビュー機能により安全なサイト公開も可能になりました。また、テクマトリックスの伴走支援により、製品決定からわずか3ヶ月で本番移行を完了し、安定したFAQサイトの運用を実現しています。
企画推進ユニット
ユニット長
松嶋 由紀子 氏
企画推進ユニット
土濱 あす香 氏
企画推進ユニット
太田 裕子 氏
ITユニット
ユニット長
林 珠季 氏
【背景と目的】
既存FAQシステムのEOL(製品終了)に伴う、新体制の早期整備
慶應義塾大学病院 臨床研究推進センターにおいて、臨床研究支援部門は新たな臨床的エビデンスの創出を目指す臨床研究とともに、薬事承認取得を目的とする治験の別を問わず、着想から成果を得るまでのあらゆる段階において多角的な支援を行っています。同部門の企画推進ユニットは、”人を対象とする生命科学・医学系研究”、”特定臨床研究”、および”医師主導治験”に係る研究者からの各種相談に専門家が応じることで、研究者の負担を軽減し、質の高い研究を推進する役割を担っています。
研究者からの問い合わせはWebフォーム経由で寄せられ、受け付けた問い合わせに対して企画推進ユニットが対応し、問い合わせ内容をまとめFAQを作成しています。相談対応するにあたり、これまで寄せられた問い合わせを整理したうえで、FAQシステムを導入して、FAQを公開していた経緯がありました。
かつてはHTMLを直接作成してWebサイト上のFAQを更新していましたが、問い合わせの増加に伴い、効率的な情報更新を目的としてFAQシステムを導入していました。しかし、当時利用していたFAQシステムが、EOLを迎えたことから、新たな仕組みへの移行が急務となりました。
最終的に、FAQナレッジシステム「FastAnswer」への移行は、製品決定からわずか3ヶ月で完了しています。
要件に適した運用の実現性、将来的な拡張性の両立
新環境の要件としては、基本的に既存と同等の機能や基盤を確保しつつ、Googleアナリティクスを用いてアクセス解析せずとも、ソリューション標準のレポート機能で利用状況などを把握できることを重視しました。
また、既存システム同様、新システムにおいてもコストパフォーマンスに配慮しました。
「FAQを作成する側だけでなく、FAQを活用する研究者やWebサイトを利用する方にとって、インターフェースが劇的に変わると利便性が損なわれる懸念がありました。そのため、従来の見た目に近いデザインを維持し、カテゴリで用語定義や審査要否を一元的に表示できることを重視しました」と、土濱氏と太田氏は述べています。
製品検討にあたっては、サポート終了まで約5ヶ月と時間的制約があったため、新規構築するといったアプローチは検討せず、複数のFAQシステムから要件を満たす製品を選定しました。
問い合わせ対応に注力する企画推進ユニットを支える形で、ITユニットがコンテンツを投入していますが、将来的にデータ投入を行う可能性のある企画推進ユニット構成員でも運用しやすいことを重視し、使い勝手の良さからFastAnswerに注目しました。
「特定用途に機能過多であったり、従来に近い画面にカスタマイズできない製品も多かったりと、当方の運用にマッチしないケースが少なくありませんでした」と林氏は振り返ります。
FastAnswerはリアルタイムにプレビューを更新、FAQの情報が公開できるだけでなく、標準のレポートが充実している点が高く評価されました。さらに、ワークフローやサジェスト機能など、将来的に活用可能な機能が豊富に備わっていることも選定のポイントとなりました。
また、伴走支援を含むサポート体制が充実していること、問い合わせシステムとしてシリーズ化されているCRMシステム「FastHelp」の展開が将来の拡張に資することも、大きなメリットと判断しました。
【導入の効果】
FAQシステム刷新による使い勝手の向上、運用効率化

現在は、別システムのWebフォーム経由で問い合わせを受け付け、日々問い合わせ対応を行っています。年に一度、カテゴリ分けされた各種問い合わせを全て抽出し、既掲載FAQの更新要否、新規掲載の必要性を判断しています。アクセス頻度も参照し、必要に応じてFAQの取り下げも検討します。
企画推進ユニットが作成や更新を行ったコンテンツをITユニットが受け取り、FastAnswerに投入する運用です。
ITユニットにおいては、FastAnswerの豊富な機能や複数画面で作業可能なUIも評価されています。コンテンツ公開時に、従来は公開済みコンテンツを直接編集する必要があり手間がかかっていましたが、プレビュー画面で事前確認できるようになった点も有用でした。
また、コンテンツへのアクセス状況については、FastAnswerのレポート画面で把握できるため、外部のGoogleアナリティクスを用いずとも運用でき、効率化に寄与しています。
問い合わせ対応の観点では、研究者の方への回答前にFAQを一度確認する運用において、従来は記憶を辿らざるを得なかったものの、現在は検索機能により類似のFAQを容易に特定できるようになりました。また、FAQ上のよくある問い合わせのフィールドに関しては、アクセス頻度に応じて自動的に順番が最適化される運用のため、利用者の導線改善にもつながっています。
さらに、FastAnswerにはSEO対策を簡便に設定できるチェックボックスが用意されていて、検索エンジンへの最適化が可能です。「システムの影響を厳密に分離して把握することは困難ですが、FAQサイトへのアクセスは確実に増加しています」と松嶋氏は述べています。
移行にあたっては、過去コンテンツを含めて全件を移行しました。テキスト中心であったため負担は小さく、細部のチューニングは林氏が担当し、基盤となるデータ移行はテクマトリックスの支援を受けて円滑に実施しました。「トライアル環境を本番へそのまま移行できたことは、FastAnswerの大きな利点でした。本番のために一から構築し直す必要がなかったのは助かりました」と林氏は振り返ります。
また、従来のインターフェースに近づけるためサイトデザインのカスタマイズを実施しましたが、テクマトリックスの柔軟な対応により、安定したFAQサイトを実現できました。伴走支援を通じて機能活用を含めたコンサルも受け、対応力と共に手厚い支援も高く評価しています。
【今後の展開】
AI活用による更なる業務効率化への期待
今後について、「現在は手作業でFAQを作成していますが、AIの適切な活用により業務効率化を図りたいと考えています。AIによる回答生成に直ちに踏み込むのは時期尚早ですが、アクセス状況を加味してAIがFAQに掲載すべき内容を選定するといった領域にはAI技術が期待できると考えています」と松嶋氏は述べています。
手作業の代替により負担を軽減するアプローチに期待しており、特にアカデミア視点の問い合わせでは、頻度が低い場合でも教育的観点からFAQに掲載すべきと判断されるケースがあります。その際、主観に伴う先入観を避け、AIが中立的な立場から候補の抽出や判断材料の提示を行うことに価値を見出しています。
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