導入事例

製造

資生堂ジャパン株式会社様

デジタルネイティブ層へのアプローチ
~お客さま窓口対応によるお客さま満足の最大化を目指して~

導入製品・ソリューション
FastHelp5

クラウド型

目的
VOC活用
オムニチャネル対応
顧客満足

今回お話をお伺いした方

  • コンシューマーセンター センター長

    徳永 由美 氏

「お客さまがあらゆる場面で、好きなときに、好きなようにブランドを通じた化粧体験を楽しめることを実現する」という会社のビジョンに基づき、資生堂ジャパン株式会社(以下、資生堂)のコンシューマーセンターは、従来の電話やメールでの対応に加え、電話を使わないデジタルネイティブ層の声を収集するため、TwitterやLINEにもチャネルを拡充している。同センターの幅広い年齢層の声を収集・解析しようとする取り組みについて伺った。

もくじ
  • お客様の要望を吸い上げ経営に反映する取り組みを続ける資生堂
  • 「資生堂お客さま窓口」におけるVOCの概要
  • 若年層の声を収集するために
  • LINEチャットとチャットボットを導入、その効果は?

お客様の要望を吸い上げ経営に反映する取り組みを続ける資生堂

現在、約120の国と地域でビジネスを展開し、化粧品、トイレタリー商品、医薬品、ヘルスケア商品などの製造・販売を通じて世界中の人々へ新しい美と豊かさを届けている資生堂。世界中の顧客に資生堂ブランドの商品を届けるべく、新規市場の開拓へと積極的に取り組み、先進的かつ革新的な商品を通じて「新しい価値」を創出し続けている。


高価格帯から低価格帯まで、数多くのブランドを有する資生堂は、それぞれの製品によって、販売チャネルもカウンセリングによる対面販売からドラッグストアやECサイトまで多岐にわたる。また、市場や顧客動向が想像を超えるスピードで変化する時代、社員全員がマーケティング活動を行いそれぞれのブランドの価値を高め、ブランドの良さを伝えるための活動に取り組んでいるという。


「コンシューマーセンターでも、お客様が資生堂の製品を通じて、年齢層や性別に関係なく、好きなときに好きなように化粧体験ができるよう、サポートする取り組みに挑戦しています」と徳永氏は語る。

「資生堂お客さま窓口」におけるVOCの概要

それでは、同センターに設けられている「資生堂お客さま窓口」の業務について紹介しておこう。現在のコンタクトチャネルは、フリーダイヤル(電話)、メール、手紙、LINEチャット、Twitter、Yahoo知恵袋(Web)など多岐にわたる。1年間で収集するVOC(Voice Of Customer)は、2018年の実績で電話・メール・LINEなどが約14万件、店頭で受けた声が約9万件、SNS情報は約233万件におよぶ。


「電話を中心としたお客様の声は、商品へのお問い合わせなどが中心になります。それに加えて、電話するほどでもない店頭で聞かれるちょっとした商品への感想、お褒めの声や、SNS(Twitter、Instagram)に寄せられるサイレントカスタマーの声も収集し、CRMシステムに統合。テキストマイニングで処理・分析をしたり、会議体を通じて社内関連部署に共有します。そして、そのお客様の声が商品開発や施策などに反映され、最終的に商品や店頭でお客様に還元される、というサイクルをまわしています」と徳永氏は説明する。


図1:VOCの流れ・システムの全体像

■図1:VOCの流れ・システムの全体像

「もともとは、電話・メールや店頭での声の収集のみを行っていましたが、結果、年齢層の高いお客様の声が中心となり、若年層との接点が薄い状況でした。しかし、会社として、新しいブランドの育成などのために、若年層の声の収集をしなければならないという課題がありました」と徳永氏。SNSをモニタリングした結果、若年層も美容の基本的な質問をしている方が多く、若年層、特にデジタルネイティブ層へのサポートが十分できていないことがわかったため、従来のチャネルに加えてLINEチャットやWebサイトのよくある質問ページの刷新などを行うことを決めたという。

若年層の声を収集するために

コンシューマーセンターでは、若年層を中心としたより多くの顧客の声を収集するために様々なチャネルを活用している。


2015年にはTwitterアカウントを開設。顧客からの声を受けるパッシブサポートだけでなく、自ら困っている顧客に直接話しかけるアクティブサポートを実施している。さらに、2017年からはYahoo知恵袋での回答も行っている。
その対応の成果は出ているが、オープンなメディアではより突っ込んだパーソナルな相談は難しいという課題もあった。


一方で、2012年からウェブチャットで美容相談を受け付けていたが、PCよりもさらに利用者の利便性が高いLINEチャットによる美容相談サービスに2018年、切り替えることを決定した。

LINEチャットとチャットボットを導入、その効果は?

LINEチャットを選んだ理由としては、「若年層のみならず、幅広い年齢層が利用していること。今後のコミュニケーションの基盤ツールとして期待できること」を徳永氏は挙げた。このLINEチャット対応には、FastHelpを利用している。


LINEチャットは、これまでのチャネルと比較し手軽な反面、オペレーターが対応する場合は、時間的な制約も生じることから、チャットボットによる自動応答にも対応を拡大している。


「単に時間外に対応ができないというだけでなく、夜間に受け付けた分を翌朝に処理する業務負荷やその対応中に問い合わせをしてきているお客様をお待たせしてしまうこと。さらには、LINEチャットでも有人だと遠慮してしまう方も多く、より気軽に対応してほしいというニーズが多かった点も、チャットボットによる自動応答を導入した理由です」と徳永氏は説明した。


一方、徳永氏は当初、「美容相談は嗜好や肌状態などの個人差が大きく、顧客の背景をふまえてアドバイスする必要があるため、チャットボットでの対応は難しい」と考えていたというが、「現段階では完全でなくても良いのでチャレンジしたい」という想いから、Webサイトの美容情報へとナビゲーションする美容相談の基本となるシナリオパターンを作成。2018年10月に運用を開始した。


運用開始当初は営業時間外のみチャットボットでの対応、と時間によって有人とチャットボット対応をわけていたが、対応履歴などを見ながらシナリオをチューニング。該当する複数の回答を用意して選んでもらえるようにしたり、有人とチャットボットを選べるようにしたりと、より顧客が使いやすい形へと進化させているという。「FastHelpでは、LINEチャットでの有人からチャットボットによる対応へ会話の途中で切り替えることが可能です」。


図2:FastHelpとLINEチャットの連携イメージ

■図2:FastHelpとLINEチャットの連携イメージ

現時点でのチャットボット導入の成果について徳永氏は、「いつでも好きな時間に、知りたいことを気軽に相談でき、すぐに提案や回答を提供できる体制が実現しつつあると評価する。そして、男性向けの回答も用意するなど、より幅広い顧客層へのアプローチが可能になっている」と話す。


また、有人対応の営業時間も短縮し、センターの人員の働き方改革にもつながっている。「社員にも利用を促進し、チャットボットをみんなで育てていきたい」と社内イベントでの企画や取り組み内容の社内外発信も行っているという。


図3:LINEチャットサポート導入効果

■図3:LINEチャットサポート導入効果

最後に、音声認識やテキスト要約、VOCの自動分類・解析などITを積極的に活用することで、お客様一人ひとりの気持ちに寄り添う「応対品質向上」と無理なく無駄ムラを省き「業務の効率化」を進めるという二律背反なことの両立を進めて行きたいと、今後のCRMの強化について語った。

作成日時2019年7月

記載の情報は2019年2月時点のものです

社名
資生堂ジャパン株式会社様
設立
1927年
事業内容
化粧品事業、その他の事業(デジタル、ヘルスケア、レストラン、小売、フロンティアサイエンス、保育、店舗・サービスなど)

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